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まさに人馬一体


スプリンターズS2017―観戦記―
ワンスインナムーンが先頭を奪い、ダイアナへイロ―とフィドゥーシアが続き、ダッシュ力のある牝馬たちがレースを引っ張った。前半600mが33秒9、後半600mが33秒7という数字上は平均ペースではあるが、G1レースとしてはスローにあたる。後から行きすぎた馬にとっては差しづらく、しかも今年は内側が伸びるトラックバイアスのある馬場であったことも含め、外を回した差し馬にとっては厳しいレースとなった。そんな中でも、勝ち馬の末脚は際立っていて、このメンバーでは明らかに力が抜けていた。

勝ったレッドファルクスは、安田記念以来、休み明けのぶっつけ本番となったが、きっちりと仕上がっていた。昨年のスプリンターズSを勝った以降は調子を落としてしまい、香港で惨敗したのちそのまま休養に入ったことで今春は仕上がりが今一歩であった。そこから調子を上げつつ春は3戦し、調子が上向いた状態で夏の休養に入ったことで、秋シーズンに向けて仕上げやすかったに違いない。どのような形で休養に入ったかで、次のシーズンに向けての仕上げやすさや状態が違ってくるということである。レッドファルクスはダート戦でも勝ち星があるように、パワーに優れていて、中山競馬場の最後の急坂は合うし、香港の力の要る芝も得意とする。次走の香港スプリントでも大いにチャンスがあるはず。

ミルコ・デムーロ騎手は、馬の背に吸いつくようなフォームで乗り、まさに人馬一体となってゴールへと向かっている。レッドファルクスの力を信じ、あわてず騒がず直線では外に出し、ゴール板のところが最速になるような末脚を見事に引き出した。最後は手綱を緩める余裕さえあり、2着馬とはクビ差であるが着差以上の完勝であった。短期免許で乗っていたときは、勝ちにはやって危なっかしい騎乗が目立ったこともあったが、今は日本の競馬にも慣れ、アグレッシブさは残しながら周りの状況が見えるようになっている。クリストフ・ルメール騎手と並んで、もはや注文をつけるところのないジョッキーと言っては言い過ぎだろうか。

2着に入ったレッツゴードンキは、スローペースに乗じて内枠を生かしつつ、1200mを最短距離で回ってきた。ペースが速くなっていれば前の馬が下がってきて進路を失っていたかもしれないが、これだけ楽なペースで行ければワンスインナムーンもフィドゥーシアも最後まで下がってこなかった。マイル戦を走り切れるスタミナはあるが、最近はややハミを噛んで力んで走ってしまうため、今はスプリント戦がベストだろう。

メラグラ―ナは脚質的に後ろからのレースになってしまうため、展開に大きな影響を受けることは仕方ない。馬体全体のシルエットは美しいが、このメンバーに入ると線の細さが目立つように、もう少しパワーアップできるとG1レースに手が届くはず。セイウンコウセイはいつもの前進気勢に欠け、後手に回っているうちにレースが終わってしまった。このような結果が出てしまうと、高松宮記念を勝った後に函館SSを使ったことがより不思議に思えてくる。ローテーションはサラブレッドを生かしたりも殺したりもするのだ。ビッグアーサーは長期休養明けのため、高ぶる気持ちがコントロールできず、地下馬道から本馬場に出るときにはすでにまともに歩けていなかった。あれではさすがに力を出し切ること難しい。

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Comments

治郎丸さんお疲れ様です(^^;レッドファルクスの最後の加速を見てあのロードカナロアを彷彿とさせるどこまでも突き抜けるようなスピードと推進力はハンパではありませんね。馬や脚質こそ違うものの最後はロードカナロアように見えましたね。今度はどこを走るのかわかりませんが叩き2走目でさらに凄い走りが見られると思うと今から楽しみです。

Posted by: ユビキタス | October 06, 2017 at 06:27 AM

ユビキタスさん

こんにちは。

レッドファルクスは私が思っている以上に強かったです。

左回りの方がと陣営は言いますが、特に最後に急坂のある中山競馬場が合っているのでしょう。

あとはロードカナロアのような先行力を身につければ、相当に強い馬として国際舞台での活躍を期待したいところですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 08, 2017 at 01:24 PM

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