« レースの条件によって切れ方が違う「カミソリ」と「ナタ」 | Main | オールカマーを当てるために知っておくべき3つのこと »

集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第16回)

Hitokuti16

クインアマランサスがゲート試験に受かったという朗報が入ってきた。8月末に高野厩舎に入厩し、今月からゲート試験に向けて練習を始めたところ、15日に合格したという。最初は嫌がり、うるさいところを見せたので縛ったところ、観念したのか、翌日からは素直に行えるようになったそうだ。ゲートに縛られた彼女の気持ちを考えると心が痛むが、競走馬としてデビューするには仕方ないのだろう。賢くて素直な気性と評判の馬らしく、狭いゲート内で我慢することを受け入れるや、出るときの反応も良くなり、すぐに試験に合格することができたのだからさすがである。

クインアマランサス
助 手 9. 4栗坂稍 58.4- 42.2- 27.4- 13.9 馬なり余力
ストライクイーグル(古500万)馬なりに同入
助 手 9.11栗坂良 57.2- 41.2- 26.8- 13.2 馬なり余力
リルティングインク(古500万)馬なりに0.2秒先行同入
助 手 9.15栗E良 12.8 ゲートなり

坂路でのキャンターも並行して行われているようで、タイムこそまだまだであるが、しっかりと動けるようになってきているとのこと。しかし、動き出すときと、走るのをやめるときに硬さが見られるようで、そのあたりに心配は残る。おそらく、負荷に対して成長が追いついておらず、筋肉や腱などに疲れが残っているのだろう。疲れが抜けないまま、調教のピッチを上げても、馬体はさらに硬くなってしまう恐れがある。ここは焦らず、もう少し時間を掛けて成長を促していく方向で、再びノーザンファームしがらきに戻ることになった。私もそれが正解だと思う。早くデビューしてもらいたい気持ちは山々だが、無理をして怪我や故障につながってしまっては元も子もない。

競走馬がデビューするまでの道のりは、本当に一歩一歩なのだと改めて思う。近道はないし、遠回りをすることがかえって良かったりもする。ひとつ1つの難関や試練をクリアしていきながら、2歩進んでは1歩下がりつつ、競馬場へと近づいてゆく。一口馬主になることの価値は、この永遠とも思える時間を確かに共有できることなのかもしれない。すぐに結果が出ることを求められ、細切れの時間の中で生きている私たちにとって、表に現れるまでにこれほどまでに時間が掛かる遊びに付き合うことは稀であろう。誰にとっても時間というものは共通して流れていて、それは伸ばすことも縮めることもできない。それが現実なのだと教えてくれる。

クインアマランサスはいつまで放牧されることになるのだろうか。ゆっくりと身体をほぐすことができるだろうか。ノーザンファームしがらきに行けば、彼女と会うことができるのだろうか。彼女に会ってみたい。そう思うようになってしまった。

そんな甘い思いに耽っていると、見透かしたように、シルクホースクラブから2016年度の募集パンフレットが届いた。これでもう1頭選びながら、気を紛らわせなさいということか。初めて出資したクインアマランサスが走り始めるのを見届けない限り、2頭目なんてとんでもないと思っていたし、もう1頭のことを考えるなんてクインアマランサスに悪いと律儀なことを感じていたりもした。とにかくクインアマランサスの生涯をこの目でしっかりと見届けたいのである。そんなこんなで、私はクラブから届いた封筒を開けることなく、机の上にそっと置いた。

|

Comments

治郎丸さんいつもお疲れ様です(・ω・)ノ馬をサラブレッドを愛してる人ならきっと治郎丸さんと同じ感情や気持ちになると思います。些細なことでも気になり一喜一憂しながら早くデビューして欲しいけど無理はさせて欲しくないですし傍にいないからこそ思いは募りますね。とにかく無事にと自分も陰ながら祈ってますねo(^▽^)o

Posted by: ユビキタス | September 21, 2016 at 01:36 AM

入厩したら調教積んでデビュー、ぐらいにしか思ってなかったのですが、こういうこともあるんですね。馬に合わせて丁寧な対応がされてるんだなというのが伝わってきます。

こちらも16年度の募集カタログ届きました!オルフェーブルやロードカナロアなど新種牡馬の子供も気になりますし、ダイワメジャーの筋骨隆々の馬体も魅力。ヒカルアマランサスの15、お姉さんにソックリ!に見えました。現実に自分の愛馬として競馬場を走るのかもと想像すると・・。今まで味わったことのないワクワク、ドキドキを感じなから眺めてます。

Posted by: やっとこ | September 21, 2016 at 09:53 AM

ユビキタスさん

ありがとうございます。

一口馬主は近いようでいて遠くて、あっと言う間のようでいて長いですね。

走り始めるとまた違った感覚になるのだと思いますが。

とにかく無事にデビュー戦を迎えてもらいたいと願っています。

Posted by: 治郎丸敬之 | September 21, 2016 at 03:18 PM

やっとこさん

そうみたいですね。

手元に置いておくのではなく、ノーザンファームしがらきを上手く使いながら、馬房を回していくのは大変ですよね。

募集カタログ届きましたね。あらゆるところから情報が入ってきてしまって、もうほとんど見たような気になっていますが。

募集馬カタログを読んでいるときが一番楽しいですよね(笑)。

Posted by: 治郎丸敬之 | September 21, 2016 at 03:21 PM

お疲れさまです。
かつての一口馬主として、お気持ちは手に取るように伝わってきます。

私が初めて出資したカゼノコウテイもケガもあり、晩成型でもあったようでデビューに手間取りました。
そしてデビュー後も3歳未勝利戦の番組があるうちに勝てず、いったん園田に転厩してそこで2勝をあげ、中央に帰ってきてくれました。

その後新潟で2勝して、アルゼンチン共和国杯に出走した時などは天にも昇るここちでした。

のちに出資したプレザントブリーズなどはディープインパクトの姪に当たり、新馬戦であっさり勝って色めき立ちましたが(笑)それっきりでした。

まことに、思い通りにいかないのが人生・競馬・そして一口ライフです。
でも、それもこれも含めていとおしいものですね。

クインアマランサス デビュー、そして初勝利!の朗報を心待ちにしております。


Posted by: 桜 富士子 | September 25, 2016 at 12:30 PM

桜 富士子さん

ありがとうございます。

カゼノコウテイは紆余曲折あったようですが、素晴らしい馬でしたよね。

デビューする前の身ですから、自分の一口馬が重賞に出るなんて想像するだけでドキドキします(笑)

でもここまでくると、まずはデビューして、目の前で走ってくれたらそれでいいかとさえ思うようになってきました。

私たちが願うように活躍する馬なんて、ほんとうに一握りなのですから。

Posted by: 治郎丸敬之 | September 26, 2016 at 09:49 AM

Post a comment