« September 2015 | Main | November 2015 »

これ以上望めない仕上がりイスラボニータ:5つ☆

ラブリーデイ →馬体を見る
手脚が短く重心が低いため、距離は2000m前後がベストであろう。
前後に豊富な筋肉がつき、いかにもキングカメハメハ産駒の完成形らしい。
Pad4star

ラストインパクト →馬体を見る
前走は若干余裕があったが、今回は馬体が枯れて映るぐらいまで絞ってきた。
秋の3戦を見据えてというよりは、ここに照準を定めての仕上がりと言えるだろう。
Pad4star

スピルバーグ →馬体を見る
毛艶や筋肉の柔らかみは昨年の絶好調時と変わらないが、立ち姿のバランスが悪い。
首が高く、腹回りに余裕があるため、馬体全体のシルエットに美しさが欠ける。
Pad3star

サトノクラウン →馬体を見る
2歳時から全体的に伸びがあって、サラブレッドの理想的なシルエットを誇る。
とはいえ、やはり休み明けであることは否めず、もうひと絞りほしい仕上がり。
Pad4star

ディサイファ →馬体を見る
前駆の盛り上がりと鍛えられ方が素晴らしく、ここに来てパワーがついてきた。
馬体を見る限りにおいては、夏の疲れは感じられず、好調をキープしている。
Pad3star

イスラボニータ →馬体を見る
3歳時はトモに薄さと物足りなさがあったが、ようやく実が入って力強くなってきた。
この馬としては完璧な馬体で、表情も良く、これ以上は臨めない仕上がりにある。
Pad5star

ショウナンパンドラ →馬体を見る
このメンバーに入ると線の細さを感じざるを得ないが、末脚の破壊力は相当なもの。
昨年時は馬体の成長を期待していたが、この馬の体型であり、力は出し切れる仕上がり。
Pad3star

エイシンヒカリ →馬体を見る
牡馬としては力強さに欠ける馬体であり、それでここまで走るのだから資質は高い。
前駆に比べるとトモの薄さが目立つだけに、パワー勝負になると苦しいだろう。
Pad3star

カレンミロティック →馬体を見る
いつもふっくらとしていて、カイ葉食いの心配がない反面、絞り切るのが難しい。
今回もやや余裕を残している仕上がりで、最後の詰めの甘さにつながってしまうかも。
Pad3star

アンビシャス →馬体を見る
古馬になれば、さらに筋肉のメリハリが出て、素晴らしい馬体になりそうな馬。
腹回りに少し余裕があるが、現時点でも立派な立ち姿であり、力は出し切れるはず。
Pad3star

ワンアンドオンリー →馬体を見る
ようやく良かったころの出来に回復しつつあり、ダービーの疲労から回復しつつある。
古馬としては幼さを残している馬体ではあるが、まとまりはあり大崩しない馬体である。
Pad3star

ヴァンセンヌ →馬体を見る
前走もそうであったように、腰が高くて、いかにもスピード優先といった馬体を誇る。
その点においては、距離延長はプラスには働かないが、叩かれて体調はアップしている。
Pad3star

| | Comments (0)

あの日、彼らと共に走った

1998年11月1日、この日付だけを見てピンと来た方もいるだろう。サイレンススズカの命日である。この日に行われた天皇賞秋において、私はサイレンススズカの単勝馬券を買って観戦した。オッズが1.2倍だったので買うべきかどうか迷ったが、サイレンススズカと一緒に走りたかったので買った。毎日王冠の美しい逃げ切りを現地で観て、もう1度あの滑らかな背中を味わいたいと思ったのだ。私の興味はサイレンススズカが勝つかどうかということよりも、どれだけ離して勝つかという点にあった気がする。

パドックから返し馬に至るまで、私はサイレンスズカを見続けた。文句を付けようがないほどの出来にあったのか、サイレンススズカの周りには常に笑顔が溢れていたし、幸せのオーラが発せられていた。武豊騎手もその背にいることの幸せを噛み締めているようであった。まさかわずか数分後に、あのような結末を迎えてしまうとは誰が想像しただろうか。第118回天皇賞秋は、美しく幸せに満ちて終わるはずであった。武豊騎手も「理由なんかない」と語っていたように、サイレンススズカが躓いて倒れる理由なんて、これっぽっちもなかった。競馬の中で起こる現象には全て理由があると考える私も、理由なんてなかったと思うし、そう思いたい。

それでも、たったひとつだけ、あれから17年の歳月が経った今でも、私の胸につっかえていることがある。それは武豊騎手の手の動きである。スタートしてから最初の1ハロンにおける、武豊騎手のサイレンススズカに対する「行こう」という手綱を通した合図が、1回もしくは2回ほど毎日王冠のそれと比べて多かったように感じられたのである。たった1回か2回の、ほんの僅かな手の動きではあったが、私はそれを見て一抹の不安を覚えたことをはっきりと記憶している。どれぐらい離して勝つかと楽観していたにもかかわらず、実際のところは恐れていたのだろうか。あまり飛ばして行くと、さすがのサイレンススズカもバテちゃうよと。何が起こるか分からないのが競馬であり、ステイゴールドやエアグルーヴに迫られた宝塚記念のこともあるし、さすがにG1レースともなると簡単には勝たしてくれないと慎重になっていたのかもしれない。

それは鞍上の武豊騎手だって同じことだっただろう。そして、あの天皇賞秋における最大のポイントはスタートしてから先頭に立つまでの数秒間にある、と武豊騎手が考えたのは当然だろう。誰か無理にハナを奪おうとする騎手はいないか、玉砕覚悟で競ってくる馬はいないか、そんな不安がなかったと言えば嘘になるはず。さらに、その当時の天皇賞秋が行われていた東京2000mコースの設定が輪をかけた。スタートしてから最初のコーナーまでの距離が極端に短く、しかも急激に左に曲がることから、ポジション争いは熾烈になり、幾度も大きな不利を巻き起こしてきたコースなのである。

奇しくも、鞍上の武豊騎手は7年前の天皇賞秋で断然の1番人気メジロマックイーンに跨り、スタート後に内側に斜行したとして降着(18着)となっている。「魔物が住んでいる」と呼ばれる天皇賞秋の府中2000mコースの怖さを、身を以って知るひとりなのである。だからこそ、とにかく何事もなく、無事に先頭にサイレンススズカを立たせることさえできれば、と武豊騎手は念じたのだろう。その気持ちが、毎日王冠の時とは僅かに違う、手綱の動きとして現れたのだろう。どの馬よりも敏感なサイレンススズカはその意を汲み取った。

馬場状態こそ違え、毎日王冠の前半1000mが57秒7であったのに対し、天皇賞秋のそれは57秒4であった。スタート直後の武豊騎手の僅かな手の動きが、サイレンススズカを僅かに速く走らせたのである。決して非難しているのではなく、僅かに急かせてしまったのだろう。そう感じてしまったのは、私がサイレンススズカただ1頭を見続けていたからである。しかも、単勝馬券を片手に、極度の思い入れを持って、生の時間で観たからである。

今、天皇賞秋のリプレイを見てみても、その違いには気づけない。それは私の主観であり、もしかすると妄想なのかもしれない。それでも、私は1頭の馬や騎手だけをその瞬間に観ていなければ見えないことがあると思っている。サイレンススズカと武豊騎手に愛情を持って、見続けてきたからこそ、観えたのだと信じている。私はあの毎日王冠や天皇賞秋において、サイレンスや武豊騎手と一緒になって走ったのだ。身体はいつもここにあるけれど、それ以外のすべては彼らと共に走った。だからこそ、サイレンススズカや武豊騎手の不安や焦りが分かった。もちろん痛みも。

世界はとてつもなく不条理なことばかりのようにも見えるし、奇跡のように美しい出来事もある。そんな世の中で、私も取り返しのつかない過ちばかりを犯してきたし、時には喜びを味わうこともあった。そうして私たちは立ち止まったり、苦しんだり、前に進んだりする。ところで、「1頭の馬を見続ける」という視点においては、やはり馬券は単勝が基本となるだろう。今となっては、馬券の種類は片手に余り、両手が必要なほど増えたが、この考えは変わらない。儲かる儲からないではなく、あくまでも視点や思想の話である。

関連エントリ
「ガラスの競馬場」:美しいレース
「ガラスの競馬場」:サイマー

| | Comments (5)

東京芝2000m

Tokyo2000t1

改修前の東京2000mのコースは、スタート地点から最初のコーナーまでの距離が極端に短く、急激に左に曲がることから、外枠に入った先行馬は非常に不利であった。コーナーを回りながらのポジション取りになるため、先へ行こうと思うと遠心力で外へ外へと振られてしまい、1番と10番に入った馬とでは約1秒のタイム差があると言われていたぐらいである。

しかし、平成14年の改修によって、東京競馬場の2000mコースは生まれ変わった。スタートから最初のコーナーまでの距離が23m延長されたことにより、スタートしてから各馬がスムーズに最初のコーナーに入って行けるようになったのだ。このことにより、各馬(騎手)が力を出し切れるコースへと一変した。さらにゲートを外目に置くようになったため、外枠の馬も最初のコーナーへゆったりとロスなく入れるようになり、内外の有利不利はほとんどないと考えてよい。そうはいっても、10番手以内のポジションを確保するためには、やはり内の方が乗りやすいのは確かである。

| | Comments (0)

同じカテゴリーのGⅠでも…ローテーションには相性がある

Rensai32

競馬には勝っていいレースと、勝ってはいけないレースがある。いきなりそんなことを書くと、八百長を疑われるかもしれないが、そうではない。競馬というスポーツは、たとえどれだけ強い馬であっても、同じ馬が全てのレースを勝つことができないようになっていて、時には上手に負けなければならないレースがあるということだ。勝利と敗北はいつもコインの裏表のように、今日の勝利が明日の敗北につながるのである。

たとえば、天皇賞・秋を勝つためには、宝塚記念を勝ってはいけない。なぜかというと、ローテーションの相性が悪いからである。宝塚記念は、これからすぐに夏競馬を迎えようとしている、春シーズンの最後に行なわれるレースである。宝塚記念を勝つべく仕上げられて勝った馬が、わずか4ヶ月後の秋シーズン最初のG1レースとなる天皇賞・秋を目標に万全の仕上がりで臨むことは難しい。その後にジャパンカップや有馬記念が控えていることを含め、一旦馬を緩めてそこから仕上げ直していくとすれば、どうしても中途半端な状態で出走せざるを得ないのだ。

過去10年間、宝塚記念の勝ち馬が天皇賞・秋に出走したときの成績は、以下のとおりである。

2005年 スイープトウショウ→5着
2007年 アドマイヤムーン→6着
2008年 エイシンデピュティ→9着
2009年 ドリームジャーニー→6着
2011年 アーネストリー→14着

同じ中距離で行われる春と秋のG1レースである宝塚記念と天皇賞・秋だが、恐ろしいほどに、宝塚記念の勝ち馬は天皇賞・秋で惨敗を繰り返している。違う適性を問われるレース(宝塚記念は馬場が重く、天皇賞秋は馬場が軽い)という反論もあるだろうし、それも正しくはあるのだが、適性の違いだけでG1馬がこんなにも大敗するとは思えない。適性よりもローテーションの相性の悪さが主な理由なのである。

シーズンオフに近い宝塚記念を勝つということは、春シーズンに一滴も残らず力を使い果たしてしまったということを意味する。休養を挟み、天皇賞・秋に無事に出走することはできたとしても、目に見えない疲れが残っていたり、精神的な消耗が回復していなかったりすることは案外多いのだ。同じことは宝塚記念と凱旋門賞の間にも当てはまり、実は凱旋門賞を勝つためには宝塚記念は勝ってはいけないレースなのである。

| | Comments (0)

天皇賞秋を当てるために知っておくべき3つのこと

Akiten

■1■前から10番手に付けられる馬
平成14年の改修によって、東京競馬場の2000mコースは生まれ変わった。スタートから最初のコーナーまでの距離が23m延長されたことにより、スタートしてから各馬が比較的スムーズに最初のコーナーに入って行けるようになったのだ。さらにゲートを外目に置くようになったため、最初のコーナーに各馬が殺到して、馬群が詰まってしまうということが緩和された。

最初のコーナーへの先行争いが緩和されたことにより、ハイペースが常であった天皇賞秋が平均ペースになりやすくなった。サンデーサイレンス産駒のワンツーフィニッシュ(平成16年、17年においてはサンデーサイレンス産駒のワンツースリー)が目立つように、「瞬発力」が求められるレースに様変わりしたということである。牝馬の活躍が目立つようになったのもここに理由がある。

馬場がまだ軽さを保っている時期ということも含め、前に行ける馬でないと、もう少し具体的に言うと前から10番手に付けられなければ、勝つことは難しい。

■2■穴は夏競馬を使ってきた馬から
かつては天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念が古馬の王道であったが、最近は3戦全てに全力投球する馬は珍しくなった。ひとつのG1レースを勝つことによる消耗が激しくなったことに加え、良い意味でも悪い意味でも各路線が分業化されたことにより、それぞれの有力馬がどこかのレースに照準を絞るようになった。

そのため、実績馬であっても天皇賞秋にはビッシリ仕上げてこない馬もいるため、ここがピークになるように夏競馬を使われてきた伏兵馬が台頭することもありうる。たとえば、2005年を制したヘヴンリーロマンスなどはその典型で、2006年のスウィフトカレント、そして2007年のアグネスアーク、2011年のトーセンジョーダンなどが激走して穴を開けた。特に札幌記念はG1の登竜門でもあり、ここを好走してきた馬には注目しておきたい。

■3■宝塚記念とは直結しない
同じ中距離で行われる春と秋のG1レースである宝塚記念と天皇賞秋であるが、意外なことに勝ち馬が直結しない。過去20年でこの2つのレースを連勝した馬はテイエムオペラオーのみである。その理由としては、以下の2つが考えられる。

ひとつは2つのレースで勝ち馬に求められる資質が違うということ。6月の阪神競馬場で行われる宝塚記念は、ほぼ洋芝100%に近い力の要るオーバーシード芝で行われるため、勝利を手にするには何よりもパワーが求められる。それに対し、10月の東京競馬場で行われる天皇賞秋は、ほぼ野芝100%に近い極めて軽い馬場で行われるため、勝ち馬には何よりも軽いスピードが要求される。全く反対のベクトルを持つ資質が問われるだけに、宝塚記念と天皇賞秋を2つとも勝つのは至難の業である。

ふたつ目は、宝塚記念と天皇賞秋との間がわずか4ヶ月しかないということ。シーズンオフに近い宝塚記念を勝つということは、一滴も残らず春シーズンの力を使い果たしてしまったということを意味する。そこからわずか4ヶ月の間で、疲労を回復して、秋のG1シリーズ初戦である天皇賞秋に万全の体調で臨むことはなかなか難しい。見た目は出来ていても、目に見えない疲れが残っていたり、精神的な消耗が回復していなかったりすることは案外多い。

| | Comments (0)

日高まつりだ


菊花賞2015―観戦記―
立ち遅れたスティーグリッツ以外の馬たちは好スタートを決め、外から強引にスピリッツミノルが先頭に立ち、それを1番人気のリアファルが追いかける形でレースは始まった。前半の1000mは60秒2と流れたが、中盤で一気にペースが落ちると(64秒4)、途中から我慢しきれない馬たちが、入れ代わり立ち代わり、外から上がっていくことで大きく隊列が乱れ、最後の1000mは59秒3という上がりの勝負になった。典型的な中緩みのレースであり、中盤で折り合って息を入れられた馬にとっては、2000mほどのスタミナしか要求されないレースであり、乱ペースに対応できる操作性の良さが問われたという意味においては、長距離らしいレースでもあった。

勝ったキタサンブラックは、好スタートを決め、最高のポジションを確保し、道中は手脚をゆったりと伸ばして自分のフットワークで走れていた。さらに他馬が大きく引っ掛かって外を回したことで、内を走っていたキタサンブラックの周りには広々としたスポットができあがった。こうして道中をスムーズに回って来られた運も大きいが、それ以上に、同馬の折り合いの良さが光ったレースであった。母の父がサクラバクシンオーだけに、道中が厳しいペースになっていたらどうだったかは分からないが、道中でスタミナを温存できたことが最後の末脚につながった。馬体的には手脚が長く、スラリとした体型に成長しているだけに、ジャパンカップが行われる2400mぐらいまでは距離は持つだろう。父ブラックタイドはディープインパクトの全兄であり、やはり血は争えない。

北村宏司騎手はこれ以上ない完璧な騎乗で、キタサンブラックを勝利に導いた。藤沢和雄厩舎の調教を手伝う中で、もともと馬に折り合いをつける技術は高く評価されてきた騎手だけに、こうした折り合いが問われる(長距離)レースでこそ北村宏司騎手の良さが発揮されたと言える。また、枠なりに内を進んだが、勝負所でリアファルを前に置けたこともポイントであった。リアファルがバテて下がってくることは考えにくい以上、内が詰まるリスクもなく、しかも最後の直線ではリアファルを目標として追い出せばよいことになる。リアファルを内から交わしたところがまさにゴールであった。

もうひとつ、今年に入ってからの日高生産馬のG1勝利ラッシュは、まるで日高祭りのよう。キタサンブラックの生産牧場であるヤナガワ牧場は最近、コパノリチャードやコパノリッキーなど、日高で最も活躍馬を出している。年間30~40頭しか生産しない中で、これだけG1馬をコンスタントに出せるのは何か秘訣があるはず。ちなみに、コパノリッキーもコパノリチャードも小國ステーブルで育成された。しかも、今年に入ってから日高の生産馬でG1を勝ったレッツゴードンキもストレイトガールも同じく小國ステーブルだという。生産から育成まで、人々の気持ちが同じベクトルに向かってゆくと頂点まで届くということだろうか。いずれにしても、日高の関係者たちにとっては嬉しく励まされるニュースである。

リアルスティールは、体型的にも気性的にも、決して3000m向きのタイプではなく、馬の総合力で連対を確保した。福永祐一騎手も細心の注意を払って乗ってはいたが、ペースが急激に落ちたところで、他馬と接触したことがきっかけとなって馬がハミを噛み、持って行かれてしまった。あそこのロスが最後のクビ差につながったように、ほんの僅かなことではあるが、勝ち馬とリアルスティールの間には適性の違いがあったということ。それはつまり、偶然ではなく、必然の負けなのである。

リアファルはハナを叩かれて逃げられなかったことで、気負って走る面が随所に見られた。それでも最初の1000mは良かったのだが、中盤で急激にスピリッツミノルのペースが落ちたとき、2番手で後続に蓋をする形になったにもかかわらず、結局のところ蓋をできず、自らも折り合いを欠く羽目に。結果論かもしれないが、リアファルの地脚の強さを考えると、あそこは思い切ってスピリッツミノルを抜き去って先頭に立つべきポイントであった。百戦錬磨のC・ルメール騎手にしては珍しい判断ミス。最後の直線では、リアファル自身は止まっていないのだが、スタミナを失っていない切れるタイプの2頭に先着を許してしまった。

| | Comments (0)

リアファルは長距離馬のシルエット:5つ☆

リアルスティール →馬体を見る
春シーズンに比べると、子供っぽかった馬体が少しだけ大人びてきた印象。
毛艶も筋肉のメリハリも素晴らしいが、胴部は短く、決して長距離向きではない。
Pad4star

サトノラ―ゼン →馬体を見る
この馬は春から大きな成長が見られず、良い意味で馬体そのものは変わっていない。
顔つきを見る限り、気性面で安定しており、距離が延びることに不安は全くない。
Pad3star

リアファル →馬体を見る
前駆が特に力強く、トモに実が入って腰高に映るように、パワー優先の馬体。
とはいえ、手脚や首はスラリと長く、馬体全体のシルエットは長距離馬のそれ。
Pad5star

アルバートドック →馬体を見る
前後躯にきっちりと実が入って力強さはあるが、それ以外の部分は未発達の印象。
顔つきを見ても幼さを残しており、もう少し成長を待ちたい、先々に期待の馬。
Pad3star

ペルーフ →馬体を見る
休み明けの2戦は腹回りにもかなり余裕が目立ったが、叩かれてだいぶ絞れてきた。
それでも、馬体全体の筋肉量の多さや首の太さを見ると、長距離向きとは言いがたい。
Pad3star

キタサンブラック →馬体を見る
前走は休み明けの割にはギスギスしていたが、叩かれて毛艶も筋肉の張りも蘇った。
手脚や胴部には十分な長さがあり、血統的には疑問も、距離が延びても問題ない馬体。
Pad4star

タンタアレグリア →馬体を見る
馬体のシルエット自体は距離延長にたえられるが、それ以前に馬体に幼さが残っている。
筋肉のメリハリも今ひとつで、顔つきを見てもあどけなさがあり、素質だけで走っている。
Pad3star

ブライトエンブレム →馬体を見る
2歳時から立派な馬体を誇っていて、夏を越してもシルエットの良さは相変わらず。
馬体に硬いところがあるのだろうか、走って今ひとつで、距離延長はマイナスだろう。
Pad3star

ミュゼエイリアン →馬体を見る
この馬はいつも馬体を良く見せるタイプだが、今回は毛艶が落ちて、下降線を辿っている。
背中が垂れているように見えるのはこの馬の特徴であり、気にする必要はないだろう。
Pad3star

ジュンツバサ →馬体を見る
いかにもステイゴールド産駒らしい、線が細くて、非力さを感じさせる馬体。
それでもつくべきところには筋肉がついて、スムーズに流れに乗れれば切れるかも。
Pad4star

マッサビエル →馬体を見る
馬体全体のシルエットは、どちらかというと距離が延びてこそのタイプに映る。
母父にサンデーサイレンスが入っており、表情を見ても気性的に長距離はどうか。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

偶然さえも必然に変えることができるはず

Jiromaru

菊花賞にはある必然があります。それは内を走っていると前が詰まるということです。なぜかというと、この時期の3歳馬が3000mの距離を初めて走ると、スタミナ切れを起こし、バテて下がってくる馬が必ずいるからです。これが天皇賞春になると話は違って、古馬になってスタミナも経験も積んでいる馬が出走している(クラシックレースだからといって距離適性が合わなくても出走してくるような馬はいない)ため、それほど大きく脚が止まる馬はいません。バテて前から下がってくる馬は私たちが思っている以上に勢いが良く、しかも自分の外にも馬がいて壁になっている場合、避けようがないのです。どうなるかというと、自分もつられて下がらざるを得ないのです。

菊花賞におけるこの必然を知らない、経験が浅い騎手が乗る馬は、距離ロスを避けて内を進んでいると、まるで偶然かのように前の馬がバテて下がってくるというアクシデントに巻き込まれます。私が菊花賞で馬券を買った馬の中にも、このような必然のアクシデントに遭遇して負けてしまった馬が2頭いました。2003年のゼンノロブロイ(2番人気)と2007年のロックドゥカンブ(1番人気)です。ゼンノロブロイにはO・ペリエ騎手、ロックドゥカンブには柴山雄一騎手が騎乗していました。どちらの馬も人気を背負っており、勝てるだけの実力を備えていましたので、最大の敗因は、この2人の騎手が菊花賞で内を進むと前が詰まる必然を知らなかったことです。

2003年のゼンノロブロイで苦い経験をした私は、2007年、ロックドゥカンブに柴山雄一騎手が騎乗すると決まったとき、嫌な予感がしました。しかもあろうことか、4番枠を引き当ててしまったのでした。柴山雄一騎手が菊花賞の必然を知っていれば、ロックドゥカンブを道中のどこかで外に導くことで勝てるはず。逆に知らなければ、そのまま内を走らせて、勝負所でペースが上がった時点で、あの偶然にも見える必然が起こって負ける。私の予想は、どの馬が勝つかではなく、柴山雄一騎手が知っているか知らないかという、雲を掴むように結論が出ないものでした。最終的には、知っている方に私は賭けました。しかし、結果は皆さまのご存じのとおりです。

競馬に偶然と必然があるように、世の中の出来事にも偶然と必然が存在します。どこまでが必然で、どこからが偶然なのかという線引きは極めて難しく、偶然のように見えることが実は必然であったり、必然であると思っていることが実は偶然の産物であったりします。柴山雄一騎手はあの菊花賞をきっかけとして成績が急下降しましたが、ここ数年は経験を積み、再びトップジョッキーの仲間入りを果たそうとしています。競馬を長く見ていると、私たちはいかに偶然と必然の曖昧なバランスの上に生きているかを痛感しますね。それでも競馬の予想をする私たちが必然を探求したいと思うのは、偶然さえも必然に変えることができると信じているからです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (4)

ダートを走っているからといってダート馬とはかぎらない

Rensai31

私にとってのベストレースのひとつに、マヤノトップガンが勝った1997年の天皇賞・春がある。サクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーという3強の争いになったこのレース。休み明けで気がはやる横山典弘騎手のサクラローレルを追いかけるように武豊騎手のマーベラスサンデーが仕掛け、2頭のデッドヒートで幕を閉じるかと思われた矢先に、最後まで死んだふりをしていた田原成貴元騎手のマヤノトップガンがゴール前で大外から強襲し大逆転した。3分14秒4という勝ち時計は、当時としては破格のレコードタイム。超一流馬同士の力と力のぶつかり合い、そして名騎手同士の心理戦や駆け引きが凝縮されたようなレースであった。あれから20年近くの歳月が流れたが、今、改めてレース映像を観ても心が震える。

マヤノトップガンにとっては、残念ながらこの天皇賞・春が最後のレースとなってしまい、その他、宝塚記念や有馬記念、そして菊花賞を含む、G1レースを計4勝して引退した。実績だけを振り返ると、どこからどう見ても芝のレースを得意とする長距離馬であるが、実はマヤノトップガンは新馬戦から7戦目までをダートのレースに出走した。のちに菊花賞を制し、天皇賞馬に登り詰めた馬が、ダートの1200m戦を6回も走ったのである。

なぜそこまでマヤノトップガンがダートにこだわったのかというと、ダートに向いていると思われていたからではなく、脚部にソエの症状が見られていたからである。陣営が大事をとってダートのレースを走らせていたわけだが、やはり勝ち上がるのに4戦を要してしまった。しかし、もしあの時点で芝を使っていたとしたら、マヤノトップガンの力を発揮できるようになる前に怪我をしたり、もしかするとターフを去らなくてはならないようなアクシデントに見舞われていたかもしれない。結局、ダートでは7戦して2勝しかできなかったが、その後の芝での活躍の礎となった時期であることは間違いない。

マヤノトップガンように、たとえダート戦を走っていてもダート馬ではない馬もいることに注意したい。ダート馬の特徴を持っているからダートのレースへ、芝馬だから芝のレースへという単純なことではない。特に、ダートのレースに出走する馬には、その時々の事情があることが多い。たとえば、本来は芝でこその馬なのだが、脚元に不安があったり、体が出来上がっていなかったりして、当面はダートを使うという選択をする馬もいるということである。こういった馬は、脚元が固まったり、もしくは体が出来上がったりして、芝のレースに出走してきたときこそが狙い目である。ダート馬だと思いきや、芝のレースに路線変更した途端、まるで別馬のように走り出す馬もいる。

(続きは週刊Gallopにて)


| | Comments (0)

京都芝3000m

Kyoto3000t1

京都競馬場の3000mを完走するには、3コーナーの丘を2度越えなければならない。3~4コーナーの中間点にかけて急激な丘の下り坂になっているため、スピードが乗りやすく、馬が行く気になってしまわないようにゆっくりと坂を下るのが、このコースの最初のポイントとなる。

その後、スタンド前を走ることになるため、ここでも馬がエキサイトして引っ掛かってしまうことがある。馬の行く気を削ぎ、スタンドの大歓声から馬を守るためには、他馬を前か横に置くことができれば理想的である。

3コーナーからの勝負所でバテて下がってくる馬がいるため、内を進んだ馬が不利をこうむることがあることにも注意。道中は馬群が縦長になって進むことが多いため、基本的には内枠・外枠発走の差はほとんどないと考えてよい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

激流


秋華賞2015―観戦記―
大外からノットフォーマルが飛び出し、その勢いに引き寄せられるかのように後続の馬たちも挙って第1コーナーに殺到した。あっと言う間に隊列は縦長になり、この時点において、レースが速く流れていることは明らか。前半1000mの57秒4は秋華賞史上最も速く、後半は59秒5だから、時計的にも究極のハイペースとなった。一流のジョッキーは、スタートしてからの数完歩でペースを見極めると言われる。いち早くハイペースに気づき、馬のポジションを下げることができたか、そして馬群のさばき方から仕掛けのタイミングに至るまで、ジョッキーの一瞬の判断が着順に大きく左右したレースであった。

そんな中でも、勝ったミッキークイーンは中団からレースを運び、先を行く馬たちを射程圏に入れ、最後の直線で力強く抜け出して完勝した。ペースが速くなったことで、外枠から発走したことが功を奏し、外にポジショニングできたことが有利に働いたことは確かだが、それでもこれだけのペースを積極的に追走し、後続を凌ぎ切ったのだから一枚力が違った。桜花賞にこそ出走が叶わなかったが、牝馬3冠に相応しい実力の持ち主である。馬体だけを見ると、完璧に仕上げ切っているわけではなく、まだ成長の余地を残しており、これから先が楽しみな馬である。次走のエリザベス女王杯では、引っ掛かるタイプの馬ではないため、たとえスローに流れてもギリギリ我慢できるはず。

浜中俊騎手は昨年に引き続き、秋華賞を2連覇した。昨年はショウナンパンドラを完璧にエスコートし、今年もミッキークイーンの力を十全に発揮させた。京都芝2000mコースにおける乗り方を知り尽くしており、激流の中、積極的に前を攻めながら、できるだけコースロスを避けて内に潜り込む。特筆すべき身体能力を持つからこそ可能になる騎乗スタイルであり、昨年は岩田康誠騎手、今年はミルコ・デムーロ騎手の追撃を振り切れたのは、一瞬の的確な判断を積み重ねて正確に実行できたことに理由がある。全体的には荒削りな部分もあるが、京都芝2000mに限っていえば、上記のようなトップジョッキーを凌ぐ存在である。

クイーンズリングはM・デムーロ騎手の好判断が光った。スタートしてからすぐにハイペースに気づき、とっさに手綱を絞った。馬の気持ちに任せて進んでいたとしたら、おそらく掲示板はなかったのではないか。惜しむらくは、最終コーナーを回るときに、あとワンテンポ仕掛けを待ち、あと1頭分内の馬群を割ることができれば、ゴール前はもっと際どかったはず。クイーンズリング自身は、1400mのフィリーズレビューを勝っているが、本質的には中距離馬であり、今回は適距離でレースの流れにも乗って、力を発揮してみせた。

強いレースをしたのは3着に入ったマキシマムドパリであろう。前半から積極的に先行し、これだけのハイペースを追走したにもかかわらず、最後まで脚が上がらなかった。こういう厳しいレースでも音を上げないのはキングカメハメハ産駒の特徴であり、ゆったりと流れて瞬発力勝負になるよりも合っている。道中で外にポジションを出した、幸英明騎手の好判断も生きた。

前哨戦のローズSを勝ち、2番人気に推されたタッチングスピーチは、外々を回されてしまい、なし崩し的に脚を使ってしまったことが悔やまれる。人気を背負っているので、ある程度外を回しても動いていかなければならないのは確かだが、最後の直線に向く頃にはすでに脚は残っていなかった。一か八か、内を突くような乗り方をするべきであったかもしれない。トモに実が入り切っていない現状において、今回のような厳しいレースでは弱さが露呈してしまった。同じことはトーセンビクトリーにも当てはまり、馬体が未完成であるがゆえに力を発揮できなかった。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

菊花賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Kikka

■1■再びスタミナの裏づけが必要に
京都競馬場3000mで行われる菊花賞は、前半折り合いをつけながらゆっくりと行き、残り4ハロンからの瞬発力勝負になるレースがほとんどであった。つまり、折り合いさえついてしまえば、瞬発力のある中距離馬でも十分に対応できるレースであった。しかし、ここ最近は、その傾向に少しずつ変化が生じてきている。

過去19年間の菊花賞における、上がり3ハロンのタイムを比較してみたい。

平成8年  34秒4
平成9年  34秒4
平成10年 35秒1
平成11年 34秒2
平成12年 36秒1
平成13年 35秒3
平成14年 35秒4
平成15年 35秒8
平成16年 35秒8
平成17年 35秒7
平成18年 35秒6
平成19年 36秒2
平成20年 35秒3
平成21年 35秒8
平成22年 35秒6
平成23年 35秒1
平成24年 36秒1
平成25年 36秒1
平成26年 34秒9

平成11年までの上がりタイムを見ると、とても3000mのレースとは思えない典型的なヨーイドンの競馬であることが分かる。菊花賞を3000mで行う意義が問われ始めたのが、ちょうどこの頃。しかし、時代の流れとは不思議なもので、平成12年に開催が2週間早まったのを境として、最近は35秒台後半の上がりで決着することが常になってきている。

理由としては、道中のペースがそれほど緩まなくなってきているということ以上に、各馬の仕掛けが早くなってきていることが挙げられる。瞬発力勝負では劣るが、スタミナには自信のある遅咲きの馬たちが、春の実績馬を負かすために、一斉に仕掛け出すタイミングが早くなってきているということである。

このことによって、スタミナに不安のある馬たちの台頭は難しくなった。もちろん、この時期の京都競馬場の高速馬場や直線が平坦であることを考えると、ある程度の速い脚は要求されるだろう。しかし、実質3000mを走る上に、ペースが上がるタイミングが早くなってきている以上、スタミナの裏づけがない馬の末脚は不発に終わる可能性が高い。

■2■神戸新聞杯で切れ負けした馬
開催が2週間早まり、スタミナの裏づけが要求されるようになってからの過去10年間で、3着以内に入った馬30頭のうち21頭は神戸新聞杯組である。最大のステップレースであり、勝ち馬も6頭出ているが、なぜか神戸新聞杯→菊花賞と連勝した馬はディープインパクトとオルフェーヴル、ゴールドシップという最強クラスのみ。

これは神戸新聞杯が中距離での資質を問われるのに対し、菊花賞が長距離でのそれを問われたからである。つまり、神戸新聞杯で中距離に対する適性を見せて快勝したような馬は菊花賞で苦戦を強いられるということになる。むしろ神戸新聞杯でスピード、切れ負けしたような馬を菊花賞では狙うべきである。

たとえ神戸新聞杯の距離が400m延長されても、その傾向は変わらないだろう。神戸新聞杯は前半1000mと後半1000mの間の400mが緩むレースになり、最後の瞬発力が問われるレースになる。だからこそ、スピードを持続させるスタミナが問われる菊花賞では、むしろ神戸新聞杯でスピード、切れ負けしたような馬を狙うべきである。

■3■内枠はリスクあり
京都競馬場の3000mを完走するには、3コーナーの丘を2度越えなければならない。3~4コーナーの中間点にかけて急激な丘の下り坂になっているため、スピードが乗りやすく、馬が行く気になってしまわないようにゆっくりと坂を下るのが、このコースの最初のポイントとなる。その後、スタンド前を走ることになるため、ここでも馬がエキサイトして引っ掛かってしまうことがある。馬の行く気を削ぎ、スタンドの大歓声から馬を守るためには、他馬を前か横に置くことができれば理想的である。そういった意味では、内枠が有利ではある。

しかし、内を進む馬には大きなリスクもある。まだ競走馬として完成していない3歳馬同士のレースであることや、クラシック最後の一戦であることも手伝って、3000mの距離を最後まで完走できない馬が出てくる。その勝負にならなかった馬たちが、急激にペースが上がる2度目の坂越えの時点でバテて下がってくるのである。ズルズルと下がってくる馬たちを上手く捌ければ問題ないのだが、もし上がって行かなければならないタイミングで前が壁になってしまうような事態に陥れば致命傷となるのだ。

過去にもゼンノロブロイやロックドゥカンブといった人気馬たちが、バテて下がってくる馬を捌き切れずに、スパートのタイミングを逸して負けてしまったことは記憶に新しい。ペリエ騎手は菊花賞であれほどバテた馬が下がってくることを知らず、あの位置にいたことを相当に悔いたらしい。柴山騎手はスタートで出負けして後方のインに閉じ込められ、簡単にG1レースを勝たせてはもらえないことを実感したはずである。つまり、ジョッキーとしては2周目の3コーナー手前までには外に出しておきたいレースなのである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

前走の出来を維持しているタッチングスピーチ:4.5つ☆

タッチングスピーチ →馬体を見る
手脚や胴部に十分な長さがあり、距離は延びれば延びるほど良さが出そう。
飼葉食いの影響か牝馬らしく腹回りに寂しさがあるが、前走の出来を維持している。
Pad45star

ミッキークイーン →馬体を見る
オークスを制した馬とは思えないほど、幼さが残っていて未完成の馬体。
それでも気性の良さが手伝っているのか、今回も力は十全に出し切れるはず。
Pad3star

レッツゴードンキ →馬体を見る
2歳時から完成度が高く、それゆえに夏を越しても馬体の成長は感じられない。
いかにもマイラーといった筋肉の付き方と骨格であり、今回は距離をどうこなすか。
Pad4star

トーセンビクトリー →馬体を見る
美しいシルエットとバネを感じさせた母と比べると、幼さが残り未完成な馬体。
筋肉のメリハリにも乏しく、これで走っているのは母から受け継いだバネゆえか。
Pad3star

アンドリエッテ →馬体を見る
首がスラリと長く、馬体もすっきりとして、距離は2000mぐらいが丁度良さそう。
この馬も夏を越しての馬体の成長があまりなく、春勢力を逆転するのは難しい。
Pad3star

シングウィズジョイ →馬体を見る
前後躯ともにしっかりと実が入り、牝馬らしからぬ力強さを感じさせる好馬体。
黒光りする毛艶からは体調の良さが伝わってくるが、あとは距離が持つかどうか。
Pad4star

クイーンズリング →馬体を見る
腹回りに余裕があるので分かりにくいが、胴部に長さが出て、距離面での心配はない。
もうひと絞りほしい馬体が、レースまでにきちんと絞れてくるかどうか。
Pad3star

クインズミラーグロ →馬体を見る
特に前駆の盛り上がりが素晴らしく、マンハッタンカフェ産駒の中でもパワー寄り。
その分、トモの実の入りが物足りなく、腰が落ちているように映るが、問題はない。
Pad3star

ディープジュエリー →馬体を見る
馬体のアウトラインはさすがのディープインパクト産駒で、将来性は高い。
それでもまだ筋肉のメリハリは乏しく、付くべきところについていない現状は否めない。
Pad3star

ホワイトエレガンス →馬体を見る
いかにもクロフネ産駒らしい力強さと、重心の低さがあり、小回りコースは合う。
そうはいっても、ダート馬の馬体とはまた違い、芝のレースでこそ力強さが生きる。
Pad4star

ココロノアイ →馬体を見る
毛艶が冴えず、やはり休み明けという印象はぬぐえないが、表情は落ち着いている。
全体的に力強さが伝わってくる馬体で、距離は2000mぐらいまでが適性か。
Pad3star

| | Comments (2)

騎手の総合力を示す連対率、“3割騎手”の手綱さばきに注目

Rensai30

メジャーリーグで3割打者が消えてしまうかもしれない、という記事を読んだ。今や150キロの速球を投げる投手はゴロゴロいて、そこにどう変化するか予測ができない変化球をちりばめられてしまうと、打者がそれを打つのは容易ではない。私も高校まで野球をやっていたから、手も足も出ないという打者の気持ちがよく分かる。さらに打球の方向性などを統計的に研究し、守備の位置を変えるという戦略も加わり、各打者は丸裸にされてしまった。昨シーズン、規定打席数に達した上で、打率が3割を超えたのはわずか17名。1995年度の55名と比べると、「3割打者は絶滅危惧種」という言葉もあながち大げさではない。投高打低、打者にとっては受難の時代がやってきたのだ。

3割という数字を聞いたとき、私の頭に浮かんだのは、騎手の連対率のことである。騎手の勝率はおよそ1割台であり、10回レースに乗っても勝てるのは1回か2回、つまり、どれだけ腕の立つ騎手であっても、10回に9回か8回は負けてしまうということだ。そう考えると、打率と近い確率にあるのは、騎手にとっての連対率だろう。私は騎手の総合力は勝率や連対率によって示されると考えていて、連対率に関していえば3割以上、言うならば、10頭に騎乗して、3頭を勝ち負けさせることができれば一流である。

連対率3割という観点から、ここ十数年のジョッキー界の移り変わりを見てみたい。2002年における武豊騎手は、なんと0.435という驚異の連対率をはじき出している。およそ2回に1回は連に絡み、勝率も0.291であるから、カラスが鳴かない日はあっても武豊騎手が勝たない日はない、という表現もウソではないほどの目覚ましい活躍ぶり。その後も、さすがに4割にこそ届かなかったが、毎年コンスタントに連対率3割を保ち続けた。途中、安藤勝已騎手が彗星のごとく登場し、連対率4割に至った年もあったり、横山典弘騎手がベテランの意地を見せて連対率3割を保った年もあったりしたが、大まかに言うと、武豊騎手への一極集中時代であった。つまり、連対率が3割に達するのは、武豊騎手ともうひとり他にいるかどうかという時代であり、それは2009年まで続いた。

流れが変わったのは2010年以降で、武豊騎手が落馬負傷を機にスランプに陥り、群雄割拠の時代が始まった。武豊騎手の代わりを担うように、横山典弘騎手や岩田康誠騎手がかろうじて連対率3割に達したが、ついに2013年にはそれも途絶え、連対率3割の騎手は誰1人としていなくなってしまった。腕の立つ騎手がいなくなったのではなく、全体のレベルが上がり、騎手間の競争が激しさを増したということだ。ついに3割騎手が消えたのである。

(続きは週刊Gallopにて)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

京都芝2000m

Kyoto2000t

スタンド前の直線の半ばからスタートして、1コーナーまでの距離が最長のAコースでも308.7mとなる。スタートしてから1コーナー、そして1コーナーから2コーナーまでの距離が短いことによって、フルゲートにもなると先行ポジション争いは自然と激しくなる。

しかし、京都2000m内回りコースは「先行ポジション争い激化」という定説がすでに浸透してしまっている今、それゆえの盲点もまたある。つまり、これだけ「先行争い激化」のイメージが先行してしまうと、もちろんジョッキーたちもそれを意識するわけで、1コーナーまでのポジション争いには巻き込まれたくないという意識(または無意識)が働く。その結果、1コーナーから2コーナーにかけて、ゆっくりと安全に回ろうという騎手の総意が“お見合い”を生み、かえってスローペースを形成してしまうこともあるということだ。

また、3コーナーから下りが続くこと、直線が平坦なことによって、ラスト800mの時計は驚くほど速く、前に行っている馬は簡単には止まらない。そして、直線が短いことを含めて、騎手に先行馬有利という意識が強く働くため、3コーナーからすでに各馬の動きが激しくなり、展開を大きく左右することになる。後続の仕掛けどころが遅れると前がそのまま残り、後続が早く仕掛けすぎると前崩れが起きるという現象が起こる。

このように、「1コーナーまでの先行争い」、そして「3コーナーからの仕掛けどころ」という2点において、レース自体の展開におけるアップダウン(緩急)が非常に激しくなってしまうのだ。そして、そのアップダウンが逃げ馬・先行馬に有利になるのか、それとも差し・追い込み馬にとって有利になるのかは、実際のところ走ってみないと分からない。各馬のほんのわずかな動きがペースを大きく左右する、極めて敏感なコースなのである。これが京都2000m内回りコースの真実だろう。

さらに、勝負所である3コーナー入口と4コーナーが狭くなっているため、馬が密集しやすいという特徴もある。この地点でゴチャついて不利を被ってしまった馬は、直線の短さを考えると、余程力が抜けていない限り挽回することは難しい。

だからこそ、強い馬が力を発揮することなくレースが終わってしまうような展開になることも少なくない。騎手の間では、「1番人気の馬に乗っては臨みたくないコース」とされている。レースに行ってからの各馬の出方が展開に大きな影響を与えるため、レース前にどのような展開になるのかも予測しづらいのだ。そのレースごとに極端なハイペースになったり、極端なスローペースになったりするのである。騎乗するジョッキーだけではなく、予想をする私たちにとっても、非常に難解なコースと言える。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

秋華賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Syuka

■1■ジョッキーの腕が大きく結果を左右する
京都の芝2000m(内回り)に変更された年以降、過去12年間の前半5Fと後半5Fのラップを比較してみたい。前傾ペースとは前半のラップの方が速く、後傾ペースとは後半のラップの方が速いレースのことを示す。
平成13年 58.4-60.1 →前傾ペース
平成14年 59.0-59.1 →平均ペース
平成15年 59.8-59.3 →平均ペース
平成16年 59.9-58.5 →後傾ペース
平成17年 60.1-59.1 →後傾ペース
平成18年 58.4-59.8 →前傾ペース
平成19年 59.2-59.9 →平均ペース
平成20年 58.6-59.8 →前傾ペース
平成21年 58.0-60.2 →前傾ペース
平成22年 58.5-59.9 →前傾ペース
平成23年 58.3-59.9 →前傾ペース
平成24年 62.2-58.2→後傾ペース
平成25年 58.9-59.7→前傾ペース
平成26年 58.0-59..0→前傾ペース

ここ数年は前傾ペースに流れているが、平成24年は一転して後傾ペース。それ以前はランダムなペースになっていることが分かる。開幕2週目の絶好の馬場と短い直線を考慮に入れると、基本的には先行馬にとっては非常に有利に働くコースである。しかし、逆にそのことを意識しすぎると、各馬の仕掛けが早くなり、極端なハイペースが創出されることになる。

また、道中のペースの緩急も激しく移り変わる。たとえば2007年の秋華賞では、道中(6ハロン目)でなんと13秒台のラップが刻まれた。スタートから2ハロン目はそれ以前の5年間で最速なだけに、ペースが速いと思わせておいて、急激に遅くなるというアップダウンの激しいレースであった。

2007年 ダイワスカーレット
12.3 - 10.4 - 11.5 - 12.2 - 12.8 - 13.6 - 12.4 -11.3 - 11.1 - 11.5

わずかな展開の綾によって、ペースの緩急が激しく移り変わり、前に行った馬に有利な流れになったり、一転して差し脚が生きる展開になったりする。こういうレースでは、馬をコントロールする技術やペース判断に長けたジョッキーの腕が大きく結果を左右することになる。レースの位置取りや道中での駆け引きなどを含め、騎手が占めるウエイトは大きいのだ。

■2■スピードの持続が求められる
この秋華賞でサンデーサイレンス産駒が苦戦を強いられたのは有名な話である。過去に行われた秋華賞に60頭のサンデーサイレンス産駒が出走して、2003年のワンツーフィニッシュと2005年にエアメサイアの勝利があるが、ほとんどの馬は4着以下に沈んでいる。1番人気に推されたトゥザビクトリーやダンスインザムードというビッグネームすらも惨敗しているのが、この秋華賞である。2006年も1番人気に推されたアドマイヤキッスが4着と凡走した。

【2・2・1・55】 連対率6%

この数字は、サンデーサイレンス産駒の秋華賞における成績である。サンデーサイレンス産駒の秋華賞での連対率は6%という極めて低い数値を示す。他のG1レースと比較してみても、10%を切るのはNHKマイルカップぐらいで、それ以外のG1レースではほとんど20%以上の連対率となる。たとえば、同じ牝馬限定G1レースであるエリザベス女王杯の31%と比べると、サンデーサイレンス産駒の秋華賞での不振は明らかになる。

サンデーサイレンス産駒がこのレースを苦手とした理由はただひとつ。小回りのゴチャつきやすいコースで、スピードの持続が極限まで求められるレースになりやすいからである。サンデーサイレンス産駒は、ゆっくり行って終いを伸ばすレースには滅法強いのだが、スタートからゴールまで速いラップを刻み続けなければならないレースを苦手としたからだ。つまり、秋華賞は瞬発力ではなく、地脚の強さで勝負する馬にとって有利なレースである。

■3■4つコーナーだけに内枠有利
過去7年の秋華賞は全てフルゲートで行われたが、内外に分けた枠順別の勝率、連対率は次頁のとおり。

1~4枠 【4・5・3・44】 勝率6% 連対率16%
5~8枠 【3・2・4・59】 勝率5% 連対率7%

かつては外枠の勝率、連対率が内枠よりも高かったが、近年は少しずつ内枠有利に変化しつつある。前傾ペースが続いている中での内枠有利だけに、やはり4つコーナーの小回りコースである以上、内枠有利が基本と考えてよいだろう。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第4回)

Hitokuti04

その馬は、ヒカルアマランサスの14、名前はまだない。母ヒカルアマランサスは、京都牝馬S(GⅢ)を勝ち、ヴィクトリアマイルであのブエナビスタと首差で2着した実績を持つ馬である。戦績を見ても、その馬体や走りからも、典型的なマイラーであったと記憶している。そして父はキングカメハメハ。言わずもがなの名馬であり、名種牡馬である。個人的にも、日本ダービーの祝勝会に参加させてもらったこともあり、思い入れの強い馬である。ただ最近は体調が優れず、様子を見ながらの種付けを行っており、あの金子真人オーナーにさえもなかなか順番が回ってこないという。そういった意味でも、これから先、キングカメハメハ産駒の希少価値は上がるだろう。

母ヒカルアマランサスには苦い思い出がある。ヒカルアマランサスというよりは、ヒカルアマランサスが走ったレースにといった方が適切か。2010年の京都牝馬Sにて、私は珍しく3連単の馬券を買っていた。普段は単勝しか買わないのだが、この年に行っていた「ガラスの競馬場Classic」という有料サービスの中で、3連単を1点で予想するという試みをしていたからだ。3連単1点勝負など、確率的にも当たることは滅多になく、この京都牝馬Sも、良い意味において肩の力を抜いて予想をしていた。私の予想は、ベストロケーション(7番人気)→ザレマ(2番人気)→ヒカルアマランサス(1番人気)であった。特にひねったつもりはないが、ベストロケーションが頭というところがミソであったと思う。

雨が降りしきり、力を要する状態の馬場でレースは行われた。大外枠からベストロケーションが好スタートを切り、内からザレマが先頭を奪った。私が思ったとおりの展開となり、2頭がガッチリと先頭と番手を押さえたことで、道中は緩やかに流れ、レースをかき乱す馬も騎手もいない。そこでふと後方を見ると、ヒカルアマランサスが最後方にいるではないか。いかにも差して届かず3着というポジション。そのまま馬群は最終コーナーを回り、粘るザレマをベストロケーションが抜群の手応えで捕らえにかかる。こうなると、あとは大外を回したヒカルアマランサスが心配になってくる。絶望的なところにいるヒカルアマランサスに向かって、「頼む、3着に入ってくれ!」と私は心の中で叫んだ。

私の願いが通じたのか、ヒカルアマランサスはM・デムーロ騎手を背にジワジワと脚を伸ばしてきた。道悪のレースにおいて、M・デムーロ騎手に追われた馬の伸びは凄い。ハミと騎手の手綱の支点が近く、馬の上体をやや引き上げるようにして追ってくるから、馬も下を気にすることなく走りやすいのだろう。ゴール板が見えてきた時点では、もしかしたら3着に入るかもという勢いで追い上げてきた。ベストロケーション→ザレマという並びは完成しているので、もしヒカルアマランサスが来たら3連単が的中することになる。私は馬券を手にしながら、ゴクリと唾をのみ込んだ。もしこの馬券が当たったら、大変なことになる。

あの時、私の胸に去来した思いを書くのは気が引ける面もある。不思議なことに、あの直線の半ばで、私はヒカルアマランサスに届かないでくれと半分願ったのだ。上手く説明することができないが、馬券が当たってほしいという気持ちと、当たらないでほしいという気持ちが同時に混在したということだ。なぜだろうか。おそらく私は怖かったのだと思う。あの3連単が当たったとしたら、私は見たこともない大金を手にするはずであった。一千万には届かずとも、それに近しい金額の配当金になったはず。目の前に突然、想像もしていなかった大成功や夢のような現実が訪れようとしたとき、私たちは恐怖におののくのだ。

ヒカルアマランサスは3着に入るだけではなく、なんと前に走っていた2頭までをもまとめて差し切ってしまった。1頭だけ次元の違う伸び脚であった。私は手の届きそうなところまで来た3連単的中を逃してしまい、目の前が真っ暗になったと同時に、どこかでホッと安心していた。当たらなくて良かったとまでは思わないが、当たっていたらどうなっていただろうと思う。私のような器の小さい人間には扱い切れなかったのではないか。ヒカルアマランサスは、私の中に眠っていた小心者を顕在させて見せてくれたのだ。それにしても、ヒカルアマランサスは強い牝馬であった。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (4)

顔つきも精悍で文句なしアンビシャス:5つ☆

★毎日王冠
スピルバーグ →馬体を見る
昨年秋のように研ぎ澄まされた感じはないが、休み明けにしては仕上がりが良い。
前駆に比べてトモの肉付きが甘いのはこの馬の特徴で、今回も後ろからの競馬になるか。
Pad3star

イスラボニータ →馬体を見る
古馬になって成長を期待していたが、休み明けもあってか、筋肉のメリハリに乏しい。
それでもトモにボリュームは少し出てきたし、気性面は相変わらず素直そうで何より。
Pad3star

エイシンヒカリ →馬体を見る
前駆に力強さがあり、腰高でスピード感はあるが、このメンバーに入ると線が細い。
耳を後ろに絞っているように、気になるところがあるのか、煩さを見せている。
Pad3star

アンビシャス →馬体を見る
休養を挟んで、筋肉にメリハリが出て、さらに素晴らしい馬体になってきている。
母父エルコンドルパサーの成長力が生きているのか、顔つきも精悍で文句なし。
Pad5star

ヴァンセンヌ →馬体を見る
筋肉量が豊富で、いかにもマイラーといった力強さに溢れる馬体だが、やや余裕残し。
それでも、闘争心に溢れる表情を見ると、休み明け初戦から力を出せるタイプか。
Pad3star

ダノンシャーク →馬体を見る
若駒の頃と比べると、見違えるほどに馬体にボリュームが出て、古馬らしい馬体。
後ろ脚をつく位置が後ろのため背中が垂れているように映るが、バランスは問題なし。
Pad4star

★京都大賞典
ラブリーデイ →馬体を見る
肩から胸にかけての筋肉の付き方はさすがG1ホースで、休み明けでも仕上がりは良好。
あとは春シーズンに激戦を走り続けてきた精神的な疲れが癒えているかどうか。
Pad4star

ワンアンドオンリー →馬体を見る
3歳時と変わらないコンパクトな馬体であり、反面、成長が見られないことも確か。
休み明けとしては、筋肉が柔らかく、疲れが抜けて十分な回復が感じられる。
Pad3star

サウンズオブアース →馬体を見る
このメンバーに入っても他馬と比べて手脚が長く見えるように、典型的なステイヤー。
前後のバランスはあと一歩だが、毛艶も良く、初戦としては力を出し切れる仕上がり。
Pad3star

ラキシス →馬体を見る
昨年のエリザベス女王杯時に比べると、後躯の実の入りが物足りなく寂しい。
重馬場の産経大阪杯を勝った疲れが取れていないのか、もっとふっくらさがほしい。
Pad3star

レコンダイト →馬体を見る
胴部には斑点が浮いているように、仕上がりは悪くないが、随所に余裕が残っている。
手脚が短く、重心が低いにもかかわらず、長距離適性があるのは、いかにもハーツクライ。
Pad3star

カレンミロティック →馬体を見る
この馬もハーツクライ産駒であり、馬体的には中距離馬だが、豊富なスタミナを有している。
顔つきを見ると、体調や仕上がりは今ひとつで、今回はどこまで走れるか。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

休養明けの馬の取捨は、その休養への入り方も考慮すべし

Rensai29

競走馬はレースの間に休養を挟むことで心身を回復させる。トンネルの入口から入り、出口から出るように、休養に入り、休養を終えてレースに出走することを繰り返す。言葉にすると簡単に思えるが、実はこの休養に入ることに伴う問題は複雑であり、関係者たちが頭を悩ませるところでもある。それは休養中の過ごし方が休養明けの成績に直結するからであり、さらにさかのぼって考えてみると、休養への入り方が休養中の過ごし方、そして休養明けの成績に大きな影響を与えるからである。

休養への入り方の難しさを私が知ったのは、2005年の宝塚記念のこと。東の横綱であるゼンノロブロイは、2004年の秋シーズンにおいて、テイエムオペラオー以来、史上2頭目となる天皇賞・秋→ジャパンカップ→有馬記念という3連勝をやってのけたのち休養に入った。これだけの偉業を達成した名馬であり、たとえ休み明けであっても人気に推されたのは当然ではあったが、私にはゼンノロブロイが好走できるとは到底思えなかった。なぜなら、天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念の3戦で激走したのちに休養に入り、ぶっつけで宝塚記念というローテーションは、2003年に凡走した同厩馬シンボリクリスエスのそれと酷似していたからである。
 
2002年、当時3歳馬のシンボリクリスエスは、天皇賞・秋で古馬を一蹴すると、続くジャパンカップでも世界の強豪を相手に3着し、そして暮れの有馬記念ではタップダンスシチーを豪快に差し切って年度代表馬に輝いた。成績を見るだけでも、この秋、シンボリクリスエスにかなりの負担が掛かっていたことは想像に難くない。あらん限りの力を出し切った抜け殻の状態で、シンボリクリスエスは休養に入ったことになる。

翌年の宝塚記念では、半年間の休養を挟んで万全の体勢で臨んできたものの、1番人気を裏切り5着に敗れてしまった。実際にかなりの本数を乗り込んでいたし、当日の馬体を見ても、力を出せる状態にまでほぼ完全に仕上がっていたことは間違いない。休み明けとしては仕上がりに寸分の狂いもなかった。それでも敗れてしまったのは、目に見えない部分で、前年度の疲れが尾を引いていたからに他ならない。たとえどのような調教が施されたとしても、宝塚記念でシンボリクリスエスが凡走することは必然であったとも言える。

(続きは週刊Gallopにて)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

毎日王冠を当てるために知っておくべき3つのこと

Mainitioukann

■1■とにかく逃げ・先行有利
府中の1800展開いらず、どんな展開になっても強い馬が勝つという意味の格言だが、開幕週に限っては当てはまらない。この時期の東京競馬場は、夏の間に十分根を張った軽いオーバーシード芝となる。洋芝はまだ芽が出かけた程度で、ほぼ野芝100%の極めて軽い馬場であるため、前に行った馬が簡単には止まらない。たとえかなりのハイペースになったとしても、とにかく逃げ・先行馬に有利なレースとなる。

■2■前走がG1、もしくは重賞勝利馬
過去10年間の、前走をクラス別で分けると以下のとおり。
G1    【6・6・3・38】
G2    【1・1・1・17】
G3    【1・2・5・45】
OP以下【2・1・0・4】

過去10年の連対馬中で、12頭が休み明けの前走G1組、その他5頭はG2、G3をステップとしている。休み明けにもかかわらず、前走G1組が勝利しているように、この時期になると夏を使ってきた馬よりも実績のある実力馬にとって有利なレースとなる。前走がG1組であれば着順は関係ないが、G2、G3もしくはOP以下のレースをステップとしてきた馬は、前走勝って臨んできている上り馬であることが必須条件となる。

■3■5歳馬中心も3歳馬には注目
世代別の成績は以下の通り。
3歳馬【2・3・0・8】 連対率39%
4歳馬【1・3・3・22】 連対率14%
5歳馬【4・3・1・38】 連対率15%
6歳馬【1・1・3・13】 連対率11%
7歳馬以上【2・0・3・26】 連対率7%

連対率こそ変わらないが、勝ち馬、連対馬共に、夏を越して本格化した5歳馬の活躍が目立つ。秋の中距離G1シリーズに向けてキーとなるステップレースである以上、ひと夏を越しての成長が見込まれる馬を探すべきレースである。

また、3歳馬の連対率が39%と圧倒的に高い。出走頭数こそ少ないが、この時期に古馬にぶつけてくるような素質を見込まれた3歳馬が出走してきたら、かなりの確率で好勝負になるということである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (4)

ひたすら真っ直ぐに

Sprinterss15
スプリンターズS2015―観戦記―
アクティブミノルが好スタートを決め、そのまま先頭に立つかと思いきや、ハクサンムーンが強引にハナを主張し、内枠の利を生かしつつ第1コーナーでは先頭を奪った。この争いを見て、大方の予想通りに流れが速くなると感じた騎手も多かったはずだが、結果的には、前半の600mが34秒1、後半が34秒0という平均ペースが刻まれ、スプリントG1としてはかなり遅い流れ。その証拠に、ハイペースだと外のポジションが有利になるのが常であるが、今回、バテて下がってくる馬もおらず、上位を占めたのは内を進んだ馬たちであった。馬群の内で最後まで脚を溜められたかどうかが勝敗を分けた。

1番人気に推されたストレイトガールは順当勝ちだろう。これまでは使い詰めで調子が落ちていたり、逆に休み明け(海外遠征明け)であったりと、G1のスプリント戦ではなぜか歯車が噛み合わず、逆にスローペースに流れたヴィクトリアマイルで初G1勝利を飾ったりしたが、この馬の本質はスプリンターである。スローペースの中、馬群の外を回らされ敗れてしまった前走をひと叩きされ、今回は走れる仕上がりになっていた。ラストランとなる香港スプリントに向けてさらに調子を上げてくるはずで、あのエアロヴェロシティに一矢を報いてほしい。

戸崎圭太騎手の落ち着いた手綱さばきも光った。道中は内でも外でも開いたスペースに出せる位置に馬を置き、最後の直線に向くまで追い出しを我慢し、進路が開いた瞬間を見逃さずにゴーサインを出して馬群を割った。もうひとつ前の(サクラゴスペルが走った)ポジションが理想的だったにもかかわらず、そんな素振りを全く見せず、よくぞあそこまで動かずにいられたと思う。ストレイトガールの力と状態の良さを信じていたからこその、ソツのない見事な騎乗であった。

横山典弘騎手のエスコートに応えて、、サクラゴスペルは休み明けをものともせずに2着に食い込んだ。スプリンターというよりは、一瞬の脚の使いどころが極めて難しい馬だけに、今回のようにロスのない競馬ができたときには光る末脚を発揮できる。それだけ、レースの流れやポジションに着順が左右されてしまうということだが、今回に限っては、全てにおいて非の打ちどころのなかった。

惜しかったのは3着に入ったウキヨノカゼか。最後の脚は際立っていたが、前半にどうしても置かれてしまうタイプだけに、G1レベルのレースになると、前に行く馬を全て飲み込むのは難しい。脚を余してしまったというよりは、さらに前の位置から伸びる馬がいたということだ。この馬自身は、最高の仕上がりで、力を十全に出し切った。休養を挟んで馬が立て直され、完全に本格化した。

ミッキーアイルは序盤にハミをかなり噛んでしまったことが、最後に響いた。もう少しペースが上がってくれた方がレースはしやすかったが、あれだけガツンと行ってしまうと、いくらスプリント戦とはいえ最後までもたない。それでも踏ん張っているので能力は高さは認めつつも、この馬が大成するかどうかは、力の使いどころをどう教えていくかにかかっている。ウリウリは外々を回らされたことで、突き抜けられなかった。後方から行って一瞬の末脚を生かすタイプであり、ポジション取りを含めて、この馬も最高に上手く乗らないと勝てない、乗り難しい馬である。サマースプリントシリーズの王者であるベルカントは、やや調子が下降線を辿っていたか。決して厳しい流れではなかったにもかかわらず、最後は手応えがなかった。

Photo by 三浦晃一

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

古馬らしくなったミッキーアイル:5つ☆

ベルカント →馬体を見る
若駒の頃は線の細さばかりが目立ったが、ここに来て前駆に力強さが出てきた。
トモはまだ薄いが、これまで天性のスピードで走ってきた馬だけにこれで十分か。
Pad4star

ハクサンムーン →馬体を見る
6歳馬ながらにして、バランスの良さが素晴らしく、衰えを感じさせない馬体。
表情からは闘争心が伝わってこないが、好走するかどうかは気持ちの問題。
Pad3star

ミッキーアイル →馬体を見る
3歳時は馬体に幼さを残していたが、ここに来てようやく古馬らしくなった。
休み明けにしては、筋肉に柔らかさとメリハリがあって、仕上がりは良好。
Pad5star

ウリウリ →馬体を見る
もともと線の細さを感じさせる牝馬だが、その中にも芯の強さを有している。
とはいえ、今回は立ち姿に覇気がなく、もしかすると調子落ちかもしれない。
Pad3star

ストレイトガール →馬体を見る
同厩舎のウリウリと比較して、こちらはふっくらとしているがやや余裕残し。
ひと叩きされたが、大きく変わった感はなく、年齢か目標は次走に置いているのか。
Pad3star

ティーハーフ →馬体を見る
典型的なスプリンターという馬体で、特に前駆の筋肉の盛り上がりは凄い。
その分、トモの肉付きが物足りないが、スピードよりパワーで制するタイプ。
Pad3star

アクティブミノル →馬体を見る
手脚がすらりと長く、今後、筋肉がついてくれば距離は延びても問題ない。
今は気持ちの前向きさと強さで走ってきているだけに、今回は展開がどうか。
Pad3star

コパノリチャード →馬体を見る
前後にバランス良く実が入って、スピードとパワーが馬体から伝わってくる。
馬体に伸びがないのは確かで、その分、一本調子の走りになるのは否めない。
Pad3star

ウキヨノカゼ →馬体を見る
前走もそうであったが、このメンバーに入ると線の細さがあり、力強さに欠ける。
表情からは気持ちの強さが伝わってくるように、今回も一気に捲くり切れれば。
Pad3star

フラアンジェリコ →馬体を見る
胴部には長さがあるが、手脚が短く、重心が低い、短距離馬らしい馬体。
毛艶はイマイチだが、顔つきからは素直な気性がうかがえ、力は出し切れる。
Pad3star

サクラゴスペル →馬体を見る
7歳馬にして幼いところがあるように、もはやこの馬の体型的なものだろう。
前駆が勝ったタイプだけに、使える脚は短く、いかにタイミング良く仕掛けられるか。
Pad3star


Sprinters2015wt

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第3回)

Hitokuti03

忘れかけていた頃にパンフレットが届いた。「サンデーサラブレッド」と「社台サラブレッドクラブ」は同時にまとめて、それからしばらくして、「シルクホースクラブ」から送られてきた。過去には他のクラブからも送ってもらったことがあるので良く分かるが、どのクラブも写真集やカタログのような素晴らしいパンフレットを送ってきてくれる。印刷代だけでもかなり掛かるのではないかと余計な心配をしてしまうが、それでも馬が売れれば十分に利益が出るのだろう。そう、今や一口馬主全盛の時代なのである。

私が競馬を始めた1990年から25年が経ち、この間にコアな競馬ファンの馬券から(一口)馬主へのシフトがあった。これは大きな潮流の移り変わりである。馬券時代には、ロマンを絡めて競馬が語られた時期もあったし、枠番から馬番への移行に伴い馬券が盛り上がり、3連単等の導入によってその流れが加速したかに見えたが、様々な要因が重なり、馬券の売り上げはみるみるうちに失速し、コアな競馬ファンは馬券に対しての興味を次第に失いつつある。

海外の競馬を範にして、多様な種類の馬券を売り出したことが、馬券時代の終わりの始まりだったと私は思う。当時は、アメリカや香港では3連単やWIN5のような馬券が売られているのに、なぜ日本では買えないのだという論調であったと記憶している。私もそのような馬券が売られたら面白そうだと思ったこともあった。がしかし、いざ発売されてみると、たしかに売り上げに占める割合は3連単が大きく占めるようになったものの、競馬の質も大きく変容してしまったのだ。戦後から長い歳月をかけて、せっかく競馬が数字だけの賭博ではなく、ロマンやスポーツなどの要素も併せ持つ知的ゲームになったのに、再び騎手や馬たちはサイコロの駒のようになり、競馬は数字の組み合わせに化してしまった。

競馬ファンの興味や視点が数字の組み合わせに向くと、マスコミや競馬評論家たちもすなわちそちらを向かなければならない。競馬のマスメディアは、メインストリームを自ら作り出しているのではなく、メインストリームを追っているだけなのである。なぜなら、そうしなければ、番組は見てもらえないし、雑誌や本は買ってもらえないからだ。こうして書店の本棚からは競馬の本質に迫るような内容の読み物は消え、いかに儲けるかという馬券本で埋め尽くされた。私も昔はよく行った書店の競馬本コーナーにも、最近は足を運ぶことが少なくなった。

こうした変化に抗うためか、意識的であれ無意識であれ、コアな競馬ファンの中には馬券に当てていた資金を一口馬主の方に回す者が現れ始めた。私たちは、1頭1頭の競走馬をしっかりと見つめたいのだ。競馬の本質をもっと身近に知りたいのだ。そんなコアな競馬ファンの声にならない気持ちの現れだと私は思う。もちろん、ダビスタ世代である私たちは、万馬券を当てたり、3連単で高額配当を手にしたりするよりも、もっと興奮することがあることを知っているからでもある。そう、自分の愛馬がレースで勝つこと。これは競馬における至福の瞬間であり、かつ競馬の原点でもある。

「サンデーサラブレッド」、「社台サラブレッドクラブ」、「シルクホースクラブ」の3つのパンフレットに目を通し、募集馬たちの立ち写真や血統等を比べてみた。魅力的な馬ばかりで目移りしてしまうと内心困っていたところ(いつもそれで結局選びきれない)、「シルクホースクラブ」のあるページを開いたとき、私の目は止まった。そして、しばらくそこから動けなかった。一目ぼれ?直感?そんなシンプルな言葉では表しきれない、素晴らしき馬体と血統の馬がそこにいたのだ。私は迷いなくその馬の募集番号と母の名前を申込用紙に記入し、ポストに投函した。あとは抽選のみ。

Photo by fakePlace

(次回へ続く→)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

« September 2015 | Main | November 2015 »