« 京都金杯を当てるために知っておくべき3つのこと | Main | エイシンブルズアイ展開次第では前残りも:5つ☆ »

厳しい戦いの経験が“最後のひと踏ん張り”につながる。

Rensai41

3歳馬が古馬相手のレースで揉まれたり、またオープン馬がG1レースのような大きな競走を経験したことにより、その後、見違えるほどに強くなる馬がいる。ここで言う古馬相手のレースや大きな競走とは、タイムが速かったり、ペースが速かったり、ラップが厳しかったり、ということではない。たとえG1であっても、タイムが遅く、スローペースで、ラップ的にも見るべきものがないレースだってあるだろう。それでも、強いメンバーが揃う、格の高いレースで走った馬が、突然に覚醒して、まるで別馬のように走り出すのはなぜだろうか。

最大の理由を挙げると、強い馬が集まるレースでは、最後の直線における各馬の踏ん張りが違うということに行き着く。踏ん張りとは、もはや走る余力などこれっぽっちも残っておらず、一杯いっぱいになってしまった極限状態でも、そこから我慢して、さらにもうひと伸びしようとするということである。速く走るために生まれてきたサラブレッドである以上、どの馬も潜在的なスピードやスタミナは持っているのだが、それでも強い馬と弱い馬に分かれるのは、最後の踏ん張りが違うから。最後にどれだけ踏ん張れるかが、ほとんどの大レースにおいては勝者と敗者を隔てているのである。

それまでは能力だけでトントンと勝ち進んできた馬が、初めてG1レースに挑戦し、あっさり負けてしまうのもそういうわけである。ゴール前で極限を超えてまで踏ん張るという経験をしたことがないだけに、能力的にはゆうにG1級であったとしても、あと一歩及ばずという結果になってしまうことがある。

たとえば、2010年の宝塚記念でG1レースに初めて挑戦したアーネストリーがそうであった。絶好のポジションを手応え良く追走し、自分の勝ちパターンに持ち込めたように見えたにもかかわらず、ブエナビスタには差し返されたばかりか、外からナカヤマフェスタの強襲に遭い、0.2秒差の惜しい3着に敗れてしまった。レース後の佐藤哲三元騎手の「最後のところで、もう少しガムシャラさがあれば」というコメントが印象的であった。2頭に先着を許してしまったのは、能力でも展開でも体調でもなく、最後の直線の攻防におけるガムシャラさだというのだ。

(続きは週刊Gallopにて)

|

Comments

Post a comment