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誰が前にいたのか、誰を前に置いたか?


大阪杯2018―観戦記―
大方の予想どおりヤマカツライデンが先頭に立ち、前半1000が61秒1、後半が57秒1という究極のスローペースを先導した。これだけのスローに流れたのは様々な要因があり、その最大のものは、スマートレイアーがなぜか内の番手を主張して取り切ってしまったことにある。それほど先行力がある馬ではない(むしろ前半は鈍足な)スマートレイアーが2番手に収まってしまったことで内の隊列がデッドスペースとなった。それに外のダンビュライトとウインブライトの2頭も続いた形となり(本来はこの2頭は速い上がり脚がないのでスローにするべきではなかったはず)、内から外へと、レース全体がきっちりとフタをされてしまう形となったのである。

勝ったスワ―ヴリチャードは、外枠を引いたことが今回に限っては吉と出た。内枠を引いてしまっていたら、どん詰まりになって、この馬のフットワークの良さもスピードもパワーも生かせずに終わっていたかもしれない。これだけスローに流れれば、馬群の内を走れる方が有利になるのが定石だが、今回のような形になって外が生きるのだから競馬は不思議である。それでも、外から思い切って動いていったミルコ・デムーロ騎手の決断は素晴らしく、それに応えて、最後の直線でもう1度伸びたスワ―ヴリチャードの強さと本格化には拍手を送りたい。まるで調教のような走りでG1レースを勝つのだから、今後の活躍が楽しみである。荒削りなところも魅力のひとつであり、乗り難しさの残る馬だけに、デムーロ騎手へのスイッチは正解であったことが証明された。

2着のペルシアンナイトは、超スローペースを後方で我慢して、決して勝ち切れるレースではなかったが、持ち味であるしぶとい切れ味を発揮した。前走も同様にスローで脚を余したが、今回は外を回さなかった分、なんとか2着に届く結果となった。馬体もグンと良くなっていたので、次走も展開次第でチャンスは十分にある。福永祐一騎手のファインプレーは、アルアインの後ろに馬を置いたことである。自分の馬よりと力が同等かそれ以上の力があってスッと上がって行ける馬を前に置かないと、他のほとんどの有力馬がそうであったように、自分の動く進路がなくなってしまい、力を出し切れない。

アルアインは力をほぼ出し切っているが、欲を言えば、もう1段前に馬を置きたかった。スタートして外から続々と来られて中団に収まってしまい、外からスワ―ヴリチャードが動いたとき、あわせて動くことができなかった。完全な切れ味勝負に持ち込まれてしまうと、同僚のペルシアンナイトにも先着を許す結果が待っている。川田将雅騎手もベストは尽くしているが、この馬が勝つためにはもっと大胆な乗り方が要求される。

ミッキースワローは内枠の後方というポジションであったが、内が開かないと気づき、外を回した横山典弘騎手の好判断が功を奏した。それに対して、サトノダイヤモンドは最悪のポジションに終始収まってしまい、地脚の強さを全く生かすことなく終わってしまった。初騎乗ということもあっただろうが、好スタートを決めた時点で、もっと積極的に内の2番手(ヤマカツライデンの後ろ)を取りに行っていたら結果は違ったはず。トリオンフはスワ―ヴリチャードに併せ馬を挑み、はね返されてしまったものの、今後につながる競馬であった。これぐらいの勇気がないと、人も馬も不完全燃焼になってしまう。


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Comments

『勝ったスワ―ヴリチャードは、外枠を引いたことが今回に限っては吉と出た。』というよりは、デムーロが『吉に変えた。』のだと思いました。スローであれば基本は内前が有利ですから、そこを不利な外枠からスタートで遅れたにも関わらず乗り方ひとつで自分が勝つレースに変えられるのだからスゴい騎手だと改めて思いました。
もちろん馬自身もスゴいです、次走は天皇賞春かな?と期待したのですが、宝塚記念まで間隔を開けると言うことで少し残念です。

Posted by: ゆとり世代 | April 03, 2018 at 04:22 PM

ゆとり世代さん

そうですね。

あそこで動く決断ができなければ、吉とは出なかったわけですし、またスワ―ヴリチャードなら動いても最後までもつという自信があったからこそだと思います。

ここ2走が外枠から動いての競馬ですから、3200mを嫌って宝塚記念に行く気持ちは分かりますが、個人的には天皇賞春での走りも見てみたいですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | April 03, 2018 at 10:26 PM

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