« バランスの良さが際立つコパノリッキー:5つ☆ | Main | 阪神ジュベナイルFを当てるために知っておくべき3つのこと »

ダート競馬の面白さであり、難しさでもある。


チャンピオンズC2015―観戦記―
コーンベリーに先頭を取られまいと、コパノリッキーが気合をつけてハナを主張したにもかかわらず、外からヒュー・ボウマン騎手のクリノスターオーと香港馬ガンピットが競りかけたことで、レースは大方の予想を超えたハイペースとなった。前半4ハロンが48秒0で、後半が50秒2という流れでは、さすがに前に行った馬にとっては厳しい。そこをさらにホッコータルマエが早めに追いかけたことで、先行馬は総崩れという展開となり、後ろから末脚を伸ばした馬たちの差し比べの決着となった。

勝ったサンビスタは厳しい流れを中団の内で追走し、直線では綺麗に抜け出したのだから強い。ダート戦における基本の勝ちポジを走れたことで、距離ロスがなく、脚をきっちりと溜められたことが最大の勝因ではあるが、それでも力がなければ成しえない勝利であった。牡馬に混じると勝ち切るのは難しいと考えていたが、私などの見立てを遥かに超えた走りで、さすが角居勝彦厩舎と言うべきか、大一番に合わせてトモの筋肉をしっかりとつくってきた。前走はやや余裕残しの仕上げであったのだろう。父スズカマンボ、母の父ミシルという血統の馬がG1レースを勝つのがダート競馬の面白さであり、難しさでもある。

ミルコ・デムーロ騎手はダート競馬の基本のキに徹していた。スタートを決め、内枠を生かして内の3番手のポジションに潜り込み、余計な動きをすることなく、あとはひたすら脚をためる。最後の直線に向いて、ひと呼吸置いてから、馬群の開いたところを目がけて追い出す。それで伸びなければ馬の力が足りなかったということで、今回はサンビスタの手応えが思っていた以上に良く、追い出してからも驚くほどに反応した。他の有力馬が勝利を意識しすぎて勝手に自滅したことは確かだが、騎手としてやるべきことをやったことで勝利が転がり込んできた。どのような状況においても、それができるのがデムーロ騎手の騎乗技術と言えるのでもあるが。

2着に入ったノンコノユメは展開が向いて、さらに内のコースが開いたが、わずかに届かなかった。勝った馬が強かったと諦めるしかない。それにしても、安定して末脚を繰り出せる精神力の強さは、とても3歳馬とは思えない。この後、東京大賞典に向かうのかどうか分からないが、来年に向けて、身体の成長を促していくことが課題である。もう少し馬格が出てくると、中団ぐらいを追走できるようになり、さらに走りが安定してくるはず。クリストフ・ルメール騎手は内をさばいて、巧く乗っているが、今回は勝ち運がなかった。

ほぼ最後方から3着に突っ込んだサウンドトゥルーにとっても、展開が向いただけに、悔しい敗北だろう。ノンコノユメとは外を回した分の差であるが、あそこで内外の是非を判断するのは難しい。これ以上ないほどに流れが向いても勝てなかったということでもあり、この馬ももう少しパワーアップし、道中のポジションを上げることができると、さらに強くなるはず。

1番人気のコパノリッキーにとっては、さすがに展開が厳しすぎた。前走のような鮮やかな逃げ切りを決める可能性がある反面、ハイペースに巻き込まれ崩れてしまう逃げ馬の脆さも同居している。それでも大きく負けてはおらず、どうにもチャンピオンズカップは相性が悪いが、年末の東京大賞典は好走のチャンスは十分にある。ホッコータルマエは、控えて伸びるタイプではないことは確かだが、あまりに強気に前を追いかけ過ぎた。レースは2頭だけで行われているわけではなく、コパノリッキーを交わせば勝てるという単純なものではない。昨年はあった他馬を抜かせない気持ちの強さが足りない感もあり、東京大賞典でも危ない人気馬になりそう。

|

Comments

Post a comment