« トモに実が入って本格化したリスグラシュー:5つ☆ | Main | オークスを当てるために知っておくべき3つのこと »

惚れ惚れする好騎乗


ヴィクトリアマイル2018―観戦記―
カワキタエンカが予定どおりにハナに立ち、前半マイルが46秒8、後半マイルが45秒5という、G1レースとは思えないほどの超スローペースに持ち込んだ。これだけ流れが遅くなると、どれだけ速い脚を使っても中団から後ろにいた馬では届かない。馬群の外を回された馬も、脚をためられなかった分、伸び負けしてしまう。ラストの瞬発力勝負に強い馬、そして内枠から発走して内ラチ沿いで脚をためられた馬が上位を占める、力と力のぶつかり合いとは程遠い、典型的なスローペースの結末となった。

勝ったジュールポレールは、内枠から発馬して無理なく中団のポジションを進み、最後の直線では持ち前の末脚を思う存分に発揮してみせた。上がり3ハロン33秒3という、まさにディープインパクト産駒らしい切れ味であり、昨年3着の雪辱を晴らしてみせた。とはいえ、馬体だけを見ると昨年から大きく成長した様子はなく、今年はあらゆる要素(特に幸英明騎手の積極性)が偶然に絡み合って先頭でゴールできたということだろう。

幸騎手は、これ以上を望むことのできないほど、文句なしの騎乗であった。スタートから馬を出して行き、前を進む馬たちをギリギリ捕らえられる射程圏に置く、絶妙のポジションにジュールポレールをはめ込み、最後の直線に向いてからも、ここしかないという絶好のタイミングでゴーサインを出した。本人も感じているだろうが、騎手人生の中でも数えられるほどしか訪れない、誰が見ても完璧な騎乗によって、今のジュールポレールの力を100%引き出した。何度リプレイを見ても、惚れ惚れするほど素晴らしい。

対して、ハナ差で2着に敗れてしまったリスグラシューは、負けるべきポジションを進み、負けるべくして負けたレースであった。外枠から出して行くのは怖いという武豊騎手の気持ちは分かるが、今のリスグラシューのトモの充実ぶりを見ると、もっと攻めのポジショニングをするべきだったろう。結果論でもたらればでもなく、あの位置にいたら勝てないし、あの位置になるのは折り合いを欠くのを怖れて手綱を引くからだ。攻める気持ちがないから、どんどんポジションが悪くなる。他のトップジョッキーが乗っていたら今回は勝っていただろうし、この先、乗り替わりになればその意味は分かるはず。

レッドアヴァンセはあわやというレースを見せたが、最後は切れ負けしてしまった。これは結果論ではあるが、少しだけ先頭に立つのが早かった。それぐらい手応えが良かったということでもあり、さすが府中のマイル戦を得意とするクラレントやレッドヴェイロンの姉妹である。1番人気のアエロリットは、好位をスムーズに走ったが、ラストの瞬発力勝負になってしまったことが裏目に出た。この馬としては、もう少しレースが流れてくれた方が、持ち前の続力が生きて良かったはず。そのあたりは、戸崎圭太騎手がテン乗りであったからでもあり、慎重に乗ってしまったのが悔やまれる。

|

Comments

Hi

Posted by: joannake3 | May 15, 2018 at 07:19 PM

Post a comment