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「馬を1頭分下げると、ゴール前では2頭分伸びる」ハイブリッド騎乗

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「馬を1頭分下げると、ゴール前では2頭分伸びる」と武豊騎手が語っていたことを覚えている。道中のポジションを少し下げてスタミナやパワーを温存することで、最後の勝負どころでは2倍の爆発力として引き出せるということである。なぜかというと、連載の第15回にも書いたように、競馬のレースには、「前半のエネルギーのロスが後半に倍になって返ってくる」という原則があるからだ。前半に余計な動きをしたり、負荷を掛けることで、それが倍になって後半にはね返ってくる。逆に言うと、前半で無理をすることなく、エネルギーを節約することができれば、後半に倍の力に膨らませて使うことができるということになる。

私たち競馬ファンは、どうしても最後の直線における攻防に目が行ってしまうが、実は競馬のレースはどれだけ道中でエネルギーをロスすることなく直線に向くことができたかで勝負の大半は決している。もっと言うと、レースの前半をどのように騎乗するかによって、ジョッキーは騎乗馬の能力を完全に引き出すこともできれば、持てる力を発揮させないままレースを終えてしまうこともある。

今でも鮮やかに思い出すのは、武豊騎手がスペシャルウィークに騎乗して勝利した、1999年の天皇賞秋のこと。

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