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底を見せていない


阪神ジュベナイルF2017―観戦記―
好スタートを切ったラテュロスを交わしてラスエモーショネスが先頭に立ち、前半マイルが47秒7、後半が46秒6というスローペースに流れた。道中は折り合いを欠くことなく脚をためて、最後の直線での瞬発力勝負となった。上位に来た馬はラスト3ハロン33秒台の脚を使っているように、一瞬の切れ味に欠ける馬にとっては力を出し切ることが難しいレースであった。

勝ったラッキーライラックは、スタートから前進気勢が強く、石橋脩騎手にうながされることもなく自然と先行しつつ、レースの流れに乗れていた。外から被されることなく、馬群の外々を終始進めたことも大きい。最後の直線に向くまで、騎手は何もしていないと言ってよいほど、この馬の走るリズムとレースの流れが一致していた。追い出されると、あっと言う間に先頭に立ち、ゴール前では耳を立てて遊ぶ余裕もあったほど。前走のアルテミスSでも耳が立っていたが、G1レースでも最後は流す余裕があることにこの馬の底を見せていない強さを感じる。気性的に難しいところがあるはずで、悪い部分が表に出てこなければ、来年のクラシック戦線も楽しみな存在である。

石橋騎手によるG1制覇は2012年のビートブラック以来となった。あのときは人気薄での逃げ切りだっただけに、人気を背負った今回の勝利は格別の喜びがあるはず。普段は物静かなジョッキーであるが、いざ馬を追い出すと、全身を使って最後まで馬を叱咤激励する。このあたりのギャップも石橋騎手の魅力である。現時点でのラッキーライラックは非常に乗りやすく、これといった難しさはないが、この先、気難しさが出てきたときこそが石橋騎手にとっての試練であり、大きな飛躍が訪れるのではないだろうか。乗り替わりすることなく、このコンビで来年のクラシックに向かってもらいたい。

リリーノーブルは道中もきっちりと折り合い、瞬発力勝負にも難なく対応してみせた。ルーラーシップ産駒だけに、上がりの掛かる競馬の方が得意とするかと思っていたが、そうではなかったようだ。3着に入ったマウレアはディープインパクト産駒であり、今回のようなレースは得意とするところだろう。まだ体が小さいため、今回はもうひと押しが利かなかったが、この先もう少し馬体が成長してくれば夢は広がる。

1番人気に推されたロックディスタウンは、最後の直線で失速してしまった。スローペースを見越して、クリストフ・ルメール騎手が前目のポジションを取りに馬を促したこともあり、道中のかなりの距離をハミを噛んでしまった。ルメール騎手だけにそれほど喧嘩していないように映るが、ロックディスタウン自身はかなり力んで走っていた。これだけ大きく負けた以上、敗因はそれだけではなく、休み明けによる仕上がり不足や前走とのレースの性質のギャップの大きさなどが重なったことで、力を出し切れなかった。能力は高い馬なので、来年になって精神的に成長を遂げたとすれば、巻き返しは必至である。

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Comments

画像と文章を見ながら余韻に浸っています。

Posted by: アダチ@おかやま | December 10, 2017 at 11:49 PM

治郎丸さんいつもお疲れ様です(^^;楽しみな馬が現れましたね。今回だけで気が早いかもしれませんがこのまま順調にいけば牡馬相手にダービーを獲れるかもというウォッカ以来の逸材かもしれませんね。このまま馬をはじめて見たときに牝馬らしからぬ馬体でもしかしてと思わされる馬でこれから応援したいと馬になりました。

Posted by: ユビキタス | December 11, 2017 at 02:16 AM

アダチ@おかやまさん

ありがとうございます。

心よりうらやましいです(笑)

Posted by: 治郎丸敬之 | December 11, 2017 at 11:36 AM

ユビキタスさん

身体能力はかなり高いと思います。

あとは気性面の成長が望まれるというか、悪いところが出なければいいなと希望します。

スピードとパワーに秀てていますね。

Posted by: 治郎丸敬之 | December 11, 2017 at 11:38 AM

こんにちは。
ラッキーライラックのアルテミスステークス優勝のクオカードを差し上げたいと思います。
もし、よろしければEmail Address(必須)までメールを頂けますか?

Posted by: アダチ@おかやま | December 13, 2017 at 01:25 PM

アダチ@おかやま

ありがとうございます!

メールを送っておきましたので、ご確認ください。

これからもラッキーライラックを応援します(笑)

Posted by: 治郎丸敬之 | December 13, 2017 at 06:09 PM

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