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少し立派に映る馬を狙う

Jiromaru

僕は立ち写真を見て本命を決める予想法を、10年以上にわたって続けてきました。立ち写真を見始めたのは20年ほど前からですが、実際に1頭を選んで、お金を賭けてということをすると、また違った視点で馬体が見えてくるから不思議です。決断をしてお金を賭けてみることで、その結果を受けた反省が生まれます。なぜ当たったのかよりも、なぜ当たらなかったのか考察する過程が生まれるのです。そのようなサイクルを回すことで、自分の馬体を見るときの癖も分かってくることがあります。

ある時期、自分が5つ☆を付けた馬が、そのレースでは走らず、次のレースで走るという傾向が目に付いたことがありました。今回のレースで走ってもらいたいのに、なぜか次走で走るというもどかしさ。さすがにそのようなことが何度も続くと、僕も自分の馬体を見る目を疑わなければいけません。何がどう間違っているのか。自分が選んで走らなかったときの立ち写真自と、その次に走ったときの立ち写真を見比べて、自らに問うてみたのです。

そのとき気がついたことは、僕は少し立派に見える馬が経験的に良く見えているということでした。たとえば、ロードカナロアが本格化したのは4歳秋でしたが、秋初戦であるセントウルS出走時の馬体を見て思わず5つ☆を付けてしまったのです。それまでの馬体とは違い、トモにしっかりと実が入って、全体に一本芯が入ったという印象でした。いかにもスプリンターという体型が際立っており、素晴らしい成長具合だと感じたのです。

☆ロードカナロア 2012年セントウルS出走時

残念ながら、セントウルSではロードカナロアは2着に敗れてしまいました。これだけの立派な馬体に成長したのに、エピセアロームに差されてしまったことが不思議で仕方ありませんでした。次走のスプリンターズSでは、セントウルS時ほどに良く見えず、他の馬たちがもっと良く見えたことで評価を下げてしまいました。すると、僕のセントウルS時の見立てどおりに、本格化したロードカナロアは完勝して、以降は日本競馬史上最強のスプリンターとして君臨することになったのです。

☆ロードカナロア 2012年 スプリンターズS出走時

立ち写真を撮影しているのは、本番のレースの1週間前の週中ですから、ほとんど馬体は仕上がっている状態です。そこからさらに最終追い切りを経て馬体を仕上げていきますので、立ち写真を見る限りにおいては、ギリギリに絞り込まれている馬体よりも、少し余裕を持たせている馬体の方が、結果としては走っているのが事実です。ただし、あまりに立派に映りすぎて目を引くほどの馬は、その馬体の立派さの裏返しとして、レースまでには仕上がり切らず、レースでひと叩き必要である可能性もあるということです。そのあたりの線引きが難しいため、前述のロードカナロアのように、今回ではなくひと叩きされた次走で激走してしまうという現象が起こるのでした。

今週の安田記念に出走するモズアスコットは、パッと目を引くほどに立派な馬体をしています。これは安田記念の1週間前に撮影された立ち写真ですから、これぐらい立派に映って良いと思います。僕はこのような馬体を誇る馬に5つ☆をつけたい衝動に駆られますが、立派すぎる可能性もある以上、安土城Sを使ったことで馬体が仕上がったことがプラスに働くかもしれないのです。オーストラリア競馬に精通している矢作調教師にとって連闘は想定内ですから、完璧な仕上がりで出走し、走ってくれるのではないかと期待しています。

☆モズアスコット 2018年安田記念

Yasuda2018wt


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Comments

治郎丸様

大変ご無沙汰しております。
また大的中おめでとうございます。

昨日ですが、ようやくご案内頂いていた治郎丸様の著者を発注した所です。

この記事を読ませて頂き、同じ様に馬体を見て買い目を決めてる私はいつにも増して刺激を受けました。

そんな折り、狙いすましたかの様な的中はお見事と言うしか無いですね。

これからも競馬観溢れる記事をよろしくお願いします。

Posted by: Nobu | June 03, 2018 at 08:45 PM

的中おめでとうございます。
自分も的中することができましたが、治郎丸さんの記事を読まずして“矢作調教師のルーツ”を知ることはありませんでした。感謝申し上げます。
競馬歴が長くなればなるほど、固定観念に捉われてしまいますが、先週の友道厩舎&福永騎手のタッグしかり、今週の矢作調教師しかり、常識を壊すのは人の情熱だということを思い知らされました。

P.S もし人々が安土城Sを調教と捉えることができたならモズアスコットは4番人気にはなっていたように思えます

Posted by: まる | June 03, 2018 at 11:04 PM

治郎丸さん
おはようございます。
モズアスコットお見事です。
こんなにぴったりと自分のファクターが当たるのも気持ちいいものですよね。
私もいつかサイン馬券から勝ち馬を見つけて至福の時を味わってみたいです。
モズアスコットですが
連闘「だから」買えた。
連闘「だから」買えなかった。
どちらも「だから」なのに180度違う結果ですよね。
私の場合いつも180度違う考えをしておきながらまた180度回ってしまって結局360度動いてしまいます。
結果的に0度と360度は どちらも同じ結果なんですが
その過程は確かに360度動いてるんです。
この動きを無駄にしないように次回に繋げたいものです。
同じ後悔でも
してしまったことの後悔より、しなかったことの後悔のほうがより後悔だ。
なんて言葉もありますからね。

Posted by: 通りすがりの皇帝ペンギン | June 04, 2018 at 11:11 AM

治郎丸さん ご無沙汰しております。早速ですが見事的中おめでとうございます。流石ですね。自分は平場の連闘馬なら買うんですが…G1での連闘は買えませんでしたね。あといい訳をするなら開幕週なら買えたと思うんですが馬場も高速馬場とはいえ力のいる馬場だろうと思いあとフランケル産駒ということもあり力のいる馬場はソウルスターリングや他のフランケル産駒を見ている限りあまり得意ではないと思い買えませんでしたね。自分なりにいろいろと工夫しては予想しているのですがまだまだ修行が足りないようです。馬体は語るを購入してまた勉強させてもらいます。いつもありがとうございます。ではご自愛ください。

Posted by: ユビキタス | June 05, 2018 at 03:35 AM

Nobuさん

ありがとうございます。

タイミング良く当たって良かったです(笑)

馬それぞれに馬体が違っていて、また同じ馬とてタイミングが違えば違う馬体になっていて、馬体は面白いですね。

そうして馬体を見ていくと、馬券も少しは当たるようになるよという証明を僕はしていかなければいけませんね。

これからもよろしくお願いします!

Posted by: 治郎丸敬之 | June 07, 2018 at 12:17 AM

まるさん

ありがとうございます。

僕は戦前からモズアスコットを本命に推そうと思っていたのですが、出走できないかもしれないとなり、連闘することなり、勝てず、でも出走できたという経緯を知っていましたので、矢作調教師の狙いは分かっていました。

人間が固定概念を持っていると、馬にもそれが伝わってしまい、勝てなかったと思います。

常識を打ち破るのは人間の情熱とは、名言ですね。

僕も心に記しておきます。

Posted by: 治郎丸敬之 | June 07, 2018 at 12:20 AM

通りすがりの皇帝ペンギンさん

ありがとうございます。

連闘だから賭けたと連闘だから賭けなかったは、同じ事実をどう解釈するかによって、決断も結論も180度異なってくることの典型的な例ですね。

人びとの考えていることの逆に真実があるというのは、おそらく真実なのだと思います。

誰もが連闘だから賭けないと考えているならば、連闘だから賭けようと考える人に勝利の女神は微笑むのかもしれません。難しい考え方ですが。

Posted by: 治郎丸敬之 | June 07, 2018 at 12:23 AM

ユビキタスさん

ありがとうございます。

今回は馬体を見て本命を決める予想法もピタリと的中しました。

ルメール騎手が乗って、ここまで人気を落としていたのも驚きですし、全てが上手く行って勝利したのも驚きです。

勝つときは全てが上手く行くものですね。

単行本もぜひ読んでください!

Posted by: 治郎丸敬之 | June 07, 2018 at 12:26 AM

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