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それだけ魅力的であった


ジャパンカップ2017―観戦記―
好スタートを切ったキタサンブラックが、内枠から素直に先頭に立ち、前半1200mが72秒3、後半が71秒4というスロペースでレースを進めた。昨年ほどではないが、G1レースにしてはペースが遅く、前に行った馬たちにとって有利なレースとなった。さらに4つのコーナーを回る東京2400mのコース設定によって、内ラチ沿いの経済コースを走られた馬たちの脚がたまり、外を回らされてしまった馬たちは脚を失ってしまうという、内枠有利の実に分かりやすい結果となった。率直に言うと、これだけ豪華なメンバーが揃ったにもかかわらず、枠順が決まった時点でおおよその勝敗が分かれてしまうジャパンカップはどうしたものか、という思いは拭い去れない。

勝ったシュヴァルグランは、好スタートと内枠を生かし、絶好のポジションを走れたのが最大の勝因である。道中は内の3番手でひたすら脚をため、最後の直線に向いてから外に出されると、ゴールまでしぶとく伸び切ってみせた。もともと実力のある馬であり、今年に入ってから馬体に実が入って、スタートしてから前のポジションを走れるように成長してきたのは確か。前走は休み明けで仕上がっていなかったが、ひと叩きされた今回は、仕上がりと枠順、脚質が見事に噛み合って、待ちに待ったG1制覇を成し遂げてみせた。今回はミルコ・デムーロ騎手がサトノクラウンとシュヴァルグランのどちらに乗るか最後の最後まで迷って前者を採ったが、それはシュヴァルグランが力をつけていて、それだけ魅力的であったという意味でもある。テン乗りのヒュー・ボウマン騎手は、無心で乗って、最高の結果を出した。

レイデオロはスタート直後に他馬によられてしまい、ほしかったポジション(シュヴァルグランが走ったそれ)が取れなかったことが最後まで響いた。ルメール騎手もなんとか前にポジションを上げようと、外に出してみたりとあがいてみたが、これだけ密集していては外に出すのも難しい。レイデオロ自身も伸びそうで勝ち馬と同じ脚色になってしまったあたり、どれだけゆったりとしたローテーションを組んでいたとしても、日本ダービーを勝った反動がわずかに残っていたかもしれない。大きく崩れなかったあたりは、さすが走ることが好きな馬であり、どのような状況でも力を出し切ることができるのが強み。有馬記念をパスして来年に向けて充電する選択は、全くもって正しい。

1番人気に推されたキタサンブラックは、非の打ち所のないレースをして、それでも3着に敗れてしまった。どこが悪いという明確な原因はなくとも、最後は伸び切れなかった以上は、天皇賞秋をピークにして体調がやや下降線を辿っていたということである。G1レースを3つ続けて勝つ(好走する)ことがいかに難しいか。理想としては3戦すべて100%の仕上げを施して出走させたいだろうが、そんな陣営の思いとは裏腹に、下がれば上がり、上がれば下がるという体調のバイオリズムがある。それはキタサンブラックとて例外ではない。次走はさらに体調が下向きになるので、今回と同様に、好走はするも何らかの馬に足元をすくわれるのではないだろうか。

サトノクラウンは6枠からの発走となり、終始、馬群の外を回らされて、脚がたまるところがなかった。直線に向いてからも、逆に先行馬に突き放されることになり、全くと言ってよいほど見せ場がなかった。これはキタサンブラックやソウルスターリングなどにも当てはまることだが、やはり不良馬場で行われた天皇賞・秋を激走した反動が少なからずあったのかもしれない。陣営は中間の様子から疲れはないと判断していたようだが、今回の結果を見る限り、多かれ少なかれ前走からの反動はあったのではないだろうか。

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サラブレッドは自らのプライドを賭けて走る

Cover

先月、某一口馬主クラブのパーティーに出席した。私自身、一口馬主として出資を始めたのは2年前であり、このような集まりに参加するのは初めての経験であった。あまりの人の多さと参加者の熱気に圧倒されつつ、いち競馬ファンとして、競馬関係者たちとの交流を楽しませてもらった。その中で、橋口慎介調教師と話をする機会があり、会話は自然と当日の天皇賞・秋に出走したワンアンドオンリーへと移っていった。毎日王冠では最後まで頑張って追い込み、ようやく復調を果たせるかと期待していたにもかかわらず、天皇賞・秋は不良馬場で走る気をなくしてしまい、全くと言ってよいほど見せ場がなかった。ちょっとしたことで、馬があきらめてしまうようになったと悩んでいた。

この傾向は、ワンアンドオンリーが日本ダービーを制し、夏を越して、神戸新聞杯を勝ったあとから続いているという。日本ダービーを勝った疲れが完全に癒えていない状態で神戸新聞杯を迎え、肉体的にはとても完調とは言い難い中でも、ワンアンドオンリーは頑張ってしまった。最後の直線にて、サウンズオブアースやトーホウジャッカルに並ばれたとき、ワンアンドオンリーは負けられないと気力を振り絞って、グイッと前に出たそうだ。この話を聞いたとき、「ダービー馬のプライド」という言葉が頭に浮かんだ。

「ダービー馬が秋初戦は好発進するも2戦目以降が続かない理由」という拙コラムにて、日本ダービーにおいて、究極の仕上がりで極限のレースを強いられたことで、肉体的にも精神的にも燃え尽きてしまう、それでも秋初戦だけは走るのは、ダービー馬を負けさせるわけにはいかないという陣営の意識があるからだろうと書いた。そして、日本ダービー後も馬体をできるだけ緩めることなく、疲労を表に出さないように引っ張ってこられる限界が秋初戦までということだと。

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凛々しい立ち姿のマカヒキ:5つ☆

キタサンブラック →馬体を見る
最近はボリューム感のある馬体のときも走っているが、本来はこちらのシルエット。
馬体に長さはあるが、それほど力強さは感じさせず、いかにもステイヤー体型。
Pad4star

サトノクラウン →馬体を見る
若駒の頃より、全体のシルエットは美しく、完成度の高い馬体を誇っていた。
ここにきて付くべきところに筋肉が付き、ボリューム感を増してパワアップした。
Pad4star

レイデオロ →馬体を見る
前2頭に比べると、重心が高く、突っ立ったような立ち姿だが、特に問題はない。
毛艶は素晴らしく、筋肉のメリハリもあり、外見上は春シーズンの疲れはない。
Pad4star

ソウルスターリング →馬体を見る
夏を越してさらに胴部に長さが出て、今は2400mぐらいの距離がベストかも。
前走は苦手の道悪で力を発揮できなかったが、トモの肉付きも素晴らしく体調は万全。
Pad4star

ヤマカツエース →馬体を見る
札幌記念から前走を叩かれて(もしくは寒くなって)、体調は上向いてきている。
この馬の力を出し切れる状態にあるが、馬体のつくりから2400mはギリギリの距離。
Pad4star

シュヴァルグラン →馬体を見る
このメンバーに入ってしまうと、全体のバランスが優れず、幼さを残している馬体。
前駆の力強さは増しており、ステイヤーというよりは中距離馬らしく変化を遂げた。
Pad3star

マカヒキ →馬体を見る
日本ダービー以来の不調を忘れてしまうほどの、凛々しい立ち姿で調子は良い。
特に前駆の力強さは素晴らしく、母父フレンチデピュティの血が騒いできた。
Pad5star

レインボーライン →馬体を見る
このメンバーに入ってしまうと、いかにも3歳馬という馬体の幼さは否めない。
胴部にはそれほど長さがないが、手脚は長くて、これぐらいの距離はベストだろう。
Pad3star

トーセンバジル →馬体を見る
前駆の盛り上がりはすごく、ここにきてパワーアップしていることは間違いない。
それでも、毛艶はくすんで映るように、寒くなってきて少し調子落ちがあるかも。
Pad3star

シャケトラ →馬体を見る
黒光りしているように、冬場にもかかわらず新陳代謝は素晴らしく調子は良い。
ただ、全体のシルエットとしてはまだ幼さを残しており、もうひと絞りできそう。
Pad3star

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東京芝2400m

Tokyo2400t

スタンド前からの発走で、スタート地点から第1コーナーまでの距離は349mと平均的な長さ。第1コーナーまでの距離が十分にあるため、無理な先行争いはあまりなく、1コーナーまでには大方の位置取りは決する。コース幅も広く、コーナーも複合カーブであり、直線も長いという全くごまかしの利かないタフなコース設定となっているため、力がなければ勝ち切ることはできない。

直線が長いという意識が各騎手に働くため、どの馬も道中無理をせず折り合いに専念する。そのため、スローペースになり、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい。瞬発力に欠ける馬では苦しく、末脚に自信のある差し馬にとっては十分に能力が発揮される舞台である。

以上のことから、東京の2400mを勝つためには、「折り合いがつくこと」「瞬発力があること」「スタミナがあること」という3つの条件を満たしていることが望ましい。まさに、2400mがチャンピオンディスタンスと呼ばれるゆえんを体現しているコースと言えるだろう。


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ジャパンカップを当てるために知っておくべき3つのこと

Japancup

■1■日本馬のレベルアップ
ジャパンカップで最も大きな問題となってくるのが、外国馬と日本馬の比較である。近年は完全な日本馬の優勢であり、日本馬が1~3着だけでなく、掲示板を独占することがあっても驚かなくなってきた。ここ十数年で、生産、調教の技術が飛躍的に向上したことによって、日本の競走馬のレベルそのものは、海外のそれと比較しても同等かそれ以上のところまで上がってきている。

日本国内における一流馬であれば、海外に出ていっても十分通用することは、古くはジャックルマロワ賞のタイキシャトル、凱旋門賞のエルコンドルパサーから、インターナショナルSのゼンノロブロイ、アメリカンオークスのシーザリオ、メルボルンCのデルタブルース、そしてハーツクライ、ディープインパクト、そして最近でいうとナカヤマフェスタやオルフェーヴルまで多くのG1ホースらが示してくれた。もちろん自分の土俵(日本の競馬)で戦うのであれば、堂々と胸を貸すぐらいの気持ちで立ち向かうことができるはずだ。

外国馬に関する情報は極めて少なく、日本の馬場で一度も走ったことがない馬の実力を推し量ることは、はっきり言って非常に難しい。それでも、ひとつだけ大きなものさしを示すとすれば、「力をつけた日本馬に地の利がある以上、外国馬は余程の実力、実績を持った馬でないとジャパンカップで勝ち負けにはならない」ということになる。日本の軽い馬場が合いそうだとか、招待されたからなどというレベルの外国馬では勝負にならないところまで日本馬のレベルは上がってきている。

ちなみに、外国馬に関して述べると、海外遠征未経験馬は疑ってかかるべきである。今回のジャパンカップ挑戦が初めての遠征になるような馬では、よほど能力が抜けていないと極東の地での激しい戦いを勝つことは出来ない。ヨーロッパの馬でヨーロッパの外に遠征した経験がない馬も同じである。

■2■凱旋門賞、ブリーダーズC馬は消し
ジャパンカップの前にはヨーロッパで凱旋門賞、アメリカでブリーダーズカップとG1レースの中のG1レースが行われている。海外の馬は当然そちらを目標に出走するため、ジャパンカップにはピークを過ぎた状態で出走してくることが多い。

特に、凱旋門賞、ブリーダーズCを勝った馬は、ほぼ間違いなく調子落ちでの出走となるはず。ピークの仕上げで臨まなければ、凱旋門賞やブリーダーズCといった大レースは勝てないため、勝った勢いでジャパンカップに挑戦してきても、結局、状態は下降線を辿ることになるのだ。ブリーダーズカップを勝ったコタシャーン、凱旋門賞を勝ったエリシオ、モンジュー、デインドリーム、ソレミアなどがあっさりと敗れてしまったのは、明らかにピークを過ぎた状態で出走してきたからである。また、凱旋門賞を勝つ馬は、深い芝で走れるだけのパワーとスタミナが勝っている馬である(今年の凱旋門賞は別)。軽い芝でスピードと瞬発力を要求される日本の競馬には合わないことが多いだろう。また、ブリーダーズCを勝った馬はローテーション的に厳しい。死力を尽くして大レースを勝った後に、遠征を含めて、もうひとつG1レースで勝つことは難しい。

逆に言うと、凱旋門賞、ブリーダーズCで負けてしまった馬の巻き返しは期待できるということだ。

■3■迎え撃つのは4、5歳馬
過去10年の勝ち馬は、4歳馬が6勝、続いて5歳馬と3歳馬が2勝、6歳以上の馬は0勝となっている。ジャパンカップのレベルが上がったことにより、肉体的に最も充実する4、5歳馬が圧倒的に有利なレースとなった。百戦錬磨の外国馬を迎え撃つのは日本の4歳馬という図式が成り立つだろう。

また、ジャパンカップを勝ち切るためには高い壁があって、日本馬、外国馬に関わらず、連対率が50%を切るような馬では厳しい。高い競走能力と、どのような状況や環境にも対応できる資質の持ち主であることが問われるのだ。

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馬が好きなんだ


マイルCS2017―観戦記―
マルターズアポジーが果敢に先頭に立ち、前半マイルが46秒7、後半マイルが47秒1という平均ペースでレースを引っ張った。馬場も適度に柔らかさを保っており、ペースもイーブンであっただけに、コースの内外もしくはポジションの前後ろにかかわらず、全馬が力を出し切りやすい、実力が素直に反映されたレースとなった。それほど大きな実力差のないメンバーであっただけに、騎手の技量や道中のコース取りの違いによって最後の勝ち負けが分かれた。久しぶりにG1レースらしい拮抗したマイラー同士の争いが見られた。

勝った3歳馬ペルシアンナイトは、前走を休み明けの不良馬場で惨敗したことで、古馬との力差や夏を越しての成長が見えにくい、盲点の馬となっていた。外枠からスタートして行き脚がつかず、ミルコ・デムーロ騎手は道中で早々にコースロスをせずに脚をためることに専念していた。鋭角にコーナーリングをして、先に手応え良く抜け出したエアスピネルの後ろの進路を通り、ゴール前ではハナの差だけ他馬に先んじて見せた。馬体的には成長途上にあり、この先、2000m以上でも走りそうなスタミナを持っている。皐月賞2着、日本ダービーは早めに動いての7着の実力は伊達ではなかった。

言うまでもなく、ミルコ・デムーロ騎手の手綱さばきは申し分なかった。これで今年のG1レースは6勝目となり、しかも全て違う馬に乗ってのものだけに、より価値は高い。もちろん、それぞれのレース(特にG1などの上級レース)において勝てる可能性の高い馬を選び抜いているからこそでもあるが、たとえば今回のレースも馬が良かったから勝てたという単純な話ではない。ひとつでも乗り間違えていれば、掲示板がやっという走りであったかもしれず、それは負けてしまった他馬にも当てはまり、もっと上手く乗れていれば勝つチャンスはあった馬も多かった。最後は世界の名手ライアン・ムーア騎手を競り落としたのだから、今のミルコ・デムーロ騎手の右に出る者は世界を探しても見当たらないと言っても過言ではない。

デムーロ騎手と他のジョッキーは何が違うのだろうか。馬乗りとしての技術が卓越しているのは当然のことであり、日本の競馬に精通していて、ライオンのような勇敢さも秘めているのも分かる。それならば日本の騎手の中にも高い技術を持っている騎手はたくさんいるし、日本の競馬場で何十年も乗ってきて全てを知っている騎手もいる。デムーロ騎手と同じぐらい勇敢な騎手もいなくはない。しかし、他の騎手になくてデムーロ騎手にあるもの、誤解を招くかもしれないが、それは馬に対する愛情ではないだろうか。彼は馬と共に走り、共に生きている。心の底から馬が好きなのだ。馬に対する愛情こそが、彼の馬乗りとしての技術の高さや知識や勇敢さへとつながり、それらを高い次元に昇華させている。そんなことまでを考えさせられてしまう、デムーロ騎手の素晴らしい騎乗であった。

もちろんライアン・ムーア騎手も、馬への愛情という点においては負けていない。スタートからゴールまで、エアスピネルが勝てるように完璧に導いていた。最後の直線もムーア騎手らしい芯のブレない追い方で、エアスピネルの力を100%出し切らせていた。末脚の切れ味という点で少しだけ勝ち馬に及ばなかった。今回は勝てなかったにしても、ムーア騎手にとっては悔いのない騎乗であったに違いない。それでも勝てないのが競馬であり、トップジョッキーとしては何かが自分たちには足りなかったと考えるのだろうか。

3歳馬のサングレーザーも実に惜しい3着であった。勝ち馬とは僅かな差だけに、道中のポジションや最後の直線のコース取りによっては、勝てるチャンスは十分にあった。ここに来て馬(体)はグングンと良くなってきているので、来年が楽しみである。4連勝してきて、G1レースで惜敗するまで激走した疲れは必ず出るはずなので、今後は十分な休養を入れて、体力と気力の充電をし直してからターフに戻ってきてもらいたい。

1番人気のイスラボニータは、道中のポジションも理想的であったが、最後は伸びあぐねてしまった。この馬なりに力は出し切っており、自身の能力的な衰えはほとんどないが、今回は上位馬たちの力が上であったということだ。クリストフ・ルメール騎手も、イスラボニータにG1を勝たせたいという想いが強いのは分かるが、この馬の騎乗にこだわりすぎてしまっている感は否めない。スプリンターズS馬であるレッドファルクスは、距離が少し長いということもあるだろうが、それよりも最後の直線に坂がないことで他馬が止まらず、自身のパワーを生かすことができなかった。この馬にとっては、最後の直線に急坂がある中山競馬場がベストである。

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血統を辿ると違った姿が見えてくる

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血統について語るとき、血統は下部構造なのかそれとも上部構造なのか、という問題から入らなければならない。つまり、サラブレッドの本質は血統が規定しているのか、それともそれ以外の要素なのか。もっと分かりやすく言うと、血統が先なのか馬の個体(個性)が先なのかという問題である。鶏が先か卵が先か、どちらが原因でどちらが結果か、血統を先と見る者を私たちは血統論者と呼んだりする。もちろん、どちらが正しいということではなく、どちらのスタンスを取るかで、その人の血統に対する見方が違ってくるということである。

かつて私の敬愛するジョッキーのひとりであるラフランコ・デットーリ騎手はこう語っていた。

「馬のタイプや個性は、跨った時の感触や、実戦に行ってからのレースぶりから掴むものです。競馬が終わって、それから血統を聞いて、その血統ならこういう将来もあるかもしれない、と思うことはありますが、順番を間違えてはいけないと思います」

デットーリ騎手はワールドスーパージョッキーズシリーズにおいて、抽選で当たった馬について、どんな馬なのか関係者から情報を得る際に、「競馬に乗る前に血統の説明は要らないよ」と言って、戦績やレース振りは聞いても、あえて血統については耳をふさいだという。自分の家の敷地で繁殖牝馬を飼い、自ら配合を考えて馬の生産も手がけているデットーリ騎手が血統に興味がないはずがない。彼は馬を見るときの順番を間違えてはいけないと考えているのだ。馬のタイプや個性が先で血統が後ということである。

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ほぼ完成されたサングレーザー:5つ☆

サトノアラジン →馬体を見る
筋肉のメリハリが素晴らしく、前走惨敗した馬の馬体とは思えない。
きっちりと仕上げられ、馬場さえ悪くならなければ、この馬の末脚が発揮される。
Pad45star

ペルシアンナイト →馬体を見る
同じ池江厩舎の先輩には見劣りするが、3歳馬としては十分な筋肉のつき方。
ややコロンとして映る馬体だけに、マイルの距離は好材料になるはず。
Pad4star

サングレーザー →馬体を見る
少しずつ馬体が成長を遂げて、ここに来てこの馬としてはほぼ完成された。
肩回りの筋肉が盛り上がり、トモにも十分に実が入っていて素晴らしい。
Pad5star

エアスピネル →馬体を見る
馬体としては、筋肉に柔らかみがあった2、3歳時が最も良く見えた。
古馬になってからは少し皮膚が厚くなり、マイラーとしての馬体になった。
Pad4star

ウインガ二オン →馬体を見る
少しだけ背が垂れているように映るが、リラックスしていて好感を持てる。
筋肉のメリハリという点では今一歩だが、毛艶は良く、筋肉に柔らかみがある。
Pad3star

レーヌミノル →馬体を見る
この馬なりに馬体は成長しているが、このメンバーに入ってしまうと線が細い。
2歳時に比べて、胴部に伸びが出てきているので、マイルの距離は持つだろう。
Pad3star

グランシルク →馬体を見る
馬体だけを見ると、全体的に長さがあって、中距離馬のそれに映る。
ペースが速くなって、スタミナを問われる流れになれば、この馬の出番も。
Pad4star

マルターズアポジー →馬体を見る
コロンとして映るように、スピードは十分にあって距離短縮は望むところ。
馬体からは単調な逃げ馬であることも伝わってくるため、どこまで粘れるか。
Pad3star

イスラボニータ →馬体を見る
相変わらずの筋肉の柔らかみがあって、とても6歳馬のそれとは思えない。
顔つきを見ても素直な気性が伝わってきて、この馬の力は出し切れる。
Pad45star

レッドファルクス →馬体を見る
他のマイラーと比べても、胴部には十分な長さがあり、距離自体は心配いらない。
前駆の方が力強いパワータイプだけに、平坦な直線がどう出るかだけ。
Pad4star

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京都芝1600m

Kyoto1600t1

向こう正面の直線を2コーナー側に延長したポケットからのスタート。第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は711mと長く、逃げ馬が気分よく行ってしまうとオーバーペースになりやすい。しかし、3コーナー過ぎてからは下り坂となるため、多少のハイペースで行ったとしても、前もなかなか止まらない。結果として、平均ペースのレースになりがちで、実力どおりの決着となることが多い。力さえあれば、展開にはあまり左右されることのないコースといえる。

京都の1600mコースには内回りと外回りがあり、G1であるマイルチャンピオンシップは外回りを使って行われる。外回りコースは、4コーナーで内回りコースと合流するため、内にポッカリとスペースが開きやすい。そのため、直線で前が詰まる心配がほとんどなく、差し馬にとっては安心して乗れるコースである。

第1コーナーまでの距離が長いため、枠順による有利・不利はほとんどない。あるとすれば、最初の直線において、ポケットの直線から本線に入る際、わずかに内の馬が窮屈になることぐらいか。とはいえ、1番枠でない限り、ほとんど気にする必要はないだろう。


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マイルCSを当てるために知っておくべき3つのこと

Milecs

■1■マイルの連対率は重要な目安
マイルのチャンピオン決定戦である以上、1600mのレースにおける連対率が50%を割っているような馬はチャンピオンとして相応しくない。1600m戦での連対率は、その馬のマイル戦に対する適性を顕著に表すからだ。

大荒れとなった平成7年は、出走馬18頭中、1600mのレースにおける連対率が50%を超えている馬がわずか2頭しかいないというレベルの低いレースであった。その2頭が、安田記念も勝ったトロットサンダーと、なんと大穴のメイショウテゾロである。このことからも、マイルチャンピオンシップにおいて、マイルの連対率がどれだけ重要なデータとなるかが分かる。マイルの連対率が50%を切っている馬は軽視すべきである。

■2■勝つためにはスタミナが必要
京都1600m外回りコースで行われるため、スピードだけでは押し切れないレースである。前4走ともに1600m未満の距離を使っていたスプリンタータイプの馬では、最後の直線でスタミナ切れすることになる。スプリンタータイプの馬では勝ち切ることは難しい。勝つためには、中距離を走り切れるだけのスタミナが必要とされる。1600m以上の中距離レースでの実績は必要。 

■3■サンデーサイレンスの血を引く馬?
過去10年のレースラップ(下参照)を見ても、昔は前半から飛ばす馬がいてハイペースになることが多かったが、ここ最近は、さすがにスローにはならなくても、全体的にフラットな落ち着いた流れになる傾向が強い。1分32秒台後半から33秒前半という全体時計は変わらないということは、前半が厳しい流れになる昔のレースの方がレベルは高かったということになる。

そのため、ズブズブのスタミナ勝負になることは少なく、スッと先行して4コーナーを持ったまま先頭で押し切れるぐらいスピードに富んだ馬、もしくは瞬発力勝負に長けた馬にとっては競馬がしやすいレースになる。デュランダル、ハットトリック、ダイワメジャーと、サンデーサイレンス産駒が5年連続でこのレースを勝ったのも、そういう特性(軽さと瞬発力)こそが問われるからである。もし血統的に狙いを絞るとすれば、ありきたりではあるが、サンデーサイレンスの血を引く馬ということになる。

12.6-10.6-11.2-12.0-11.6-11.5-11.3-11.9(46.4-46.3)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.5-10.6-11.3-11.9-11.6-11.4-11.6-11.7(46.3-46.3)M
1.32.6 ブルーメンブラッド
12.1-10.9-11.8-12.4-11.5-11.4-11.2-11.9(47.2-46.0)S
1.33.2 カンパニー
12.1-10.7-10.9-11.6-11.4-11.1-11.9-12.1(45.3-46.5)H
1.31.8 エーシンフォワード
12.4-10.8-11.2-12.3-11.9-11.8-11.6-11.9(46.7-47.2)M
1.33.9 エイシンアポロン
12.5-11.1-11.4-11.9-11.3-11.3-11.5-11.9(46.9-46.0)M
1.32.9 サダムパテック
12.5-11.1-11.5-11.7-11.5-11.2-11.4-11.5(46.8-45.6)S
1.32.4 トーセンラー
12.0-10.4-11.3-11.6-11.4-11.5-11.3-12.0(45.3-46.2)M
1:31.5 ダノンシャーク
12.6-10.9-11.1-12.5-11.9-11.1-11.5-11.2(47.1-45.7)S
1.32.8 モーリス
12.3-10.9-11.2-11.7-11.4-11.7-11.6-12.3(46.1-47.0)M
1.33.1 ミッキーアイル

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ここぞでこれしかない


エリザベス女王杯2017―観戦記―
逃げると思われていたクロスコミアのハナを叩き、クインズミラーグロが果敢に先頭に立った。やや行きたがったクロスコミアを和田竜二騎手が抑えると、ペースもあっと言う間に落ち着いて、前半1000mが62秒ジャスト、後半1000mが59秒5という究極のスローペースとなった。素晴らしいメンバーが揃ったものの、これだけペースが緩くなってしまうと、先行できなかった馬や外を回らされてしまった馬にとっては実に厳しく、枠順や脚質による有利不利が大きく出てしまうレースとなった。

3歳馬モズカッチャンは、前目のポジションを確保し、かつ内枠で上手く立ち回ることができたという両方の条件が揃ったことで、待望のG1制覇となった。スタートしてからダッシュが良く、スッと折り合いがつき、動きたいときに反応できる器用さがあるからこそ、展開やポジションの利を味方につけることができたとも言える。前走は道中で落鉄をしてしまい、しかも仕掛けがやや早かったにもかかわらず見せ場をつくった。今回はあらゆることが見事に噛み合って、他の有力馬が力を出し切れない中、モズカッチャンだけは力を十全に発揮したからこその勝利であった。力が抜けているわけではないが、コンスタントに力を出せることがモズカッチャンの強みである。

ミルコ・デムーロ騎手は、これしかないという騎乗でモズカッチャンをG1制覇に導いた。今秋になって和田騎手から手綱を受け継ぎ、ここ2戦は結果を出せていなかったが、ここぞという大舞台で完璧なエスコートをしてみせた。昨年のクイーンズリングもそうであったように、距離的に持つかどうかギリギリの馬をレースの勝ちポジにはめることでなんとか勝たせてしまう技術は驚異的である。できるだけ前目を攻める、内ラチ沿いの経済コースを回ってスタミナのロスを最小限に抑えるという、シンプルな原則を忠実に守っているからこそでもある。日本の競馬の勝ち方を最も良く知っているジョッキーである。

4歳馬のクロスコミアは粘りに粘ったが、あわやの2着に甘んじてしまった。最後はデムーロ騎手の手腕に屈したが、和田騎手としては2番手で進め、レースの流れも味方につけ、この馬の力をしっかりと出し切った。古馬になって馬体がしっかりとして、安定して力を出せるように成長した。クイーンSでアエロリットにハナを奪われ、逃げない形での我慢の競馬を強いられたことも、この馬にとってはプラスに働いたのだろう。

5歳馬ミッキークイーンは仕上がり途上であったにもかかわらず、中団から鋭く伸びて、最も強い競馬をした。順調に使えなかったりしてG1勝ちからは遠ざかっているが、地力という点では牝馬限定レースでは圧倒的に上位である。1番人気に推された4歳馬ヴィブロスは、前半にかなりハミを噛んでしまった分、最後の直線で伸びあぐねてしまった。前に行かなければ勝ち目がないと馬を出して行ったルメール騎手の判断は正しいが、馬が敏感すぎてコントロールできなかった。ヴィブロスのリズムを重視して後から行っていても届かず負けていただろうから、同じ負けるにしても勝ちに行って負けたのだから価値がある。

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エリザベス女王杯は世代交代のレース

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エリザベス女王杯において、世代交代の問題は避けて通れない。最近は、調教技術や馬をケアするレベルの高まりに伴い、ウオッカやジェンティルドンナなど比較的長く一線級のレースで活躍する牝馬も少なくないが、一般的に牝馬は牡馬に比べ、現役の競走馬として活躍できる期間が短いとされる。それは牝馬には血を繋ぐという役割があるからであって、肉体的そして精神的にも、競走馬から繁殖牝馬へと変遷していく時期が自然とある。

私が競馬を始めた頃、ダイイチルビーという美しい宝石のような馬がいた。父トウショウボーイ、母ハギノトップレディという超良血馬で、特に母系はヤマピット、イットー、ハギノトップレディなどを出し、華麗なる一族と呼ばれるファミリーに属している。デビューしてからの戦績も実に華麗であり、マイル以下の距離のレースにおいては連対を外したことすらなく、4歳時の安田記念では並み居る牡馬を斬り捨ててG1馬に輝いた。牝馬らしい切れ味を武器にして、弓を引けば引くほど、最後の直線で真っ直ぐに伸びてくる。そんな生粋のマイラーであった。

ダイイチルビーは4歳の年の暮れにスプリンターズSをも制した。しかし、それまでの輝きが嘘のように、5歳となった翌年は目を覆いたくなるような惨敗を繰り返しそのまま引退していった。あれだけ強かったダイイチルビーが、こんなにも走ることができなくなってしまうことに、競馬を知り始めたばかりの私は素直に驚いた。その時、伊藤雄二元調教師が言った、「ルビーはもうお母さんの目になっているね」というセリフが印象的であった。肉体的には走れる状態にあったが、精神的にはレースを走り抜くだけの闘争心がすでに失われていたのであろう。

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今までで最も充実しているルージュバック:5つ☆

スマートレイヤー →馬体を見る
芦毛も白くなり、さすがに7歳馬という馬体だが、大事に使われてきた。
前駆が力強く、何と言っても走る気持ちを維持し続けていることが素晴らしい。
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ルージュバック →馬体を見る
もともと幼さの残る馬体がこの馬の特徴だが、今回は今までで最も充実している。
付くべきところに筋肉がつき、毛艶は冴えて、表情も走る気に満ちている。
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ウキヨノカゼ →馬体を見る
全体のバランスとして、手脚が短く、馬体的には短距離を得意とするはず。
特に前駆の盛り上がりは素晴らしく、この馬の一瞬のスピードをどう生かすか。
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ウィブロス →馬体を見る
古馬になって少しだけ力強さが増したが、それでも線の細さは残っている。
これでドバイのレースを勝ったのだから、よほどバネが強いのだろう。
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ミッキークイーン →馬体を見る
たとえ休み明けでも、いつも良く見せる馬だが、今回は筋肉のメリハリに欠ける。
毛艶も良いとは言えず、何とか間に合ったというのが正直なところか。
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クイーンズリング →馬体を見る
昨年の覇者であり、胴部がさらに伸びて、距離には不安がなくなってきている。
それでも、昨年に比べると、筋肉のメリハリが物足りず、昨年の走りは期待薄。
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クロスコミア →馬体を見る
馬体全体のシルエットはバランスが取れていて、安定して力を出し切れそう。
冬場ということもあり、毛艶が冴えず、ピークから調子が下降線を辿っている。
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トーセンビクトリー →馬体を見る
この馬は全体のバランスが崩れることなく、馬体の仕上がりはいつも素晴らしい。
あえて言えば、毛艶がそれほどではない点とトモの実の入りがやや物足りない。
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マキスマムドパリ →馬体を見る
走るキングカメハメハ産駒らしく、胴部は力強さが漲るが、手脚は軽い。
全体的に黒く映るように、毛艶も悪くなく、体調は安定している。
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ディアドラ →馬体を見る
手足がスラリと長く、軽く見せているのは走るハービンジャー産駒の特徴。
特に前駆が力強く、パワーに溢れているが、胴部の長さからもスタミナも十分。
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リスグラシュー →馬体を見る
このメンバーに入ると、筋肉のメリハリという点では劣り、力強さに欠ける。
典型的なステイヤーであり、後肢に伸びがあって、距離延びてさらに良さが出る。
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モズカッチャン →馬体を見る
コロンとして映るように、この馬は2000m前後の距離が合う中距離馬の馬体。
ハービンジャー産駒らしく手脚が重いが、前駆の力強さはさすがである。
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京都芝2200m(外回り)

Kyoto2200t1

スタンド前からの発走となり、最初のコーナーまでの距離は397mと短くも長くもない。1コーナーまでには各馬の位置取りがスムーズに決まることが多く、コーナーを2つ回って、向こう正面にかけて比較的穏やかにレースが進む。かと思えば、前半から飛ばす馬がいて意外に前半のペースが速くなったりするため、折り合いの難しい馬や器用に立ち回ることの出来ない馬にとっては、勝ち切ることが難しいコースである。

道中がスローの団子状態で流れた場合、外々を回されてしまうと、かなりの距離ロスになってしまう。外を回されやすい外枠よりも、経済コースを進むことができる内枠を引いた馬の方が有利になる。

外回りコースでは、4コーナーの出口で内回りコースと合流するため内柵がなくなり、内にポッカリとスペースができる。そのため、内埒沿いを走っていても前が詰まることが少なく、脚さえ残っていれば確実に馬群を割ることができる。よって、脚を余して負けるということが極めて少ない、実力が正直に反映されるコース設定となっている。

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エリザベス女王杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Elizabeth

■1■秋華賞→エリザベス女王杯の連勝は難しい
秋華賞→エリザベス女王杯という路線が3歳の有力馬にとって自然な選択となってきているが、秋華賞→エリザベス女王杯という連勝は難しい。秋華賞馬はエリザベス女王杯でもほぼ1番人気になるが、人気に応えられているとは言い難い。

平成13年 テイエムオーシャン(1番人気)→5着
平成14年 ファインモーション(1番人気)→1着
平成15年 スティルインラブ(1番人気)→2着
平成16年 スイープトウショウ(1番人気)→5着
平成17年 エアメサイア(1番人気)→5着
平成18年 カワカミプリンセス(1番人気)→12着(1位降着)
平成19年 ダイワスカーレット(1番人気)→1着
平成20年 ブラックエンブレム(不出走)
平成21年 レッドディザイア(不出走)
平成22年 アパパネ(1番人気)→3着
平成23年 アヴェンチュラ(2番人気)→2着
平成24年 ジェンティルドンナ(不出走)
平成25年 メイショウマンボ(2番人気)→1着
平成26年 ショウナンパンドラ(4番人気)→6着
平成27年 ミッキークイーン(不出走)
平成28年 ヴィブロス(不出走)

秋華賞とエリザベス女王杯の連勝が難しい理由としては、やはり秋華賞とエリザベス女王杯が違った性格のレースになるからだろう。秋華賞は京都2000m小回りコースで行われ、スピードの持続が求められるレースになりやすい。それに対し、エリザベス女王杯は京都2200m外回りコースで行われるため、折り合いとスタミナが要求される緩急のついたレースになりやすい。

また、小回りコースの高低差が3.1mに対し、外回りコースは4.3mと、外回りコースは丘をひとつ越えていかなければならない。そのため、秋華賞とエリザベス女王杯では、200mの距離以上に要求されるスタミナの量が異なってくるのである。

■2■スピードと器用さが求められる
エリザベス女王杯が行われる時期の京都競馬場の芝は、野芝の成長は止まるものの、状態が良いため、軽さは十分に維持されている。そのため、スッと先手を取ることの出来るスピードのある馬にとっては有利に進められるレースとなる。また、道中は各馬が距離を意識してスローに流れることが多いが、前半から飛ばす馬がいて意外にペースが速くなったりすることもあり、折り合いがキチンと付いて、器用に立ち回ることが出来るかも問われる。もちろん、こういうレースでは、馬をコントロールする騎手の技術、判断力も結果を大きく左右することになる。

■3■牡馬と勝負になっていた馬でないと×
牝馬の中でチャンピオンを決める戦いではあるが、牝馬限定戦でずっと戦ってきたような馬では、このレースは勝てない。牡馬との厳しいレースで揉まれ、牡馬を相手に好勝負になっていた馬を狙うべきである。もちろん3歳馬については、牡馬混合戦に出る機会もなかっただろうから、この条件は当てはまらない。

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ジョッキーを乗せる人びとの想いを想像しつつ、馬券を買ってみる

Cover

ダービー2着馬であるスワーヴリチャードの鞍上が、四位洋文騎手からミルコ・デムーロ騎手に乗り替わることになった。有力馬における騎手のスイッチは今に始まったことではないが、デビュー以来乗り続けてきたコンビが解消されたことには賛否両論が渦巻いた。日本の競馬ファンが、馬だけではなく騎手をも一体として見ていることを改めて認識し、私は少し嬉しく思った。かつて競馬は単なるギャンブルであり、馬は博打の数字、騎手は駒にすぎない時代があった。今、騎手は、サラブレッドと共にゴールを目指すアスリートなのである。

競馬ファンの目が養われる一方、騎手の技量や乗り方に対する目も厳しくなってきたのも事実である。世界中のトップジョッキーが短期免許で乗るようになり、外国人ジョッキーや地方競馬の騎手たちにも門戸が開かれ、中央競馬所属の騎手たちはかつてない競争にさらされている。そのような流れの中で、目の肥えた競馬関係者や競馬ファンは、期待馬には少しでも勝つ確率の高いジョッキーを据えたいという想いを強めている。

馬やその関係者だけのことを考えるならば、たとえば若手騎手や勝たせられなかった騎手から、トップジョッキーたちへの乗り替わりは当然だと私は考える。馬は勝たないと自分の存在を証明できなくなってしまうし、競馬は億単位のお金が動くスポーツである以上、そこに情のようなものを挟み込む余地は少ない。しかし、そのような合理性を進めてしまうと失ってしまうことがある。それは騎手を育てるということ。同じ馬に乗り続けることで失敗や成功を重ね、馬を助けたり、逆に馬に救ってもらっ

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皮膚の薄さが伝わってくるレコンダイト:5つ☆

★みやこS
テイエムジンソク →馬体を見る
芦毛が黒ずんでおり、毛艶の良さが伝わってくるし、黒目がちな表情も素晴らしい。
ダート馬にしては重苦しさがなく、母系のダンシングブレーヴの血が出ているのか。
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アスカノロマン →馬体を見る
馬体全体のバランスは良いが、やや重心が低く、力強さが漲っている。
前駆が特に力強く、筋肉にもメリハリがあって鍛え上げられていることが分かる。
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キングズガード →馬体を見る
スラリとしてダート馬らしくないシルエットだが、末脚勝負には滅法強い。
前駆はしっかりとしているだけに、トモの実の入りが物足りないのは確か。
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ローズプリンスダム →馬体を見る
母父シンボリクリスエスの血が出ている、黒光りする伸びのあるシルエット。
体つきはさすがに幼く、筋肉のメリハリは今一歩だが、将来性は高い馬体。
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エピカリス →馬体を見る
ふっくらとして海外遠征の疲れは抜けてきつつあり、あと少しで復調か。
やや前駆が勝っており、最終的にはトモの肉が戻ってくれば完調だろう。
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モルトベーネ →馬体を見る
胴部には十分な長さがあって、立ち姿からも力強さを感じさせる。
首差しもスッと長く、ダート馬としては美しいシルエットを誇っている。
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★アルゼンチン共和国杯
セダブリランテス →馬体を見る
前後躯にしっかりと実が入っているからこそ、胴部が詰まって見える。
全体的にもうひと絞りほしい馬体ではあるが、体調は悪くない。
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プレストウィック →馬体を見る
頭が大きく、前駆が勝っているため、トモの実の入りが物足りなく映る。
胸は深くて肺活量があるため、2500mの距離は得意とするところだろう。
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スワ―ヴリチャード →馬体を見る
夏を越してさらに胴部や手足に伸びが出てきたように映るが、若干線が細い。
春当時はふっくらとしていただけに、レースを使いつつ馬体が回復してくれば。
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レコンダイト →馬体を見る
皮膚の薄さが伝わってくる馬体で、これが高齢まで走り続ける秘訣か。
尾離れも良く、気性面での素直さが伝わってくるようで、長距離戦は合う。
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アルバート →馬体を見る
休み明けの前走を叩かれて、絞れてくるかと思いきや、まだ若干太目が残る。
馬体全体のシルエットや力強さは相変わらずで、この馬の力は出し切れる。
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ファンタジーSを当てるために知っておくべき3つのこと

Fantasys

■1■キャリアは2、3戦が理想的
キャリア別の成績は以下のとおり。
1~3戦 【7・8・7・93】 連対率14%
3戦以上【3・2・3・30】 連対率10%

キャリアが豊富な馬よりも少ない馬の方が、僅かながらも連対率が高い。ファンタジーSの時点で3戦以上のキャリアがあるということは、素質がないため出走したレースで順当に勝ち上がれなかった、もしくは将来を見据えて大事に使われていないことの証明でもある。キャリア3戦以内の素質馬を出来れば狙いたい。

とはいえ、キャリアがあまり少なすぎる(1戦)のも怖い。キャリア1戦でこのレースを勝った馬は、プリモディーネ、スイープトウショウ、ラインクラフトと、後にG1レースを制した名牝たちのみである。逆に言えば、このレースをキャリア1戦で勝つような馬は、かなりの素質と将来性を秘めていると考えて間違いない。

■2■スプリント的な要素が求められる
この時期の京都は、成長は止まっても野芝の状態が良いため、軽さが維持される馬場である。そのため、1400mの距離ではあっても、短い距離を一気に走り抜けることの出来るスプリント能力がまず問われる。過去10年間で、前走から距離を短縮して臨んできた馬の成績は【0・1・1・19】と意外に振るわないのはここに理由があって、前走ゆったりとしたマイル戦で好走した馬は人気になるが、このレースに関しては疑ってかかるべき。

■3■先行馬有利
京都1400m外回りコースは、最初のコーナーまでの距離が512mと長く、緩やかな登り坂になっていることもあり、先行争いが激化することはほとんどない。そのため、前半3ハロンの平均タイムは34秒8、後半のそれが35秒2と、ほぼ平均ペースに近い流れになる。軽さが維持されているオーバーシード芝であることも加わって、前が止まりにくく、先行した馬にとっては有利になる。

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