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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第10回)

Hitokuti10

シルクホースクラブからは頻繁にメールで情報が届く。その中に愛馬の成長状況が記されているかどうかを探し、動画があればすぐさま確認する。我が子の保育園における日誌を読むような気持ちである。先日、クインアマランサスに関する、このような内容のメールを受け取った。

在厩場所:北海道・ノーザンファーム空港 調教内容:週2回屋内坂路コースでハロン17秒のキャンター2本、残りの日は周回コースでハロン24秒のキャンター3,000m 担当者「周回コースでの調教量を増やしていますが、調教には非常に前向きに取り組んでいますし、馬力も付いてきてパワフルな走りを見せています。まだ前脚の捌きが硬く、体を大きく使い切れていない感じですが、その点も徐々に良化しつつあります。馬体に張りが出て筋肉量も増えてきましたが、前に比べてトモが少し寂しい感じもあり、前後のバランスがまだ一息なので、もっとトモを使わせて動かすことで、時間を掛けて良化を促していきたいと思います」馬体重454㎏

どうしても悪い点ばかりに目が行ってしまうのは親として、いや一口馬主として仕方ないことなのかも知れないが、「前捌きが硬い」、「トモが少し寂しい」、「前後のバランスがひと息」という言葉に敏感に反応してしまう自分がいることに気づく。募集時の写真では、確かに前が勝ち気味ではあったけど、前後のバランスはそれほど悪くなかったのになあ、と振り返りつつ、成長過程において、前後のバランスが崩れたり、筋肉が硬くなってしまったりすることは、どの馬にとってもあり得ることであると頭では理解してみる。それでも心配してしまうというのが、親ごころならぬ一口馬主ごころなのだろうか。

少し落ち込みながら、桜花賞へのステップレースであるフラワーCの予想をしていると、ある1頭の有力馬の血統表を見たときに、マウスに載せている私の手が止まった。ギモーヴ(父ハービンジャー、母ヒカルアマランサス)。そういえば、クインアマランサスにはひとつ上の姉がいたのだ。自分の愛馬ばかりに気を取られて、姉の存在を忘れていた。改めて戦績を辿ってゆくと、新馬戦は2着、未勝利戦で3着したのち、3戦目の前走で勝ち上がっている。前走の勝ちっぷりを見るとなかなかの末脚があるようだし、未勝利戦で敗れたアドマイヤダイオウがその後2連勝で若葉Sを制したように、強い牡馬とも渡り合っている。

これ以上の朗報があるだろうか。繁殖牝馬として、ヒカルアマランサスは初仔から走る馬を出しているのだ。たとえ名牝であっても、その産駒は全く走らないということなど、競馬の世界ではざらにある。ひと昔前よりも、繁殖や育成のノウハウや技術が進歩して、ベストトゥベストの配合の馬が走る確率は高くなってきたが、それでも走らない名牝の仔たちは数多く存在する。ヒカルアマランサスがハービンジャーを父に重賞級の仔を生んだという事実の意味は大きい。もし父が(ハービンジャーよりも実績がある)キングカメハメハだとしたら、さらに走るのではないだろうかという妄想を膨らませてしまうのは仕方ないだろう。このように、谷から山へ、山から谷へ、気持ちのアップダウンを繰り返しながら、一口馬主の日々は過ぎていくのだ。

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