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「馬体は語る―最高に走るサラブレッドの見つけ方」が発売されます!

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私にとって全国発売される初の単行本「馬体は語る―最高に走るサラブレッドの見つけ方」が、4月4日(水)に発売されます。一口馬主のための募集時の馬体の見かたにテーマを絞りつつ、サラブレッドの馬体について基礎から体系的に書いています。ディープインパクトやロードカナロア、ハービンジャーなどの種牡馬編や極上の関係者インタビューも掲載しています。私自身も学びながら、かなりみっちりと書きましたので、馬体の見方の教科書としては、最長かつ最上のものになっていると自負しています。一口馬主やPOGなどにおける馬選びだけではなく、馬体を見て馬券を買う競馬ファンにも必読の内容になっています。

目次
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基礎編
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馬の欠点を見るのではなく、美点を見ることをテーマとして、馬体のパーツごとに具体的な見方を解説していきます。基本的なことから実践的なことまで、120ページにわたって語っています。

種牡馬編
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ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライ、ダイワメジャー、ネオユニヴァース、ハービンジャー、クロフネ、シンボリクリスエス、ロードカナロア、オルフェ―ヴルらの種牡馬を取り上げて、走った産駒の馬体の特徴等をひも解いていきます。

関係者インタビュー編
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岡田スタッドの岡田牧雄さんには超実践的な相馬の手法やスクリーンヒーロー、マツリダゴッホなどの種牡馬の産駒についても語っていただきました。また、社台ファームの下村優樹獣医師には、競走馬の疾病や怪我について、そして健康に走り続けることのできる馬の見かたについて教えてもらいました。

この本があれば、馬見に関しては全て網羅するつもりで書きました。種牡馬編については移り変わりがありますが、それ以外は10年後、20年後でも色あせない普遍的な内容になっているはずです。馬体の見かたのバイブルとして、ぜひ1冊お手元に置いてください。


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前走よりしっかりしてきたサトノダイヤモンド:5つ☆

サトノダイヤモンド →馬体を見る
前走に比べて、馬の表情が冴えて、肉体的にも精神的にもしっかりした。
馬体全体のバランスは素晴らしく、やや重心の低い体型は2000m前後がベスト。
Pad5star

サトノノブレス →馬体を見る
ダイヤモンドに負けないぐらいの筋肉のメリハリを誇り、8歳馬とは思えない。
毛艶も良く、手脚もスラリと伸びて、適距離でこの馬の力は出し切れるはず。
Pad4star

ペルシアンナイト →馬体を見る
この馬も前走に比べて、馬体がメリハリを取り戻して、疲れが取れてきた印象。
決してマイラーではなく、2000mまでは守備範囲の体型である。
Pad4star

アルアイン →馬体を見る
前駆が盛り上がり、実にパワフルに鍛えられているのが伝わってくる好馬体。
ややトモの実の入りが物足りないため、いかにも先行して押し切るタイプ。
Pad4star

シュヴァルグラン →馬体を見る
休み明けということもあり、腹回りに余裕があるが、力強さは相変わらず。
それに加えて、胴部にも伸びが出てきて、スタミナ豊富な馬体の典型。
Pad3star

ダンビュライト →馬体を見る
ルーラーシップ産駒にしてはバランスが良く、それゆえにどのような競馬もできる。
毛艶も良く、きっちりと仕上がっていて、この馬の力は出し切れるはず。
Pad4star

スワ―ヴリチャード →馬体を見る
胴部にはさらに伸びが出てきて、距離はどれだけ延びても問題なさそう。
走る資質が高いため2000mでも問題はないが、もうひと絞りほしい。
Pad3star

ヤマカツエース →馬体を見る
完成してからはバランスの良い馬体を維持して、今回も相変わらずの良さ。
前駆は盛り上がって力強く、トモにも十分な実が入って、力を出し切れる出来。
Pad3star

トリオンフ →馬体を見る
線の細さを残しつつ、前駆には力強さがあり、この先さらに強くなりそう。
筋肉に柔らかみがあり、父のパワーではなく、母系の良さが前面に出ている馬体。
Pad3star

ウインブライト →馬体を見る
前駆は盛り上がって、ステイゴールド産駒らしい力強さを感じさせる。
体型的には幼さが残っていて、このメンバーに入るとやや力不足は否めない。
Pad3star

ゴールドアクター →馬体を見る
とても7歳馬とは思えない筋肉の柔らかさと毛艶の良さを誇っている。
ここに来て体調も戻ってきたようで、力を出し切って、どこまで走れるか。
Pad4star

ミッキースワロー →馬体を見る
鍛え上げられた肉体で、筋肉のメリハリが素晴らしく、闘争心も伝わってくる。
やや筋肉に硬さが感じられるため重さがあって、最後の伸びにどうつながるか。
Pad4star

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凱旋門賞帰りの馬の狙い方

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私が競馬を始めた頃、日本馬が海外に遠征することはビッグイベントであり、少し大げさに言うと命がけの挑戦であった。凱旋門賞を含む、ヨーロッパの大きなレースに挑戦したものの全く歯が立たず、衰弱してしまったスピードシンボリに寄り添い、飛行機に同乗して帰国した野平祐二騎手のエピソードが個人的には大好きだ。そのような先人がいてくれたおかげで現在の日本競馬の隆盛があり、海外の大レースに挑戦する日本馬の姿は日常の風景となった。

とはいえ、海外遠征が気軽で簡単になったわけではない。インターネットで世界中はつながったが、1頭のサラブレッドを飛行機に長時間乗せ、気候も風土も全く異なる環境に降り立ち、勝手知らない場所で調教をつけ、走ったこともない馬場やコースにて外国の馬たちと激しい闘いを繰り広げなければならないのだ。もちろん、そこにかかる経費も私たちの想像を絶するものがある。馬にとっても人間にとっても、負担は決して少なくない。

海外遠征における肉体的、精神的な負担は大きいため、帰国して日本のレースに再び出走する場合には、サラブレッドへの影響を考えないわけにはいかない。ひと昔前までは、日本馬が海外のレースに出走しても馬券は買えなかったので、馬券ファンにとっては、日本に戻ってきてからの状態が気になるところであった。特に海外遠征をするような馬は、日本競馬の中では突出した能力を持っているため、体調や仕上がりが良ければあっさりと勝利することができるからである。

そこで当初、海外遠征をした馬の帰国初戦のレース振りをつぶさに観察してみて、「海外遠征帰り初戦は、負けて帰ってきた馬は買い、勝って帰ってきた馬は消し」というヒントを私は思いついた。海外遠征をして勝って帰ってきた馬は、帰国初戦のレースで人気になるが、凡走することが多い。なぜなら、海外のレースを勝つために、全ての力を出し尽くしているからだ。海外のレースを勝つということは、それぐらい大変なことである。しかし、何らかの理由で、力を出し切れずに負けてしまった(凡走した)馬は、国内であれば力上位であるため、好走することが多い。海外遠征帰り初戦は、勝って帰ってきた馬は消し。負けて帰ってきた馬を狙え、という主旨であった。

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大阪杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Osakahai

■1■4歳馬が圧倒
2017年よりG1に昇格した。G2時代を含めた過去10年の勝ち馬の年齢を見ると、4歳馬が5頭、5歳馬が4頭、6歳馬が1頭と、4歳馬と5歳馬が他馬を圧倒している。年齢を重ねるごとに勝ち馬が少なくなっているように、実績や格ではなく、勢いが求められる舞台となる。クラシックで活躍した馬が充電を経てターフに戻ってきたり、また古馬になってから急激に力を付けてきた馬たちにとっては、実力を存分に発揮できるレースである。まずはサラブレッドとして充実著しい4歳馬を中心に考えてみたい。

■2■1番人気が強い
過去10年間における、人気別の着順を見てみたい。

1番人気 【4・3・2・1】 勝率50% 連対率70%
2番人気 【2・1・1・6】 勝率20%  連対率30%
3番人気 【1・0・1・8】 勝率10% 連対率10%

かつてマイルCSは1番人気が最も堅いレースとして有名であったが、今では大阪杯がそれに取って代わろうとしている。勝率50%、連対率70%という数字は驚異的である。その傾向は、日本の競馬がスピード化するにしたがって強くなってきている。一昔前まで超A級の馬は阪神大賞典に出走していたが、今は距離適性も含めて産経大阪杯に出てくることが多くなっているということだ。たとえ休み明けであっても、強い馬であれば十分勝ち負けになる。

■3■内を回って先行できる馬
過去10年のラップタイムを見てみたい。

12.5-10.8-12.2-12.1-12.0-12.3-12.0-11.5-11.6-11.7(59.6-59.1)M
12.6-11.5-11.9-11.9-12.1-12.8-12.1-11.9-11.2-11.7(60.0-59.7)M
12.1-11.1-12.8-12.3-12.0-12.2-11.6-11.5-11.7-12.2(60.3-59.2)S
12.5-11.0-12.3-12.1-11.4-11.6-11.6-11.3-11.8-12.2(59.3-58.5)M
13.2-12.2-13.7-13.2-12.9-12.7-12.3-11.9-11.2-12.2(65.2-60.3)S
12.6-11.4-12.7-12.2-12.6-12.2-11.6-11.3-10.9-11.5(61.5-57.5)S
12.8-11.3-12.5-12.0-11.9-11.8-11.7-11.5-12.4-12.4(60.5-59.8)M
12.8-11.1-12.7-12.2-12.3-12.4-12.3-12.2-12.1-12.8(61.1-61.8)M
12.8-11.5-12.5-12.1-12.2-12.5-12.1-11.3-10.9-11.4(61.1-58.2)S
12.3-11.1-12.1-12.1-12.0-12.2-11.8-11.7-11.6-12.0(59.6-59.3)M

どのレースも速くともミドルペース、遅ければスローに流れる傾向がある。阪神競馬場の内回りということで、4つコーナーを回る小回りの直線が短いコースで行われるとイメージしてよい。ペースが落ち着きやすいことも考慮に入れると、どうしても内枠の先行馬が有利になる。

ただし、2017年度からはG1に昇格し、出走してくるメンバーやその臨戦態勢等も大きく違ってくる以上、これまでの産経大阪杯とは全く違う流れになるのではないか。つまり、これまではスローの瞬発力勝負であったが、これからは平均から少し速いぐらいのペースで道中は流れ、スピードとスタミナの融合を求められるレースとなるはず。

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勝つべくして


高松宮記念2018―観戦記―
1番枠を生かしてセイウンコウセイが先頭に立ったと思いきや、外からダイアナへイロ―がハナを奪い、前半600mが33秒3、後半が35秒2というハイペースで進んだ。スプリントG1らしいペースとなり、極端なポジションによる有利不利はなかった。とはいえ、前に行った馬にとってはやや厳しく、後ろから行きすぎた馬は前が止まらずに苦しいレース。中団のポジションを走り、直線半ばで抜け出せた馬たちが上位を占める結果となった。

勝ったファインニードルは、勝つべくして勝った完璧なレースであった。道中は先行馬を射程圏に入れて手応え十分で追走し、外目を回っていつでも抜け出せるポジションを確保。一歩先に先頭に立ったレッツゴードンキを、ゴール前で捕らえてみせた。昨年の秋から本格化し、スプリンターズSは外を回らされて結果が出せなかったが、その勢いをそのまま今春に持ち込んだ形となった。シルクロードSは余裕残しの馬体で完勝し、ひと叩きされてマイナス8kgときっちりと絞られた今回は、G1レースを勝つに値する完璧な仕上げであった。ダーレー・ジャパン・ファームにとっても待望のG1タイトル獲得となった。日高に根付いて、日本の競馬に貢献しているホースマンたちに敬意を表したい。

川田将雅騎手の騎乗も見事としか言いようがない。常に周りの人馬たちの動向を冷静に見ながら、馬をコントロールして良いポジションを走らせている。何よりも馬を追い出すタイミングとアクションが素晴らしい。最後の直線で、静から動へとスイッチを切り替えるとき、全身のアクションとムチを実にリズミカルに使って馬を叱咤激励している。馬も川田騎手に乗せられるように最後の力を振り絞る。今回の高松宮記念でも、最後はハナ差での勝利となったが、ゴール直前にムチから手綱へと追い方の中心を移し替えている。細かい技術やリズム感が勝敗を隔てるのであって、乗れているジョッキーはさすがである。

惜しくも2着に敗れた岩田康誠騎手は、悔しくてたまらないはず。ハナ差で敗れるのが騎手にとっては最も堪える。手応えが余りにも良く、マークして抜け出そうとしたセイウンコウセイが思っていたよりも早めに下がってしまったことで、結果としては先頭に立つのが僅かに早かった。ただ、全盛期の岩田騎手であればそれでも残していたハナ差だし、逆に差し切られてしまったところに川田騎手との今の勢いの差がある。レッツゴードンキは長きにわたってG1戦線で力を発揮し続けていて、頭が下がる。牝馬のスプリンターは気性が勝っていることが多く、競走寿命が短いのが常だが、この馬は例外的な存在であり、その点では同馬主のストレイトガールに似ている。

ナックビーナスは絶好のポジションを絶好の手応えで追走し、持てる限りの力を出し切った。三浦皇成騎手も上手に導いており、完全復活を感じさせる。才能に溢れたジョッキーだけに、ひとつの勝利をきっかけにもっと上に行ってもらいたいし、そろそろ大きなレースであっと言わせる日も近い。セイウンコウセイは完璧に仕上がっていたが、気持ち速いペースで引っ張ったため、最後は力尽きてしまった。短距離の逃げ馬の宿命とも言えるだろう。1番人気のレッドファルクスは、全盛期ほど前進気勢に満ちておらず、それでも最後の直線で伸びる格好を見せたが、進路が上手く取れずに伸び切れなかった。最後に急坂があってパワーが生きる中山競馬場が最も合っている馬であり、他のコースのG1では前が止まらない。

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アドマイヤムーンの血の偉大さに賭ける

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ここ最近は、日高の牧場を訪れ、競馬関係者の方々からお話をきかせていただく機会が増えている。つい先日も、酷寒の北海道にて、生産者の方々と競馬を熱く語っていると、アドマイヤムーンの話題になった。ある生産者がアドマイヤムーンの種牡馬としての素晴らしさ説いたとき、ちょうど私もアドマイヤムーンのことを考えていたところで、奇遇と言うべきか、思考の縁というものもあるのだと感じた。

彼が示してくれたのは、「産駒1頭あたりの平均獲得賞金」という数字であった。週刊「Gallop」1月14日号に掲載されている2017年リーディングサイアーを見てみると、産駒の獲得賞金順に上から順にディープインパクト、キングカメハメハ、ステイゴールド、ハーツクライ、ダイワメジャーとおなじみの面々が名を連ねている。当然のことながら、産駒の出走頭数が多ければ上位に来ることになる。ちなみに、アドマイヤムーンは11位にランクインしている。

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「UMAJIN.net」の競馬サロンにて、連載をスタートします!

Umajinnet

いよいよ春のG1シーズンが始まりますね。今週より、「UMAJIN.net」の競馬サロンにて、連載「最高に走るサラブレッドの見つけ方」をスタートします。サラブレッドの馬体をテーマとして、これまでになかった新しい切り口での予想を展開してみたいと考えています。立ち写真を使っての予想は、十年以上にわたって取り組んできたことであり、私も最も得意とするジャンルです。「UMAJIN.net」に登録さえすれば、無料で読んでいただけますので、ぜひ楽しみにしていてください!毎週金曜日に掲載される予定です。

「UMAJIN.net」主宰の競馬サロンは、「本物に触れ、本物を知る。」をコンセプトに、競馬予想に纏わる専門知識やノウハウを享受できるUMAJIN.net会員限定のコミュニティサービスです。元JRA騎手・藤田伸二氏や元JRA調教師・白井寿昭氏、UMAJIN代表・岡井ら競馬業界で生きる十数名が、それぞれに保有する競馬ノウハウをあますことなく公開し、固定概念や常識に捉われない『ONLY ONE』の情報を提供されています。私もその一員として、馬体を軸とした予想を通して、競馬観を表現できることを嬉しく思います。

そもそものきっかけは、雑誌「UMAJIN」の編集長・山田さんと忘年会で知り合い、そのことをUMAJIN.netの編集長・高崎さんに話してくれたところ、高崎さんがこの「ガラスの競馬場」や「ROUNDERS」を読んでくれていて、ファンでしたとおっしゃってくれたことからでした。高崎さんはオーストラリアで競馬の乗り役をやっていたこともある面白い経歴の持ち主であり、そのような方に(たとえ持ち上げてくれたとしても笑)ファンですと言ってもらえれば、一緒に仕事をしたいと思わないわけにはいきません。

新宿のオイスターバーで2人と会ってランチをしました。そこのカキフライは舌がとろけるほど美味しいのですが、山田さんは残念なことに牡蠣アレルギーということで、それはさておき、彼らの競馬に対する見識の高さには驚かされました。同じように競馬のことを好きで頑張っている人たちと共に、競馬を語れることは幸せですね。ぜひ皆さまも、とても無料とは思えない密度の濃い情報と情熱の競馬サロンに入って、一緒に楽しみましょう!

☆「UMAJIN.net」はこちらから

*スマートフォン用のアプリもあります。AppStoreかGoogleplayで手に入れてください。“競馬”で検索すると真っ先に出てきます。ユーザーからの評価も極めて高い競馬アプリです。

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バランスが取れてきたセイウンコウセイ:5つ☆

キングハート →馬体を見る
オレハマッテルゼ×マイネルラヴという、絵に描いたような短距離配合。
それにしては胴部や手脚に伸びがあり、サンデーサイレンスが出ている馬体。
Pad4star

レッドファルクス →馬体を見る
芦毛だけに良く見せないという点を差し引いても、全盛期の雰囲気が伝わってこない。
この馬としては申し分ない仕上がりにあるが、やや重苦しさが残っている。
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ダンスディレクター →馬体を見る
高齢になっても美しいシルエットを保っていたが、さすがにここに来て崩れてきた。
腹回りに余裕が残っていて、筋肉のメリハリにも欠け、もうひと叩きされてか。
Pad3star

セイウンコウセイ →馬体を見る
肩の立ち方がいかにも短距離馬らしく、特に前駆の盛り上がりは素晴らしく力強い。
胴部にもある程度の長さがあり、トモの実の入りも十分でバランスが取れてきた。
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スノードラゴン →馬体を見る
いかにも高齢馬らしい使い込まれた馬体だが、それでも筋肉に柔らかさが残っている。
往年時のようなゴツさは失われてしまったが、その分、余計な力を使わず走れる。
Pad3star

ファインニードル →馬体を見る
前駆にははち切れんばかりの実が入っているが、首がやや高い姿勢が唯一の気がかり。
道中で揉まれたときや最後の直線で苦しくなったときに、首を低く保てるかどうか。
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シャイニングレイ →馬体を見る
以前はコロンとした馬体に映ったが、ここに来て胴部に長さが出て来てスタミナがついた。
筋肉の柔らかさという点では今ひとつだが、全体的な力感は失われていない。
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ネロ →馬体を見る
ズングリムックリで、パワーとスピードに溢れている馬体だが、スタミナには心配あり。
よほど前が恵まれる展開になれなければ、中京1200mの直線は粘り切れない。
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ダイアナへイロ― →馬体を見る
前走は究極の仕上がりであっただけに、毛艶や筋肉の張りがやや落ちている印象。
前駆の実の入りは素晴らしく、牝馬らしからぬパワーを感じさせる。
Pad3star

レッツゴードンキ →馬体を見る
相変わらず牡馬顔負けの素晴らしい馬体を誇り、全体のシルエットも美しい。
時期的にまだ毛艶は冴えていないが、春に向けて体調も上がってくるはず。
Pad4star

レーヌミノル →馬体を見る
若駒の頃の馬体に比べて、筋肉量が少なくなり、馬体がしぼんで映ってしまう。
表情も冴えず、肉体的にも精神的にも桜花賞を勝ったときの出来には届かない。
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高松宮記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■先行馬有利へ
中京競馬場は小回り、直線に坂がなく平坦であり、本来は圧倒的に先行馬が有利なコースであったが、高松宮記念に限っては、最後の1ハロンでスピード自慢の先行馬の脚が止まり、スタミナを備えた差し馬がゴール前で逆転するという展開のレースになりやすかった。しかし、その傾向は中京競馬場が新装されて以来、変わりつつある。

「先行馬有利」の状況は、ラップタイムからも一目瞭然である。阪神競馬場で行なわれた平成23年を除く、過去10年間の前半後半3ハロンのラップタイムは以下のとおりである。
 前半 ― 後半
平成19年 33.8-35.1 (前後半の落差1.3)
平成20年 33.4-33.7 (前後半の落差0.3)
平成21年 33.1-34.9 (前後半の落差1.8)
平成22年 33.5-35.1 (前後半の落差1.6)
平成24年 34.5-35.8 (前後半の落差1.3)
平成25年 34.3-33.8 (前後半の落差0.5)
平成26年 34.5-37.7 (前後半の落差3.2)
平成27年 34.0-34.5 (前後半の落差0.5)
平成28年 32.7-34.1(前後半の落差1.4)
平成29年 33.8-34.9(前後半の落差1.1)

平成25年までは、前半が速くて後半が掛かるという、典型的な前傾ラップであった。「短距離の差し馬」という格言があるように、基本的にスプリント戦は差し馬有利な前傾ラップになることが多い。特にG1のスプリント戦となると、スピードのある馬が揃い、前半のポジション争いが厳しくなるため、どうしても上がりの掛かる展開となるのは避けられない。

しかし、直線が長くなり、坂ができたことにより、道中のペースには落ち着きが出て、かえって差し馬が届きづらくなった。スピードとスタミナの両方が要求されることには変わりがないが、ある程度先行できて、パワーで押し切れる馬にとっては最も向いている舞台となる。

■2■馬場の不利、枠順の不利はなくなる
かつて開幕最終週に高松宮記念が行なわれていた頃は、馬場の傷みによってコースの内外における有利不利を生み出してしまうことがあった。平成12年のキングヘイロー、13年のトロットスター、17年のアドマイヤマックスと、大外を回った馬が勝利したように、内側が傷んで走りにくいという馬場設定になってしまう可能性があった。しかし、2012年からは改修後ということもあって、馬場は絶好の状態を保っているため、馬場による有利不利はない。

さらに、これまでの中京競馬場はコース幅が狭くカーブもきついため、枠順の内外も考慮に入れるべきであった。テンのダッシュが速くない馬が内枠に入ると、外から速い馬に来られ、包まれてしまい何も出来ずに終わったり、外枠を引いた馬が内に入れるヒマもなく、終始外々を回されて終わってしまうことがあった。どの枠順を引いたかによって、勝利の行方が大きく左右されたのだが、改修後は枠順における有利不利もほとんどなくなるだろう。

全体的に見ると、よほど極端な枠順を引かない限り、スピードとスタミナを兼ね備えた強いスプリンターが勝つことのできる舞台が整ったといえる。

■3■5歳馬が有利
過去11年間における、年齢別の成績は以下のとおり。

4歳   【2・0・4・32】 連対率5%
5歳   【6・5・2・35】 連対率23%
6歳   【0・5・2・35】 連対率12%
7歳以上【2・0・2・47】 連対率4%

勝ち鞍、連対率だけを見ても、5歳馬が圧倒していることが分かる。勢いのある4歳馬が、充実の5歳馬にねじ伏せられてしまうという形になりやすい。キンシャサノキセキは例外的存在と考えて、6歳以上の馬になってくると、スピード不足を露呈してしまうのか、年齢と共に勝率は下がっていくことになる。スピードとスタミナを兼ね備えたスプリント能力を問われるということだ。

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同じ母と父でも

Jiromaru

同じ父と母から生まれた子どもであっても、兄弟はそれぞれに違います。人間のお母さんたちであれば、身をもって知っていることであっても、サラブレッドとなると少し様相は異なってきます。全兄弟と呼ばれ、兄が走ったのだから弟も走る可能性が高いという前提のもと売買が行われ、また弟が走ったのだから兄も走って当然という目で見られます。サラブレッドの世界はやはり特殊であり、血統表という文字で構成された枠組みの中で考える限り、兄弟姉妹は同じ記号であり、同じだけの成績を期待されてしまうのです。

それはそれで、生産者やその血統の馬たちにとっては良いことです。1頭の名馬を生産すれば、その下は比較的高い値で売れるようになりますし、高く買われた馬は良い環境で大切に育てられることになります。もし思うような成績を挙げることができなくても、兄弟姉妹の七光りで、種牡馬や繁殖牝馬として活躍する道も開けるかもしれません。

しかし、走る馬を見極めなければならない馬主や調教師、そして私たち馬券ファンは、兄が走ったから弟も走る、とは考えないはずです。血統表から浮かび上がってくる情報はまったく同じであっても、目の前にいる馬はまったく違うのです。それは何を見ているのかというと、馬体であると思います。彼らが身体的特徴や動作を通して伝えてくるのは、たとえ同じ父と母から生まれた仔であっても、まったく違うサラブレッドであるということです。

今週のスプリングステークスに出走してくるルーカスの全兄は、あの名馬モーリスです。名前の響きは似ていますが、この2頭は全くの別馬ですね。それはルーカスが走らないという意味ではありません。ルーカスも素質に溢れていますが、モーリスとは馬体が似ていないということです。そこには歴然とした違いが映っているのです。モーリスのスプリングステークス出走時の馬体を見てもらいたかったのですが、ありませんでしたので、ひとつ前走のシンザン記念のそれを見てください。

【モーリス(シンザン記念出走時)】

モーリスは若駒の頃には身体に弱いところがあり、能力全開というわけにはいきませんでしたが、この時点でのバランスの良さが伝わってきます。手脚がスラリと長く、前後躯にはしっかりと筋肉がついて、首差しの長さや太さや角度も理想的で、リラックスして立てています。やや迫力に欠けて物足りないので、この時点で本命を打つかと言われると悩ましいところですが…。モーリスは成長に伴い、馬体がさらにがっしりと整って、堀厩舎に移ったタイミングで完成期から充実期を迎えました。分かりやすいぐらいに、その強さと肉体面の素晴らしさが一致した馬でした。

【モーリス(安田記念出走時)】

全弟のルーカスの現時点での馬体を見ると、手脚のスラリとした長さには見どころがありますが、前後躯の実の入りはもうひとつで、腹回りは張っておらず、全体的な立ち姿のバランスに物足りなさを感じてしまうことを否めません。兄弟は違う馬だと言いながら、結局のところ比較してしまっていますね。しかし彼らは、馬体を通して「僕らは違う馬なんだよ」と語ってくれているのです。もちろん血統の奥深さに期待をして馬券を買うのもありだと思います。とても走りそうにない馬が、遺伝により受け継いだハートの強さをレースに行って発揮することはあります。ただし、馬体だけを見ると、ルーカスは現時点では買えないということです。

【ルーカス(スプリングS出走時)】

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種牡馬の年齢によって、産駒に伝わる能力は異なる

Cover

種牡馬の年齢によって、産駒に伝わる能力は異なってくる。若いときにはスピードや気性の勝った産駒を誕生させ、年齢を重ねるにつれて、スタミナやパワーのある産駒が出てくる傾向がある。かつてはノーザンテーストやパーソロンがそうであったように、種牡馬入りして最初の頃は、芝のマイル路線で活躍する産駒が多かったのにもかかわらず、いつの間にか、長距離戦線やダートを得意とする産駒が増えてくるということだ。

それは父としても、母の父としても同じことが当てはまる。芝における瞬発力勝負を得意としていた種牡馬であっても、母の父に入った瞬間に、ダート競馬におけるパワー勝負に滅法強い産駒を誕生させたりする。最近で言うと、たとえばブライアンズタイムやアグネスタキオンはその傾向が顕著である。

ブライアンズタイムは、初年度産駒としてナリタブライアンやチョウカイキャロルを出し、その後もマヤノトップガンやファレノプシスという数々の名馬を輩出した。その後、トーホウエンペラーやブライアンズロマン、タイムパラドックスというダートの鬼が出始め、晩年の産駒には帝王賞などのダートG1を総なめにして種牡馬入りしたフリーオーソがいる。母の父としても、当初はサンライズペガサスやティコティコタックという芝の中距離馬を出したが、次第にハタノヴァンクールやヒガシウィルウィンというダートのG1馬が生まれている傾向にある。

アグネスタキオンは弥生賞や皐月賞を楽勝したターフの名馬であり、初年度産駒からはNHKマイルCを制したロジック、その後もディープスカイやダイワスカーレットという芝の名馬を誕生させた。残念ながら11歳で早世してしまったため、晩年の産駒はいないのだが、母の父としては先日のフェブラリーステークスを制したノンコノユメが登場した。

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母系が出ているステルヴィオ:5つ☆

☆スプリングS
ステルヴィオ →馬体を見る
ロードカナロア産駒は様々なタイプがいるが、母系が出ているのだろう。
ファルブラヴの力強さとサンデーサイレンスの柔軟さが織り込まれている好馬体。
Pad5star_2

ゴーフォザサミット →馬体を見る
手足が長く、胴部にも伸びがあって、将来的には長い距離も走ってきそう。
現時点での完成度は高くはなく、力強さに欠けるところがあり、切れ味勝負なら。
Pad3star

ルーカス →馬体を見る
決して悪い馬体ではないが、兄と比べてしまうと、完成度の低さは否めない。
トモの実の入りに若干の物足りなさがあり、全体的に筋肉のメリハリがほしい。
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エポカドーロ →馬体を見る
コロンとして手脚も短く、いかにもずんぐりむっくりとして格好は良くない。
それでも走るタイプなのかもしれないが、馬体だけを見るととても褒められない。
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レノヴァール →馬体を見る
ハーツクライ産駒ということもあり、スタミナはあっても切れ味のない馬体。
馬体全体のシルエットは美しく、メリハリがついてくれば申し分ない。
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カフジバンガード →馬体を見る
前駆がしっかりと盛り上がって力強く、現時点での完成度はこのメンバーでも上位。
筋肉のメリハリも十分で、あとは顔つきから見受けられる気性の激しさだけ。
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☆阪神大賞典
クリンチャー →馬体を見る
首に長さはあるが、相変わらず胴部はコロンとしていて、ステイヤーには見えない。
それでも長い距離をこなすのは、馬体全体に欠点がないことと気性面の素直さだろう。
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レインボーライン →馬体を見る
古馬になってからも少しずつ成長を重ね、5歳になってようやく完成位を迎えた。
手足はスラリと長くて、馬体もコンパクトなタイプで、気持ちさえ乗れば勝ち負け。
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アルバート →馬体を見る
堀厩舎の管理馬らしい、相変わらず素晴らしい馬体をして、仕上がりも今回は良い。
前後のバランスが極めて良く、昨年秋のように仕上げが不十分ということはないだろう。
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サトノクロニクル →馬体を見る
コロンとして映る馬体で、この馬もステイヤーのそれであるとは思えない重厚感。
休み明けにしては筋肉のメリハリもよく、いきなり力を出し切れる出来にある。
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カレンミロティック →馬体を見る
この馬もハーツクライ産駒の手脚が短くて、重心が低く映るタイプの馬である。
それでも長い距離が合っているのだから不思議で、高齢でもまだ走れる仕上がり。
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シホウ →馬体を見る
やや前駆が勝っているように映るが、トモの実の入りもそれなりに充実している。
とはいえ、前後のバランスがはっきりしすぎて、3000mの距離がどうか。
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トミケンスラーヴァ →馬体を見る
これといって強調するべき馬体ではないが、全体的にバランスの取れた馬体を維持。
ロスのない燃費の良い馬体であるとも考えられ、大崩しないタイプであろう。
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阪神大賞典を当てるために知っておくべき3つのこと

Hansindaisyouten

■1■瞬発力勝負に
過去10年間、勝ち馬の上がり3ハロン時計は以下のとおり。

平成20年 アドマイヤジュピタ  34秒7
平成21年 アサクサキングス  40秒6
平成22年 トウカイトリック    36秒0
平成23年 ナムラクレセント   35秒3
平成24年 ギュスターヴクライ 37秒1
平成25年 ゴールドシップ    36秒8
平成26年 ゴールドシップ 34秒5
平成27年 ゴールドシップ 35秒5
平成28年 シュヴァルグラン 34秒9
平成29年 サトノダイヤモンド 35秒4

上がりが遅いレースと速いレースの差が激しいように見えるが、実はディープインパクトが勝った年は、馬場が重く、異常なほど強い風が吹いていた。また、平成22年はそのディープインパクトの2着したトウカイトリックが4年越しで勝利したように、上がりが掛かる競馬であった。平成21年は不良馬場であったため時計が掛かった。そして、平成24年はやや重馬場に加え、オルフェーヴルのまさかの逸走があり、上がりの掛かる展開に。

しかし、それ以外のほとんどの年は上がりが34秒台となっていて、基本は瞬発力勝負になりやすい舞台と考えてよい。3000mを走って34秒台で上がってくるのだから、道中がいかに遅いペースで流れ、ラスト3ハロンの瞬発力勝負になっているかが分かる。これが阪神大賞典と天皇賞春の結びつきが強い理由のひとつでもある。長距離戦だからといって、決してスタミナ豊富な馬が有利なのではなく、まずは瞬発力が求められることを知っておきたい。

■2■内枠で先行出来る馬が有利
スローペースの瞬発力勝負になりやすい以上、当然のことながら、内枠を引いて内々の経済コースを進んだ馬が有利となる。ただし、長距離戦では各馬もコースロスを意識して外々を回らないように運んでくるため、たとえスローペースであっても、馬群は縦長になることが多い。そのため、内外という枠順でそれほど大きな差は生じない。内枠から発走して、前にポジショニングできて、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強ければ、勝ち負け必至のレースである。

■3■1番人気馬が圧倒的に強い
過去10年間の人気ごとの成績は以下のとおり。

1番人気【5・2・2・1】 連対率70%
2番人気【1・1・1・7】 連対率20%
3番人気【2・1・2・5】 連対率30%

1番人気馬の連対率が7割と、圧倒的な安定感を誇っていることが分かる。これは人気馬が強いということではなく、長距離戦では各馬の実力や仕上がり具合が如実に現れてしまうということである。たとえ展開やレースの綾があったとしても、力のない馬や仕上がりの良くない馬が好走してしまう確率は極めて低い。実力と仕上がり状態をそのまま信頼してよいレースである。

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最高にキラキラしていたい

Jiromaru

サイコーキララという名前を聞くと、そのキラキラネームな響きとは裏腹に、人生の難しさを思わざるを得ません。誰だって最高にキラキラして生きていきたいと思ってはいても、運命はときに残酷では儚いものです。

サイコーキララが最も輝いていたのが報知杯4歳牝馬特別、つまり現在のフィリーズレビューの前身のレースでした。デビューから3連勝を飾り、そのうちの2戦はのちの桜花賞馬チアズグレイスを退けてのものであり、極めて高い素質を示していました。まるでダイヤの原石のようなサイコーキララは、報知杯4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)でも圧倒的な1番人気に推され、のちのオークス馬となるシルクプリマドンナに影も踏ませずに楽勝したのでした。この時、サイコーキララは浜田光正調教師の管理馬であり、鞍上には当時23歳になったばかりの石山繁騎手がいました。

桜花賞に向かうにあたって、2年前の牝馬クラシック戦線を走ったファレノプシスと石山繁騎手、浜田調教師のことを重ねない競馬ファンはいなかったと思います。同厩(浜田光正厩舎)の先輩であったファレノプシスは、石山繁騎手を背にデビューから3連勝、チューリップ賞に臨んだものの人気を裏切って4着に敗れてしまいました。その結果を受け、石山繁騎手から武豊騎手への乗り替わりが行われ、本番の桜花賞では武豊騎手を背に見事に勝利を遂げたのでした。

石山繁騎手にとっても、所属騎手を手塩にかけて育てたい守りたい気持ちのある浜田調教師にとっても、サイコーキララで臨む桜花賞は負けられない戦いであったと言っても過言ではありません。たとえ他の幾千のレースを敗れたとしても、今回の桜花賞だけは絶対に勝利を果たさなければならなかったはずです。

幸いなことに、サイコーキララはその想いに応えられるだけの馬でした。テン良し、中良し、終い良しと3拍子揃った隙のない競馬ができる馬で、マイル戦の桜花賞までは負ける姿が想像できませんでした。黒光りする馬体も完成度が高く、前駆にも後躯にもしっかりと実が入り、全身に牝馬らしい柔らかみをもった筋肉が豊富について、いかにもスピードがありそうな好馬体。額を真っすぐに流れる流星は凛とした表情をつくり、サイコーキララの賢さを物語っていました。

☆サイコーキララの馬体はこちら

ところが、競馬の神様は試練を与えたがります。サイコーキララが引いたのは13番という外枠でした。当時、阪神競馬場のおむすび型のコースで行われていた桜花賞は、魔の桜花賞とも言われ、道中のちょっとした挙動がレースの結果を大きく左右してしまう難しいレースでした。石山繁騎手も浜田調教師も、枠順が決まった時点で、少しだけ嫌な予感がしたかもしれません。

サイコーキララと石山繁騎手のスタートは決して悪くありませんでした。しかし、他の馬たちも同様に好スタートを切ったことで、内枠の馬からコーナリングを利して順に先行していく形となり、外枠のサイコーキララは自然といつもよりも後方のポジションを取らざるを得ない流れになってしまいます。もちろん、これぐらいはレースの綾であり、石山繁騎手は焦ることなく、最終コーナーに向けて徐々にポジションを上げて行きました。

雲行きが怪しくなったのは、最終コーナーを回るあたり。いつものような手応えがなく、石山繁騎手がサイコーキララを励ますようにして最後の直線に向きました。先に抜け出したチアズグレイスに追いつくどころか、少しずつ離されていき、しかも後ろからシルクプリマドンナにも抜かされそうになり、それでも先頭でゴールしようともがく人馬の姿は残酷すぎて、目を背けたくなるほどでした。結果は4着。

その後、浜田厩舎は成績が伸び悩み、石山繁騎手は落馬事故によって高次脳機能障害を負い(その後のリハビリ等については、妻である石山衣織さんによる「脳挫傷」(エンターブレイン)に詳しく綴ってあります)、ふたりは揃って2009年に競馬界から引退をしました。あのとき桜花賞をサイコーキララが勝っていたら、もしかして運命は変わっていたかもしれない。そう思ってはいけないのでしょうが、そう考えてしまうのは私だけではないはずです。その後の成績を思うと、報知杯4歳牝馬特別で輝きを放っていたサイコーキララの馬体は、美しい花に特有の一瞬のものだったのかもしれません。その輝きがあともう少しだけ続いていれば。

今週のフィリーズレビューには、サイコーキララを彷彿とさせる輝きを放つ牝馬が登場します。アマルフィコーストは前駆にも後躯にもしっかりと実が入り、全体のシルエットが美しく、額には真っ直ぐな一本の流星が流れています。サイコーキララよりも手脚に長さがあり、2000mぐらいまでの距離は持つはずです。休み明けということもあり毛艶はまだ冴えませんが、その凛とした表情は精神性の高さを物語っています。

3戦目のファンタジーSでは苦しいところがあったのか、気持ちが高ぶって強くハミを噛んでいましたが、本来は気性の問題は少ない馬です。阪神ジュベナイルフィリーズを回避したことが正解であったことは、今回の立ち写真を見れば伝わってきますね。休養を挟んだことで、肉体的にも精神的にもリラックスして臨めるはず。もちろん勝ち負けを期待しますが、桜花賞からその先へつながるような好レースを期待したいところです。

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競馬は複雑なゲームである(最終回)

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競馬が複雑であるのは、計算不可能性という理由もある。計算不可能性とは、たとえば打ち出されたパチンコの玉がどこの穴に入るか予測することは不可能であるという問題。パチンコ玉の描く軌跡の複雑さは、それが打ち出される時の速さと方向に原因がある。ほんの少しの速さ、方向の違いによって、釘に当たるか当たらないか、玉同士がぶつかるかぶつからないかが変化してしまい、打ち出された玉が穴に入るころまでには、無限の変化が繰り返されることになる。たとえ同じ穴に入った玉でも、そこに至るまでの過程(軌跡)は違うはずで、2度と同じ運動をして穴に入る玉が現れることはない。

これが複雑な現象において見られる、初期条件(パチンコ玉の打ち出される速さ、方向)のわずかな違いが、その現象プロセスの結果(パチンコ玉がどういう動きをして、どこの穴に落ちるか)に極めて大きな影響を与える、という特徴である。北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークでハリケーンが生じるというたとえから、「バタフライ現象」と呼ばれることもある。

初期条件のわずかな違いが結果に大きな影響を与えることや、そのための計算不可能性といった複雑な現象の特徴は、競馬という複雑なゲームにも当てはめて考えることができる。たとえば、ある逃げ馬がスタートにおいて出遅れたとする。このことによって、道中のラップは大きく変わってくるであろうし、出遅れた馬はもちろんのこと、代わりに逃げることになってしまった馬なども、当初の予定とは違ったレースを強いられることになる。それにしたがって、各馬のコース取りも変わってくるだろうし、仕掛けのポイントも当然変わってくる。

このように考えていくと、わずか1頭の馬のわずかな挙動が、全体のレースそして結果にも影響を大きく及ぼすことになるのだ。たとえ全ての部分(要素)を数値化できたとしても、一旦レースが始まってしまうと各部分(要素)が大きく変化してしまうため、レース全体としての結果は、無限の広がりを持ってしまう。そのため、計算自体が不可能となることは明白なのである。「レースは生き物である」と言われるゆえんはここにもあるのだ。

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穏やかさが戻ってきている表情のアマルフィコースト:5つ☆

☆フィリーズレビュー
モルトアレグロ →馬体を見る
手足が短くて、重心が低く、いかにも短距離馬という迫力あふれる好馬体。
それにしても3歳牝馬とは思えない筋肉量で、パワーの要るレースになれば。
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アンコールプリュ →馬体を見る
顔つきを見ると、気性の激しさが伝わってきて、細身なのは気性ゆえか。
トモと腰の肉付きが物足りず、現時点ではバネの良さだけで走っている状態。
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アンヴェル →馬体を見る
ロードカナロアは母系の特徴を出すタイプで、この馬はいかにも短距離体型。
前後のバランスが素晴らしく、胴が詰まっているので、距離はギリギリか。
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デルニエオール →馬体を見る
さすが血統馬という馬体で、体型的には兄オルフェ―ヴルとひけを取らない。
前駆にもトモにもしっかりと実が入って、胴部にも十分な長さがある。
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アマルフィコースト →馬体を見る
前駆の盛り上がりは素晴らしく、しかもトモの実の入りも申し分ない。
気性的にも穏やかさが戻ってきている表情で、毛艶以外は最高の休み明け。
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トロワゼトワル →馬体を見る
手脚がすらりと長く、こちらも母系のハーツクライの特徴が前面に出ている馬体。
馬体にまだ芯が入り切っておらず、これから少しずつ良くなっていくタイプ。
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コーディエライト →馬体を見る
決して線が細いわけではなく、かといってガッシリしているわけでもない馬体。
付くべきところに筋肉がついてバランスが良く、現時点での完成度は高い。
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☆金鯱賞
ブレスジャニー →馬体を見る
重心が低くて、貧相に見える馬体だが、あばらが見えて仕上がりは良い。
トモの筋肉が四角く映るように、前駆に比べて特に後躯の力強さが目立つ。
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ヤマカツエース →馬体を見る
相変わらず筋肉量の豊富な馬体で、6歳になっても衰えを感じさせない。
寒い時期を得意とする馬だが、あえて言えば、もうひと絞りほしいところ。
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デニムアンドルビー →馬体を見る
体型的には若駒の頃からほとんど変わっておらず、前駆の盛り上がりが良い。
それに比べると、後躯の物足りなさがあるが、とにかくパワーで攻めるしかない。
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メートルダール →馬体を見る
ゼンノロブロイ産駒にしては、腹袋がしっかりとしていて、コロンとして映る。
どちらかというと母系の影響が出ているのか、それであってもスタミナは尽きない。
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スワ―ヴリチャード →馬体を見る
やや左足の置き方に問題はあるが、これも走るハーツクライ産駒の特徴でもある。
昨年から大きく変わった感じはしないが、相変わらず全体のシルエットが素晴らしい。
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サトノダイヤモンド →馬体を見る
凱旋門賞以来の実戦になるが、外見的にはほとんど仕上がっている馬体。
ただ、表情を見ると気の難しさが出てきており、どこか苦しいところがあるはず。
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サトノノブレス →馬体を見る
どちらかというと、凱旋門賞組ではこの馬の方がリラックスして、馬体も仕上がった。
腹回りには若干の余裕はあるが、休み明けとしては力を出し切れる出来にある。
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フィリーズレビューを当てるために知っておくべき3つのこと

Filiesreview

■1■本番・桜花賞との結びつきが弱い
過去10年間で、フィリーズレビューを使って本番・桜花賞を制した馬はレジネッタとレーヌミノルのみ。1週間前に行われたチューリップ賞からは7頭の桜花賞馬(ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスター、レッツゴードンキ)が出ており、その差は歴然としている。

その理由はひとつ。チューリップ賞とフィリーズレビューを天秤にかけた場合、本番へのつながりを意識すれば前者をステップにする方が望ましいのは明らかで、にもかかわらずフィリーズレビューを選択するのは、陣営が距離(もしくは折り合い)に不安を抱えているからである。僅かでも距離に不安を感じている馬が、さらに厳しい流れになるG1レースのマイル戦を勝つのは難しい。

■2■最後にもうひと伸びできるパワー
スプリント色の濃いメンバーが集まるからこそ、かえってレースの流れは厳しくなることが多い。過去10年間のラップタイムを見てみると(下参照)、スローに流れてしまいがちなチューリップ賞よりも、ミドルからハイペースに流れやすいレースの傾向が浮かび上がってくる。そのため、結局、スピード一辺倒のスプリンターでは勝ち切れず、ハイペースを好位で追走して最後にもうひと伸びできるパワーも要求される。

フィリーズレビュー過去10年ラップタイム
12.1-11.0-11.7-11.9-11.6-11.8-12.4(34.8-35.8)H
12.3-10.5-11.5-12.0-12.2-12.0-11.9(34.3-36.1)H
12.2-11.0-11.8-12.1-11.8-12.0-11.9(35.0-35.7)M
12.3-10.5-11.3-11.8-12.0-11.8-12.6(34.1-36.4)H
12.2-10.7-11.4-11.8-11.9-11.9-12.9(34.3-36.7)H
12.3-10.9-11.7-11.8-11.3-11.9-12.2(34.9-35.4)M
11.9-10.9-11.8-12.1-11.7-11.4-12.5(34.6-35.6)H
12.2-11.0-11.5-12.0-11.7-11.8-12.3(34.7-35.8)H
12.2-11.2-11.6-12.2-11.7-11.5-11.7(35.0-34.9)M
12.0-10.2-11.3-12.0-11.8-11.7-12.0(33.5-35.5)H

3■阪神1400m
スタート後、3コーナー過ぎまでの距離はおよそ440mと十分にあり、テンはそれなりに速くなる。そして、3~4コーナーが複合カーブであるため、スピードが落ちない。そのため、緩急のない全体的に速いペースで道中は流れる。しかし、3コーナーからゴール前に至るまで下りが続くため、そのまま流れ込むことの出来る先行馬が有利。

とはいえ、3~4コーナーの間に偽直線を挟んでいるため、差し馬もペースに応じて先行集団との差を詰めることが出来る。先行馬が有利なコースではあるが、決して差し馬に不利なコースではない。むしろ道中のペースが速くなりすぎると、直線の急坂で先行馬が総崩れということも十分にあり得るので注意。

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弥生賞は勝ってほしくないレースである!?

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今年の弥生賞は最強の弥生賞であるとの呼び声が高い。出走予定メンバーを眺めてみると、朝日杯フューチュリティSを勝ったダノンプレミアム、ホープフルS2着馬のジャンダルム、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったワグネリアン、シクラメンSを圧勝したオブセッションなど、素質溢れる走りを見せている良血馬たちが勢揃い。よくもまあ集まったものだ、というのが正直な感想であり、競馬ファンにとっては見逃せない一戦となりそうだ。

にもかかわらず、弥生賞は勝ってもらいたくないレースであると私は考えている。なんていうと、そんなことはないと怒られてしまうかもしれないし、八百長だと誤解されても困る。たしかにこのレースを勝つということは、素質や能力、そして完成度が高いということの証明ではある。私が言いたいのは、皐月賞から日本ダービーへの青写真を描いたとき、弥生賞は無理をして勝とうとしなくても良い、いや、はっきりと言うと、勝たない方が良いレースということだ。

弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬はヴィクトワールピサしかいない。

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若駒らしい余裕もあるダノンプレミアム:5つ☆

オブセッション →馬体を見る
手脚や胴部に十分な長さがあり、全体的にゆったりとした骨格の持ち主。
あえて言えば、トモの肉付きが物足りないが、現時点としての仕上がりは良い。
Pad3star

ジャンダルム →馬体を見る
やや腹回りに余裕はあるが、毛艶は素晴らしく、昨年の疲れは完全に癒えている。
馬体だけを見ると、パワー優先のタイプだが、前後のバランスの良さがある。
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サンリヴァル →馬体を見る
手脚に長さがないため、重心が低く映るが、胴部にはしっかりと長さがある。
いかにもパワータイプの馬体であり、父ルーラーシップ譲りのパンチ力がある。
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ダノンプレミアム →馬体を見る
非の打ち所がないとはこの馬体のことを言うのだろうか、休み明けを感じさせない。
付くべきところに筋肉が付いて、しかも随所に若駒らしい余裕があるのもまたいい。
Pad5star

ワグネリアン →馬体を見る
前駆が発達しているわりには、後躯は物足りないからかトモ高に映る。
耳の短さや首の細さや角度など、随所にある馬体的な欠陥は見ないふりをしたい。
Pad3star

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