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1歩だけ抜け出した


皐月賞2018―観戦記―
出ムチを入れてアイトーンがハナに立ち、ジェネラーレウーノとジュンヴァルロが続き、3頭が後続を離してレースを引っ張った。前半1000mが59秒2、後半が61秒6という前傾ペースではあるが、全体の集団はスローに近い流れ。先行集団のペースとレース全体の流れのバランスの中で、最も良いポジションに付けたのが勝ち馬と2着馬であり、3着馬は良く粘り、4着以下は差して届かずという内容であった。馬場が悪かったことも含め、小回りの4つコーナーを回るクラシック第1弾はやはり難しい。

勝ったエポカドーロは、好スタートから離れた3頭を追いかけることなく、全体の集団の先頭を走る形となった。道中も全く力むことなく、終始抜群の手応えで追走し、最後の直線に向いてからは1頭だけ違う脚で楽に抜け出してみせた。終わってみれば、この馬が最もレースセンスが良く、重い馬場への適性も高く、実力があったということだ。

前走のスプリングSではハイペースを先行して、惜しくも2着したように、力の片鱗は見せてくれていた。今回は一転して、とにかく展開と馬場が向いたことで、エポカドーロの強さが際立った。頭が大きく、手脚や胴部には伸びがなく、どう見ても理想の馬体からはかけ離れているにもかかわらず、これだけ走るのだからオルフェ―ヴル産駒は見た目では計れないということだ。打倒ダノンプレミアムに向けて、この馬が1歩だけ抜け出してきた。

戸崎圭太騎手はここ最近、調子を落として批判の的にされていたが、今回のレースに限っては非の打ち所のない騎乗であった。エポカドーロのリズムで走らせることが結果的に最高のポジションを走ることになったのは事実だが、特筆すべきは勝負所での仕掛けのタイミングだろう。前の3頭との距離を考えると、もう少し早めに動いてしまいたくなるが、あそこでひと呼吸、ふた呼吸置いたことが、完勝につながった。戸崎騎手の良さは、レース全体の流れの中の良いポジションに自分の馬を当て込んで勝利することであり、久しぶりに本領発揮といったところだろう。

2着に入ったサンリヴァルも、エポカドーロを前に見る形でレースを進め、最後まで伸びて力を出し切った。追い出してから少し抵抗したのか反応が遅れていなければ、もう少し僅差まで詰められたかもしれないが、今回は勝ち馬が一枚上であった。馬格があり、上がりの掛かる今回のような馬場も向いていた。敢えて言うならば、もし勝ちにいくために勝負するならば、エポカドーロの前につけ、自ら先行した3頭を追いかけても良かったかもしれない。

3着のジェネラーレウーノは、あれだけのペースで行って粘り込んだのだから、休み明けにもかかわらず良く走った。田辺裕信騎手もこの馬の気持ちを損ねることなく、思い切って行くところまで行ったのだろう。外から被せられる形になり、引くに引けない形になってしまったことだけが惜しまれる。

ステルヴィオとキタノコマンドールは、差し馬にとって苦しい展開と馬場の中、外々を回しながらも、最後まであきらめることなく追い込んできた。負けてはしまったが、力があることを証明してみせたし、次走以降につながる良い経験となったはず。次走の日本ダービーが良馬場で行われたら、もう少し先行できるだろうし、今回の皐月賞の上位馬たちとも差のないレース、もしくは逆転も十分に考えらえる。とはいえ、展開や馬場に左右されるということでもあり、ワグネリアンが見せ場なく敗退してしまったことも含め、日本ダービーはダノンプレミアム次第ということだろう。

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