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小倉記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Kokurakinen

■1■高速馬場に対応できるスピード
サマー2000シリーズ第3戦。2006年から北九州記念が1200m戦となり、小倉記念が7月最終週~8月第1週へスライドされた。主なステップレースは七夕賞となるが、レースの特徴から考えても、七夕賞と小倉記念は直結しない。

なぜなら、七夕賞が福島競馬場の荒れてきた馬場で行われることに対し、小倉記念は野芝が生え揃った絶好の馬場で行われるからである。野芝は気候の暖かくなる6月くらいから成長し、8月の最も熱い季節に最盛期を迎える。野芝100%で行われる小倉競馬場の馬場は、これ以上ないほどの絶好の高速馬場となる。つまり、七夕賞ではパワーが求められるのに対し、小倉記念は高速馬場に対応できるスピードが求められることになるのだ。

後半からラップが急激に上がるため、スピードの持続力も必要とされることになるところがミソ。速い持ち時計があり、なおかつそのスピードを支えるスタミナを秘めた馬が狙いか。

■2■前走の着順
前走の着順別の小倉記念での成績を見てみたい(過去10年間)。

前走1着    【1・3・3・17】 連対率17%
前走2着    【1・1・0・8】 連対率20%
前走3着    【1・2・0・6】 連対率33%
前走4着    【1・0・1・7】 連対率11%
前走5着以下 【3・3・5・42】 連対率10%
前走10着以下 【3・1・1・41】 連対率9%

主なステップレースが北九州記念から七夕賞へ変わったことにより、前走の着順がそのまま小倉記念へとスライドすることはなくなった。どちらかというと、七夕賞のレースが適性に合わなかった馬の巻き返しというパターンが多くなるはずで、前走の着順はさほど気にしなくてもよいだろう。

■3■内枠の差し馬有利
かつて小倉記念は馬場の内が悪い重賞であった。なぜなら、連続開催の3回小倉が始まる頃、1回小倉以降に張り替えた部分のAコース最内がかなり傷んでくるからである。ちょうどその辺りに小倉記念は位置していたため、馬場の良い所を走られる外枠を引いた馬は有利であった。しかし、2006年からは開催時期がズレたことにより、内外の有利不利がなくなった以上、4つコーナーの小回りコースということを考えれば内枠有利となる。そして、各馬が直線の短さを意識して早めに仕掛けることで、一瞬の脚を持った差し馬にとって絶好の舞台となることも覚えておきたい。

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どの血統が馬体のどこにいつ現れるか

Jiromaru

今月号の雑誌「優駿」では、夏恒例の種牡馬特集が組まれています。毎年、僕はこの特集を楽しみにしており、現役を引退したばかりの新種牡馬が新しい環境や役割に適応できているのか、または数々の名馬を誕生させた名種牡馬たちがどのような種牡馬生活を送っているのか、楽しみに読み耽ってしまいます。特に、社台スタリオンステーションの徳武氏による、各種牡馬に対するコメントは的確で、大変参考にさせてもらっています。

今年もキタサンブラックの馬体に対する徳武氏の評価は興味深かったです。キタサンブラックは体高が172cmもあり、社台スタリオンステーションにいる種牡馬たちの中でもダントツの背の高さを誇ります。背が高いだけではなく、手脚もそれに応じて長く、身体全体を生かした大きなフットワークが持ち味でした。現役当時は540kg前後の雄大な馬体で走っていましたが、筋骨隆々の大きさではなく、骨量があったというべきか、馬体全体の骨格(フレーム)がけた外れに大きかったのです。

このキタサンブラック特有の馬体について、「キタサンブラックの体の大きさは、よく父ブラックタイドからと言われますよね。でも個人的には、そこは母の母の父ジャッジアンジェルーチからだと思っているんです。ジャッジアンジェルーチは吉田善哉さんがアメリカ競馬に憧れて導入した種牡馬だったんですが、岩のような体をした、いかにもアメリカ!という感じの馬でしたから」と徳武氏は語っています。なるほど、父ブラックタイド的な大きさではなく、サクラバクシンオーでもなく、母母父のジャッジアンドルーチかと感嘆しました。それが正しい正しくないの問題ではなく、馬体というものを血統と照らし合わせて考えてみると、より奥深さが見えてくるということです。

今週のクイーンSの出走馬を見渡して、フロンテアクイーンの馬体がとても良い印象を受けました。休み明けでもありふっくらとしていますが、前駆には力強さが漲っていて、トモには段差が見えるほどの筋肉が盛り上がっています。4歳時の馬体と比べても、胸に深さが出ただけではなく、馬体全体が長く映るようにスマートになりました。それまでは、馬体にやや重さがあったのですが、軽さが出てきたのです。この立ち写真を見て、かつてのオペラハウスからメイショウサムソンと経由してきた重さから脱却し、母父のサンデーサイレンス系の血が現れてきたと僕は感じました。

ヴィクトリアマイル2017 出走時
http://www.keibado.com/keibabook/170515/photo11.html

クイーンS2018
http://www.keibado.com/keibabook/itw/photo07.html

古馬になるにつれ、良くも悪くも、血統的な背景が馬体にも現れてくることが多いのです。若駒の頃はある程度の距離がこなせるつくりだったのに、古馬になって馬体が大きくなり、筋肉量が増えたばかりに、距離適性が短くなってしまうケースもあれば、フロンテアクイーンのように、前が重苦しかった馬体が古馬になって軽さを伴ってスッと立てる馬体へと成長を遂げることもあります。もちろん、フロンテアクイーンには父系から受け継いだパワーとスタミナが内在していますので、そこに軽さやスピードが加わったということです。札幌競馬場の洋芝は持ってこいの舞台ですし、スッと先行できる器用さと素軽さもありますので、今回は好勝負を期待して本命を打ちたいと思います。

Queens2018wt


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クイーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Queens

■1■スロー必至で先行馬有利
函館競馬場で行われた2013年を除く、過去9年の脚質別の成績は以下のとおり。
逃げ【2・0・0・7】   連対率22%
先行【4・4・1・23】  連対率25%
差し【2・4・8・31】   連対率13%
追い込み【1・1・0・31】 連対率6%

逃げ馬の連対率が(勝率も)22%という数字だけではなく、逃げ、先行馬からほとんどの勝ち馬が出ている。とにかく前に行けなければ勝負にならない。

これだけ先行した馬に有利になる理由として、札幌1800mのコース形状が挙げられる。スタートしてから1コーナーまでの距離が185mと短すぎて、かえってポジション争いがなく、スローペースになる。そして、コーナーが4つもあるため、後続がなかなか差を詰めることが出来ないまま3コーナーに突入してしまう。さらに、ゴール前直線も266mしかなく、平坦であることも手伝って、前が止まらない。よほどジョッキーたちが意識して早めに動かない限り、前残りのペースになることは避けられないだろう。

また、札幌競馬場は洋芝100%の芝コースであって、パワーだけではなく底力とスタミナが必要とされる。しかし、このレースに限って言えば、開幕週ということもあって馬場がほとんど傷んでおらず、まず何よりも勝つためには先行できる軽快なスピードが要求される。

■2■4歳馬有利
3歳馬  【4・1・1・15】 連対率24%
4歳馬  【0・3・3・27】 連対率9%
5歳馬  【2・5・5・34】 連対率15%
6歳以上 【3・0・0・16】 連対率12%

3歳馬と4歳馬から勝ち馬が5頭出ている(函館競馬場で行われた2013年を勝ったのも4歳馬のアイムユア―ズ)。競走馬としてのピークが短い牝馬の別定戦である以上、最も充実するはずの4歳馬の活躍が目立つのは当然のこと。未完成の3歳馬にとっては、この時期に古馬と3kg差で戦うのはなかなか厳しいが、だからこそ逆に、この時期に古馬相手に好走した3歳馬は高く評価してよい(昨年のアヴェンチュラはクイーンSを勝利したのちに秋華賞を制した)。

また、自身のピークが過ぎてしまっている5歳以上の馬は軽視しても構わないだろう。ただ最近は、調教技術が進歩して、高齢でも力が衰えていない馬もいるので要注意。もちろん個体差はあるが、この傾向はクイーンSがこの時期に行われる限り続いていくはず。

■3■内枠有利
前述のとおり、道中がスローで流れる可能性が高いのであれば、当然のことながら内枠が有利になる。スタートしてから1コーナーまでの距離が185mと極端に短く、1コーナーまでの位置取りは枠順によって決まることが多いので、逃げ・先行馬は是が非でも内枠を引きたい。ロスなく好位を確保できた馬にこそ、勝つチャンスが訪れる。

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アイビスサマーダッシュを当てるために知っておくべき3つのこと

Aibisu

■1■牝馬の活躍が目立つ
牡馬・せん馬  【4・6・5・69】 連対率12%
牝馬       【6・3・5・49】 連対率14%

過去10回行われたレース中、牡馬が勝ったのは4回。ハクサンムーンやパドトロワのように、G1レースで勝ち負けできるぐらいの牡馬でないと、このレースで牝馬に勝つのは難しい。勝ち星や連対率といった数字以上に牝馬にとって有利なレースである。

理由としては、以下の3つが考えられる。
①平坦コースで牝馬特有の切れ味を生かせる
②揉まれない
③牝馬は気を抜かずにガムシャラに走る

■2■ダート短距離血統の馬に注目
過去の連対馬を見ると、カリスタグローリー、サクラバクシンオー、Capote、スターオブコジーン、ウォーニング、フジキセキなど、ダートの短距離に強い血統の馬が並んでいる。このことからも、一気にアクセルを全開にしてトップギアに入ることのできる、後輪駆動のパワータイプが強いことが分かる。芝のスピードよりも、ダッシュするためのパワーが必要ということである。

■3■外枠有利というよりも
新潟直線1000mは外枠有利と言われるが、本当にそうだろうか。開催が進んで馬場の内側が傷んでくれば、外が走りやすいトラックバイアスが生まれることは確かだが、開幕週であれば馬場の内外は気にすることはない。それよりも、馬は埒(らち)を頼った方が走りやすいということである。直線だけの競馬は馬群が大きくバラけることが多く、他馬との間隔が開きすぎると、馬はフラフラして走りにくい。だからこそ、早めに埒(らち)を味方につけて突っ走った馬が有利ということになる。そういった意味では、手応えの良い馬が集まってくる外枠の方がレースはしやすい。


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ピンとくる馬がいないときは

Jiromaru

今週の火曜日、グリーンチャンネルの番組「地・中・海ケイバモード」に、ゲストとして出演させていただきました。1日かけて準備をして、当日のリハーサルに臨みましたが、1時間の番組が1時間半以上も押してしまい、本番は大幅に内容をカットすることに。結局のところ、馬のプロポーションを四角形と三角形を使って見る方法のみを説明するだけで終わってしまいました。自分の伝える力不足を痛感し、スタジオを後にしました。

番組の中で、函館2歳Sと中京記念を展望するコーナーがあり、私も出走馬の立ち写真を見て評価する役割をいただきました。事前に出走馬の写真を見て、それぞれのレースで1頭をピックアップして推すつもりでしたが、今回に限ってなんと1頭もピンとくる馬がいなかったのでした。僕はここ15年の間に、年間およそ80レース(重賞)に出走する馬の立ち写真を見て、その中で最も良く映る馬を取りあげてきました。ほとんどのレースではこれという馬がいるのですが、80レース中2つか3つはどの馬もあまり良く見えないというレースが存在します。特に、G1レースと違い、数頭の有力馬の立ち写真しか掲載されない普段の重賞レースで起こります。

そういう場合は、無理に馬券を買うことなく、様子見をします。僕が立ち写真を見て、ピンとこなかった馬の中から勝ち馬が出ることもありますが、ほとんどは立ち写真のなかった馬が勝利することが多く、賭けなくて良かったと胸をなで下ろすことになります。立ち写真が手元になければ、馬をピックアップすることもできませんし、当然のことながら、勝ち馬が写っていなければ、馬券を当てることも不可能です。そこは立ち写真予想にとってのひとつの限界なのです。

とはいえ、1頭もピンとくる馬がいませんでしたというわけにはいきません。本命を掲げることはできなくても、番組内ではそれぞれの馬に対してコメントをすることになりました。正確ではないかもしれませんが、以下のような評価を出しました(中京記念は時間の関係で本番はカットの憂き目に涙)。

ナンヨーイザヨイ
肩甲骨の角度がゆるやかで、距離適性はもっと長いところにありそう。
性格が真面目なので、この時期から、この距離で走っている。

アスターペガサス
ザッツ、アメリカ産馬という筋骨隆々の馬体で、いかにもスピードとパワーがありそう。
その分、ややスタミナには不安があるはず。

ホールドユアハンド
エスポワールシチーの産駒はこのようなコロンとした馬体の馬が多い。
ダートが合いそうだが、調教の動きは柔らかくて、芝も意外と走るかも。

カルリーノ
このメンバーの中では、特筆すべき点は少ないが、最も良くまとまっている馬体。
どんなレースになっても、安定的に力を出し切れるのではないか。

トーセンオパール
スウェプトオーバーボード産駒は小さく出るように、この馬もいかにも牝馬らしい線の細さがある。
その分、柔軟性や瞬発力には富んでいるので、パワーの牡馬とどこまで渡りあえるか。

それぞれの馬の馬体に短所と長所があり、一長一短というべきか、甲乙を付けがたかったのです。それは中京記念も同じでした。そう言えば、昨年は中京記念でウインが二オンの馬体に5つ☆評価をし、本命に推して的中しました。これぐらい素晴らしい馬体であれば、迷わず本命にするのですが。

☆2017年中京記念 ウインガニオン
http://www.keibado.com/keibabook/170724/photo09.html

ああ、番組の収録が1年前だったらと変な後悔をしつつ、さあ今年はどの馬を本命に推そうかと迷いに迷います。こういう時は、馬券を買わないに限るのですが、さすがにここまで書いて見(ケン)という訳にも行きませんので、馬体という観点ではなく、新種牡馬の産駒は走るという観点で(詳細は週刊Gallopの拙コラム「超馬券のヒント」をお読みください)、ダノンバラード産駒のガイセンを思い切って狙ってみたいと思います。

Hakodate2sais2018wt


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中京記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Tyukyokinen

■1■関西馬有利
マイル戦となった2012年以降の6年間の中京記念における、関東馬、関西馬別の成績は以下のとおり。

関東馬【1・2・0・13】連対率19%
関西馬【5・4・6・65】連対率11%

関西馬が4勝を挙げており、勝ち馬はほぼ関西馬が関東馬を圧倒している。これには長距離輸送の理由があるはず。栗東トレーニングセンターから、各競馬場までの所要時間は以下のとおり。東京競馬場は約6.5時間、新潟競馬場は約7時間、小倉競馬場は約8.5時間かかるのに対し、中京競馬場は約2時間である。京都競馬場までの約1時間、阪神競馬場までの約1.5時間と近く、長距離輸送によってサラブレッドが消耗することなくレースに臨めていることが好成績を生んでいるのである。

■2■ハンデ=実力と考える
中京記念はハンデ戦であり、過去10年間の連対馬のハンデを見ると、57kg以上が10頭連対している。ハンデが重いほど好走の傾向があるが、これはハンデが重いから走るのではなく、重いハンデを課せられていることは実力を認められていることを意味する。実力のある馬が、そのまま力を発揮しやすい舞台であり、ハンデ=実力と考えて狙って見ても面白い。

■3■差し、追い込み馬が有利
2012年からマイル戦で行われるようになり、より差し、追い込みが決まりやすくなった。過去4年間の脚質間のデータは以下のとおり。

逃げ【0・0・0・6】   連対率0%
先行【2・3・0・18】  連対率22%
差し【1・2・3・31】  連対率8%
追い込み【3・1・3・22】 連対率14%

逃げ馬よりも先行馬、差し馬よりも追い込み馬の方の勝ち星が多く、連対率も高いという珍しい傾向がある。これは中京競馬場のマイル戦は差し・追い込みが利きやすいからであろう。これまでは差して届かなかった馬たちのゴール前での大逆転が見られるレースと考えても良いかもしれない。


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函館2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodate2s

■1■牝馬も活躍しやすい舞台に
牡馬・せん馬 【5・3・5・57】連対率11%
牝馬      【4・6・4・51】連対率15%

パワーとスタミナを要求される洋芝100%の函館競馬場は、開催が進み、馬場が傷むことによって、ますますその傾向は強くなっていく。しかし、2011年までは8月上旬に開催されていたが、2012年から3週間繰り上がって7月となった。函館戦が開幕して8週目であったのが5週目となり、馬場の痛みが少ない状態で行なわれるようになるため、これまで以上にスピードと完成度に優る牝馬が活躍しやすい舞台となるだろう。

■2■1番人気は危険!?
1番人気は過去10年で【3・3・0・3】と、連対こそあれ、さほど勝ち切れていない。函館開催当初に、新馬戦を好タイムで圧勝したスピード馬が1番人気になるからである。上にも書いたように、開催が進むにつれ、素軽いスピードだけではなく、パワーとスタミナも問われる馬場へと変貌する。これによって、スピードを武器に圧勝して1番人気に祭り上げられた馬は苦戦するのだ。ただ、開催が早まったことにより、スピードと完成度の高い馬が勝利する可能性は高まったのも事実。

また、ラベンダー賞を勝った馬も人気に祭り上げられることがあるが、よほど早熟でない限り、この時点で2戦、しかも2勝しているということは、ローテーション的に余力が残っていない可能性が十分に考えられる。ラベンダー賞と函館2歳Sを連勝した馬が地方馬に偏っているのは、身体に負担の掛かりにくいダートを走ってきたからであろう。中央で芝のレースを2戦使ってきた馬は疑ってかかるべき。

■3■外枠有利
函館1200mはスタートから第1コーナーである3コーナーまでの距離が長いため、内枠と外枠での有利不利はほとんどない。あえて挙げるとすれば、開催が進むにつれ、内の方の馬場が悪くなってきているケースが多いので、馬場の良いところを走ることが出来る外枠を引いた馬が有利か。

また、キャリアわずか1、2戦の馬たちによる争いとなるため、馬群の中で揉まれてしまうよりは、多少のコースロスがあろうとも、馬群の外をゆったりと走られる方が力を出し切ることが出来るだろう。そういった意味においても、外枠からスムーズにレースを進められた馬が有利となる。


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「地・中・海ケイバモード」にゲスト出演します!

Keibamode

7月17日(火)22:00から、グリーンチャンネルの番組「地・中・海ケイバモード」に、ゲストとして出演させていただくことになりました。その番組名を聞いたとき、うまいこと言うなと思ったのがファーストインプレッションでした。MCの伊藤政昭とアシスタントの大澤玲美さんによるナビゲーションのもと、地方競馬のプロフェッショナル斉藤修氏、中央競馬の久光匡治氏、海外競馬の合田直弘氏による解説や分析を通して、地方も中央も海外もまるごと楽しんで、火曜日から競馬モードになろう!というテーマの競馬番組です。先週行われたレースから今週行われる重賞まで、盛りだくさんです。

番組の流れによって多少は変更があるかもしれませんが、今回私がお話しできればと考えているのは以下の内容です。

・現役馬が減点法で、当歳、1歳馬は加点法で馬体を見る
・馬のプロポーションについて(四角形で見る方法、三角形で見る方法)
・長躯短背について
・馬の脚の見かたについて(前腕、膝、菅、繋ぎ)
・種牡馬別馬体の見かた(ディープインパクト、キングカメハメハ、ロードカナロア、オルフェーヴル)
・馬体から観た函館2歳Sと中京記念の注目馬
・今年デビューする期待の2歳馬についてピックアップ

一口馬主クラブの募集時期でもあり、もちろんPOGのためにも、そして馬券を当てるためにも、知っておいて損はない馬体の知識や見かたばかりです。これだけの内容について語る時間を取っていただけることに感謝しつつ、これを機に「地・中・海ケイバモード」という素晴らしい番組を知って観る人が増え、「地・中・海ケイバモード」を観た視聴者の方々には、馬体を見る楽しみを伝えられたら幸いです。

今週の「地・中・海ケイバモード」
7月17日(火) 22:00~23:00
7月17日(火) 25:00~26:00
7月18日(水) 20:00~21:00
7月18日(水) 25:00~26:00

☆公式ホームページはこちら

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ダメージが抜けているかどうか

Jiromaru

ケンタッキーダービーから始まり、2週間後のプリークネスステークス、3週間後のベルモントステークスと続く、アメリカ3冠レースも苛酷ですが、2000mの皐月賞から始まり、2400mの日本ダービー、そして夏を越して3000mの菊花賞と連なる日本の3冠レースもまた違った意味において苛酷です。特に、スピードが重視されている現代のサラブレッドにとって、3歳秋の時点で3000mの長距離レースを走ることは簡単ではないはず。しかも雨が降って馬場が重くなってしまったりすれば、字ズラ以上のスタミナと精神力を問われる厳しい試練になることは間違いありません。

馬にとって最もダメージが残ってしまうのは、以下の3つの条件下で行われるレースです。

1、 長距離戦
2、 不良馬場
3、 レコード決着

ここで言う長距離戦とは、3000mを超えるレースのことを指します。前述したように、スピード化が進む現代の競馬において、長距離戦を走るために生産・育成された馬は珍しく、ほとんどの馬は本質的にはマイル前後を得意とするスピード馬です。そのような馬たちにとって、さすがに3000mを超えるような長距離のレースを完走することは容易ではありません。

本質的には合わない距離のレースを走ると、それだけダメージが残ります。自分の慣れた環境や得意とする舞台であれば感じなかった肉体的・精神的疲労が、そうではない状況下においては尾を引くのは私たち人間も同じではないでしょうか。たとえば、菊花賞を勝った馬や最後まで力を出し尽くして激走した3歳馬が、しばらくの間、目に見えない疲れを引きずって勝ち切れなくなってしまうという現象は毎年のように見られます。現代の日本馬たちにとって、3000mを超える距離のレースはそれだけで苛酷なのです。

不良馬場で行われるレースは、単に走りにくいという理由で、字ヅラの距離以上のスタミナを要求され、肉体的・精神的な疲労も想像を絶します。いつもとは違うフォームで走ったり、必要以上に力を入れて踏ん張ったりすると、あとから身体がガタガタになっていることに気づくことは私たち人間も同様でしょう。

ただでさえ走りにくい中、前を行く馬たちが蹴り上げる泥や芝生の塊が飛んできて顔面を直撃するのですから、レース自体が嫌になってしまう馬もいるかもしれません。そもそも不良馬場を得意とする馬などいません。本質的に合わない馬場を無理して走ったことでダメージが残ってしまうのです。

レコード決着とは、単に硬い馬場で行われたレースということではなく、極限のスピードが問われるようなパンパンの馬場において、全体的に速いラップを刻んだ、内容的に厳しいレースということ。ラスト3ハロンだけの競馬であれば消耗は少ないのですが、スタートからゴールまでしのぎを削るような激しい争いをしてのレコード決着を制する、またはその争いに加わることはサラブレッドの肉体をむしばむのです。

昨年(2017年)の菊花賞は上記の2つ(長距離戦であり不良馬場)に当てはまる苛酷なレースでした。勝ったキセキが未だに復活できていないのは、肉体的にもそうですが、精神的に燃え尽きてしまったことにも原因はあるのではないでしょうか。トリコロールブルーも母父がスピード馬のPivotalであり、3000m戦は間違いなく長かったはずですが、無理をして激走しなかった分、回復も早かったのかもしれません。菊花賞後に2連勝を果たし、休み明けの鳴尾記念では3着と好走しました。精神面に関しては外に表れにくく、見極めにくいという難しさがあるため、まずは肉体的に回復しているかどうかを見るべきでしょう。

函館記念2018出走時
http://www.keibado.com/keibabook/itw/photo06.html

牡馬にしては腹回りがやや巻き上がり気味に映りますが、皮膚は柔らかく、筋肉はふっくらとしていてリフレッシュされた状態を保っています。前走を叩いて、今回は肉体的にも精神的にも走れる状態に仕上がりつつあります。札幌記念まで見据え、今回はどれぐらいの仕上げになるのかがポイントです。友道調教師はマカヒキやワグネリアンを究極の仕上げで日本ダービーを勝たせたように、ここぞと狙いを定めて勝ちにいく手腕には目を見張るものがあります。最終追い切りは上々の動きでしたが、今回は90%ぐらいの仕上がりで臨めるのではないでしょうか。札幌記念とセットでこの馬は狙ってみたいと思います。


Hakodatekinen2018wt

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函館記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatekinen

■1■上がり馬が狙い目
G1       【0・2・2・12】 連対率13%
G2       【4・0・1・16】 連対率19%
G3       【3・2・2・22】 連対率17%
オープン特別 【2・5・3・56】 連対率11%
条件戦    【0・0・1・9】 連対率0%

函館競馬場で行われた過去19年で前走がG2レースから4頭、G3レースから3頭、オープン特別から2頭の勝ち馬が出ているように、これまでに実績のある馬ではなく、この夏に力を付けてきた(調子を上げてきた)馬が狙い目である。また、前走がオープン特別であった連対馬7頭中、5頭が巴賞出走馬である。函館記念1本に狙いを定めてきた上がり馬に注目すべき。

■2■2000m以上のスタミナが必要
トニービン、ニジンスキー、ノーザンダンサーなどの血を引く馬たちが活躍しているように、函館競馬場独特の洋芝によって、パワーはもちろんのこと、字ヅラ以上のスタミナが必要とされる。また、速い上がりが求められるレースになることはほとんどないので、瞬発力勝負では分が悪かった馬の巻き返しにも期待したい。

■3■内を通って差を詰めることの出来る差し馬
12.6-11.8-12.7-13.0-12.9-11.9-12.0-11.9-11.7-12.3(63.0-59.8)S
12.2-11.2-11.4-12.1-12.1-12.4-12.0-12.1-12.1-12.7(59.0-61.3)H
12.3-11.0-11.2-11.5-11.8-12.1-12.6-12.4-11.4-12.2(57.8-60.7)H
12.2-11.0-11.5-12.2-12.8-12.4-12.3-12.0-11.8-12.1(59.7-60.6)M
12.5-10.8-11.6-12.0-12.2-12.4-12.4-12.3-11.8-12.4(59.1-61.3)H
12.2-11.0-11.7-11.8-12.1-12.1-12.0-12.0-11.6-12.1(58.8-59.8)H
12.3-11.3-12.2-12.0-11.8-11.7-12.0-11.8-12.3-12.7(59.6-60.5)M
12.6-10.8-11.5-11.7-12.0-11.9-11.8-12.1-12.1-12.6(58.6-60.5)H
12.3-11.0-12.0-12.4-12.3-11.6-11.9-11.7-11.9-11.9(60.0-59.0)S
12.5-11.1-12.0-12.4-12.6-12.3-12.1-12.2-11.8-12.2(60.6-60.6)M

過去10年間のラップ構成を見ると(札幌競馬場で行われた年は除く)、ミドルペースからハイペースとなり、案外スローにはならない、毎年異なった展開で流れていることが分かる。ジョッキーが262mと短い直線を意識するため、向こう正面から既に動き出すからである。そのため、ペースや競馬場のコース形態のわりには逃げ馬が残りにくく、先行馬、そしてさらに、内を通って差を詰めることの出来る差し馬にとって有利なレースになる。


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君の名は

Yuichi

熱狂的というわけではなく、どちらかというと付かず離れずという表現が適切だろうか、福永祐一騎手をデビューの頃からずっと応援してきた。その名前の由来を知って、彼を応援しないわけにはいかないと思ったのだ。私の敬愛するミスター競馬と称される野平祐二騎手の祐と、日本競馬史上に残る偉大なジョッキーである父福永洋一騎手の一を取って、彼は名付けられた。彼がジョッキーになるのは運命であり、必然でもあった。ただそうした大きな期待が、彼にとっては大きな重圧や失望となり続けたこともまた事実である。なぜなら彼は野平祐二や福永洋一ではなかったからだ。

どの世界においても、努力の上に才能がある。努力し続けることができるのも才能のひとつだが、頂点を極めるためにはそれ以上の才能が求められる。努力だけでは如何ともしがたい才能である。頭脳でも肉体でも精神でも、ある世界を極めようとすると、そうした自分にはない種類の才能を持った人間が目の前に現れる。どれだけの時間を掛けて努力しても敵わないと悟ったとき、私たちは夢をあきらめて彼らを応援する立場に回ったり、別の生きる場所を探したりするだろう。でもそうはできない人間もいる。その世界で生きることが定められている人たちである。

自分が生きていかざるを得ない世界で、自分には才能がないと知ることはどのような気持ちだろうか。自分にトップに立つ人間が持つ輝きがないと悟り、騎手を続ける気持ちを失ってしまったこともあったに違いない。私たちには見えないところで、福永祐一騎手の心は右往左往していたはずである。それでも彼はいつしかジョッキーを続けることを選んだ。ただ続けるだけ、辞めないだけではなく、ジョッキーとしてできる限りの努力をしようと決心したのだ。藤原英昭厩舎の門を叩き、プライドを投げ捨てて、馬乗りの基本から学んだ。初心に帰り、動作解析やプロのトレーナーをつけ、フィジカルトレーニングを積み、科学的なアプローチで騎乗姿勢を見直し、安定化させた。

今年のダービーの最後の直線で、福永祐一騎手がワグネリアンを追う姿には、そんな彼の努力が凝縮されていた。勝ちたいという気持ちが先走って、少しだけ姿勢が浮いているように見えるのは愛嬌だが、あれだけの状況でも基本に忠実に馬に負担を掛けないように追うことができたからこそ、最後のひとムチに応えて、ワグネリアンがグッと伸びてくれたのだ。もちろん、道中のポジション取りも、馬の御し方も、脚の溜め方もパーフェクトであった。何よりも大一番で、馬を出していく決断をし、実行に移した最後の決め手は、福永祐一騎手の日本ダービーを勝ちたいという強い気持ちであった。それは努力をし続けてきたことで鍛えられた心であり、彼の強い心は才能がない人間による努力の賜物なのである。私には、福永洋一と野平祐二の名を継ぐ福永祐一が輝いて見える。

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プロキオンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Prokions

■1■1番人気が圧倒的に強い
過去11年間で1番人気は【3・3・4・1】と連対率約50%、複勝率約90%という圧倒的強さを誇る。これはが実績馬に有利な別定戦であることが最大の理由である。だからといって1番人気を買えばよいというのは早計で、実績馬がそれほど重い斤量を背負わされないため、力のある馬が順当に勝つというのが本当の意味である。

■2■結局のところ前に行った馬にとって有利なレース
12.3-10.5-11.5-12.0-11.8-11.6-12.6(34.3-36.0)H
12.2-10.6-11.1-11.7-11.9-12.1-12.3(33.9-36.3)H
12.0-11.0-11.5-11.7-11.6-12.0-12.2(34.5-35.8)H
12.3-10.1-11.0-11.9-12.1-12.4-12.9(33.4-37.4)H
12.0-11.0-11.6-11.8-11.6-11.7-12.3(34.6-35.6)H
12.3-10.8-11.5-11.8-12.1-11.8-12.4(34.6-36.3)H
12.1-10.9-11.4-12.1-12.0-11.4-11.9(34.4-35.3)M
12.0-10.7-11.3-11.6-11.5-11.9-13.6(34.0-37.0)H
12.1-11.0-11.0-11.5-12.0-11.8-12.5(34.1-36.3)H
12.2-11.0-11.5-11.8-12.0-11.8-12.3(34.7-36.1)H
12.0-11.1-11.5-12.0-12.3-11.4-12.2(34.6-35.9)H
12.2-10.7-11.2-11.3-11.8-12.0-12.9(34.1-36.7)H
12.2-10.9-11.1-11.8-12.1-12.4-12.4(34.2-36.9)H

過去10年のうち、阪神ダート1400mで行なわれた4レースは、ほぼ例外なくハイペースに流れていて、前に行く馬にとってはかなり厳しいレースとなっていた。なぜなら、阪神1400mダートコース(内回り)の最後の直線は352mと短く、前に行った馬にとって有利という意識がジョッキーに共通に働くため、どの馬もとにかく前に行きたがるからである。それでも先行馬が活躍していたのは、最後の直線が短いから。後ろから行く馬向きの展開になるにもかかわらず、意外と直線が短くて差し切れないという現象が起こっていた。この傾向は2012年から行なわれている中京ダート1400mコースでも変わらず、ハイペースにはなっても、結局のところある程度前に行った馬にとって有利なレースになるはず。

■3■外枠がやや有利
中京ダート1400mコースはスタート地点が芝となっていて、外枠から走る馬の方が芝を走る距離が長い。そのため、外枠に入った馬(特に先行馬)は、内枠に入った馬に比べ、スピードに乗りやすいという利点が生じる。先行・差し馬向きのレースと前述したが、特に外枠に入った先行馬には要注意である。

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七夕賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tanabata

■1■上がり時計不問
12.4-11.5-11.8-11.6-11.7-11.7-11.8-12.0-12.1-12.7(59.0-60.3)H 
上がり3ハロン36秒8
12.3-11.1-12.1-12.2-12.1-11.9-12.0-12.0-12.1-12.5(59.8-60.5)M 
上がり3ハロン36秒6
12.5-11.3-11.9-12.1-12.5-12.0-11.7-11.9-11.7-12.2(60.3-59.5)M 
上がり3ハロン35秒8
12.5-11.5-12.2-12.3-12.6-12.0-11.8-11.7-11.3-12.3(61.1-59.1)S 
上がり3ハロン35秒3
12.5-11.4-12.1-12.2-12.8-12.0-11.7-11.8-12.0-11.9(61.0-59.4)S
上がり3ハロン35秒7
12.3-11.1-12.4-12.4-13.2-12.0-11.7-11.5-11.7-12.2(61.4-59.1)S
上がり3ハロン35秒4
12.3-11.2-12.0-12.3-12.5-12.4-11.8-12.0-12.2-12.4(60.3-60.8)M
上がり3ハロン36秒6
12.1-10.7-10.9-12.3-12.6-12.3-12.1-12.1-11.7-12.1(58.6-60.3)H
上がり3ハロン35秒9
12.2-11.4-11.2-12.0-12.1-11.9-11.9-11.6-11.8-12.6(58.9-59.8)M
上がり3ハロン36秒0
12.0-11.3-11.5-12.2-12.5-12.4-11.8-11.4-11.1-12.0(59.5-58.7)M
上がり3ハロン34秒5
12.0-10.5-11.4-12.2-11.9-12.0-11.6-11.8-11.9-12.9(58.0-60.2)H
上がり3ハロン36秒6

最近はスローに流れる競馬が多く、上がりが速くなる傾向が出てきているが、それ以前は上がりが35秒を切るレースの方が圧倒的に少なかった。馬場の劣化と、息の入らないペースによって、上がり時計が不問になりやすい。軽い瞬発力ではなく、その対極にある、パワーとスピードの持続力が求められるレースである。当然のことながら、こういう上がり時計不問のレースでは前に行った馬が有利になる。

■2■マイラーでもステイヤーでも厳しい
直線の短い小回りコースということもあって、スタート直後からガンガン飛ばしていく速い流れになりやすく、最後は底力の勝負になり、豊富なスタミナが要求される。そのため、純粋なマイラーにとっては厳しいレースとなる。かといって、ステイヤーに向くかというとそうでもなく、ステイヤーは道中の速く厳しい流れに戸惑ってしまうことになる。どちらかに偏っていない、中距離馬を狙い打つべきである。

■3■ハンデがハンデにならない!?
斤量         成績       連対率
51kg以下     【0・0・0・12】   0%
52kg        【2・0・1・12】  17%
53kg        【1・2・2・14】  18%
54kg        【0・1・1・23】   4%
55kg        【1・2・5・20】   12%
56kg        【1・3・2・23】   11%
57kg        【6・2・1・13】   26%
57.5kg以上   【1・2・1・9】   25%

ハンデ戦にもかかわらず、ハンデが重くなるにしたがって連対率が上がる傾向がある。そして、勝ち馬は55kg~57kgのゾーンに集中している。ハンデキャパ―に評価された実力馬が、そのまま素直に力を発揮して結果を出す舞台と考えてよい。

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