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一口功労馬主

Hitokutikourouba

今週号の週刊Gallopの特集「功労馬に会いに行こう」にナムラコクオーの名を見つけたとき、思わず前のめりになって読み入ってしまった。生きていたのかというのが正直な感想であり、土佐黒潮牧場で悠々自適な生活を送っていると知り、何とも言えない嬉しさがこみ上げて来た。牧場を走るナムラコクオーの後ろ姿を見て、私が自由な身であれば、今すぐにでも高知に飛んでいきたいとさえ思えた。現在ターフで闘う現役のサラブレッドに光が当たるのは当然として、かつての英雄たちの元気な表情を見ると、いかに自分が競馬と共に生きて来たかを思い知らされる。

あの馬はここにいるのか、ああ懐かしい名前だなあと思いつつ、付録の全国功労馬MAPを見てみると、これだけの功労馬が日本全国のあちこちに繫養されていることに驚かされる。もちろん、こうして引退後も功労馬としてのんびりと生活できるのは、ごく限られた馬たちであることも確かである。それでも、彼ら彼女らが周りの人々の愛情によって支えられて生きていることは喜ばしいというか、私たち競馬ファンはそういうところまで想いを馳せ、感謝したいと思うのだ。そして、できれば1人でも多くの人々が、功労馬を支援する活動に関わることができることを願う。

2015年度の助成額としては、中央競馬の重賞優勝馬は月額2万円、地方競馬のダートグレード競走優勝馬は月額1万円になるそうだ。これだけでも全く足りないはずだが、重賞を勝つことができなかったような馬を繫養していくのは、なおさら難しいことが分かる。個人的には馬主が責任を持って天寿を全うさせてもらいたいと思う。とはいえ、サラブレッドは経済動物であることも確かであり、だからこそ馬1頭に数千万から億単位のお金が投じられ、競馬産業が成り立っている以上、走らなくなった馬を全て功労馬にすることが経済合理性に反することもよく理解できるから悩ましい。

そこでひとつ提案なのだが、一口馬主ならぬ一口功労馬主を募集してはどうか。里親やサポーターというよりは、一口功労馬主として自分にとっての名馬を支えていく。現役の頃はとても手の届かなかった名馬でも、一口1000円から3000円ぐらいで功労馬としては馬主を名乗れるということだ。それはそれで名誉なことではないか。具体的なメリットがほしいという方には、牧場を訪ねたときに口取り写真を撮影したり、乗馬としてその背に乗ることができる馬もいるかもしれない。一口馬主のように、実際のレースで走ったり、あわよくば賞金を稼いできたりすることは万が一にもないが、馬代金を回収できないという悲劇はなく、必要なのは維持費だけである。

結局、活躍馬だけが功労馬になれるということかもしれないが、一口馬主がこれだけ一般の競馬ファンの間に浸透した今ならば、自分が一口を出資していた馬の引退後、功労馬としても一口を持つという流れをつくっていくことで、多くの無名な馬たちも救われることもあるかもしれない。そうなるためには、もっと馬と人間の距離を縮めなければならない。サラブレッドと私たち競馬ファンを近づけなければならない。たった一口しか持っていなかったとしても、そこに動物同士としての愛情や愛着があれば、現役を引退したあともつながりを失いたくないと思うのが自然な感情であろう。流行りのPOGや一口馬主のシステムが、馬の誕生から競走馬としてターフで走るまでだけではなく、現役を引退して余生を過ごすところの流れまでフォローできると、競馬の本当の奥深さが私たち競馬ファンにも分かるかもしれない。

Photo by 三浦晃一

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Comments


ナムラコクオー
嬉しいニュースです。

そして、競馬の無情な一面…

付録の全国功労馬MAP
見たい!
今週号のギャロップですね!
買います。

ちなみに、こんな活動されてる方もおられます。

元競走馬とおいしいマッシュルームの意外な関係

http://m.news.ameba.jp/20150722-3/?guid=ON

JRA & 馬主
もう少しだけでも
【命】
である事を感じて欲しい

Posted by: 風 | August 07, 2015 at 01:45 AM

風さん

ありがとうございます。

マッシュルームのモデル、面白いですね。

こういう情報を待っていました。

他にも私に思いつかないようなやり方がたくさんあると思うのですが、1頭でも多くのサラブレッドが生きてゆく道を開いていけるといいですね。

ありがとうございます。

Posted by: 治郎丸敬之 | August 07, 2015 at 08:14 AM

こんにちは治郎丸さん。

今月末に先日引退したウインバリアシオンのお披露目会というものに参加する予定の者です^^

私がウインバリアシオンを知ったのはデビューする二ヶ月前くらいでしょうか。
何かで立ち写真を見て電撃が走り、ダービー馬はこいつだ!と思ってずっと注目しデビューから引退するまで全てのレースで単勝(複勝なんて買いませんでした笑)を買って、阪神や京都に何度も応援遠征しました。
怪我明けの中京にももちろん行きました^^

しかし私はウインバリアシオンの一口馬主ではありません。
それでもバリ君の一口馬主の方々並に、もしかしたらそれ以上に愛して応援してきました。
バリ君の一口馬主の方ともたくさん知り合えました☆

だから「一口功労馬主」なんてものがあれが飛びついちゃいますね(笑)
一緒に写真なんて撮れたら最高です☆

デビューしてからその馬のファンになる事が大半ですから、一口馬主になれなくても一口功労馬主にはなりたいという方は居るように思います。
好きな馬が、今どこにいるか分からないなんて寂しい事にはなってほしくないですし、何か出来るなら自分も行動したいもです。

Posted by: バルトス | August 10, 2015 at 03:31 PM

こんばんは、バルトスさん

ウインバリアシオンのお披露目会に参加されるのですね。

何がきっかけとして、その馬のファンになるかは分かりませんから、あとから一口功労馬主になりたいという人はいると思います。

ある程度有名な活躍馬たちに集まったお金で、無名な馬たちもセットで救われるような仕組みになればいいですし、紹介しているBAFUNのような持続可能なやり方も素晴らしいと思います。

ターフを去ったあとでもつながっていける。

そろそろ成熟した競馬ファンたちは考えていかなければならないことなのかもしれません。

Posted by: 治郎丸敬之 | August 10, 2015 at 09:44 PM

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