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走ることが好きな馬は、私たちの想像を超えて走る。

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サラブレッドは走るために生まれてくる。ただし、必ずしも走ることが好きだとは限らない。競馬のように、目一杯走らされるのが好きな馬はいないと言ってもよい。自分の好きなときに、自分の走りたいペースやフォームで走るのは嫌いではないが、重たい人間に乗られ、手綱で自由を奪われ、ときには鞭で尻を叩かれて走ることが好きなはずはない。だから、角馬場に入るのを渋ったり、調教が終わると一目散に馬房に戻ろうとする馬がいる。レースに行っても、楽をしようと手を抜いて走ったり、途中で走ることを止めてしまう馬もいる。サラブレッドにとっても、走ることは苦しいのである。

走ることが嫌で仕方なく、仮病を使ってまでレースをサボろうとする、人間らしい、いや馬らしいサラブレッドもいるというエピソードがある。

そして馬も嘘をつくのだ。信じられないだろうが本当に嘘をつくのだ。それは昔、俺が体験したことなのだが、その馬は以前に脚を少し痛めて休んでいたことがあった。それも完治して調教師も太鼓判を押すほどの好調だった。そしていざレース。返し馬をするとあり得ないくらい脚を痛がる仕草をするのだ。そんな状況で走らせるわけにはいかないので、もちろん競走除外にしてもらった。が、しかし!!帰り際、彼を見るとシャンシャンと歩いているではないか!なんとなく彼の顔がうすら笑いを浮かべているようにも思えた。

後日、調教師に聞くと、どこを触っても何も気になるところも痛がるところもなく、いたって元気にしているよ、と言われた。「コイツ、絶対に痛がるフリをしてレースに出たくなかったんだな」と確信した。その後の彼は、そうやってレースになると痛がる素振りを見せていたが、もう信じてもらえず走らされていた(笑)。
(「後藤の語!」UMAJINより)

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