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“勝つためのポジション″を走った馬が勝つ

Rensai33

競馬には勝つためのポジション(以下、勝ちポジ)が存在する。競馬は強い馬が勝つわけでも、勝った馬が強いわけでもなく、勝ちポジを走った馬が勝つということである。そして、ダートレースは、芝のレースに比べて、勝ちポジが限定される。芝のレースよりもダートレースの方が勝つために走らなければならないポジションが少ないということだ。そのため、ジョッキーたちは勝ちポジを走らせようとしてポジション争いが激化し、当然のことながら、勝つチャンスがある馬も限られてしまう。走る能力の差というよりは、道中をどこのポジションで走られたかによって、勝つチャンスがある馬とない馬に分かれてしまうのだ。

勝ちポジという概念を私が発見したのもダートレースにおいてであった。2008年の平安Sで、角田晃一元騎手が騎乗した6番人気のクワイエットデイが、まるでそこに一本のライン(道)があるかのようにスタートからゴールまで駆け抜けた姿を見て、競馬には勝つためのポジションがあることを確信したのである。それ以来、京都1800mダート戦において何度も勝ちポジを走って勝つ馬を見続けてきた。人気馬であれ、人気薄の大穴であれ、勝つ馬はほとんどいつもと言ってよいほどに勝ちポジを走っているのだ。勝った馬がそのポジションを走っているのではなく、そのポジションを走ったからこそ勝ったのである。

笠松競馬場から中央競馬に移籍した安藤勝己元騎手は、中央競馬の特に芝のレースのバリエーションの豊富さについて語っていた。地方競馬に所属していた時代は、ほとんどのレースにおいて勝ちポジが同じであり、馬の競走能力の高低や騎手同士の駆け引きというよりは、どうやってそのポジションを目掛けて馬を走らせるかに集中しなければならなかった(するだけで良かった)。そういう競馬を何十年も続けていると、さすがに飽きてくる。対する中央競馬のレースでは、コース設定や道中の展開が多様であり、レースごとに勝ちポジが異なってくる。道中には騎手同士の駆け引きがあり、乗り方次第では騎乗馬の未知の能力を引き出したりすることもできる。安藤勝己元騎手にとって中央競馬のレースが新鮮に映ったのもうなずける。

(続きは週刊Gallopにて)

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