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現代の日本競馬は枠順のゲームである(最終回)

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日本ダービーも、前週に行われたオークスよりもさらに遅い、前半1000mが63秒2という超スローペースに流れ、同じようなレースが再現されようとしていた。内枠を引いて道中は馬群の内でじっと我慢して脚を溜めるか、前のポジションを取っていなければ勝負にならないレースとなった。ところが、向こう正面において、レイデオロに乗ったクリストフ・ルメール騎手が迷うことなく一気にポジションを2番手まで押し上げたのである。

いくらペースが遅いとはいえ、道中で自ら動いてしまっては脚を失うことになる。競馬は先に仕掛けた方が負けるスポーツなのだ。そのことを一番良く分かっているのが騎手であり、だからこそ、ペースに対してのポジションが悪すぎると分かっていても、ジョッキーは自ら動くことができない。動けば負ける、動かなくても負けるという状況では動けないのが人の常であるにもかかわらず、ルメール騎手は日本ダービーという大舞台で、定石破りの決断をし、自ら動いていったのだ。その神がかった騎乗には称賛の声が多く、ルメール騎手の好判断があったからこその勝利であったと言っても過言ではない。あそこで動いていなければ、内枠を利して完璧に乗った四位洋文騎手のスワ―ヴリチャードがダービー馬に輝いていたはず。

しかし、レースをパトロール映像等で繰り返し観てみると、ルメール騎手は自ら動いたのだろうかという疑問が湧いてくる。動いたのではなく、抑えなかったという表現の方が適切なのではないかと。他の騎手たちがスローな流れに乗ろうとして馬を引っ張る姿を横目に、ルメール騎手だけはブレーキをかけなかっただけのことである。

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