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出遅れという不運の中に眠っている幸運を見逃すな

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出遅れにはどうしても悪いイメージがつきまとう。出遅れてしまって逃げられない、または出遅れてしまい最後に伸びてはいるが届かない等々。特にわずか1分そこそこのタイムで決着してしまうスプリント戦において、出遅れは致命的である。ただし、ごく稀なケースではあるが、例外的に出遅れがプラスに働くこともある。出遅れたことによって、馬の走るリズムが変わるのだ。

キンシャサノキセキは2010年の春、4連勝で高松宮記念を制し、届きそうで届かなかったG1タイトルを手にした。この快進撃のきっかけとなったのは、09年の暮れに行われた阪神カップ。このレースで彼はスタートで大きく出遅れた。しかし、鞍上にいたM・デムーロ騎手は慌てることなく、キンシャサノキセキを最後方からゆっくりと走らせた。それまでの彼は行きたがる気持ちが前に出すぎて、いつも力んで先行し、最後の1ハロンだけ止まってしまうというレース振りであった。だからこそ、G1レースを勝つことができなかった。

デムーロ騎手に導かれたキンシャサノキセキは、馬群の外々を伸びやかに走り、最終コーナーでは先頭に踊り出るほどの手応えの良さで上がってゆき、最後の直線では他馬を突き放した。あれだけ手脚を伸ばして走るキンシャサノキセキを久し振りに見たと私は感じた。最も驚いたのは、彼自身だったのではないだろうか。こんなにゆっくりと走っていいのだ。競馬っていつも一生懸命に走らなくてもいいのだ。そう思ったに違いない。7歳にして力を抜いて走ることを覚えたキンシャサノキセキは、遂に覚醒したのだ。

キンシャサノキセキは偶然の出遅れであったが、意図的に出遅れさせ、後方をゆっくり走らせることで馬のリズムを変えてしまったケースもある。

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