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新しい種牡馬たち

Newsires2017年度の種付け料が発表され、今年から来年にかけて、日本の種牡馬界や生産界が変動期を迎えると直感した。まずはディープインパクトによる独占化である。種付け料ランキング1位のディープインパクトの種付け料は3000万円であり、続くキングカメハメハのそれは1000万円と、1位と2位の間でなんと3倍もの差が生まれている。種付け料とは、単に種付けをするために掛かる費用ということだけではなく、それだけの種付け料を払っても受胎させたい、(血統)レベルの高い繁殖牝馬が集まるということを意味する。つまり、これからも世界トップクラスの繁殖牝馬を肌に持つディープインパクト産駒が続々と誕生するということ。しかもディープインパクトは母系の良さを引き出すタイプの種牡馬だけに、より好循環に拍車をかけることができる。

これに輪を掛けるのが、種付け頭数の増加である。ディープインパクトの昨年時の種付け頭数は230頭とゆうに200頭超えを果たしており、あのサンデーサイレンスでさえ、初年度は77頭であり、200頭を超えたのは2001年のみ。種付け管理技術の発達により、20年前に比べると、安定して多くの頭数に種付けができるようになっている。とはいえ、サラブレッドの生産頭数が増えているわけではないのだから、一部の人気種牡馬たちに集中しているということであり、その頂点にいるディープインパクトに質量ともに一極集中していると言っても過言ではない。話はそんなに単純ではないのは確かだが、それでもディープインパクトの仔が日本ダービーの出走馬の大半を占めたり、掲示板を独占したりする日がいつ来ても不思議ではない。

それから、サンデーサイレンスの孫にあたる種牡馬と海をわたって結果を出した新種牡馬たちによる世代交代である。ステイゴールドやフジキセキ、マンハッタンカフェ、ゴールドアリュールなど、一世を風靡したサンデー直仔の種牡馬たちが亡くなり、その子どもたちに活躍馬が出ることで、血のバトンタッチが行われつつある。オルフェ―ヴルを筆頭にして、ゴールドシップやキンシャサノキセキなど、サンデーサイレンスの孫が種牡馬として台頭する時代が来ている。

またスクリーンヒーローのように、母の父にサンデーサイレンスを持つ種牡馬にも同じことが当てはまる。ドゥラメンテがそうである。それとは対極にあるのが、サンデーサイレンスの血を3代以内に持たない種牡馬たちである。ルーラーシップを筆頭に、ロードカナロアやモーリスなども、種牡馬としての未知の魅力があり、大きく成功する者とそうでない者にこの先分かれてゆくだろう。

ディープインパクトによる独占は避けられないだろうが、どれだけ他の種牡馬たちが太刀打ちできるのか、そして新種牡馬たちの中からどの馬がディープインパクトの牙城を脅かす存在になるのか、興味は尽きない。おそらく2020年ごろには、今の私たちが想像していたのとは少し違った種牡馬の産駒が、新馬戦を悠々と勝ち上がり、大きなレースを続々と制したりしているのではないだろうか。

Photo by 三浦晃一

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Comments

「セントサイモンの悲劇」化を懸念する声がだんだん大きくなっている中、社台グループもいろいろ手を打っているのでしょうが、どうなっていくのでしょうね。

今は、セントサイモンの時代と違って各国の血を導入しやすい環境にあるのですが、海外もノーザンダンサーとミスタープロスペクターの血が主流であることを考えるとこの先、4代先祖までクロスがなければアウトブリード扱いになる時代がくるかもしれませんね。

あるいは、3代先を考えて、母系のスタミナ補強のつもりで導入したドイツ血統から思いのほか軽い芝がハマる想定外の種牡馬が出ることもあるかも

Posted by: ふとん | March 13, 2017 at 10:35 PM

ふとんさん

こんにちは。

セントサイモンの悲劇は、今のグローバル競馬社会では起こりにくいと思いますが、あまりに血が偏り過ぎると良くないので、社台グループは世界から繁殖牝馬を続々と取り入れていますね。

むしろ私はサンデーサイレンスのクロス(インブリード)がどのような形でこれからの競馬社会に影響を与えるのか興味があります。

ドイツ血統からの種牡馬も面白いですね。フランケルの血にも近しいものがありますね。

Posted by: 治郎丸敬之 | March 14, 2017 at 10:36 AM

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