« May 2017 | Main | July 2017 »

ラジオNIKKEI賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Radionikkei

■G1帰りの馬は消し
かつては「残念ダービー」と言われていたほど、ダービーに出走できなかった馬や、出走しても好走できなかった馬が好走したレースだが、過去10年では、前走がG1レース(ダービー、NHKマイルC、オークスなど)であった馬の成績は【1・1・1・18】と奮わない。前走が500万下であった馬の成績【4・4・2・32】と比べると、その差は明らかである。

それもそのはずで、前走がG1レースであった馬は、そのレースに向けて100%の仕上げで臨んでいるからである。目に見える見えないにかかわらず、ほとんどの馬の体調は、良くて前走から平行線、悪ければ下降線を辿って出走してくる。たとえG1レースに出走したような力のある馬でも、走られる状態になければ好走は望めない。

■1800m以上のスタミナ
この時期の福島競馬場は、芝が傷んで力を要する馬場になっている。野芝が成長を始めるものの、1回開催から期間が短いため、馬場の傷みは回復することなく進行していくからである。特に3~4コーナーにかけて内側の芝はかなり傷んでおり、各馬が馬場の良い外々を回すため、必然的に1800m以上の距離を走ることになる。

過去10年間のラップ
12.6-11.5-11.3-12.2-12.4-12.3-11.6-11.6-12.2(47.6-47.7)M
12.6-10.8-11.7-12.6-12.2-11.7-11.6-11.4-12.2(47.7-46.9)M
12.4-11.3-12.0-12.3-12.1-11.9-11.9-12.0-12.4(48.0-48.2)M
12.6-11.5-11.4-12.6-12.3-11.5-11.6-11.7-12.1(48.1-46.9)S
12.3-11.8-11.5-12.2-11.9-12.1-12.0-11.4-11.7(47.8-47.2)M
12.4-11.2-11.9-12.6-12.4-12.2-11.7-11.5-12.0(48.1-47.4)M
12.5-10.9-12.4-12.5-12.2-12.2-11.5-11.5-12.2(48.3-47.4)M
12.2-10.4-11.6-11.9-12.1-12.3-12.0-11.7-11.7(46.1-47.7)H
12.4-10.4-12.2-12.3-12.2-11.8-11.8-11.6-11.7(47.3-46.9)M
12.4-10.6-12.3-11.9-12.4-12.4-11.8-11.5-11.7(47.2-47.4)M

また、過去10年間のレースラップ(上記)を見てみると、アロマカフェが勝った2010年以外は、スローペースにはなっていない。各ジョッキーが直線の短さを意識し、好位を確保するために、前半からある程度厳しいペースでレースが流れていることが分かる。

つまり、以上の2点から、小回りの1800mというコース設定ではあるが、実は字ヅラ(1800m)以上のスタミナが必要とされるのである。

■長くいい脚を使える馬
福島競馬場の最後の直線は297mと短い。そのため、直線に向いてからの追い出すのでは遅く、各馬のスパートは3~4コーナーにかけて既に始まっている。コーナーを回りながらの仕掛けとなるため、一瞬の切れ味は生かしにくく、どちらかというとジワジワと伸びるタイプの馬にとって有利となる。もちろん、福島競馬場で実績のある馬は求められている適性に近いということだろう。

また、菊花賞を勝ったダンスインザダークの産駒や、将来の菊花賞2、3着馬が活躍していることからも、ラジオNIKKEI賞と菊花賞の間には深い連動性があることが分かる。求められている適性(長くいい脚を使える)が似ているということである。つまり、ラジオNIKKEI賞で好走した馬は菊花賞でも好走の確率は高く、逆に菊花賞で好走しそうな(血統の)馬がいれば、ラジオNIKKEI賞でも狙ってみても面白いということだ。

| | Comments (0)

負けるべきときには負けるべき


宝塚記念2017―観戦記―
積極的に前に行こうとしたシュヴァルグランが押し出されるようにしてハナに立ち、それに並ぶようにしてシャケトラとキタサンブラックらの人気馬が続いた。前半1000mが60秒6、後半1000mが59秒1だから、タイム的にはスローペースにもかかわらず、直線入り口では先行勢が軒並み力尽き、後方に控えていた馬たちが突き抜けるという展開となった。これが少頭数のレースの難しさであり、他馬を必要以上に意識してマークを強めたことにより、自分も消耗してしまい、後ろから自分のペースで走った馬たちに足元をすくわれてしまうという現象が起こった。

勝ったサトノクラウンは、唯一、キタサンブラックの動きを見ながらレースを進められ、最適なコースとポジション取りができたことが勝利につながった。産経大阪杯は絶好の馬場で行わるスピードレースに良さを出せずに終わってしまったが、宝塚記念は馬場も重くなり、この馬のパワーとスタミナを生かすことができた。ラスト3ハロン33秒台のレースを制したこともあるように、つかみどころのない馬ではあるが、香港で初のG1レースを勝利したように、本質的には力を要する馬場で行われる時計の掛かるレースを最も得意とするのだ。そして、最大の勝因は体調の良さにある。前走時は暮れの香港遠征から今年の早い時期に京都記念を勝利したことによる疲労が出てしまっていた。阪神の出張馬房で入れ込んで消耗してしまったのも、そもそもは調子の悪さがベースにあったはず。産経大阪杯からひと息入れて、立て直し、出張馬房にも最善の手を打った堀調教師の判断と手腕には脱帽する。

ミルコ・デムーロ騎手は相変わらず絶好調であり、その勢いを宝塚記念でも生かしてみせた。特に、先行した有力馬3頭に息が入りそうになったところで、自ら一気に上がって行き、息を入れさせなかったことで、シュヴァルグランとシャケトラ、キタサンブラックは苦しくなった。道中のレースの組み立てから、勝負所での馬の動かし方まで、もはや今の中央競馬では騎手としての力が一枚抜けている。もちろん、馬の力があってこその勝ちもあるが、デムーロ騎手が乗ったからこそ勝っているケースも少なくない。今回は馬と騎手の両方の力が合わさっての会心の勝利であった。

ゴールドアクターは、横山典弘騎手に導かれて2着に突っ込んだ。馬自身の精神状態が良くなってきたことに加え、先行争いに巻き込まれることなく、ゴールドアクターのリズムで走ったことが最後の伸びにつながった。絶好調時に比べて力は落ちているのは間違いないが、有力馬が自滅してくれる展開になれば、連対できるだけの力はまだ残っている。牝馬ミッキークイーンは先行勢について行けなかったことが功を奏して、3着に入ることができた。前走のヴィクトリアマイルは、久しぶりに勝利した阪神牝馬Sの反動で走らなかったが、今回はこの馬の力を発揮できたと言える。

シャケトラはシュヴァルグランに馬体を併せすぎたし、さらに外からキタサンブラックに来られて引くに引けなくなってしまった。キタサンブラックも中途半端な形で先行することになり、相手の力だけではなく、自らの力も奪われてしまい、直線半ばで力尽きてしまった。少頭数であればあるほど、ジョッキーたちは様々な作戦やレースの組み立てを考えるのだが、今回のレースは考えすぎた騎手ほど自分の馬の型で走らせることに失敗している。その中でもシャケトラは良く最後まで踏ん張っている。これぐらいの距離がベストであり、秋の芝中距離路線では楽しみが膨らむ馬の1頭である。

圧倒的な1番人気に推されたキタサンブラックの敗因は、単純に前走の天皇賞・春をレコードタイムで勝ったことによる反動である。武豊騎手も陣営も良く分かっているはず。それほどに前走は厳しいレースであったし、さすがのキタサンブラックも春のG1レースを3連勝することはできなかった。この春は産経大阪杯と天皇賞・春と苛酷な調教にも耐え、最高の状態を維持してき。今回も肉体的に崩れたというよりは、最後まで踏ん張るだけの気力が残っていなかったということである。

サラブレッドは負けるべきときには負けるべきであり、関係者も競馬ファンもそれを理解してもらいたい。今回の敗北を受け、北島オーナーは凱旋門賞行きを断念したようだが、それは間違った判断である。凱旋門賞を勝てるぐらいのピークの出来に持っていくとすれば、宝塚記念は本来スキップすべきだし、仮に出走したとしても負けるべきレースである。ここを勝てるだけの仕上げを施して、勝ってしまうと、そこから下降線を辿った体調は10月までには戻らないからである。それを負けたから凱旋門賞に出ないとは本末転倒であり、宝塚記念を勝ったら凱旋門賞に出るという発想自体が根本的におかしい。むしろ凱旋門賞を本気で考えるのであれば、宝塚記念で負けたことを喜ぶべきなのである。

| | Comments (3)

レコードタイムの信憑性の見極め方

Cover

掲示板にレコードの赤い文字が灯ると、必ずと言ってよいほど、「オオー!」というため息にも似た驚きの声が上がる。競馬がコンマ1秒を争うレースである以上、これまでの誰よりも速くゴールを駆け抜けた馬を賞賛し、そのレースを高く評価するのは当然といえば当然のことである。そこに私たちの速さに対する幻想も加わって、レコードタイムに対する価値は否が応でも上がる。

この時点では、レコードタイムで勝った馬が次のレースで負ける姿を想像しがたいだろう。しかし、これだけレコードタイムが連発される今の競馬において、私たちはレコードタイムを本当に信じてよいのだろうか。レコードタイムで走ったという事実は、果たしてどのような意味を持つのだろうか。

結論から述べると、レコードタイムには信じてよいものと疑ってかかったほうがよいものがある。両者を隔てる基準は、「2着以下の馬との差」と「自分で作ったものかどうか」である。

(週刊Gallopを買い忘れた方や、超馬券のヒントだけ読みたい方はこちら
*宝塚記念の予想と馬券を公開中です。

| | Comments (0)

ここにきて馬体が伸びてきたシュヴァルグラン:5つ☆

キタサンブラック →馬体を見る
実にキタサンブラックらしい馬体で、大きく見せずにバランスが優れている。
今年になってからは、力強い馬体を維持しており、今回も前2走と遜色ない。
Pad4star

ミッキークイーン →馬体を見る
この馬も前後のバランスが優れているが、ややトモの実の入りが物足りない。
リラックスした表情や立ち姿からは、疲れは取れて、調子は問題なさそう。
Pad3star

ゴールドアクター →馬体を見る
前駆は力強いが、トモの周りの筋肉のメリハリが物足りないのは変わらない。
もうひと絞りできそうな身体つきでもあり、変わり身の余地は残している。
Pad3star

サトノクラウン →馬体を見る
3歳馬の頃は細身で距離がこなせそうだったが、ここに来て力強くなっている。
その意味でも、距離は2000m前後がベストで馬場の重くなる宝塚記念は合う。
Pad4star

ミッキーロケット →馬体を見る
使い詰めであったが前走後に間隔を開けたことで、馬体はふっくらとして回復した。
とはいえ、やや腹回りに余裕があるように、もうひと絞りできないと苦しい。
Pad3star

シャケトラ →馬体を見る
前駆の盛り上がりや力感はずば抜けていて、その分、後躯が物足りなく映る。
馬体全体の重心が低く、タイプとしては距離短縮は望むところであろう。

レインボーライン →馬体を見る
古馬になってから馬体が少しずつふっくらとして、パワーアップしてきた。
表情からは気性の難しさが伝わってくるように、スムーズに走れるか次第。
Pad3star

スピリッツミノル →馬体を見る
ディープスカイ産駒はこう出ると分かるような、実に力強い馬体で距離はベスト。
このままダート競馬でも走れそうな、筋肉量と筋肉のメリハリを誇っている。
Pad3star

シュヴァルグラン →馬体を見る
ここに来て馬体(胴部)がさらに伸びて、後肢も後ろに出して、成長を遂げた。
走るハーツクライ産駒とはこういう馬体という典型で、あとは距離短縮がどうか。
Pad5star

ヒットザターゲット →馬体を見る
スラリとして過不足ない馬体だからこそ、ここまで長く走り続けられるのだろう。
皮膚の柔らかさは相変わらずで、このメンバーでも力は出し切れるはず。
Pad3star

クラリティシチ― →馬体を見る
いかにもダート馬らしい、筋肉のつき方であり、力強さはメンバーでもトップ。
ふっくらとして仕上がりは良く、あとは馬場の重さを生かせるかどうか。
Pad3star

| | Comments (0)

阪神芝2200m

Hanshin2200t1

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。

3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

| | Comments (0)

宝塚記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Takara

■1■天皇賞春組有利へ
平成12年より、6月下旬へと日程が変更された。それまでは天皇賞春からの間隔が開きすぎていたため、調整が難しく、多くの馬は本来の力を出し切れない、もしくはここを使わなかった。

しかし、開催時期の変更後は、一転して天皇賞春組の活躍が目立つ。天皇賞春で1~3着だった馬は【5・3・2・20】、天皇賞馬に限っては【3・3・1・5】と実に堅実に走っている。天皇賞春からの間隔が適度に短くなったことが、天皇賞春組にとって有利になったことは間違いがない。もっとも、天皇賞春を勝つには極限に仕上げられたと考えてよく、その反動を考えると、天皇賞春→宝塚記念という連勝は意外と難しい。

そして、当然のことながら、この変更は安田記念組にはマイナスの影響を与える。特に安田記念を目標にして仕上がっていた馬や、安田記念で激走してしまった馬にとっては、中2週で宝塚記念というローテーションはあまりにも厳しい。安田記念は負けていた馬の方がかえって宝塚記念での成績は良い。

■2■スピードとスタミナの高い次元での融合が求められる
宝塚記念をひと言で表現すると、「スピードとスタミナの高い次元での融合が求められるレース」ということになろうか。これは阪神競馬場の2200m内回りというコース設定に拠るところが大きい。

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

■3■前走G1レース以外で負けている馬は×
宝塚記念は定量戦であるため、実力の差がはっきりと出てしまうレースである。宝塚記念の連対馬は、ほとんどが天皇賞春か安田記念からの直行組であって、別路線組はごくわずかである。これは、宝塚記念は実力が正直に反映される紛れのないレースであることを意味しており、前走G1以外のレースで敗戦していた馬ではまず勝負にならない。

| | Comments (0)

現代の日本競馬は枠順のゲームである②

Cover

競馬のレースがトラック状のコースで行われる以上、内と外のどちらと問われれば、内枠を引いた馬が有利になる。外を回れば、距離ロスがあり、さらに遠心力によって馬に負荷が掛かる。無理をせずに経済コースを走られる内枠が圧倒的に有利なことは、コーナーを回る競走の原理原則である。東京競馬場だろうが、シャティン競馬場だろうが、浦和競馬場だろうが、たとえ子供の運動会だろうが、この原理原則は変わらない。

「現代の日本競馬は枠順のゲームである」と私が前回述べたのは、そういう意味だけではない。一歩踏み込んで論考を進めると、現代の日本競馬において、内枠を引いた馬が圧倒的に有利になる理由は、レースのスローペース化にある。瞬発力勝負に滅法強いサンデーサイレンスの血を引く馬たちの台頭や、ヨーロッパ競馬からやってきた一流ジョッキーたちが日本の競馬場で頻繁に乗るようになったことなど、様々な要因が重なり、スローペース化には年々拍車が掛かっている。

たとえば、その世代の頂点を決める日本ダービーにおけるペースを見てみたい。私が競馬を始めた1990年から2000年、2010年、そして今年2017年の全体時計を単純に前半と後半の1200mで等分してみると以下のようになる。

(週刊Gallopを買い忘れた方や、超馬券のヒントだけ読みたい方はこちら
*ユニコーンSの予想と馬券を公開中です。

| | Comments (0)

反動は感じさせないセイウンコウセイ:5つ☆

★ユニコーンS
リエノテソーロ →馬体を見る
前走同様に、バランスが良く、筋肉量も素晴らしい馬体を維持している。
ただ、前走と比べてしまうと、やや筋肉のメリハリにおいて物足りないか。
Pad45star

ハルクンノテソーロ →馬体を見る
前駆が勝っていて、力強く、いかにもダート馬らしい体型を誇っている。
顔つきを見ると、まだ幼さを秘めているようで、スムーズにレースができれば。
Pad3star

アンティノウス →馬体を見る
立ち姿のバランスは取れているが、腹回りとトモの肉付きに寂しさがある。
母父ネオユニヴァースの影響が出ているため、典型的なダート馬ではない。
Pad3star

アディラート →馬体を見る
ルーラーシップ産駒らしく、表情からは気性の激しさが伝わってくる。
手脚の長さが物足りないが、上体には豊富な筋肉がついてパワータイプ。
Pad3star

サンライズソア →馬体を見る
馬体のシルエットは将来性を感じさせるが、全体的に実が入り切っていない。
それでいて走っているのは、気性の前向きさと仕上がりの良さゆえであろう。
Pad3star

リヴェルディ →馬体を見る
腹回りに余裕があるように映るが、この馬の体型であり、気にする必要はないか。
前後にバランス良く実が入り、繋も立っていて、ダートは適している。
Pad3star

★CBC賞
ブランボヌール →馬体を見る
若駒の頃に比べて、前駆に力強さが出てきて、短距離馬らしい馬体になった。
パワーもついてきているので、現在は1200mの距離がベストである。
Pad3star

シュウジ →馬体を見る
細かいところまで馬体は研ぎ澄まされていて、仕上がりは申し分ない。
あとは気持ちの問題で、若駒の頃に見せていた最後の踏ん張りを取り戻せるか。
Pad4star

イッテツ →馬体を見る
首が高い位置にあり、距離が延びるとバテやすくなるのでスプリントがベスト。
表情からは気性の難しさが伝わってきて、レースに行ってそれが出なければ。
Pad3star

セイウンコウセイ →馬体を見る
G1レースを勝ったからではないかもしれないが、バランスの良さが目立つ。
前後にふっくらと実が入って、高松宮記念の反動は馬体からは感じさせない。
Pad5star

クリスマス →馬体を見る
馬体だけを見ると、短距離馬のそれとは思えないほど、随所に伸びがある。
この馬がスプリント戦を得意としているのは、気性面で激しさがあるからだろう。
Pad3star

エポワス →馬体を見る
クリスマスとは対照的に、この馬の馬体はガッチリとして、パワータイプのそれ。
9歳馬らしく皮膚の厚さを感じさせるところもあるが、仕上がりは良い。
Pad3star

| | Comments (0)

集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第25回)

Hitokuti25

勝っても負けても、レースが終わったあとの愛馬の状況は気になる。怪我をしていないか、疲れは出ていないか、飼葉食いが落ちていないか、などなど。もしできるならば、厩舎を直接に訪ねて確かめたいほどの気持ちである。まずは無事を願いつつ、あわよくば次走につながることを期待する。一口馬主にとっても、サラブレッドは愛着を抱くべき存在であると同時に経済動物でもある。我が子に抱くような労わりを覚える反面、再びレースに行って走ってもらいたい(もらわなければならない)というアンビバレントな感情を持たざるをえない。裏腹な想いにうしろめたさを感じつつ、一口馬主ライフは続いてゆくのだろう。

高野友和調教師「トレセンに戻って状態を確認しましたが、すぐ飼い葉を食べてくれていることもあって、馬体はふっくらとしていますし、体調も落ち着いています。もう少し様子を見て変わりがないようであれば、このまま続戦させるつもりですが、今週いっぱいしっかり状態を確認したうえで検討させていただきます」

高野友和調教師「前走後もこの馬なりに飼い葉を食べてくれていますし、体調面は変わりなく来ています。10日の追い切りではサッと時計を出した程度ですが、動き自体は前走と変わりなくしっかり走っていましたし、良い状態を維持しています。このまま変わりなければ来週の京都か新潟のダート1,800mの番組を予定したいと考えています」

調教タイム
クインアマランサス[父 キングカメハメハ : 母 ヒカルアマランサス]
 助 手 5.17栗坂良 56.1- 40.8- 26.3- 13.0 一杯に追う

高野友和調教師「17日に坂路で追い切りました。ジワジワペースを上げて終いの脚を伸ばす形で行いましたが、しっかり動けていましたし、いい追い切りが出来たと思います。フットワークはもう一つ伸びてきませんが、ここに来て気持ちの面がだいぶ前向きになっているので、そのあたりがレースに行っていい方に出てくれると思います。上手く立ち回れば前々走のようにいい競馬をしてくれると思うので、出来るだけロスのないようにレースをしてもらおうと思います。5月21日の新潟ダート1,800m(牝)も視野に入れていましたが、出来れば同じ乗り役の方がこの馬の持ち味を活かせるでしょうから、5月20日の京都・ダート1,800m(牝)を荻野極騎手で投票させていただきました」

相変わらず坂路調教で55秒台を切ることはないが、気持ちの面でも前向きになり、それなりに動いているらしい。高野友和調教師からの的確なコメントはありがたいが、重賞に出走するような馬たちの調教タイムばかりを見ている私は、一杯に追って56秒台なんていうタイムでは到底勝ち負けにならないだろうと思ってしまう。前走後も順調に来て、気がつくと、次の出走が決まっていた。5月20日(土)の京都ダート1800m戦(牝馬限定)である。今度こそ現地に応援に行こうと、手帳のカレンダーをめくってみると、何とその日は今年小学校5年生になる息子の運動会があるではないか!

巡り合わせの悪さに悶々としたが、さすがに我が子の運動会はスキップできない。今回はあきらめて運動会に集中しようと思うと不思議なもので、前夜までは覚えていたものの、当日は朝から運動会の場所取りをして、開会式を見て、写真を撮る準備をしていると、競馬のレースのことはすっかりと忘れてしまっていた。

開会式の直後に行われる徒競走(100m)に息子は出ることになっていた。「練習で勝てていないので、今日は1位にはなれないと思う」と本人が言っていたので、まあ一生懸命に走る姿を見られたらよいという軽い気持ちでカメラを握った。スタートが切られ、道中は先行しながら、大外を回って息子は先頭に立った。勝ち馬を捉える必要はないため、私は息子だけにピントを絞り、競馬カメラマンばりにシャッターを切り続けた。ファインダー越しに観ても、ゴール前は写真判定になりそうなぐらいの大混戦となった。1のゼッケンをつけた子どもが、息子の下に駆け付けてきた。そう、息子は勝ったのだ。

家に帰ってから息子が誇らしげに語る顔を思い浮かべつつ、私もにやにやしていると、スマートフォンに振動が溢れ始めた。ちらっと見て見ると、画面には「おめでとうございます!」の文字が踊っていた。なぜSNS上で息子の勝利が祝われているのかと、現実とインターネットの世界の境界が分からなくなり、頭がクラクラした。一度、スマホをポケットにしまい、ひと呼吸置いて、冷静になってみると、クインアマランサスのことが突如として思い浮かんできた。そういえば、第1レースがちょうど終わった頃だ。

クインアマランサスも勝ったらしい。息子が駆けっこで1位になった数分後に、クインアマランサスも1着となり、未勝利戦を勝ちあがったのである。


2枠3番、黒の帽子がクインアマランサスです。

Photo by 三浦晃一

| | Comments (6)

ユニコーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Unicorns

■1■現時点での完成度が問われる
過去10年の人気別の着順を見ると以下のとおり。
1番人気  【5・3・0・2】連対率80%
2番人気  【2・4・1・3】連対率60%
3番人気  【3・1・3・3】連対率40%
4番人気  【0・1・0・9】連対率10%
5番人気以下【0・1・7・110】連対率1%

分かりやすいほどに、人気馬が強く、人気順に連対率も高いという結果が出ている。東京ダート1600m戦というコース設定上、実力に劣る馬が勝ち切るのは難しい。とはいえ、将来的にG1馬となったのは過去10年でカネヒキリぐらいしかおらず、このレースの勝ち馬の将来性が高いとは言えない部分もある。つまり、実力だけではなく、現時点での完成度も問われるレースであるということだ。

■2■関西馬が強い
過去10年の関東・関西馬の成績は以下のとおり。
関東馬 【3・3・5・63】連対率8%
関西馬 【7・7・6・63】連対率17%

関東で行われる重賞レースであるにもかかわらず、関西馬が圧倒的に強い。ダートに適性を見いだされた3歳馬が集結する舞台であり、現時点で最も強いダート馬を決めるレースでもある。また、これまでは関西の競馬場で昇竜S、端午Sといった適切なステップレース(マイルよりも距離が長い)があることも、関西馬がユニコーンSで好成績を残せることにつながっている面もあったはず。

■3■スタミナが問われる
ポケットからの発走でスタート直後に80mほど芝コースを走る。外枠の方が若干長く芝コースを走ることができ、それを利して外側の馬が内側に圧力をかけながらコーナーに突入するため、内側の馬は窮屈になりやすい。実質的な第1コーナーは3コーナーとなるため、スタートから第1コーナーまでの距離は670mと非常に長く、先行馬にとっては息を入れることのできない速いペースになってしまうことが多い。それでも、意外と前に行った馬も簡単には止まらない。全体的にペースが緩むところがあまりなく、スタートからゴールまでスピードを持続することが求められ、スタミナがないと克服することが出来ないコースでもある。

| | Comments (0)

現代の日本競馬は枠順のゲームである①

Cover

「現代の日本競馬において馬券を買うとき、最も重視する要素は?」と聞かれたら、迷わず“枠順”と私は答える。馬の体調や仕上がり、調教タイム、馬場、血統、騎手、展開など、挙げればキリがないほどの要素によって競馬は構成されているが、その中でも“枠順”ほど勝ち負け、つまりレースの結果を決定的に左右してしまう要素はない。古今東西、競馬が始まってからいつもそうであったわけではなく、現代の日本競馬に限定すると、何よりも“枠順”を重視して予想するという結論に達するのである。

今年のオークスは典型的なレースであった。2番枠を引いたソウルスターリングがゲートから出たなりで最終コーナーまで走り、最後の直線に向くと脚を伸ばして着差以上の完勝。2着には1番枠を生かしたモズカッチャンが入った。この2頭とは対照的に、2番人気に推されたアドマイヤミヤビは大外枠からの発走となり、道中は外々を回され、最後は鋭い脚を使って差して来たが届かず3着に敗れてしまった。私はこのレースを観て、正直につまらないと思ってしまった。

その原因は、スタートが切られる前から、すでに大きなハンデが生まれていることにある。今年のオークスでいえば、内枠を引いた馬と外枠を引いた馬とでは、少なくとも1秒(6馬身)ほどの差があったはず。ゲートから同時にスタートしているように見えて実は、(もしレースが直線で行われているとすれば)ソウルスターリングよりもアドマイヤミヤビは1秒遅れ、または6馬身後ろから走り出しているぐらいの大きな不利なのである。ソウルスターリングの方が他馬よりも一枚上の能力を有しているにもかかわらず、6馬身も先からスタートを切れば、つまらない競馬にならないわけがない。

(週刊Gallopを買い忘れた方や、超馬券のヒントだけ読みたい方はこちら
*マーメイドSの予想と馬券を公開中です。

| | Comments (0)

牝馬らしからぬ力強いシルエットのマキシマムドパリ:5つ☆

★エプソムC
フルーキー →馬体を見る
7歳馬らしく、腹回りには余裕があるが、前駆の力強さは相変わらず。
血統や現時点での体つきからして、パンパンの良馬場ではどうか。
Pad3star

タイセイサミット →馬体を見る
胸が深くなり、前駆の力強さが素晴らしく、トモの肉付きも充実している。
表情を見ると気の強さがうかがえるだけに、スムーズにレースができれば。
Pad4star

ヒストリカル →馬体を見る
手足がすらりと長く、胴部にも十分な長さがあり、距離は長くても良い。
全体のシルエットに美しさを欠くのは、筋肉のメリハリが物足りないから。
Pad3star

デンコウアンジュ →馬体を見る
前走であわやのシーンをつくった調子の良さを、今回も維持している。
表情からも疲れは感じられず、力は出せるが、牡馬に混じってどうかだけ。
Pad3star

アストラエンブレム →馬体を見る
ダイワメジャー産駒らしく、前駆に力づよさが漲っていて、先行力がありそう。
トモの実の入りに物足りなさを感じるため、詰めの甘さが出てしまうかも。
Pad3star

クラリティスカイ →馬体を見る
胴部の長さはスペシャルウィーク譲りで、馬体全体の力感はクロフネか。
長く走り続けているが、今回もしっかりと鍛えられて、走れる仕上がりにある。
Pad3star

マイネルミラノ →馬体を見る
スッとした立ち姿からは、心身共に調子が上がってきている様子がうかがえる。
胴部と手脚の長さのバランスが良く、一介の逃げ馬とは思えないシルエット。
Pad4star

★マーメイドS
マキシマムドパリ →馬体を見る
牝馬らしからぬ力強いシルエットを保っており、パワーとスタミナが融合している。
芦毛のため分かりにくいが、筋肉が柔らかく、皮膚の薄さが伝わってくる。
Pad5star

トーセンビクトリー →馬体を見る
線の細さが残っていた馬だが、ここに来て胸前に筋肉がついてきてパワーアップ。
顔つきを見ると、気の強さが窺えて、なだめながら乗ると良さを生かせるはず。
Pad3star

ビッシュ →馬体を見る
能力は非常に高い馬で、脚の速さがあるにもかかわらず、最近元気がない。
立ち姿にも力感がなく、馬体のパーツは良いのだが、全体的にはもう一歩。
Pad3star

クインズミラーグロ →馬体を見る
いかにもマンハッタンカフェ産駒らしい、首と手脚の長さがある。
腹回りに少し余裕があるので、もうひと絞りできれば勝ち切れる。
Pad3star

| | Comments (0)

集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第24回)

Hitokuti24

たった数百分の一しか所有していない馬であっても、自らが選び、出資した馬が、レースで好勝負を演じることが、これほどまでに嬉しいことだとは思わなかった。クインアマランサスが最後の直線で内から伸びてきた瞬間、これまでの競馬では味わったことのない喜びが湧き上がってきたのだ。馬券が当たったときのあの熱狂的なそれではなく、ともすればそんな感情などなかったことにしてしまえそうなぐらいに淡い喜び。着順がどうのこうのというより、他馬よりも速く走ることができたという、ごく単純な感慨がそこにはあった。もしできるならば、彼女の馬房に駆け付けて、「頑張ったね」と褒めてあげたかった。

ところが、一口馬主として純粋な思いも、しばらくすると明確な期待へと形を変え、現実味を帯び始める。ひとつ上のクラスへと勝ち馬が抜けるということは、次は2着に入った馬にチャンスが回ってくる可能性が高い。当たり前すぎるほど当たり前の論理であり、2着に入った以上、次は勝てるのではないかという考えに憑りつかれてしまう。しかもこの馬にとって(おそらく)得意とするダートのレースに再び出走するというのだ。前走で騎乗した荻野極騎手も、クインアマランサスにはダート1800mぐらいのレースが合っていると言っており、現時点ではその条件に狙いを定めていけば、かなり上のクラスまでトントンと駆け上がってゆくかもしれないと私の頭の中では飛躍する。

現実はそう甘くはなかった。その予兆は、枠順が決まったときから薄々現れていた。15頭立ての15番枠を引いてしまったのだ。京都ダート1800戦における勝ちポジ(勝つために走るべきポジション)は内の2、3番手であり、他の競馬場の他のコースに比べても、勝ちポジの限定が強いコースである。勝つためには内の2、3番手を走らなければならず、そこを走るためには、内枠を引いて、馬をある程度は出していかなければならない。それほどダッシュや二の脚が速くないクインアマランサスにとって、外枠を引いてしまったということは、つまり勝ちポジを走るのは難しいということを意味する。簡単には勝たせてくれないのだ。私は冷静と情熱のあいだにいて、ゲートは開かれた。

クインアマランサスは思っていたよりも好スタートを切った。前走に比べるとレースの流れも乗れて、勝負どころでは外を回りながらも先団に取りつき、最後の直線では伸びあぐねたものの、納得の走りをして5着に敗れた。こんなものだ、というのがレース後の正直な気持ちであった。クインアマランサスにたずさわる者たちにとって、これまでの流れを考えると、次は勝つチャンスが十分にある、いや勝てると思うのは自然である。一口馬主の出資者から調教師、助手、厩務員などに至るまで、心のどこかでそろそろと考えている。しかし、よく考えて周りを見渡してみると、他の14頭の馬にたずさわるほとんどの人間も、濃淡の差こそあれ、同じような想いを抱いて出走してきているのである。勝ちたい、勝つはず、勝てるかもしれない。勝利を思わずして競馬をする者などいない。そのような思いがぶつかり合って、願いを叶えられるのはたった1頭しかいない。未勝利戦でさえ、競馬で勝つことが難しいのはそういうわけである。


15番ピンクの帽子です。

Photo by 三浦晃一

| | Comments (6)

エプソムCを当てるために知っておくべき3つのこと

Epsomc

■1■4、5歳馬が中心
4歳   【7・5・2・20】 連対率35%
5歳   【2・3・1・41】 連対率11%
6歳   【1・2・3・36】 連対率7%
7歳以上【0・0・4・42】 連対率0%

5、6歳馬が中心であった先週の安田記念と比べると、明らかに4、5歳馬が強い。これといった理由は思いつかないが、安田記念より距離が200m伸びて、ペースが落ち着きやすいということだろうか。前半3ハロンの平均が35秒8、後半3ハロンの平均が35秒7と、ほぼミドルペースで流れる。その分、スピードに任せて前に行ける若い馬の方が有利になるということだ。

■2■馬場によって適性が180℃変わる
東京の1800mはコーナーが2つで、サンデーサイレンス系のタメて切れる脚質が合う舞台である。ただ、この時期は雨が降りやすく、馬場が変化しやすい。ダービーが終わって、さすがに芝も荒れてくる頃だけに、雨が降ってちょっと時計の掛かる馬場になるとジワジワと脚を使う血統の馬が台頭する。具体的に言うと、キングマンボ、ペンタイア、マヤノトップガン、フレンチデピュティなど、非サンデーサイレンス系の馬である。サンデーサイレンス系でいえば、ダンスインザダークやマンハッタンカフェなど、どちらかというと長距離を得意とする種牡馬の産駒たちの方が適しているか。

■3■マイラーにとっては厳しいレース
ヨーロッパの血を持つ馬が活躍しているように、府中の1800mはスピードだけでは押し切れない、スタミナが問われる舞台である。過去10年の連対馬20頭のうち、18頭が芝1800m以上の中距離で勝ち星を挙げていたことからも、マイラーにとっては厳しいレースになることが分かる。

| | Comments (0)

地を這うように

Yasuda2017
安田記念2017―観戦記―
前年の覇者ロゴタイプが昨年同様に先頭に立ち、前半マイルが45秒5、後半が46秒0という、G1のマイル戦としてはごく平均的なペースでレースを引っ張った。47秒0-46秒0に流れた昨年と比べると確かに速いが、先行した馬たちが潰れるほどのハイペースでもない。ロゴタイプが粘ったのは当然のことで、言ってみれば、逃げた馬も差した馬もどこから行った馬にとっても勝つチャンスのあるレースになった。脚を余すことなく、スタートからゴールまで前が詰まることなく力を出し切ったかどうかが勝敗を分けた。

勝ったサトノアラジンは、スローにならなかったことに加えて良馬場で走れたことで、持ち前の末脚を十全に発揮することができた。追えば追うほど頭が低くなり、地を這うように伸びる様は父ディープインパクトを彷彿させる。今回の勝利を見ても、昨年のマイルCSにおける最後の直線の不利がどれだけ大きかったかが分かる。蒸し返すつもりはないが、あの不利がなければ勝っていたのはサトノアラジンであり、現行ルールに照らしてみても、ミッキーアイルと浜中俊騎手が降着にならなかったのはおかしい。サトノアラジンは展開や馬場に左右される面は否めないが、その末脚の確かさは2000mぐらいの距離までは変わらないはずである。

川田将雅騎手は、スタートから小細工することなく、直線に向いて大外に出して追い込んでみせた。長く良い脚を使うタイプの馬だけに、前をカットされてしまうと致命的になることを念頭に置いたコース取り。これしかないという騎乗ではあるが、余計なことをせず、やるべきことに徹した騎乗はさすが仕事人である。調教技術には卓越したものがある池江寿泰調教師と川田騎手のコンビの相性は極めて良く、忘れた頃にやってくるので注意すべき。

昨年は展開に恵まれたが、今年は力を出し切ってあわやの2着となったロゴタイプ。連覇はならなかったものの、7歳になっても衰えを見せないどころか、馬体も充実している。皐月賞を勝った当時は、「サンデーサイレンスに似ている」とさえ吉田照哉氏に評価されたほどの馬だけに、紆余曲折ありつつ、長きにわたって結果を出している。田辺裕信騎手の迷いのない騎乗も功を奏した。

レッドファルクスは最後まで伸びたが、仕掛けのタイミングが遅れてしまったことが響いた。馬群を上手く捌けていれば、サトノアラジンに肉薄していたはず。1200mのG1レースを勝ってはいるが、マイルの距離も全く不安を感じさせない、マイラーとしての走りであった。負けはしたものの、陣営にとっては収穫の大きなレースであったに違いない。

エアスピネルも同様に、最後の最後まで前が開かず、最後の200mぐらいしかまともに追えていない。ピリッと伸びる一瞬の脚で勝負するのではなく、どちらかというとパワーで押し切るタイプだけに、この馬の良さが発揮できなかった。ゴール板をすぎてからは先頭に立っているだけに、この馬も脚を余していなければ勝ち負けに加われていたはず。パトロール映像で見る限り、前が開いていれば勝っていたかもしれず、抜け出すスペースが全く開かなかったのは不運としか言いようがない。

Photo by 三浦晃一

| | Comments (0)

勝ち切れない馬が勝つのはどのようなときか

Cover

勝ち切れない馬がいる。能力は高くても、あと一歩のところで勝利を逃してしまう馬。どのレースでも安定して力を発揮するが、なぜかいつも自分の前に1頭か2頭がいる馬。昔でいえば、ナイスネイチャやロイスアンドロイスのように3着を繰り返す馬もいれば、ステイゴールドのように2着でフィニッシュしたレースが12回もある馬もいる。次こそ勝つのではないかという期待と、それでもまた惜しいところで負けてしまうという詰めの甘さと憎めなさが相まって、つい応援したくなってしまうため勝ち切れない馬にはファンが多い。

勝ち切れない馬に共通しているのは、どのような相手関係であっても勝ち切れないということ。たとえば、強いメンバーが集うG1レースで3着する実力を持っているにもかかわらず、自分よりも格下の馬たちと走る非重賞のオープン戦でも同じように3着と敗れてしまう。なぜ敗れてしまうのか不思議になってしまうほど勝ち切れないのは、勝ち運に見放されているからではなく、勝ち切れない馬それぞれに特有の内的要因があることが多い。たとえばステイゴールドは、内に持たれてまともに追えない(走らない)という気性的な問題を抱えていたのは有名な話である。

(週刊Gallopを買い忘れた方や、超馬券のヒントだけ読みたい方はこちら
*安田記念の予想と馬券を公開中です。

| | Comments (2)

父ディープを力強くした馬体ステファノス:5つ☆

イスラボニータ →馬体を見る
筋肉の柔らかい馬であったが、さすがに6歳馬になって若干硬さが見られる。
それでも前駆はパワーアップして、いかにもマイラータイプの好馬体。
Pad3star

ロゴタイプ →馬体を見る
馬体の良さは相変わらずで、若駒の頃から変わらない雰囲気を維持している。
リラックスして立てていて、顔つきを見ても凛々しく、調子は抜群に良い。
Pad4star

レッドファルクス →馬体を見る
胴部には十分な長さがあって、マイルの距離は問題なくこなせそう。
表情を見る限り、気性的に激しいところがあるはずで、スムーズに走れたら。
Pad3star

トーキングドラム →馬体を見る
トモの肉付きも素晴らしく、いかにも短距離馬らしい力強い体つき。
やや肩が立ち気味なので、府中のマイル戦はギリギリかもしれない。
Pad3star

ヤングマンパワー →馬体を見る
前駆が実に力強く、胴部もスラリと伸びて、シルエットが美しい。
欲を言えば、もう少しトモに実が入って、4輪駆動になると良い。
Pad3star

ステファノス →馬体を見る
これまでは重さが残っていたが、今回は全てが削ぎ落されてパーフェクト。
まるで往年の父ディープインパクトを力強くしたような好馬体。
Pad5star

サトノアラジン →馬体を見る
マイラーらしからぬ長さのあるシルエットで、府中のマイル戦はピッタリ。
ひと叩きされて、馬体は仕上がってきており、好走は必至だろう。
Pad3star

クラレント →馬体を見る
8歳馬とは思えない皮膚の薄さを保っており、さらに筋肉も柔らかい。
いかにもパワーがありそうな筋骨隆々の馬体を誇り、力は出し切れる。
Pad4star

エアスピネル →馬体を見る
ここに来て馬体がかなり絞り込まれており、脚元さえも細く映る。
ギリギリまで仕上がったことが、レースに行ってどう出るか楽しみ。
Pad45star

ブラックスピネル →馬体を見る
前述のエアスピネルとは対照的に、腹回りに余裕があって、やや太め残り。
もうひと絞りほしいところで、ゴール前で力尽きてしまうのではないか。
Pad3star

アンビシャス →馬体を見る
3歳時はマイラーにもステイヤーにもどちらにも転がりそうな馬体をしていた。
5歳馬になって、マイラーらしい体型になり、安田記念の舞台は最適か。
Pad3star

| | Comments (0)

安田記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Yasuda

■1■外国調教馬の活躍
平成5年から国際競走として行われ、当初は欧州調教馬が大勢を占めていたが、ここに来て香港調教馬の活躍・台頭が目立つ。過去11年で外国調教馬の成績は【1・1・2・22】。香港から1頭の勝ち馬が出ている。もちろん、勝負になると思うからこそ遠征してくるわけで、たとえ人気がなくとも要注意である。

香港競馬はオセアニア産のスピード馬を輸入しながら、全体のレベルも年々上がっている。短距離路線に関して言えば、日本よりは層が厚く、スプリント戦でなかなか歯が立たないというのが現状だろう(それゆえロードカナロアの香港スプリント勝利の価値は高い)。マイル戦では、贔屓目に見てほぼ互角といったところだろうか。府中のマイル戦はスタミナも必要とされるため、サイレントウィットネスやグッドババのような小回りが得意なスプリンターではなく、少し長めの距離を得意とするブリッシュラックのようなマイラーを狙うべきである。

■2■高松宮記念勝ち馬の不振
平成12年 キングヘイロー    3着(3番人気)
平成13年 トロットスター    14着(4番人気)
平成15年 ビリーヴ       12着(9番人気)
平成17年 アドマイヤマックス 12着(4番人気)
平成18年 オレハマッテルゼ  10着(1番人気)
平成19年 スズカフェニックス  5着(1番人気)
平成20年 ローレルゲレイロ  15着(6番人気)
平成24年 ロードカナロア     1着(1番人気)

高松宮記念が3月に施行されるようになった平成12年以降、高松宮記念勝ち馬が安田記念に出走してきた際の成績は上の通り。勝ったロードカナロアはワールドクラスのチャンピオンとして例外として、それ以外の馬たちの中で、キングヘイローの3着が最高着順であり、スズカフェニックスそれ以外の馬は二桁着順に惨敗している。高松宮記念勝ち馬が安田記念で活躍できない理由としては、以下の2つが考えられる。

1、高松宮記念勝ち馬は本質的にはスプリンターである
当たり前のことだが、高松宮記念を勝つような馬は本質的にはスプリンターである。安田記念が行われる府中の1600m戦はマイル以上のスタミナを要求されるため、スプリンターはガス欠を起こしてしまう。また、中京競馬場1200mコース(小回り)と東京競馬場1600m(大回り)では、道中の流れが全く違うため、前走で高松宮記念を勝つようなリズムで走った馬は、安田記念ではリズムの違いに戸惑い、凡走してしまうのである。

2、高松宮記念を目標に仕上げられているため余力が残っていない
高松宮記念はレースを使い込んで仕上げてきた馬が勝つ傾向がある。そのため、2ヶ月後の安田記念までに余力が残っておらず、体調が下降線を辿ってしまう馬が多い。

■3■キャリアを問われるレース
過去10年の年齢別成績は以下のとおり。

3歳 【1・0・0・2】  連対率33%
4歳 【2・2・1・28】 連対率12%
5歳 【3・4・3・46】 連対率13%
6歳 【4・2・5・37】 連対率13%
7歳以上 【0・2・1・29】 連対率6%

安田記念はキャリアを問われるレースであり、過去10年の勝ち馬の年齢を見ても、5歳馬、6歳馬の3勝に対し、4歳馬は2勝。アドマイヤコジーン、アグネスデジタル、ダイワメジャーなど、紆余曲折を経た古馬たちが、そのキャリアや経験を生かして頂点に立ってきた歴史がある。

しかし、1996年に3歳馬に再開放されて以来、2011年は初めて3歳馬(リアルインパクト)による安田記念制覇となった。それまでは3歳馬が出走することすら稀であり、たとえ挑戦したとしても、ほとんどの馬が2桁着順に敗れてしまっていた。この時期の3歳馬にとって、古馬との戦いが厳しいことは確かだが、逆説的に言えば、キャリア豊富なマイラーを負かせるとすれば、4kgの斤量差を生かすことができた3歳馬ということか。

| | Comments (0)

« May 2017 | Main | July 2017 »