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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第30回)

愛馬のデビューや出走を待っていると来ないのに、日々を忙しく生きて、忘れてしまっていると、いきなりその日はやってくる。長い休み明けから栗東トレセンに復帰し、休み明け初戦を4着と好走したクインアマランサスの叩き2戦目がやってきた。正直に言うと、休み明けからぶっちぎりで500万下を楽勝し、1000万、1600万と連勝してオープンに上がるイメージを抱いていただけに、初戦からの敗戦にはがっかりした。半年に及ぶ長期の休養明けだけに仕方がないと自らに説きつつ、次走を待つことにしたのだ。

高野友和調教師
「先週一杯は前走の疲れを取るメニューで調整していましたが、状態は変わりなく来ていたことから、22日に坂路でサッと時計を出しました。動きに硬さはなく、ノビノビとした走りで坂路を登坂していました。ひと叩きした上積みから、より良い走りを見せてくれると思います。このまま変わりなければ、12月9日の中京・ダート1,800m(牝)に出走させたいと思います」

レースを使われても、身体が硬くなることがなくなったのは大きな収穫だろう。ダートの中距離という得意条件も定まってきて、ここで負けたら後がないという心境での出走となった。クインアマランサス自身はもちろんそんなこと知る由もなく、また5番人気という評価を見て、競馬ファンも冷たいなあと感じつつ、私だけは彼女と新しい鞍上となる北村友一騎手(荻野極騎手は騎乗停止のため乗り替わり)を信じることにした。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら。

1枠1番という好枠を引いた今回は、スタートが切られてそのまま経済コースを走ることができる。たとえ下級条件であっても、1800mを走って最後は首や鼻の差で勝敗が決まるのだから、道中のポジションが持つ意味は大きい。最後の直線で前が詰まったりすることがなければ、競馬は内枠を引いて内々を進めた方が圧倒的に有利なのだ。

案の定、北村友一騎手はクインアマランサスをうながし、内ラチ沿いの好位を終始進み、最終コーナーを回りながらも、他馬が外々を回しているその内を狙った。見事なイン突きである。綺麗に馬群が開いたスペースに突っ込み、早目に抜け出していたラレッサングルをゴール前で捕らえた。半ばあきらめかけた位置からの勝利だけに、さすがにレース後は興奮がなかなかおさまらなかった。

レースを振り返ってみて思うのは、特にこのような下級条件においては、血統(母系)の良さは大きな意味を持つということだ。坂路であれぐらいの時計しか出せない馬が、最後の直線で勝負根性を見せて勝ち上がった。走る気持ちというべきか、前に出る闘争心というべきか、そこには数字や言葉では説明しきれないものを感じたのだ。母ヒカルアマランサス、叔父にはカレンミロティック、姉にはギモーヴなど、走る馬を出している勢いのある母系からは、肉体のような目に見えるものではなく、サラブレッドとして成功するために必要な目に見えない何か、そう精神性のようなものが受け継がれているのではないだろうか。

「やはり血統が大事ですね」とある生産者が言った言葉が蘇ってきた。とても良い馬体をしていて、いかにも走りそうな馬でも、順調にデビューできなかったり、レースに行くと意外と走らなかったりする一方で、血統の良い馬は何だかんだ言っても遅かれ早かれ走るという意味でそう語っていた。ここでいう血統とは、種牡馬ということではなく、繁殖牝馬つまり母系ということである。極論すれば、種牡馬はお金さえ出せば(無理をすれば)リーディングサイヤ-の血を手にすることができても、母系の血統の良さは一朝一夕にはいかんともしがたい。そう考えると、私たちが一口馬主として出資すべきときにまず見るべきは、もしかすると母系なのかもしれないという考えに至るのである。

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Comments

改めて優勝おめでとうございます。
一口馬主1年目から2勝目を手にするということは素晴らしいと思います。
きっと何か持っているのでしょうね(笑)

一口を10年以上やってきてやはり母系は重要ということを認識し始めた今日この頃です。
手前味噌ながらラッキーライラックもたどってゆけばステラマドリッドに行きつきます。ステラマドリッドは重賞4勝のダイヤモンドビコーを出し、ステラマドリッドの娘のアイルドフランスからはスターアイルを経てミッキーアイルが出ています。
もともとはアメリカの古い血統ですが日本の競馬との相性が良い牝系のようですね。
もっとも出資した時にはこういった事は全く意識していなかったので、後出しジャンケンもいいところですが・・・(^_^;)

Posted by: アダチ@おかやま | February 02, 2018 at 02:39 PM

アダチ@おかやまさん

ありがとうございます。

アダチさんにそう言ってもらうと、そうなのかと思ってしまいます(笑)。

母系のことは、ラッキーライラックのことを含めて、いつか書きたいなと思っています。

血統だけで決まってしまうわけでもなく、馬体だけでもないのが競馬の面白いところですが、それでも母系は重要なのだろうと思います。

アダチさんがなぜラッキーライラックを選んだのか興味があります。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 02, 2018 at 09:56 PM

ラッキーライラックを選んだ理由ですか?
3年位前から一口馬を選ぶマイルールを決めました。
募集カタログのDVDの引き馬を見て決めるのですが
①後脚の踏み込みが良いこと
前脚が地面から離れた位置より後脚がどれだけ前に着地しているか?
つまりは後脚をどれだけ大きく前に振り出せるかということです。
この後脚の動きが大きいほど股関節の可動範囲が広いことになり、一完歩が大きくなります。
DVDをスローにしないと判別は難しいです。
②頭が高くないこと
頭はけっこう重いので首を伸ばして支えるのと首を立てて支えるのでは首を伸ばして支える方が力が要ると思います。
首を伸ばして歩ける(頭の位置が低い)ということは首さしから胸前の筋肉が発達していることにつながると思います。
また、頭を低くしてリズミカルに歩けるということは引いてる人とのコミュニケーションが良好だと感じています。つまりは人に対して従順ということですね。
以上の集大成がラッキーライラックにつながったと思っています。

あとは資金面ですが私も最初は1/400口から出発しました。
1/100口(ラフィアン)にステップアップしてから結構当たり馬(代表はマイネルフロスト)を引けた事で1/40口にステップアップできました。
社台・サンデーでもガーネットチャームを引けたことで続けていけてると思っています。

Posted by: アダチ@おかやま | February 03, 2018 at 12:38 PM

アダチ@おかやまさん

なるほど、血統ではなく、馬の動きを見て決めたのですね。。

マイルールを決めて、それに沿った馬を選んでいるのですね。

①は判別がつきにくいのですが、DVDをスローにすると確かに分かりやすいですね。

②はおっしゃる通りだと思います。パドックでも私は同じように見ています。

ラッキライラックは早くから上のポイントをクリアしていたのかあ。

教えてくださってありがとうございます。

私もステップアップしていけるように頑張ります!

Posted by: 治郎丸敬之 | February 04, 2018 at 08:40 AM

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