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非の打ちどころがない好馬体のペルソナリテ:5つ☆

★キーランドC
ティーハーフ →馬体を見る
前駆が勝っていて、その分、トモの肉付きに物足りなさを残している。
レース間隔は開いた影響はなさそうだが、前半ダッシュがつかない可能性がある。
Pad3star

スギノエンデバー →馬体を見る
前走よりも筋肉のメリハリがついてきて、体調はアップしていることは間違いない。
あばらが浮いているように、7歳馬にしては研ぎ澄まされた馬体で、力は出せる仕上がり。
Pad3star

エポワス →馬体を見る
凛々しい表情が伝わってくるように、気性の前向きさがあり、体調も良さそう。
胴部には長さがあり、血統的なイメージよりもスタミナは豊富にあるはず。
Pad4star

オメガヴェンデッタ →馬体を見る
前後躯に実の入った筋骨隆々のスプリンター体型で、十分なパワーが伝わってくる。
あとひと絞りできれば万全だが、表情からは気性の難しさがうかがえるのが心配材料。
Pad3star

レッドオーヴァル →馬体を見る
毛艶も素晴らしく、筋肉のメリハリも目立ち、全体のバランスも良い。
前走に比べて、仕上がりの面では雲泥の差があり、今回は力を出し切れる。
Pad4star

ローブティサージュ →馬体を見る
牝馬らしい線の細さが残っているが、大切な部分にはしっかりと実が入っている
精神的にどこまで回復したのか表情からは見えにくく、走ってみなければ分からない。
Pad3star

★新潟2歳S
ロードクエスト →馬体を見る
手脚が長く、スラリとした体型で、いかにも2歳馬らしく線の細さを残している。
顔つきからは素直な気性が伝わってくるように、レースでも安定して走ることができる。
Pad3star

ヒプノティスト →馬体を見る
手脚がやや短いことを除けば、馬体全体のバランスが良く、新潟のマイル戦は合うはず。
この馬も表情に素直さがあり、鞍上の指示にしっかりと従って走ることができそう。
Pad3star

キャプテンペリー →馬体を見る
キャリア1戦の2歳馬とは思えない好馬体で、力強さが前面に出ている。
もうひと絞りできるが、毛艶も筋肉の柔らかみも良く、馬体が実にフレッシュ。
Pad4star

ルグランフリソン →馬体を見る
重厚感はあるが、鈍さが残っているように、現時点での馬体の完成度が低い。
血統的にも馬体的にもパワーに溢れており、一瞬のスピード感はないが逃げてどこまで。
Pad3star

ウインミレーユ →馬体を見る
ステイゴールド産駒の牝馬にしてはふっくらとして、好感の持てる仕上がり。
気性の激しさは顔つきからも窺えるように、スムーズに走れるかどうか。
Pad3star

ペルソナリテ →馬体を見る
ステイゴールドと母父アドマイヤコジーンの良い面が出ている印象を受ける馬体。
2歳馬にしては完成度が高く、現時点では非の打ちどころがない好馬体。
Pad5star

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変わらないためには変わり続けなければならない。

Keepchanging

10代の頃から、競馬について読み、書き、語ってきた。馬という文字の入った情報であれば、手あたり次第に身体の中に取り入れた時代もあったし、競馬について表現できる場がなく、もがき、苦しんだ時代もあった。なぜ自分が好きになったのが競馬だったのか、と自己嫌悪に陥ったこともある。競馬でない、何か他のものであれば、青春を謳歌できたかもしれないのに、と世を恨んだこともある。それでも競馬について考えることを止めることはできなかったし、自分には競馬について語る資質があると根拠なき自信に漲っていた(本当はそんなものはなかったけれど)。だからこそ、ここまでやってこられた。

20年以上にわたって競馬に寄り添ってきて、大きな時の流れというものを感じざるをえない。時代の変化というべきだろうか。たとえば戦争を経験したような方々が、生きて、現代に感じるような時代の移り変わりに比べると、私の感じるそれは大したことないのかもしれない。それでも私は、自分の感じるものに抗うことができない。自分自身が少しずつ、しかし大きく変わったこと(これを成長と呼ぶのかどうかは分からない)、そして、周りの環境がこれも少しずつ、大きく移り変わったこと。この2つの変化によって、時代が大きく動いたように感じるのだろう。

いつごろを境にか、競馬の産業は縮小し続けている。馬券の売り上げを基準にして1998年がピークだと言う人がいる。だとすると、バブルの崩壊や氷河期世代、それに伴う人口動態の問題、さらにインターネットの急速な普及とほぼ軌を一にする。私の世代は高度経済成長の恩恵を受けて育てられた一方で、いざ社会に出ようとしたときに梯子を外された。豊かさを知っているがゆえに、自分たちもこの手で豊かさを掴めるという幻想に憑りつかれ、誰もが落ちまいともがき続けなければならない。インターネットやSNSやスマートフォンに私たちが取り込まれるのは何ら不思議ではなく、そんな時代に競馬は取り残される。

競馬が小さくなるとどうなるのか。すぐに必要ではない文化やスポーツとしての部分が失われてゆき、目に見えやすい馬券としての部分が残る。それは本質的な部分以外が削られていくということではない。衰えると、人間の肉体から筋肉が減って脂肪が残り、終いには骨と皮だけになってしまうように、競馬も本当は大切なところから失われてゆく。書店には読みたい競馬の本がない。競馬を語る文化人も少なくなり、他に活躍の場を移していった。彼らが悪いわけではなく、彼らも時代と共に変化せざるを得ないのだ。そのうち、何もなくなり、誰もいなくなるかもしれない。そんな競馬の姿を見るのはつらい。

私たちはどう生きるべきだろう。競馬とこの国の姿はよく似ている。競馬ファンと国民も同じ。私たちは受け入れなければならない。もしかしたら、大切な何かを失ってしまったかもしれないことを。経済的にも文化的にも貧しくなっていくことを。それはそれで仕方のないことだ。過去を懐かしみ、今を嘆くということではない。大きな河の流れに身を任せるのだ。そうして漂い着いた先には、競馬はもうないかもれないし、もしかすると新しい競馬の未来があるかもしれない。それが何なのか、もちろん私には分からない。そのときにも、私がまだ競馬を語れていれば喜ばしいが、それも分からない。変わることには悲しみが伴う。しかし、私たちは変わらないためには、変わり続けなければならない。競馬もそう。変わらないためには変わり続けなければならないのだ。

Photo by 三浦晃一

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極めてシンプル、競走馬は全成績で4つのタイプに分けられる。

Rensai23

私は昔、地方競馬巡りをしていた時期があり、初めて見る、横の関係も縦の関係も全く分からない馬たちのレースを予想する際に、全成績を見るというテクニックを重宝していた。全成績とは、馬柱の一番下にある、【1着・2着・3着・それ以外】という、その馬のこれまでの戦績を表した数字列のことである。全成績を見るだけで、その馬の大まかなタイプや強さを把握することができるのである。

全成績の数字列は大きく4つのタイプに分けられる。

1、逆三角形型
2、三角形型
3、ダイヤ型
4、砂時計型

 1の逆三角形型とは、【5・3・2・1】のような数字列である。全成績を縦に並べたとして考えてほしい(通常、馬柱は縦に並んでいるので)。上に一番大きい数字が並んでいて、下に行くにつれ数字は小さくなってきている。こういう逆三角形の成績を残してきた馬は、紛れもなく強い馬である。勝ち切るだけの決め手を持っているし、どんな条件や相手だろうと、その力をいかんなく発揮できる馬である。こういう馬は安心して買っていい。

 2の三角形型とは、【1・2・3・5】のような数字列である。逆三角形型の正反対と考えてほしい。上の数字が一番小さくて、下に行くにつれ数字は大きくなる。こういう成績を残してきた馬は、あまり強くはない馬である。ほとんど勝ち負けに加われないことが多く、よほど条件や相手に恵まれた時だけ好走することが可能である。

(続きは週刊Gallopにて)

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新潟2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Niigata2sais

■1■早熟のマイラーを狙え
マイル戦で行われるようになった過去10年の勝ち馬をみると、朝日杯フューチュリティSの勝ち馬が2頭(マイネルレコルト、セイウンワンダー)と阪神牝馬Sや桜花賞を勝ったハープスターが出ていることが分かる。G1馬を3頭も出しているのだから、新潟2歳Sも十分な出世レースといえるのだが、ハープスターを例外として、どうにもスケールの小ささは否めない。ジャングルポケット、アドマイヤムーン、ロジユニヴァースを出した札幌2歳Sと比べ、わずか200mの距離の違いにもかかわらず、この隔たりはなんだろうか。

気候などの環境が良い札幌には、素質馬やトップジョッキーが集まりやすいという事情はさておき、新潟2歳Sに出走する馬はマイルがドンピシャであることが多い。野芝がびっしりと生え揃った新潟の馬場は、札幌競馬場の洋芝に比べると、圧倒的に軽くて走りやすい。驚くべき好タイムが出るのはそれゆえである。同じ距離を走ったとしても、野芝と洋芝の馬場では要求されるスタミナが違ってくるのだ。

そうは言っても、新潟競馬場の1600mコースは外回りで最後の直線が659mと長く、単なるスピード馬では乗り切れない。ゴールまでスピードを持続させるスタミナが必要とされるのだ。さらに、この時期の完成度も高くなければならない。つまり、簡単に言うと、新潟2歳Sは早熟のマイラーを狙えということである。

■2■牡馬と牝馬は互角
前述したとおり、新潟競馬場1600mコースは外回りで最後の直線が長く、ごまかしの利かないフェアなコースである。コーナーリングの器用さや一瞬の脚だけでは勝ち切れない。最後は激しい叩き合いと追い比べになることだろう。そういった意味でも、牝馬よりも牡馬にやや分があると言ってよいが、過去9年の勝ち馬を見てみても、牡馬の6勝に対し牝馬は4勝と、案外、牝馬も牡馬と互角に戦っている。タフなレースにはなるが、直線が平坦であることからも、非力な牝馬でもパワー不足に泣くことはない。

■3■直線は外に出す
スタートから最初のコーナーまでの距離が長く、コーナーも2つしかないコース形態のため、枠順による有利不利はほとんどないと考えてよい。コーナーの回りがきついことを考慮すると、外枠で外を回されるよりも内の方が良いことは確かだが絶対条件でもない。ジョッキーの腕でいくらでもカバーできる部分である。

しかし、直線では外に出した馬の方が伸びる。いくら絶好の野芝とはいえ、最終週であることは確かなので、使い込まれて傷んだ内よりも外の方が走りやすい。また、直線を走る距離が長いので、その分、良いところを走られる馬とそうでない馬との差が出てしまうのである。まとめると、道中は内を走りながら、直線では外に出して走られる馬が狙い目である。

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ダービーフィズとビッグアーサーが文句なしの5つ☆

★札幌記念
トーホウジャッカル →馬体を見る
あまり贅肉がつかないタイプなのだろう、アバラが浮いたように見えて仕上がり良好。
線の細さは少し残してはいるが、全体的な筋肉のメリハリは実に素晴らしい。
Pad4star

ラストインパクト →馬体を見る
全体的に余裕残しの仕上がりには映るが、天皇賞春を激走した疲れは癒えている。
筋骨隆々の力強さに溢れる馬体には、距離短縮が必ずやプラスに働くはず。
Pad3star

ダービーフィズ →馬体を見る
前走とほとんど変わらないメリハリの利いた馬体で、全体のバランスも素晴らしい。
胴部が拳ひとつ分ほど伸びたように映るのは、きっちりと絞れたからだろうか。
Pad5star

ラキシス →馬体を見る
滞在競馬が合っているからか、腹回りにはまだ余裕があり、仕上がりは物足りない。
前走の宝塚記念が太かっただけに、今回は仕上げてくるだろうが心配は残る。
Pad3star

ヒットザターゲット →馬体を見る
華奢なイメージは相変わらずで、このメンバーに入るとパワーという点で見劣りする。
前走は走ったポジションが良かったが、さすがに今回勝ち切るだけの力は疑問。
Pad3star

ディサイファ →馬体を見る
昨年に比べてパワーアップはしているが、その分、馬体から軽快さが消えている。
まだ腹回りに余裕があり、もうひと絞りほしい馬体だけに本番までにどこまで。
Pad3star

ハギノハイブリッド →馬体を見る
前駆の盛り上がりは凄いものがあり、力の要る洋芝のコースは合っているのかも。
前に比べるとトモの実の入りも物足りないが、力は出し切れる仕上がりにある。
Pad3star

★北九州記念
ビッグアーサー →馬体を見る
どこからどう見ても典型的な短距離馬であり、全身から伝わるパワーがすごい。
顔つきを見ても闘争心にあふれて、さらに上を目指せる器であること間違いなし。
Pad5star

ベルカント →馬体を見る
若駒のころから馬体は細く、重賞クラスのメンバーに入ると線が細く感じてしまう。
それでもこれだけの成績を残せているということは、持って生まれたバネだろう。
Pad3star

ベルルミエール →馬体を見る
スプリンターらしい体型ではあるが、どこかに牝馬らしい線の細さも感じさせる。
表情を見ると、気性的に繊細な部分があるようで、スムーズに走られるかどうか。
Pad3star

サドンストーム →馬体を見る
年齢を重ねて、さらに馬体に逞しさをまし、つくべきところに筋肉が付いて来た。
闘争心満々な表情からも、体調は優れていて、勝ち負けになる仕上がりの良さ。
Pad4star

マヤノリュウジン →馬体を見る
筋肉のメリハリという点では物足りないが、レースを重ねてきた経験はある。
腹回りに少し余裕があるので、本番までにあとひと絞りできれば。
Pad3star

バーバラ →馬体を見る
以前にも増して実が入ってきて、短距離馬としての筋肉がついてきた。
筋肉の柔らかみと毛艶の良さが示すように、夏場に入って体調がピークを迎える。
Pad3star

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マイヒーロー、マンハッタンカフェ

今週の札幌記念に向けて「週刊Gallop」の連載を書き終え、久しぶりの夏休みを取ってのんびりしていると、編集部から「ルージュバックが出走回避しました」との連絡があった。やはりルージュバックには荷が重かったかと心の奥底で反省しつつ、慌てて一から原稿を書き直し、なんとか締め切りに間に合った。発熱するような状態では、勝ち負けにはならなかっただろうし、もう少し休ませてほしいという馬からのサインを見逃さなくて良かったと思う。そんな経緯もあってか、翌日、ルージュバックの父マンハッタンカフェが亡くなったと聞き、禍福は糾える縄の如し、良いことも悪いこともつながっているものだと実感した。

最も印象に残っているマンハッタンカフェのレースは、2002年の天皇賞春である。ジャングルポケットやナリタトップロードとの3強対決を制し、サンデーサイレンスの血の凄さと自身が最強のステイヤーであることを証明した一戦である。菊花賞はもちろん馬券を持っていなかったし、有馬記念は彼のせいで寒空の下のオケラ街道を歩いて帰らされることになったにもかかわらず、天皇賞春はマンハッタンカフェが勝つと信じて疑わなかった。この時点ですでにマンハッタンカフェの強さを認めていた、いや認めざるを得ないほど強かったということだろう。そして、実際に大枚をはたいて単勝を買った。

早めに先頭に立ったマンハッタンカフェからは、絶対に抜かせないという気迫が伝わってきた。私は勝利を確信し、馬券を片手に安心して狂喜乱舞することができた。勝って当然、負けるわけがないと私は思っていたが、あとから小島太調教師のエピソードを聞くと、実はそんなに簡単ではなかったということが知れて、冷や汗が出たものだ。マンハッタンカフェは蹄が薄くて苦労した馬で、天皇賞春のときはその蹄の状態が思わしくなく、出走するかどうかさえ悩んでいたという。そんな薄氷を踏むような勝利であったとは露知らず。そう言われてみれば、直線で脚を引きずって走っているように見えるし、いつものマンハッタンカフェらしい鋭さに欠けたのもたしかである。

マンハッタンカフェが現役を引退し、種牡馬入りした年、たまたま社台スタリオンステーションを訪れた。次から次へと現れる豪華絢爛な種牡馬たちの中でも、マンハッタンカフェとシンボリクリスエスの馬体の美しさには驚かされ、その場に立ち尽くして見惚れてしまったことを思い出す。2頭ともつい最近までターフを走っていたからかもしれないが、彼らが種牡馬としても成功したことは、あの神秘的な馬体を知る私にとっては何ら不思議ではない。

そんな美しい馬体を誇ったマンハッタンカフェも、最期は骨と皮だけになっていたという。腹腔内腫瘍、つまり人間でいうガンを患っていたそうだ。それでも生きようとする生命力には感心させられた、と小島太調教師は語った。その言葉を聞いたとき、私には天皇賞春の最後の直線で、蹄の傷みに耐えながらも抜かせまいと踏ん張るマンハッタンカフェの姿が浮かんだ。あのときと同じように、ガンに冒されながらも、最期まで生きようと力を振り絞ったのだと思う。彼は最後の最期まで走り続けたのである。そして彼は勝った。

マイヒーロー、マンハッタンカフェ。

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厳しい長距離GⅠでの経験を糧として生かせる馬を見極めろ

Rensai22

3000m以上の長距離G1レースを使うことには、メリットとデメリットが同居する。メリットは、レースに行って騎手の指示に忠実に従い我慢強く走ることができるようになること。一方のデメリットは、肉体的にも精神的にもダメージを負ってしまうことである。メリットとデメリットのどちらが大きいかはそれぞれの馬の状況によって異なるが、特に若駒の馬体ができていない時期にはデメリットの方が大きい。たとえば、3歳時に菊花賞のような激しいレースで勝つもしくは好走することは、大きな代償を伴うのだ。

ドリームジャーニーという馬が菊花賞を走った後にスランプに陥ったことがあった。ドリームジャーニーはご存じオルフェ―ヴルの全兄であり、血統的には長距離を走れなくはないはずだが、2歳時に強烈な末脚で朝日杯フューチュリティSを勝ったように、本質的にはマイルから中距離を得意とする馬であった。馬体も気性も、決して長距離向きのタイプではなかった。そのドリームジャーニーが菊花賞に出走し、負けはしたものの、あらん限りの力を振り絞って激走したことで、その後、凡走を繰り返すことになったのだ。

ようやくドリームジャーニー本来の姿に戻り始めたのは、菊花賞から半年以上が経った翌年の夏の小倉記念であった。それまでのチグハグなレースが嘘のように、ドリームジャーニーらしい鋭い差し脚が見られるようになり、少しずつ歯車がかみ合ってきた。菊花賞のダメージから回復した2009年には、宝塚記念を制しておよそ3年ぶりのG1レース勝利を収め、さらに暮れの有馬記念でも勝利を飾るほどに成長を遂げたのである。

ドリームジャーニーの競走成績を振り返ってみて、私が教えてもらったのは、距離適性のない若駒が長距離G1レースに出走し、勝つもしくは好走することで大きなダメージを負い、完全に回復するには比較的長い期間が必要であること。そして、ひとたび本来の姿を取り戻すと、肉体的にも精神的にも苦しいレースをした経験が生きて、道中では我慢強く走ることができるようになり、多少の厳しいレースを強いられてもへこたれなくなる。つまり、馬が大きく成長するということである。

(続きは週刊Gallopにて)

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札幌記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sapporo

■1■G1馬もしくはG1級の馬
過去の勝ち馬を見ると、2つのタイプがいることが分かる。エアグルーヴ、セイウンスカイ、テイエムオーシャン、ファインモーション、フサイチパンドラなど既にG1を勝っていた馬と、ヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーン、アーネストリー、トーセンジョーダンなど札幌記念を勝利した後にG1を勝った馬である。つまり、札幌記念はG1級の力がないと勝つのが難しいレースである。

札幌競馬場はヨーロッパの馬場に近いタフな馬場であり、本当に能力がないと勝てない。さらに札幌記念には古馬の一戦級が集まってくるため、このレースを勝つことはG1レースを勝つだけの能力が優にあることの証明でもある。札幌記念はG2レースではあるが、G1馬もしくはG1級の能力がある馬を狙ってみたい。

■2■牝馬
牡馬(セン馬含む)【5・7・7・93】 連対率11%
牝馬         【4・2・2・9】  連対率35%

過去9年間で牝馬が5勝しているだけでなく、連対率も35%と驚異的な数字を残している。平坦コースが牝馬にとってプラスに働くということに加え、前述のようにG1級の能力がなければ勝てないレースに出てくるということは、それだけ体調が良いということである。古馬の一戦級を相手に回して、勝負になる手応えがあるからこそ出走してくる牝馬には要注意。

■3■一瞬の切れを持った差し馬
スタートから第1コーナーまで400mほどの距離があるため、内枠外枠での有利不利はほとんどない。それでも、4つコーナーを回る小回りの競馬場である以上、第1コーナーまでに内のポジションを取れないと、終始外々を回らされる羽目になる。特に外枠を引いた馬は苦しいレースを強いられるだろう。

また、G1級のメンバーが揃うこともあって、道中のペースは速くなることが多い。逃げ・先行馬よりも差し馬を狙いたいのだが、いかんせん最後の直線が短い。よって、最後の短い直線だけで差し切ることのできる、一瞬の切れを持った差し馬が狙いか。

このように、あらゆる意味で札幌競馬場は騎手の技術が問われるレースであり、過去10年で武豊騎手が2勝、横山典弘騎手、福永祐一騎手がそれぞれ1勝しているように、ジョッキーの腕も問われることになる。

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マイルあたりがベストかもしれないマジェスティハーツ:5つ☆

★エルムS
ソロル →馬体を見る
手脚が短く、全体的に重心の低さが目立ち、スタミナに若干の不安を感じさせる。
毛艶の良さはそれほどではなく、筋肉のメリハリもあと一歩で、仕上がりは今一歩。
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ジェベルムーサ →馬体を見る
やや腰高に映るように、牡馬にしては腹回りに物足りなさがあり、パワー不足か。
斑点が浮かんでいるように、皮膚の薄さは十分であり、表情も涼しげで体調は万全。
Pad3star

エーシンモアオーバー →馬体を見る
9歳という年齢を感じさせる立ち姿であり、力強さやメリハリのなさは否めない。
それでも首回りから前駆にかけてのボリュームは良く、ダートなら力を出し切れる。
Pad3star

カチューシャ →馬体を見る
前駆の盛り上がりは素晴らしく、力感はあるが、全体のバランスはイマイチ。
トモ高に映るように、スピードタイプなのだろうが、それにしても後躯が薄い。
Pad3star

グレープブランデー →馬体を見る
馬体だけを見ると、G1レースを制した絶好調時と遜色なく、体調は万全といえる。
7歳馬にしては黒光りする毛艶も素晴らしく、この馬の力は出し切れるはず。
Pad4star


★関屋記念
カフェブリリアント →馬体を見る
ここに来て胴部に伸びが出てきているように、さすが堀厩舎の管理馬という雰囲気。
腹回りに少し余裕があるので、本番までにあとひと絞りできれば。
Pad4star

スマートオリオン →馬体を見る
前駆が力強い体型はいかにもグラスワンダー産駒だが、毛艶が冴えないのが気になる。
表情からも元気のなさが伝わってくるようで、やや夏負け気味かもしれない。
Pad3star

アルマディヴァン →馬体を見る
メジロ牧場の血が色濃く、スタミナ色が強いかと思いきや、そうではない体型。
手脚は長いが、胴部はやや詰まっていて、マイル戦がこの馬にとってはベストか。
Pad4star

レッドアリオン →馬体を見る
胴部には十分な長さがあり、スタミナを要する新潟競馬場のマイル戦は合いそう。
とはいえ、腹回りには余裕があり、あとひと絞りされないとスタミナ切れしそう。
Pad4star

マジェスティハーツ →馬体を見る
腰高の馬体からはスピード感が伝わってくるように、マイルあたりがベストかも。
全体的に筋肉のメリハリが素晴らしく、しっかりとした末脚を繰り出せるはず。
Pad5star

エキストラエンド →馬体を見る
前駆がやや勝っていて、直線が平坦な競馬場の方がよりこの馬の末脚が生きる。
絶好調時の柔らかみはないが、毛艶は良く、この時期でも体調は問題なし。
Pad3star

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海外競馬の馬券が買えるようになることで

Gooversea

早ければ来年度から、日本馬が出走する海外の大レースの馬券が買えるようになるらしい。年間20レース程度ということであり、凱旋門賞やドバイワールドカップ、メルボルンC、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、香港Cなどがパッと思い浮かぶが、他にはどのようなレースが選ばれるのだろう。そもそも日本馬が出走しなければ馬券は売られないのか、オッズや発売する馬券式別は独自に設定されるとはどういう形になるのか、など雲を掴むような話ではあるが、日本の競馬ファンにとっては世界の競馬へと目を向ける良いきっかけとなることは間違いない。

私たち日本の競馬ファンは、歯に衣を着せずに言うと、海外競馬のことにほとんど興味がない。これは競馬のブログを曲がりなりにも15年間運営してきた私の実感である。ひと頃、海外の競馬場に足を運び、レポートを書くという企画をしたことがあり、その足掛かりとしてシンガポールに渡ったことがある。かなりの時間やお金をかけてシンガポールの競馬について書いたつもりであったが、実際にはあまり読まれていなかった。その他、海外の競馬に関するエントリーを書いたこともあったが、その時も反応はイマイチであった。日本馬が出走しない海外の競馬やレースには日本の競馬ファンは興味を示さない、というのが私の結論である。

なぜかというと、馬券が買えないからである。日本の競馬は文化的にも興行的にも成功を収めているが、それは馬券というシステムに支えられている。ミスター競馬と称された故野平祐二氏は、「競馬は文化であり、スポーツである。単なるギャンブルではない。『競馬とばく』と呼ばれていた時代から『ギャンブル一辺倒からの脱却』、その実現のために苦しんできた。ギャンブルだけでは競馬は滅びてしまう。そういう恐怖におびえていたからだった」と語り、彼を筆頭とした多くのホースマンたちの多大な貢献によって、日本の競馬はギャンブル一辺倒から脱却し、ここまでの発展を遂げたのだ。日本の競馬の素晴らしさは、あやうく絶妙なバランスの上の、ギャンブルと文化、スポーツの見事な融合にある。

馬券が買えるようになることで、私たち日本の競馬ファンは世界の競馬も大いに楽しむことができるようになるだろう。文字通り世界に目を向けて、世界の競馬やレースを語り、それがきっかけとなって、実際に世界の競馬場に足を運んでみるという人も増えるはず。それは本当に幸せなことだ。世界の競馬の奥深さを知ることができ、競馬を通して私たちの地図が広がるだけではなく、競馬にもいろいろあって、様々な人々がいることを身をもって感じることができる。そして何よりも、日本の競馬の素晴らしさを知ることができる。私が海外の競馬場に足を運び、骨の髄まで遊びつくし、最後の最後に感じるのは、日本の競馬はなんて素晴らしいのだということだ。

Photo by 三浦晃一

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調教、馬具、不慣れなレース出走で刺激を受け覚醒した馬を狙え

Rensai21

人間がそうであるように、馬も慣れてしまう生き物である。同じような環境で、同じようなことを繰り返していると、次第に慣れてきてしまう。慣れることには良い面もあるが、悪い面もある。競走馬が競馬に慣れてしまうと、調教に行くのを嫌がったり、すぐに厩舎に返ろうとしたり、レースに行って本気で走らずに全力を出し切らなくなってしまう。毎回、手(脚?)を抜かずに、入れ込んで燃え尽きてしまう馬もそれはそれで大変だが、慣れることによって走らなくなってしまう馬がほとんどであるから、競走馬をいかに慣れさせない、飽きさせないようにするかは関係者にとっては大きな問題のひとつである。

慣れさせないために、または慣れてしまった馬を再び走る気にさせるために、馬に刺激を与えるという方法がある。決して電気ショックを与えるとか、痛みを味あわせるということではない。具体的には、今までに体験したことのないようなレースに出走させたり、新しい調教法を試したり、馬具をつけてみたりするということだ。刺激を与えることによって、競走馬は特に気持ちの面においてリフレッシュされ、活性化することになる。これまでになかった新しい面を見せる馬もいるし、再び能力を十全に発揮できるようになる馬もいる。

宝塚記念と有馬記念という両グランプリを逃げ切ったメジロパーマーは、障害レースを2戦走ったことがあるという異色の経歴を持つG1ホースである。メジロパーマーは、古馬になって札幌記念を制したものの、巴賞、函館記念、京都大賞典と目も当てられない大敗を繰り返したことで(特に京都大賞典は3分2秒差の最下位)、陣営は思い切って障害レースへの出走を試みた。障害レースで2戦走り、1着、2着と好成績を残したあと、再び平地のレースに戻ってきたメジロパーマーは見違えるような走りを見せるようになり、あのメジロマックイーンやライスシャワーとも互角に渡り合う名馬となったのである。

障害レースに向けて調教することで、トモに筋肉がついたり、前さばきが軽くなったり、また道中で息を抜いて走ることができるようになったりと、様々な効果があったと言われるが、何よりも馬に刺激が与えられたということが大きい。そもそも陣営は本気でメジロパーマーを障害路線に転向させようと思っていたわけではなく、障害レースに出走させることでこの馬の新たな面を引き出そうと考えていたのであろう。陣営の考えが吉と出て、メジロパーマーは肉体的に成長したばかりではなく、新しい刺激を受けたことで精神的にリフレッシュされ、走る気持ちを取り戻したのである。

(続きは週刊Gallopにて)

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関屋記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sekiyakinen

■1■2000m以上の距離に実績のある中距離馬
スタートしてから最初のコーナーまでの距離、そして最後の直線が圧倒的に長いため、どの馬にとっても息の入らない厳しい流れになる。そのため、スピードよりも、スピードを持続させるためのスタミナがまず問われることになる。全体のタイムや速い上がりタイムが出ることに惑わされることなく、2000m以上の距離に実績のある中距離馬を狙いたい。

■2■ノーザンダンサー系
新潟1600mのコース形態上、スピードの持続を問われることは前述したとおりだが、そのような舞台を最も得意とするのがノーザンダンサー系の馬たち。一瞬の脚で勝負するようなレースでは惜敗を喫してきたノーザンダンサー系の馬たちが、コースを味方にして台頭する。また、ノーザンダンサー系の馬は厳しい気候にも強く、新潟の酷暑にも耐えることが出来ることも、関屋記念を得意とする理由のひとつ。

■3■先行馬もしくはアウトインアウト
2005年 12.3-10.7-11.6-11.9-12.0-11.3-10.6-11.9(46.5-45.8)M
2006年 12.9-11.0-11.7-11.7-11.7-11.3-10.1-12.1(47.3-45.2)S
2007年 12.8-10.6-11.0-11.2-11.7-11.8-10.3-12.4(45.6-46.2)M
2008年 12.6-11.3-12.1-12.3-11.6-11.0-10.0-11.9(48.3-44.5)S
2009年 12.2-10.8-11.6-12.3-12.1-11.3-10.7-11.7(46.9-45.8)S
2010年 12.7-11.3-12.2-12.0-11.5-10.6-10.3-12.3(48.2-44.7)S
2011年 12.5-10.5-11.5-11.7-11.6-11.8-10.9-12.1(46.2-46.4)M
2012年 12.2-10.9-11.9-12.0-11.7-11.1-10.4-11.3(47.0-44.5)S
2013年 12.3-10.7-11.5-11.7-11.7-11.8-10.8-12.0(46.2-46.3)M
2014年 12.6-10.9-11.4-11.6-11.6-11.5-10.8-12.1(46.5-46.0)M

2010年や2012年は極端にしても、前半よりも後半の方が速い、全体としてスローに流れるレースが多い。また最後の直線が659mと長いため、異常なほどに速い上がり3ハロンのタイムが計時される。これだけ上がりが速いと、当然のことながら、前に行っている馬にとっては有利なレースとなる。

新潟競馬場は、押し潰された長円形の形状で、JRAの競馬場では最もコーナーの曲がりのきついコースとなる。新潟のマイル戦では、スタート後の長い直線で勢いがついたままコーナーに突っ込んでいくため、意外とスピードが落ちず、コーナーが曲がりにくい。そのため、減速することなく内ラチに沿ってコーナーを回るのは難しい。外から切れ込むようにしてコーナーを回り、直線では再び外に出すような、アウトインアウトのコース取りが理想的。外枠から発走する馬は、そのようなコース取りがしやすい。

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ここに来て絶好調のノボリディア―ナ:5つ☆

★レパードS
ゴールデンバローズ →馬体を見る
よくぞここまでバランス良くつくると思わせられるほど、申し分ない立ち姿。
海外遠征明けをひと叩きされ、馬体は問題なく、中身が良化してきたら走るはず。
Pad4star

ノボバカラ →馬体を見る
父の馬体からはイメージできないほど、前駆が力強く、ダートは走りそう。
トモの肉付きは物足りないが、母系のフレンチデピュティの血が出ているのだろう。
Pad3star

アルタイル →馬体を見る
立ち姿や顔つきを見る限りにおいて、相当に気性が難しいタイプだろう。
馬体には力強さがあるが、全体的に幼さも残っていて、これから先良くなる馬か。
Pad3star

ディアドムス →馬体を見る
他の出走馬と比べると線の細さが目立つように、ダート戦にしては力強さに欠ける。
それでも手脚には長さがあり、馬体に実が入ってくれば、走ってくるはず。
Pad3star

クロスクリーガー →馬体を見る
こちらも父というよりは、母父のブライアンズタイムの血が出ている。
それでも、トモ高に映るあたりは、アドマイヤオーラの面影もあり好感が持てる。
Pad4star

ライトオンウインド →馬体を見る
胴部にしっかりと実がついている分、詰まって見えるが、力強さに溢れている。
前駆も盛り上がって、トモのボリュームもあり、前後のバランスも素晴らしい。
Pad3star

ダノンリバティ →馬体を見る
決してパワーがないわけではないが、腰高の馬体からはスピードを感じさせる。
その点においては芝の方が合いそうだが、毛艶は冴えて体調は良さそう。
Pad3star

★小倉記念
ベルーフ →馬体を見る
休み明けにしては余分な肉がついておらず、ほぼ問題なく仕上がって出走してくる。
3歳馬らしく筋肉に柔らかみがあるが、前駆と比べてトモの容積に物足りなさがある。
Pad3star

メイショウナルト →馬体を見る
ハーツクライ産駒らしく、派手さはないが、薄くて長距離が合いそうな馬体。
表情からは気性面で激しさがあるのだろう、スムーズに走ることができれば。
Pad3star

タガノグランパ →馬体を見る
手脚が短く、重心が低いにもかかわらず、胴部には長さがあるアンバランスさ。
そのためか距離適性が定まらないが、中距離線が現状としてはベストだろう。
Pad3star

ウインプリメーラ →馬体を見る
ステイゴールド産駒の牝馬らしからぬ、ふっくらとしてフレッシュな馬体を誇る
胴部はコロンとして、2000mの距離は微妙だが、前後の筋肉のメリハリは良い。
Pad4star

パッションダンス →馬体を見る
トモの肉付きが物足りなく、全体的に馬体の薄さを感じさせ、パワーが足りない。
首から前駆は鍛え上げられていて、車で言うと前輪駆動で走るタイプか。
Pad3star

ノボリディア―ナ →馬体を見る
胴部には余裕があるが、前後躯にしっかり実が入って力強さを前面に出した馬体。
筋肉には柔らかみがあって、毛艶も良く、ここに来て絶好調と言ってもよい。
Pad5star


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一口功労馬主

Hitokutikourouba

今週号の週刊Gallopの特集「功労馬に会いに行こう」にナムラコクオーの名を見つけたとき、思わず前のめりになって読み入ってしまった。生きていたのかというのが正直な感想であり、土佐黒潮牧場で悠々自適な生活を送っていると知り、何とも言えない嬉しさがこみ上げて来た。牧場を走るナムラコクオーの後ろ姿を見て、私が自由な身であれば、今すぐにでも高知に飛んでいきたいとさえ思えた。現在ターフで闘う現役のサラブレッドに光が当たるのは当然として、かつての英雄たちの元気な表情を見ると、いかに自分が競馬と共に生きて来たかを思い知らされる。

あの馬はここにいるのか、ああ懐かしい名前だなあと思いつつ、付録の全国功労馬MAPを見てみると、これだけの功労馬が日本全国のあちこちに繫養されていることに驚かされる。もちろん、こうして引退後も功労馬としてのんびりと生活できるのは、ごく限られた馬たちであることも確かである。それでも、彼ら彼女らが周りの人々の愛情によって支えられて生きていることは喜ばしいというか、私たち競馬ファンはそういうところまで想いを馳せ、感謝したいと思うのだ。そして、できれば1人でも多くの人々が、功労馬を支援する活動に関わることができることを願う。

2015年度の助成額としては、中央競馬の重賞優勝馬は月額2万円、地方競馬のダートグレード競走優勝馬は月額1万円になるそうだ。これだけでも全く足りないはずだが、重賞を勝つことができなかったような馬を繫養していくのは、なおさら難しいことが分かる。個人的には馬主が責任を持って天寿を全うさせてもらいたいと思う。とはいえ、サラブレッドは経済動物であることも確かであり、だからこそ馬1頭に数千万から億単位のお金が投じられ、競馬産業が成り立っている以上、走らなくなった馬を全て功労馬にすることが経済合理性に反することもよく理解できるから悩ましい。

そこでひとつ提案なのだが、一口馬主ならぬ一口功労馬主を募集してはどうか。里親やサポーターというよりは、一口功労馬主として自分にとっての名馬を支えていく。現役の頃はとても手の届かなかった名馬でも、一口1000円から3000円ぐらいで功労馬としては馬主を名乗れるということだ。それはそれで名誉なことではないか。具体的なメリットがほしいという方には、牧場を訪ねたときに口取り写真を撮影したり、乗馬としてその背に乗ることができる馬もいるかもしれない。一口馬主のように、実際のレースで走ったり、あわよくば賞金を稼いできたりすることは万が一にもないが、馬代金を回収できないという悲劇はなく、必要なのは維持費だけである。

結局、活躍馬だけが功労馬になれるということかもしれないが、一口馬主がこれだけ一般の競馬ファンの間に浸透した今ならば、自分が一口を出資していた馬の引退後、功労馬としても一口を持つという流れをつくっていくことで、多くの無名な馬たちも救われることもあるかもしれない。そうなるためには、もっと馬と人間の距離を縮めなければならない。サラブレッドと私たち競馬ファンを近づけなければならない。たった一口しか持っていなかったとしても、そこに動物同士としての愛情や愛着があれば、現役を引退したあともつながりを失いたくないと思うのが自然な感情であろう。流行りのPOGや一口馬主のシステムが、馬の誕生から競走馬としてターフで走るまでだけではなく、現役を引退して余生を過ごすところの流れまでフォローできると、競馬の本当の奥深さが私たち競馬ファンにも分かるかもしれない。

Photo by 三浦晃一

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牝馬が夏に強い理由はパワーを必要としない平坦な競馬場にある。

Rensai20

夏競馬攻略法のひとつに、牝馬を狙うというものがある。これまで20年以上競馬を観てきて、夏競馬における牝馬の強さはよく分かっているつもりだが、牝馬が暑さに強い理由にはどうしても納得がいかない。生物学的に、牡馬に比べ牝馬は暑さや痛みなどに対して我慢強く、また環境の変化への対応力にも長けているとされる。本当だろうか。

人間で考えてみても、後者は確かにそうだろう。新しいコミュニティに放り込まれても、素早く自然に溶け込んでいくのはまず女性であることが多い。そうやって、我われ人間はコミュニティや文化を保ってきたという面もある。人間関係だけではなく、気候などの変化に対しても、女性の方がスムーズに適応しやすい。男性に比べ、生命力が強いという言い方もできる。

それでは、前者はどうだろうか。100歩譲って痛みに強いことは認める。女性は出産の際の激痛にも正気を保っていられるが、男性であれば気絶してしまうという。自分の股下からあれだけ大きなものが出てくることを想像するだけで、私には耐えられない。しかし、暑さとなると話は別である。私の知っている限りの女性は皆、男性である私よりも暑さに弱かったと思う。

これはあくまでも個人的な見解だが、なぜ女性が暑さに弱いかというと、肉体の構造上、男性よりも脂肪の割合が多いからである。寒い時期には脂肪は保温の役割を果たすが、暑い時期には熱を逃がさない作用をしてしまう。羽毛の布団をかけているようなものだ。もちろん、個人差があるので、一概に決め付けられないことは分かっている。それでも、暑さということに限って言えば、女性の方が男性よりも暑さに強いということはないのではないか。

夏競馬で牝馬が活躍するのは、実は別の理由がある。

(続きは週刊Gallopにて)

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小倉記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Kokurakinen

■1■高速馬場に対応できるスピード
サマー2000シリーズ第3戦。2006年から北九州記念が1200m戦となり、小倉記念が7月最終週~8月第1週へとスライドされた。主なステップレースは七夕賞となるが、レースの特徴から考えても、七夕賞と小倉記念は直結しない。

なぜなら、七夕賞が福島競馬場の荒れてきた馬場で行われることに対し、小倉記念は野芝が生え揃った絶好の馬場で行われるからである。野芝は気候の暖かくなる6月くらいから成長し、8月の最も熱い季節に最盛期を迎える。野芝100%で行われる小倉競馬場の馬場は、これ以上ないほどの絶好の高速馬場となる。つまり、七夕賞ではパワーが求められるのに対し、小倉記念は高速馬場に対応できるスピードが求められることになるのだ。

後半からラップが急激に上がるため、スピードの持続力も必要とされることになるところがミソ。速い持ち時計があり、なおかつそのスピードを支えるスタミナを秘めた馬が狙いか。

■2■前走の着順
前走の着順別の小倉記念での成績を見てみたい(過去10年間)。

前走1着    【2・3・4・17】 連対率19%
前走2着    【3・1・1・8】 連対率31%
前走3着    【1・2・0・7】 連対率30%
前走4着    【0・0・1・10】 連対率0%
前走5着以下 【2・3・4・39】 連対率9%
前走10着以下 【2・1・0・39】 連対率7%

前走で勝ち負けになっていた馬の連対率が圧倒的だが、これは夏の上がり馬が活躍していること以上に、北九州記念と小倉記念の結びつきの強さを示していた。1ヶ月前にほぼ同条件で行われていた北九州記念の好走組が、小倉記念でも好走するのは至極当然である。

しかし、上で述べたように、主なステップレースが北九州記念から七夕賞へ変わったことにより、前走の着順がそのまま小倉記念へとスライドすることはなくなるはずである。どちらかというと、七夕賞のレースが適性に合わなかった馬の巻き返しというパターンが多くなるはずで、前走の着順はさほど気にしなくてもよいだろう。

■3■内枠の差し馬有利
かつて小倉記念は馬場の内が悪い重賞であった。なぜなら、連続開催の3回小倉が始まる頃、1回小倉以降に張り替えた部分のAコース最内がかなり傷んでくるからである。ちょうどその辺りに小倉記念は位置していたため、馬場の良い所を走られる外枠を引いた馬は有利であった。しかし、2006年からは開催時期がズレたことにより、内外の有利不利がなくなった以上、4つコーナーの小回りコースということを考えれば内枠有利となる。そして、各馬が直線の短さを意識して早めに仕掛けることで、一瞬の脚を持った差し馬にとって絶好の舞台となることも覚えておきたい。

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磨き込まれた素晴らしい馬体のアースソニック:5つ☆

★アイビスサマーダッシュ
セイコーライコウ →馬体を見る
8歳馬にしては若々しさが馬体にあり、昨年時のそれとほとんど変化ない。
胴部が詰まった典型的な短距離馬の馬体ではなく、スタミナも感じさせる。
Pad3star

サフィロス →馬体を見る
いかにも短距離馬といったコロンとした馬体で、1000m戦は得意としそう。
まだ表情にも馬体にも幼さは残しているが、勝ち切れるスピードは十分にある。
Pad4star

フレイムへイロ― →馬体を見る
首が短くて位置が高いため、距離は短い方が良さは出るが、最後の詰めに疑問。
筋肉のメリハリもあり、毛艶は十分で、体調は最高の状態にあるはず。
Pad3star

アースソニック →馬体を見る
こちらも胴部が詰まって、筋骨隆々のいかにも短距離馬といった好馬体。
毛艶もよく、筋肉のメリハリも素晴らしく、磨き込まれた素晴らしい馬体。
Pad5star

レンイングランド →馬体を見る
腰高の馬体から伝わってくるように、距離は短ければ短いほど良いタイプ。
毛艶の良し悪しは見分けにくいが、目の輝きからは体調はすこぶる良さそう。
Pad3star

ヘニーハウンド →馬体を見る
鍛え上げられた筋肉が見て取れ、特に前駆の盛り上がりとメリハリは素晴らしい。
それに対して、やや後ろのトモの部分に物足りなさがあり、あと一歩という馬体。
Pad3star

★クイーンS
ブランネージュ →馬体を見る
前後のバランスが取れていて、全体的なシルエットが美しい馬体を誇っている。
斑点が馬体に浮いているように、夏場に強く、体調は現在のところ絶好調と言ってよい。
Pad4star

フーラブライド →馬体を見る
とても牝馬とは思えない、筋肉量とメリハリの素晴らしさでパワーが漲っている。
洋芝が合うかどうかは微妙だが、6歳になっても衰えを知らない好馬体。
Pad3star

レッドリヴェール →馬体を見る
皮膚が薄く、毛艶も素晴らしく、夏場に調子を上げるタイプの馬かもしれない。
それでも、腹回りに寂しさがあるのは相変わらずで、飼葉食いが悪いのだろう。
Pad3star

フレイムコード →馬体を見る
この馬も牝馬らしからぬ筋肉量の多い馬体で、いかにもダートに適性がありそう。
その分、鈍重さは否めず、小回りコースで上手く立ち回れるのか心配はある。
Pad3star

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