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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第18回)

Hitokuti18

クインアマランサスがノーザンファームしがらきに放牧されてから、音沙汰がなくなった。といっても、音信不通になったとかそういうことではなく、ほとんど動きがなくなったということである。シルクホースクラブは状況を逐一メールで送ってくれてありがたいのだが、馬自身の臨戦態勢がなかなか整っていかないのだろう、この1ヶ月と少しの間、栗東トレセンに戻れそうな気配が一向に感じられない。

9月23日
厩舎長「先週いっぱいは疲れを取るために軽めのメニューで調整し、20日から周回コースで乗り出しを開始しています。捌きの硬さは窺えるものの、姿勢を起こしながら意識して乗ると少しは肩の出がスムーズになるので、出来るだけ意識しながら調教を行っていきたいと思います。馬体重は452kgです」

9月30日
厩舎長「この中間は坂路主体の調教メニューにして、出来るだけ体全体を使って走らせるように心掛けています。歩様の硬さも少しずつ良化が窺えますから、今の感じで進めていきたいと思います。馬体重は469kgです」

10月7日
厩舎長「歩様の硬さも時間をかけてあげれば解れてきますし、普段は坂路で17秒ぐらいのキャンターを2本行い、速い日は終い15秒まで脚を伸ばしています。今のところ変わりなく来ていますし、出来るだけ体全体を使って、前に負担をかけずに走れるよう心掛けながら調教を行っていきます。馬体重は473kgです」

10月14日
厩舎長「この中間も順調に調整することが出来ていましたので、今週から週3回のペースで17秒から15秒まで脚を伸ばしています。ここまで進めている限り、歩様の硬さも変わりなく来ていますし、状態としては上向き傾向にあります。このまま乗り込んでいけば帰厩の目処が立ってくると思いますので、引き続き良化を図っていきたいと思います。馬体重は479kgです」

10月21日
厩舎長「この中間も坂路でハロン17秒から15秒まで脚を伸ばしていますが、歩様も変わりありません。もう少し時間をかけて本数を重ねていけば更に良くなってくると思います。馬体重は475kgです」

10月28日
厩舎長「この中間も坂路でハロン16秒から15秒まで脚を伸ばしていましたが、順調にここまで進めることが出来ましたので、今週はリフレッシュを兼ねてトレッドミルで軽めのメニューで調整しました。乗り込む毎に状態も上向いてきましたし、来週から元のメニューに戻して帰厩に向けて進めていきたいと思います。馬体重は479kgです」

11月4日
厩舎長「先週一杯はリフレッシュを兼ねて軽めの調整でこれまでの疲れを取りましたが、今週から坂路でハロン17秒ぐらいのところで乗り込みを再開しています。このまま変わりがなければ来週からハロン15秒まで脚を伸ばし、帰厩に向けてピッチを上げていきたいと思います。馬体重は476kgです」

馬体重の変化を見ると、クインアマランサスにとって栗東トレセンという新しい環境における生活がストレスフルであり厳しいものであったことが窺える。ゲート試験も含めて、競走馬としてデビューするための最終仕上げが施されるのだから当然といえば当然だが、入厩前と比べると馬体重が15kg減って戻ってきている。この数字だけを見ても、そのままデビューさせるのではなく、一旦ノーザンファームしがらきに放牧に出して立て直してからという判断は正しかったのだろう。

もうこれぐらいの時点になると、馬の欠点もはっきりとしてくる。クインアマランサスにおいては、前駆のさばきの硬さや肩の出の悪さが挙げられる。おそらく前に前にと気持ちが行って、前駆(人間でいうと上半身)だけで走ろうとして、両前肢に負担が掛かってしまうという走るフォームの欠点が顕著なのだろう。上半身を起こして、もっと体全体を使ってゆったりと走れるようにならなければならない。

前駆が勝っていて、トモが弱いという肉体の構造上の偏りがあるからこそ、走るフォームにも不均衡が生まれている面もあるが、逆に走るフォームを矯正することで、肉体の構造上の偏りを均(なら)していくという作業が必要になるのだ。時間が掛かる作業だし、長い目で見ると、時間を掛けるべきだろう。

そうはいっても、もうさすがに11月も半ばを迎えようとしている。かつて私は、クラシック戦線に乗ってくる馬は年内にデビューしているという理由で、年明けに格付けを行っていた。ちなみに、日本ダービー馬であるマカヒキもオークス馬のシンハライトも10月の新馬戦でデビューしている。他のクラシック競走上位馬たちも同じである。残酷なようであるが、年内にデビューできない馬は、能力面や健康面、気性面など何らかの理由があって出走にこぎつけることができていない。それは競走馬としての欠陥と言い換えても良いだろう。この厳然たる事実を、まさか自分の愛馬に突き付けられるとは。残された時間はあと1ヶ月半。

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Comments

この度、僕も晴れて一口馬主の仲間入りしました!抽選通るかドキドキでしたが、何のことはなし、全く満口には届かずアッサリ当選で拍子抜け。ダイワメジャーの牝馬で馬格があり、芝でもダートでも短い所で速い時期から活躍してくれるかな~。と今から楽しみでたまりません。

この時期になると毎週レポートが届くんですね。一年先のことが分かるので勉強になります。これからも連載継続ください!

Posted by: やっとこ | November 10, 2016 at 11:00 PM

愛馬デビュー前のドキドキ感とイライラ感良く分かります。
でも、今が一番楽しい時かも知れませんよ。
たいがいの場合「こんなハズではなかったのに・・・」と言う事になりますから(笑)
でも、それもこれも競馬です。
これを受け入れられなかったら一口なんて続けてられません(^_^;)
馬券も同じでしょうけど。
「性懲りも無く」という言葉は競馬好きのためにあるのかも知れませんね。

一口馬主の楽しみは何もクラシック出走だけではありません。そりゃあ出てくれるに越したことはありませんが・・・。
一戦でも多く競馬場で出会えることも立派な楽しみ方の一つと思います。
出会うたびに成長してくれる、これはこれで楽しいものですよ。

残念ながら小生は仕事に関連した講習会の日と重なっているため行くことができませんが、取材かたがたこちらへ出かけられてはいかがでしょうか?
http://www.thoroughbret.org/2016
それでは。

Posted by: アダチ@おかやま | November 11, 2016 at 12:06 AM

やっとこさん

おめでとうございます。

私もすんなり最初から通ったので拍子抜けした覚えがあります。

でもいきなり一口デビューで抽選落ちよりも良いですよね。

毎週メールで近況が届くのですが、最近はあまり変化がなく、競走馬がデビューするのって難しいなと改めて感じています。

やっとこさんのダイワメジャー産駒が無事にデビューできることを願います。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 13, 2016 at 09:55 AM

アダチ@おかやまさん

たしかにデビューする前は愛馬の能力は未知ですから、今は何だかんだ言いながらも、大きな夢を抱けますものね。

こんなはずじゃなかったというのは想定済みですが、それでも実際にそうなると悶々としてしまいそうです(笑)

リトレーニングセールは面白そうですね。
調整してみましたが、やはり私もその日は祝日ということもあって、岡山まで遠征することはできそうにありませんでした。
こんな企画が岡山で行われているなんて、これから先、田舎に帰る機会が増えるかもしれませんね。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 13, 2016 at 10:00 AM

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