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マカヒキはディープインパクトを大きくしたような

Makahiki

マカヒキが無事にフランスに到着した。6週間後にはもう本番かと思うと、私の心は一気に秋へと近づき、凱旋門賞を走っているマカヒキの姿を鮮明に想像してしまう。凱旋門賞に日本馬が出走するだけで胸が高まるが、今年からは凱旋門賞の馬券を買えるようになり、私はどの馬の単勝を買い、どのような気持ちで最後の直線の攻防を観戦するのだろうかと今から妄想は膨らむ。ただの応援や観戦ではなく、予想もしなければならない以上、メディアにおける凱旋門賞の取り上げ方から私たちの視点まで変わってくるはずである。そして、最後にはどのような結末が訪れるのだろうか。

マカヒキは父ディープインパクトをそのまま大きくしたような馬で、ストライドもスケールも大きい。ディープインパクトのバネとエンジンの良さを持ちながら、手脚の枝が長く、馬体が大きくなったのだから、サラブレッドとしてこれ以上は求めようがない。陸上のウサイン・ボルト選手が強いのは、搭載しているエンジンが優れているだけではなく、他の選手と比べて手足が長く、肉体のスケールが大きいからである。おそらくフランスの競馬ファンは、10年前に凱旋門賞を勝ち損ねたディープインパクトが、そっくりそのまま大きくなって、スケールアップして、リベンジしに帰ってきたと思うのではないか。

正直に言うと、マカヒキという馬に対して、若駒Sの頃まではそれほどのインパクトは感じなかった。しかし、ディープインパクト産駒によく見られる傾向として、3歳の春に急激な成長を遂げたのだろう。3戦目の弥生賞を勝ったときの美しい馬体やその走りからは、父を彷彿せざるをえなかった。すでに日本ダービーを勝つに相応しい馬になっていた。その反面、マカヒキのような大きなストライドで走る馬が、馬場の深い欧州仕様のピッチ走法に変わってゆくには時間が掛かるし、難しい。軽さとスピードを兼ね備えた、マカヒキは理想的なサラブレッドであるからこそ、やや馬場の軽いシャンティ競馬場で行われる今年の凱旋門賞に出走するのは正解だと思う。能力的には十分に勝てるチャンスはあるはず。

ひとつだけ気がかりなのは、日本ダービーを勝った直後の秋シーズンだということだ。これはもう何度も主張してきているが、ほとんどのダービー馬たちは日本ダービーを勝つために全ての力を使い果たしてしまうため、ダービー後には大きな反動に見舞われる。そのまま回復することなく引退してしまう馬もいれば、長い歳月をかけて復調する馬もいる。ダービー馬は負けてはならないという使命を負うため、秋緒戦は無理をして仕上げて勝つことがあっても、その先が続かずに凡走してしまう。マカヒキにも同じことが当てはまるかもしれない。最終追い切りが素晴らしい動きであったように、日本ダービーに臨むにあたって、マカヒキには究極の仕上げが施されていた。レース後には間違いなく大きな反動があったはずだ。凱旋門賞までに、どこまでその反動から立て直すことができるだろうか。たとえ前哨戦の二エル賞を勝ったとしても浮かれてはならない。疲れ癒えていない場合には、日本ダービーの反動が噴出してしまうのは凱旋門賞なのだから。

Photo by 三浦晃一

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