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ダートを走っているからといってダート馬とはかぎらない

Rensai31

私にとってのベストレースのひとつに、マヤノトップガンが勝った1997年の天皇賞・春がある。サクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーという3強の争いになったこのレース。休み明けで気がはやる横山典弘騎手のサクラローレルを追いかけるように武豊騎手のマーベラスサンデーが仕掛け、2頭のデッドヒートで幕を閉じるかと思われた矢先に、最後まで死んだふりをしていた田原成貴元騎手のマヤノトップガンがゴール前で大外から強襲し大逆転した。3分14秒4という勝ち時計は、当時としては破格のレコードタイム。超一流馬同士の力と力のぶつかり合い、そして名騎手同士の心理戦や駆け引きが凝縮されたようなレースであった。あれから20年近くの歳月が流れたが、今、改めてレース映像を観ても心が震える。

マヤノトップガンにとっては、残念ながらこの天皇賞・春が最後のレースとなってしまい、その他、宝塚記念や有馬記念、そして菊花賞を含む、G1レースを計4勝して引退した。実績だけを振り返ると、どこからどう見ても芝のレースを得意とする長距離馬であるが、実はマヤノトップガンは新馬戦から7戦目までをダートのレースに出走した。のちに菊花賞を制し、天皇賞馬に登り詰めた馬が、ダートの1200m戦を6回も走ったのである。

なぜそこまでマヤノトップガンがダートにこだわったのかというと、ダートに向いていると思われていたからではなく、脚部にソエの症状が見られていたからである。陣営が大事をとってダートのレースを走らせていたわけだが、やはり勝ち上がるのに4戦を要してしまった。しかし、もしあの時点で芝を使っていたとしたら、マヤノトップガンの力を発揮できるようになる前に怪我をしたり、もしかするとターフを去らなくてはならないようなアクシデントに見舞われていたかもしれない。結局、ダートでは7戦して2勝しかできなかったが、その後の芝での活躍の礎となった時期であることは間違いない。

マヤノトップガンように、たとえダート戦を走っていてもダート馬ではない馬もいることに注意したい。ダート馬の特徴を持っているからダートのレースへ、芝馬だから芝のレースへという単純なことではない。特に、ダートのレースに出走する馬には、その時々の事情があることが多い。たとえば、本来は芝でこその馬なのだが、脚元に不安があったり、体が出来上がっていなかったりして、当面はダートを使うという選択をする馬もいるということである。こういった馬は、脚元が固まったり、もしくは体が出来上がったりして、芝のレースに出走してきたときこそが狙い目である。ダート馬だと思いきや、芝のレースに路線変更した途端、まるで別馬のように走り出す馬もいる。

(続きは週刊Gallopにて)


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