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プロフェッショナル 仕事の流儀「オグリキャップ」を観た人に読んでほしい1冊

Umahadarenotameni

オグリキャップが勝った有馬記念は、私は馬券も買わず、ひとりぼんやりと後楽園ウインズで観ていた。当時はまだ右も左も分からない競馬初心者で、有馬記念のウインズがあれほど混むとは思いもよらず、長蛇の列に並んでみたものの馬券を買うことが出来なかったのだ。しかし、あの時、生まれて初めて、競馬のレースを観て鳥肌が立った。最後の直線でオグリキャップが先頭に立った時の、後楽園ウインズを包んだあの異様な空気は、今でも忘れられない。

この本の著者、木村幸治氏はその空気を映画「蒲田行進曲」のラストシーンに重ねる。

(オグリ、来い、来るんだ、オグリ。) 心の中で、わたしも叫んでいた。胸の奥で熱いものが湧いてきた。何かのシーンに似ている。そうだ。映画「蒲田行進曲」のラストシーンだ。<池田屋階段落ち>で、新撰組に扮した風間杜夫の銀ちゃんが、自分のため死を覚悟で階段を転げ落ち、瀕死の重傷を負った安次に、涙で顔をグシャグシャにして言うセリフにそっくりだ。 (ヤス、来い、来るんだ、ヤス、上がってこい、立つんだ、ヤス) 不思議な感覚が、小さな震えが、わたしの全身を襲ってきた。 オグリは下がらなかった。トップを譲らなかった。 ゴール。オグリキャップが勝った。勝ってくれた。メジロライアンを四分の三馬身差に押さえ込んで。信じられないことが、目の前で起きた。奇跡といっていいだろうか。

やはり、競馬のノンフィクションを書かせたら、木村幸治氏の右に出る者はいないと思う。このくだりは何度読んでも、読むだけであの時の興奮が蘇ってきて、鳥肌が立つ。そして、あのレースを生で観ることが出来たことを、一競馬ファンとして幸せに思う。

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Comments

次郎丸さん
こんにちは。
オグリキャップのプロフェッショナル見ましたよ。
この番組で人間以外がクローズアップされるのは初めてのことみたいで いかに凄いことかがわかります。
亡くなって7年、引退からは27年も過ぎているののに取り上げられることがうれしいです。
オグリキャップが亡くなったニュースを私はニュース速報で知りました。
1頭の馬の死が速報で流れることは稀だと思います。
競馬を知らない人からすれば たかが馬の死がなぜに速報で流すほどのニュースになるのかと思われるかもしれませんが、たかが馬ではないのがオグリキャップという馬の凄さです。
クラシックに出られなかったこと等 もっともっと視聴者に知ってほしいことはたくさんありましたが時間の都合ですべてを練り込むことは難しいですが 見てよかったと思える内容でした。
温泉に入るときは、おやじのようにいつも頭にタオルを乗せてるオグリの親しみ安さも映っていてほっこりしました。
何より引退レースのリャイアン、リャイアンが忘れられません。
感動を笑いに変えてしまう素晴らしい音声です。
これからもずっとオグリキャップがファンの中で行き続けていくことを願います。

Posted by: 通りすがりの皇帝ペンギン | February 14, 2017 at 11:17 AM

冶郎丸さん こんばんは。

プロフェッショナル 仕事の流儀「オグリキャップ」見ました。
何回見ても涙が勝手に溢れ出るレースですね。
番組を見ていて『サラブレッドと暮らしています。』の調教師の言葉を思いました。
オグリキャップの母のホワイトナルビーが競争馬時代所有し
笠松時代にオグリの馬房に通い詰めその後手放す苦渋の決断をした馬主小栗孝一氏。
私がもし馬主だったら出来たかどうか…

Posted by: コテツ | February 14, 2017 at 08:24 PM

オグリキャップの有馬記念は、実家のコタツで見ていました。直線では「オグリ!オグリ!」とコタツをガチャガチャ叩いていました。今でも動画を再生しようとするだけで、じわっときます。

でも、他の家族にはあの感動が伝わらなかったようで、コタツを叩いたことを怒られたことを思い出します。

ご推薦の本は古本屋に注文しました。

Posted by: Masaki Yoshio | February 15, 2017 at 12:36 AM

通りすがりの皇帝ペンギンさん

こんばんは。

プロフェッショナルご覧になられたのですね。

オグリキャップはどんな角度から語っても物語になる、素晴らしい競走馬でした。

改めてその走りを観て、身体の柔らかさと並んだら抜かせない気持ちの強さがあったのだと認識しました。

リャイアンのかけ声もまた伝説で、フジテレビのあの実況が私は大好きです。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 15, 2017 at 10:20 PM

コテツさん

半信半疑で観ましたが、今まで知らなかった小栗さんの素顔などを知れて、観て良かったと思いました。

手放したけど、手放したとは思っていなかったという娘さんのコメントは、とても気持ちの分かる表現でした。

あれだけの名馬は今後も現れないことでしょうね。

あの有馬記念の年に競馬を始めていて本当に良かったです。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 15, 2017 at 10:23 PM

Masaki Yoshioさん

そうなんですか、こたつを、家族には分かってもらえなかったのですね(笑)

競馬のことを知らない人でも感動するのかと思っていましたが、やはり分かる人に分かるのでしょうか。

僕はあのレースを後楽園ウインズで観ていて、ウインズが地響きがしたのを覚えています。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 15, 2017 at 10:25 PM

「馬は誰のために走るか」が届きましたので、まずはオグリキャップの章を読みました。フィクションではないかと勘ぐるくらい劇的で面白いです。名言が随所に散りばめられていて、線を引きたくなってしまいました(が、汚れるのでガマンしました)。kindleだったら、好きなだけマーカー引けるのに^^

武邦彦一家の様子あたりだけでも読む価値がありました。ありがとうございました。

Posted by: Masaki Yoshio | February 20, 2017 at 08:43 PM

Masaki Yoshioさん

さっそく読んでくださって、ありがとうございます!

木村さんの書く競馬ノンフィクションは最高ですよね。

こういう良質な読み物を読むと、ますます競馬が好きになりますよね。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 20, 2017 at 09:23 PM

治郎丸さん。お疲れ様です。
遅ればせながら、オグリキャップを取り上げて頂き誠にありがとうございます。
私ごとで恐縮ですが、競馬趣味の始まりとほぼ同時にオグリキャップがデビューし、毎週のように笠松に通ったことが昨日のことのように思い出されます。
きしくも小栗さんとは同郷で、競馬趣味に拍車が掛かったことは言うまでもありません。
オグリは競馬趣味に限らず、今の私を形成した存在と言って過言でなく、感謝の気持ちでいっぱいです。
何も恩返しのできない私ではありますが、いつかオグリの血を持つ子孫が光輝く日を夢に、競馬ファンであり続けたいと思います。

Posted by: 愛知のポルンガ | February 22, 2017 at 05:48 PM

愛知のポルンガさん

そうだったのですね。

オグリのデビューのときに笠松に通ったなんて、なんという幸運でしょうか。

そこから見続けたら、オグリキャップはもう伝説に思えますよね。

どこかにオグリの血を持つ名馬が誕生してくれることを私も願っています。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 23, 2017 at 08:29 AM

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