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騎手の総合力を示す連対率、“3割騎手”の手綱さばきに注目

Rensai30

メジャーリーグで3割打者が消えてしまうかもしれない、という記事を読んだ。今や150キロの速球を投げる投手はゴロゴロいて、そこにどう変化するか予測ができない変化球をちりばめられてしまうと、打者がそれを打つのは容易ではない。私も高校まで野球をやっていたから、手も足も出ないという打者の気持ちがよく分かる。さらに打球の方向性などを統計的に研究し、守備の位置を変えるという戦略も加わり、各打者は丸裸にされてしまった。昨シーズン、規定打席数に達した上で、打率が3割を超えたのはわずか17名。1995年度の55名と比べると、「3割打者は絶滅危惧種」という言葉もあながち大げさではない。投高打低、打者にとっては受難の時代がやってきたのだ。

3割という数字を聞いたとき、私の頭に浮かんだのは、騎手の連対率のことである。騎手の勝率はおよそ1割台であり、10回レースに乗っても勝てるのは1回か2回、つまり、どれだけ腕の立つ騎手であっても、10回に9回か8回は負けてしまうということだ。そう考えると、打率と近い確率にあるのは、騎手にとっての連対率だろう。私は騎手の総合力は勝率や連対率によって示されると考えていて、連対率に関していえば3割以上、言うならば、10頭に騎乗して、3頭を勝ち負けさせることができれば一流である。

連対率3割という観点から、ここ十数年のジョッキー界の移り変わりを見てみたい。2002年における武豊騎手は、なんと0.435という驚異の連対率をはじき出している。およそ2回に1回は連に絡み、勝率も0.291であるから、カラスが鳴かない日はあっても武豊騎手が勝たない日はない、という表現もウソではないほどの目覚ましい活躍ぶり。その後も、さすがに4割にこそ届かなかったが、毎年コンスタントに連対率3割を保ち続けた。途中、安藤勝已騎手が彗星のごとく登場し、連対率4割に至った年もあったり、横山典弘騎手がベテランの意地を見せて連対率3割を保った年もあったりしたが、大まかに言うと、武豊騎手への一極集中時代であった。つまり、連対率が3割に達するのは、武豊騎手ともうひとり他にいるかどうかという時代であり、それは2009年まで続いた。

流れが変わったのは2010年以降で、武豊騎手が落馬負傷を機にスランプに陥り、群雄割拠の時代が始まった。武豊騎手の代わりを担うように、横山典弘騎手や岩田康誠騎手がかろうじて連対率3割に達したが、ついに2013年にはそれも途絶え、連対率3割の騎手は誰1人としていなくなってしまった。腕の立つ騎手がいなくなったのではなく、全体のレベルが上がり、騎手間の競争が激しさを増したということだ。ついに3割騎手が消えたのである。

(続きは週刊Gallopにて)

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