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あの名馬たちを彷彿させる


桜花賞2018―観戦記―
各馬が出方を伺うような形で第1コーナーへ向かい、コーディエライトとツヅミモンがゆったりとレースを引っ張り、その内に断然の1番人気ラッキーライラックがつけた。前半マイルが46秒6、後半が46秒5とフラットな流れ。道中の馬群の固まり方からは、スローに流れているように見えたが、意外にもどのポジションで走った馬にもチャンスがあったということだ。それにしても、2着、3着馬よりも3ハロンで1秒以上速い上がりで走った勝ち馬の強さは、これまでに見た名牝たちのそれと同じかそれ以上であった。

アーモンドアイは、スタートしてからほぼ馬任せのリズムで走り、外々を回って追い上げた。最後の直線に向いてからも待つ余裕があったように、他馬とは明らかに手応えが違って、ノーステッキで追い出されると力強いストライドを駆使してゴールまで伸び切った。ゴール前では耳を立てていたように、追えば追うほど伸びて行きそうな勢いであった。その飛ぶようなフットワークの軽さはあのディープインパクト、そして牝馬ではブエナビスタを彷彿させる。ロードカナロアは母系の良さを引き出すタイプの種牡馬であり、血統的にはフサイチパンドラから受け継がれるしなやかさが際立っている。

クリストフ・ルメール騎手は、実に落ち着いて、馬を信じて騎乗していた。新馬戦と未勝利戦を乗っていたとはいえ、前走は戸崎圭太騎手に乗り替わっていたので、久しぶりの手綱であった。にもかかわらず、こういう結果になると最初から分かっているかのように乗れたことに凄みを感じた。さすが勝率が2割4分のジョッキーだけある。安藤勝己元騎手が昔言っていた、「勝つためには勝つ気で乗らない」を体現した騎乗であった。変に馬を驚かせて、バランスを崩したりしてフットワースが乱れないように、ステッキを使わず、最後まで手綱だけで追ったことも今後に生きてくるはず。

敗れはしたものの、ラッキーライラックも素晴らしい走りをしている。スタートからゴールまで、ロスなく乗られて、持てる力を十全に出し切った。それでも外から差されたのだから、相手が強かったとしか言いようがないだろう。馬体が併さっていたらという問題ではなく、最後の直線における切れ味勝負になってしまうと、アーモンドアイには全くかなわないということである。とはいえ、この馬も底知れない強さを秘めており、かつてのダイワスカーレットとウオッカのような関係を、アーモンドアイと築いていってもらいたい。石橋脩騎手は悔しいだろうが、完璧に乗っている以上、誰も彼のことを責めることはしないはず。オークスではどのようにすればアーモンドアイに勝てるか、これから考えてほしい。

リリーノーブルも前走のチューリップ賞をひと叩きされて、肉体的にも精神的にもきっちりと仕上がっていた。この馬なりに力を出し切ったが、前の2頭はあまりにも強かった。生まれた世代が悪かったというべきか、それともこの先、2頭の名牝たちの名脇役として輝くのか、楽しみに見守りたい。この馬は距離が延びると良くないため、NHKマイルCに回るという選択肢もありだろう。

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Comments

こんばんは。
結果から見ればマイル適性はアーモンドアイの方がずっと高かったと言う事でしょう。
また、ラッキーライラックには少し出来落ちがあったのかも知れません。
これまでは馬体重を増やしながら、競馬場を問わずマイルの走破タイムを縮めてきました。
今回はマイナス体重でした。
前走と同じかややプラスで出てくると思っていただけに少し意外でした。
また、最後の直線で四肢が空中に浮いている滞空時間がやや短い感じがしました(この辺は感覚です。スローでじっくりと前走との比較をすれば分かるかも?ですが・・・)。
つまり完歩が伸びてなかったと言う事です。
しかし、絶好調だったとしても着差は詰めれても逆転は無理だったと思います。

アーモンドアイは直線は素晴らしい脚でした。
阪神でも京都外回りと同じパフォーマンスを発揮するとは思ってもいませんでした。
ただ、この馬は直線で何度も手前を変えていたらしいのです。ですから操縦性には疑問符が付くと思います。
内から馬群をさばいて抜け出てあの脚を使えれば歴史と記憶に残る名馬になるでしょう。

ラッキーライラックは内々を回って馬群の中でじっと我慢して最後に抜け出すというレースをして競走馬としての経験値を一つ獲得しました。
大外強襲の競馬しかしたことがないアーモンドアイとは経験値の差があると思います。
この経験値の差がオークスではきっと生きてくると思います。
だって3歳牝馬にとっては未知の距離を走るのですから。

Posted by: アダチ@おかやま | April 11, 2018 at 08:20 PM

アダチ@おかやまさん

私もラッキーライラックを応援していましたが、アーモンドアイのあの強さは異常でしたね。

初戦で負けているところなんかも、ブエナビスタを彷彿とさせる馬です。

とはいえ、ラッキーライラックも自分のレースをして、切れ味勝負で負けていますので、おっしゃるように違うレースになれば、勝つチャンスは十分にあると思います。

ウオッカとダイワスカーレットのような関係になるのではないかと、今年だけではなく来年も楽しみですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | April 13, 2018 at 06:42 PM

アーモンドアイ、強かった!!この世代からシルクで1口馬主デビューしたのですが、フサイチパンドラの子どもということで最後まで出資するかどうか迷った馬でした。結局別の馬に出資したのですが、一時は決めきれないから二頭とも出資しようかとも考えていただけに悔しい・・。価格も4千円しか違いはなかったですしね。

フサイチパンドラの子どもはそれまで活躍馬が出てなくて、ロードカナロアも初年度産駒じゃなーと思いきれませんでした(キンカメも二度付けてダメだったみたいですし)。それなら実績のあるダイワメジャーかなとなったのですが、そちらは未だ未勝利・・。でも出来の悪い子ほど可愛いじゃないですけど、何がダメだったのか、課題を克服したらどうしたらいいのかなど、今までで知らなかった世界を教えてくれている貴重な存在です。今はリフレッシュで放牧に出てますが、戻ってくるのが楽しみで仕方ないです!

Posted by: やっとこ | April 16, 2018 at 10:46 PM

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