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筋肉の柔らかさ=皮膚の薄さ、きめ細かさ

Jiromaru

ダイワメジャーは、個人的に大好きなサンデーサイレンス産駒の1頭です。馬体にはサンデーサイレンス産駒らしからぬ重厚さがあり、瞬発力や一瞬の切れ味というよりも、スピードの持続力とパワー、そして負けん気の強さで勝負していた馬でした。安藤勝己騎手とのコンビも絶好でした。最後の直線に向いて、安藤勝己騎手がムチを使わずに手綱だけでダイワメジャーを叱咤激励しつつ、他馬に近づけていくことで闘争心をあおって勝利するスタイルは彼ららしかったと思います。ノド鳴りを克服して天皇賞秋を勝ったとき、ダイワメジャーが地下馬道をウッホウッホと喜ぶようにして帰ってきたシーンは忘れられません。

さて、ダイワメジャーの種牡馬としての特徴は、産駒は骨格が雄大で、がっしりとした設計になっていること。筋肉量が豊富であること。額から鼻梁にかけて曲線を描くように膨れた兎頭。牡馬牝馬を問わず、腹袋がしっかりとしていて、いかにも健康そうであること。さらに脚元が丈夫な馬が多く、調教でも必要な負荷を掛けることができ、しかも仕上がりが早いといったところでしょうか。

ダイワメジャー産駒は、走る馬もそうでない馬も、同じような馬体の特徴を示すため、細かな差異がほとんどありません。金太郎飴のようでもあり、とても安定的に確実に、自身の特徴を伝えます。産駒の馬体を見ると、父ダイワメジャーのそれをコピーペーストしたように感じるぐらいの分かりやすさです。

そんな中、ダイワメジャー産駒の成否を分けるのは、筋肉の柔らかさだと僕は考えています。どの馬も総じて早い時期(2歳戦)から活躍しますが、ほとんどの馬が尻すぼみ、または頭打ちになってしまうのは、筋肉が次第に硬くなってしまうからです。年齢を重ねるにつれ、またはレースを使われるにつれて、筋肉が硬くなっていってしまう。筋肉の柔らかさを維持できるダイワメジャー産駒こそが、古馬になっても、上のクラスに行っても活躍できるということです。

ところで、筋肉の柔らかさ、または硬さとは一体どのようにして見分けるのでしょうか。馬を動かしてみると、肩の出が悪かったり、全体の動きがぎこちなかったりして、筋肉が硬くなっていることは見て取れます。歩かせているうちに、次第に硬さが取れてきたりもします。筋肉の柔らかい硬いは、動きの滑らかさやぎこちなさで分かるはずです。しかし、立ち写真など、動いていない馬を見て、どのようにして筋肉の硬さを見極めることができるのでしょうか。

筋肉の質と皮膚の質はつながっていると僕は考えています。皮膚が薄くて柔らかい馬は筋肉も柔らかい、その逆もしかり。皮膚は厚くて、筋肉が柔らかいという馬はいないはずです。だから僕は筋肉が柔らかそうだと見ているとき、その馬の皮膚感を見ているのだと思います。それでは、皮膚の柔らかさや硬さをどう見るのかというと、これがまた難しい(笑)。あえて言葉にして説明するとすれば、肌の細かさを見ているのだと思います。毛艶が光り輝いているからと言って、皮膚が薄いわけではありません。むしろ薄い皮膚の馬体は、光を適度に吸収し、ピカピカとは反射しないはずです。写真からでも、皮膚の細やかさが伝わってくる馬がいるのです。

今週のスプリンターズステークスの出走馬でいうと、ダイワメジャー産駒のナックビーナスは素晴らしい皮膚の柔らかさの持ち主です。つまり、古馬になっても筋肉が硬くならず、典型的な走るダイワメジャー産駒ということです。ここまで27戦コンスタントに走ってきても、筋肉の柔らかみを失っていません。だからこそ、長きにわたって走り続けることができるということでもあります。ここにきて馬体はさらにパワーアップしている感もあります。あまり速い時計の勝負になってしまうと勝ち切れない可能性があるので、雨が降って、馬場が重くなるのは望むところでしょう。この馬の逃げ切り、もしくは先行押し切りに期待したいと思います。

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中山芝1200m

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スタート時点から、第1コーナーである3コーナーまでは275m、そこからもさらに100mほど直線が続く。3~4コーナーにかけて、きついカーブになっているように見えるが、中間に直線が入っているため、実はスピードをほとんど落とすことなく回ることができる、全競馬場の中で屈指の高速コーナーである。またスタート時点が坂の頂上にあるため、ゴール前の残り200mの時点までは緩やかに下りながらレースが進むことになる。そのためペースは速くなりがちで、馬場さえ良ければ、かなりの速いタイムが出ることになる。

ゴール前の直線は310mと短いが、高低差2.3mの急坂が待っているため、ハイペースで飛ばした先行馬が末脚をなくし、中団待機の差し馬に交わされるという逆転劇が起こり得る。特にG1レースにおいては、道中が速く厳しいペースになりやすいので、前に行って粘り込むためには、相当な実力が必要とされる。ただし、差し馬はあまり後ろすぎても届かないため、ある程度前に行くことのできる先行力は必要とされる。

スタートからコーナーまでの直線距離が長く、コーナーも比較的緩やかであるため、内外の枠順で基本的には差はない。しかし、あまりにも内枠すぎると、インぴったりに閉じ込められ、かえってスピードに乗れないこともある。多少の距離損があったとしても、中~外枠の方がレースはしやすい。

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スプリンターズSを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■サマースプリントシリーズの最終戦として
1990年にG1レースに昇格し、それ以降、師走のスプリント決戦として定着していたが、2000年から秋の中山開催へと時期が変更された。この変更によって、夏に行われるサマースプリントシリーズとの結びつきが強くなった。夏競馬を使ってきた勢いを、ほとんどそのまま持ち込めるようになったということだ。そういう意味において、スプリンターズSはサマースプリントシリーズの最終戦と考えて良いだろう。

とはいえ、サマースプリントシリーズで目一杯走り切ってしまった馬は苦しい。2007年のサマースプリントチャンピオンに輝いたサンアディユがそうであったように、夏に3走もしてしまっていると、最後のスプリンターズSではガス欠を起こしてしまうことになる。また逆に、なんらかの事情があって、ここがブッツケになってしまった馬では、余程力が抜けていないとこのレースを勝つことは難しい。つまり、サマースプリントシリーズを使いつつ、スプリンターズSを最終目標に定めてきた馬を狙うべきである。

■2■基本的には差し馬が有利も
中山1200mのコースは先行馬にとって有利な形態となっているが、これだけハイペースになってしまうと、前に行けるだけのスピード馬にとっては苦しいレースになる。「短距離の差し馬」という格言もあるように、ハイペースについて行けて、なおかつ末脚もしっかりとしている差し馬が狙いとなる。

ただし、雨が降って道悪になった際は、考え方を180℃変えなければならない。平成12年のダイタクヤマトや平成16年のカルストンライトオ、平成18年のテイクオーバーターゲット、平成19年のアストンマーチャンが逃げ切ったように、道悪になると先行できる馬が圧倒的に有利になる。

スプリンターズSはパンパンの良馬場で行われても、重・不良馬場で行われても、前半の800mのタイムは実はほとんど変わらない。たとえば、平成17年に良馬場で行われたスプリンターズS(勝ち馬サイレントウィットネス)と、平成19年に不良馬場で行われたアストンマーチャンが逃げ切ったスプリンターズSのラップをご覧いただきたい。

平成17年 12.1-10.1-10.7-11.1-11.5-11.8 良馬場 
平成19年 12.0-10.3-10.8-11.1-12.0-13.2 不良馬場

これほど異なる条件下で行われた2つのスプリンターズSだが、テンの4ハロンのラップタイムはほとんど同じであることが分かる。平成17年がスローペースで流れたわけではない。どちらかというとハイペースで道中は進み、中団から進出したサイレントウィットネスが最後の急坂で差し切り、2着には最後方からデュランダルが32秒の脚で追い込んできた。パンパンの良馬場をハイペースで流れたスプリンターズSと、ドロドロの不良馬場のスプリンターズSの前半800mがほぼ同じラップなのだ。これはどういうことだろう?

これこそが雨のスプリンターズSは800mのレースであるということに他ならない。つまり、スタートしてから800mで究極のラップを刻むため、ラスト400mはどの馬もバテてしまい、レースどころの騒ぎではないということである。

また、競走馬はスタミナが切れたところを追い出されるとフォームを崩してノメるという特性があるため、4コーナー手前からはどの馬も真っ直ぐ走らせるだけで精一杯という状況にもなる。勝負は最初の800mで決まってしまうのだ。雨が降った場合は、スタートよく飛び出して、ハミをしっかりと噛みながらガンガン前に行ける馬を狙うべきである。

■3■1200m以上のスタミナ
スピード自慢の馬たちが揃うため、前半3ハロンは32秒~33秒前半というハイペースになり、さらに直線に急坂が待ち受けていることも加わって、後半3ハロンは35秒台の消耗戦となる。前半と後半で2秒以上の落差が生まれることによって、一本調子のスピード馬にとっては厳しいレースになり、このレースを勝ち切るためには1200m以上のレースを走るだけのスタミナが要求される。

■参考データとして 1、G1レース出走経験がないと× 2、前走オープン特別で敗れていた馬、または条件戦出走馬は× 3、1200m戦で連対率50%、かつ勝ち星があることが望ましい

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3歳馬は急激に成長し、大きく変化する

Jiromaru

若駒の成長スピードは、僕たちが想像するよりも遥かに速いです。3歳馬の1年間は、人間でいう17歳から20歳ぐらいまでの4年間に相当すると言われています。人間でもこの時期は目に見えるような急激な成長を見せることがあり、馬はその4倍の成長速度ですから、まさに日に日に馬が変わってゆくというのが実感でしょう。良くも悪くも、馬が大きく変わってゆくのです。その中でも、春のクラシック戦線に出走するような馬たちは早熟であるため、苛酷なレースを経験しながらも、(特に牡馬は)肉体的に大きな成長を遂げます。

皐月賞から日本ダービーまでの間には6週間という間隔があります。短からず長からず、この期間をどう過ごすかで、日本ダービー馬になれるかどうかが決まると言っても過言ではありません。皐月賞の反動が思っていたよりも大きく、ひたすらに体調が回復するのを待つだけで時間が経ってしまう馬もいれば、6週間をフルに使って、皐月賞の前以上にビシバシと鍛えられて、それに応えるように馬も成長していく馬もいます。今年の日本ダービー馬ワグネリアンはまさに後者でした。

正直に言うと、私はワグネリアンという馬をそれほど評価してはいませんでした。2戦目の野路菊ステークスの勝ちっぷりは素晴らしかったのですが、東京スポーツ杯にせよ、弥生賞にせよ、もう少し弾け方が足りないのは、馬体の前駆に硬さがあるからだと考えていました。立ち写真を見ても、手脚も首もスラリと長く、たしかに伸びのある馬体ではあるのですが、トモに比べて前駆が力強すぎて、しかも力みのある立ち方をしていました。

☆2018年皐月賞時
http://www.keibado.com/keibabook/180416/photo01.html

岡田牧雄さんと対談をさせてもらったときも、ワグネリアンをずっと推してきた岡田さんにカウンターを入れる形で、僕はダノンプレミアムの方を上に評価すると主張しました(結果的には、ワグネリアンが勝ち、岡田さんの馬を見る目の凄さが証明される形になりました)。対談が行われたのは日本ダービーの3週間ほど前であり、あの時点ではダノンプレミアムの馬体が上だと主張したのは間違ってはいなかったと思います。

しかし、皐月賞からダービーまでの6週間に、僕が知らないうちに、ワグネリアンは大きな成長を遂げていたのです。一頓挫あったダノンプレミアムが、本来の調子を取り戻すのに四苦八苦しているのを尻目に。今だからこそ告白しますが(後づけだと思われても結構です)、日本ダービー出走馬の立ち写真を見たとき、最も大きく変わっていたのはワグネリアンでした。皐月賞までの力強さと堅苦しさが同居していた馬体が、長めの距離に対応できるように厳しい調教を課されたことで、良い意味で馬体が枯れて、重苦しさが消えたのです。

☆2018年日本ダービー時
http://www.keibado.com/keibabook/180528/photo09.html

ここまで馬体が大きく変わった日本ダービー馬は珍しいですね。ワグネリアンの日本ダービーの勝因は、弥生賞や皐月賞を勝ちに行かず、馬を急かさなかったこと、本番では福永祐一騎手が腹をくくって積極的にポジションを取りに行ったことなど、他の複数の要因が絡み合ってのものですが、ワグネリアン自身に渾身の仕上げが施され、そしてそれに応えるようにワグネリアンがグッと成長を遂げたからだと思います。

さあ、休み明けの今回はどのような馬体になって登場してくるのかと楽しみにしていましたが、皐月賞とダービーのちょうど中間ぐらいですね。皐月賞より前の堅苦しさは抜けていますが、やや余裕残しにしている分か、日本ダービーほどの軽さはないということです。もうひと絞りできれば十分に走れる出来なので、神戸新聞杯では世代の頂点に立った馬の意地を見せてもらいたいと思っています。

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オールカマーを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■前に行ける馬が圧倒的に有利
12.6-11.5-12.4-12.3-12.2-12.6-11.8-11.8-11.3-11.4-12.6(61.0-58.9)S
12.3-11.8-13.0-12.4-12.3-12.4-11.6-11.4-11.2-11.8-11.8(61.8-57.8)S
12.5-11.5-12.4-12.3-12.3-12.2-12.1-12.0-11.3-11.2-11.6(61.0-58.2)S
12.4-11.1-12.2-11.9-12.4-11.9-12.0-12.2-11.7-11.7-11.9(60.0-59.5)M
12.3-11.3-12.6-12.2-12.1-11.7-11.9-11.6-11.8-11.4-12.3(60.5-59.0)S
12.6-11.3-12.4-12.5-12.6-12.9-12.6-12.6-12.0-11.7-12.3(61.4-61.2)M
12.8-11.1-12.1-11.7-11.9-11.8-12.2-12.1-12.4-11.8-12.1(59.6-60.6)H
13.0-11.0-11.4-12.2-12.9-12.2-12.4-12.1-12.0-11.4-11.6(60.5-59.5)S
12.5-10.9-12.4-12.4-12.6-12.6-11.9-11.7-11.4-11.7-11.8(60.8-58.5)S
12.8-11.7-13.2-12.9-12.5-12.5-12.1-11.3-11.2-11.6-12.0(63.1-58.2)S

前半が上りで、後半が下りという競馬場のコースのアップダウンの影響も大きいのだが、過去10年間のラップタイムを見るだけで、オールカマーというレースが必然的に極端なスローペースになることが分かる。開幕3週目の絶好の馬場も手伝って、前に行ける馬が圧倒的に有利になる。これだけの速い上がりを求められる以上、前に行ける馬にとって圧倒的に有利になることは間違いない。

■2■夏を使ってきた馬
これは9月競馬全体に言えることだが、まだこの時期においては、休み明けの実績馬よりも夏競馬を使ってきた上がり馬の方が優勢である。この時期はまだまだ暑く、休み明けの馬にとっては調整が難しく、レースに行っていきなり能力を発揮しづらい。ところが、休み明けの馬は実績のある馬であることが多いため、たとえ仕上がりが悪くても、どうしても人気になってしまう面は否めない。私たちは春競馬での強い姿を覚えているので、ある程度の期待と幻想を持って、休み明けにもかかわらず実績馬を人気に祭り上げてしまうのだ。

過去10年の勝ち馬を見ても、7月以降のレースを使っていた馬が3頭に対し、春以降ぶっつけで臨んできた馬が7頭と休み明け馬が優勢だが、出走馬の実績を考えると、休み明けの馬にとっては苦しいという結果が出ている。特に、春シーズンを最後まで戦い抜き、出がらしの状態で休養に入った馬にとっては、9月の段階で本調子に仕上げ直すのは非常に難しい。

■3■長くいい脚を使えるタイプ
中山2200mコースの特性として、第2コーナーから最終コーナーにかけて、フォルスストレート(偽直線)を約500m下って最後の直線に向かうことになる。ラスト1000mのラップが恐ろしく速いのはそういうことでもあり、良い脚を長く使えるタイプの馬に適した舞台である。過去の勝ち馬を見てみると、バランスオブゲームしかり、3連覇したマツリダゴッホしかり、瞬発力勝負では分が悪いが、スピードを持続させる力に富んだ馬が強い。

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神戸新聞杯を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■とにかく前走ダービー上位組
過去10年のうち、前走ダービー組から8頭の勝ち馬が出ている。連対馬にまで対象を広げても、20頭中14頭が前走ダービー組である。さらに日本ダービー優勝馬は【4・1・0・0】連対率100%、2着馬は【3・2・0・3】連対率62%以上と抜群の成績を残している。紛れのない府中2400mで行われるダービーで勝ち負けになった馬は、たとえ休み明けでも確実に勝ち負けになる。とにかく、ダービー上位組を狙うべきレースである。

■2■瞬発力があり、先行できる馬に有利
阪神2400mはスタートしてから最初のコーナーまでの距離も長く、休み明けの馬が多いこともあってスローペースは否めない。そして、緩やかな3~4コーナーをゆっくり回るため、どうしても直線に向いてからのヨーイドンの競馬になる。当然のことながら、先行できる馬にとって有利になり、「折り合いに不安のある馬」、または「瞬発力のない馬」にとっては苦しくなる。枠順としては、スローになる分、どちらかというと内枠有利。

■3■さほどスタミナは問われない
2007年から距離が400m延長されたが、この時期の芝は軽いことや、阪神2400mコースの特性上、さほどスタミナを問われるレースにはならない。よって、前走ダービー上位組以外を狙うのであれば、夏を越して力をつけてきたステイヤーを狙うのではなく、ただ単純に夏の上がり馬を狙うだけでよい。上がり馬だけに、前走で勝っていることは最低条件になるだろう。


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ディープインパクト産駒は母系に想いを馳せる

Jiromaru

ディープインパクト産駒は、母系の血が色濃く出ているほど走ると私は考えています。日本競馬史上最強馬であり、種牡馬としても父サンデーサイレンスを超えようとする勢いのディープインパクト自身ではなく、母もしくは母の父などの良さが引き出されている産駒ほど、大きな舞台でも活躍する傾向があるからです。ジェンティルドンナやハープスター、リアルインパクトやミッキーアイル、キズナなど、牝馬・牡馬問わず、ディープインパクト似の馬は1頭たりともいません。つまり、ディープインパクト産駒の馬体は、母や母父をイメージしながら見ると良いということです。

今週行われるローズSに出走する、ディープインパクト産駒のアンコールプリュという馬がいます。春当時から何となく注目していましたが、まだ線が細く、いかにもパワー不足という馬体でした。しかし、夏を越した馬体を見ると、大きく成長しているのが分かります。特に胸前の筋肉量が増えて、たくましくなりました。さらにトモにも実が入ってきて、前後のバランスも良く、全体的にパワーアップした印象です。もともとスピードが勝っている馬でしたが、馬体的にも2000m以下の距離が合っている馬体に変化していますね。

これだけの成長を遂げた影響元を考えたとき、母系を見てみると、まずは母オイスターチケットを思い出して納得します。1200mのすずらん賞を逃げ切り、ファンタジーS(G3)を3着して牝馬クラシック戦線に乗りましたが、距離が長くて好走できなかったように、典型的な短距離馬でした。何よりもオイスターチケットは坂路コースを使って筋骨隆々の馬を育てる松田国英厩舎の管理馬であり、この馬も例にもれませんでした。アンコールプリュは夏を越して、母オイスターチケットの影響が出てきたのか、松田厩舎らしい馬体に変わってきているのです。

さらに遡ってみると、オイスターチケットの父ウイニングチケットの名前が目に入ります。今から25年前、1993年の日本ダービー馬です。正直に言うと、その頃はサラブレッドの馬体などほとんど見ておらず、ウイニングチケットが黒鹿毛であったこと以外の馬体に関する情報は皆無です。ネットで検索してみても、現役時代の立ち写真は見ることができず、走っている姿等から想像するしかありません。種牡馬になったときの立ち写真なども参考にしてみる限り、マイラーに近い馬体だったのではと思うのです。日本ダービーを勝った馬にしては、それほど馬体には伸びはなく、おそらく2000m以下がベストの距離だったのではないでしょうか。あのダービーは、柴田政人騎手の意地とウイニングチケット自身が絶好調だったからこそ勝てたのでしょう。

アンコールプリュの馬体の成長には、母系のオイスターチケットやウイニングチケットの影響が色濃く出ていることが分かります。ディープインパクト産駒だけに、母系の良さが表に出ているのは、アンコールプリュがこれから走ってくるであろうことの証明でもあります。ローズSの1800mの距離はギリギリだと思いますが、ペースもそれほど速くなることはありませんので、折り合いさえつけば問題なくこなせるはずです。肉体的に大きな成長を遂げたアンコールプリュが、秋初戦からどのような走りを見せてくれるのか期待しつつ、本命を打ちたいと思います。

Roses2018wt


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セントライト記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■夏の上がり馬に注目
9月競馬全般に言えることだが、この時期はまだまだ暑く、休み明けの馬にとっては調整が難しいため、レースに行っていきなり能力を発揮しづらい。セントライト記念の傾向として、夏にレースを使っていた馬の活躍も目立ち、ダービー以来の休み明けで勝った馬は、過去10年で5頭と勝率50%のみ。力が抜けている馬であれば別だが、休み明けをいきなり勝つのは案外難しい。2010年は夏にレースを使ってきた馬がワンツーフィニッシュを決めたように、好配当を期待するならば、夏の上がり馬にまず注目すべきレースである。

■2■切れよりも地脚の強い馬
中山2200mは、2コーナーが丘の頂上となっていて、そこからゴールまで緩やかな下りが続く。3コーナーが軽く舵を切るだけで曲がれるため、2コーナーから4コーナーまでは500mの擬似直線と考えることも出来る。そのため、3コーナー付近からロングスパートのレースになりやすく、距離以上のスタミナを要求されることになる。一瞬の切れを武器にする馬ではなく、良い脚を長く使える地脚の強い馬を狙うべきである。

■3■前に行ける馬を狙え
これも9月競馬全般に言えることだが、この時期だけは夏の間にしっかりと養生されたことで、芝がしっかりと根を張った野芝100%の状態になっているため、多少のハイペースで行ってもなかなか前の馬は止まらない。これに中山競馬場の直線の短さが加わって、差し・追い込み馬にとってはかなり苦しいレースになる。ただし、ロングスパートでスタミナが問われることがこたえるのか、逃げ切りも意外と難しい。つまり、前に行ける先行馬、もしくは3~4コーナーまでに好位を確保できる馬にとって有利なレースになる。

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ローズSを当てるために知っておくべき3つのこと

Roses

■1■前走オークス組と夏の上がり馬がほぼ互角
過去10年の勝ち馬の前走を見ると、G1オークスもしくは桜花賞以来の馬が8頭、条件戦からは2015年のタッチングスピーチ、2017年のラビットランの2頭のみ。休み明けでも実績馬に分がある。連対馬に手を広げても、G1オークス(もしくはNHKマイル)以来が4頭、条件戦(もしくはG2・3)からが6頭と、こちらはほぼ互角となる。

これは、牝馬は総じて仕上がりが早いということに理由があるだろう。この時期であれば、基本的には夏にレースを使っていた馬が有利なのだが、たとえ休み明けであっても、春の実績馬がある程度までキッチリと仕上がって出走してくるということである。つまり、春のクラシックを走ってきた実績馬が夏の上がり馬と五分に戦える舞台となっている。

■2■紛れが少なく、内枠有利なコース設定
改修後の阪神1800mは、スタートしてから最初のコーナーまでの距離が長く、直線も長いため、
激しい先行争いもなく、極めて紛れの少ないコースといえる。別の言い方をすると、ごまかしが利かないため、スタミナのないマイラーでは苦しい。また、コーナーを緩やかに回るので、馬群が固まりやすく、外枠を引いた馬は外々を回されやすい。内枠を引いた馬が有利である。

■3■瞬発力勝負に強い馬
改修後の阪神1800mコースの特性上、どうしても道中がスローで、最後の直線に向いての瞬発力勝負になりやすい。そういった意味では、前に行ける先行馬にとって有利となるが、後方からでも瞬発力に優れていれば差し切れる。

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健康で強い馬を見極める方法

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社台ファームの獣医師である下村優樹さんが、一口馬主になりたい人のために、馬体について語るブログを始めて驚いた。というのも、サラブレッドの獣医師の仕事は早朝から深夜まで、時期によっては夜を徹しての苛酷なものであるだけに、どれだけ書く内容はあったとしても、実際に書くのは難しいだろうと思っていたからだ。だから今まで、獣医師さんが書き綴ったブログなんて見たことがない。忙しくてそれどころではないのだ。しかも見てもらえば分かるが、ここまで書き込むのか、いやここまで書いていいのかと思わせる内容になっている。知識も経験も豊富な獣医師さんに、ここまで書かれては誰もがお手上げだろう。

下村さんのことを社台ファームの獣医師と称してしまったが、あくまでも便宜上であって、肩書でしかない。彼はドイツやアメリカに渡って修行を積み、日高の馬産地に戻って、現在は馬の診療業務はもちろん、母馬のお腹に命が宿る段階から、誕生そして育成、競馬場でデビューするまでの競走馬のマネージメントに日々取り組んでいる。さらに国内・海外のセリへ参加し、馬の購買も行っている。そして何よりも、彼は競馬が大好きで、好きな馬はバブルガムフェロー、メジロドーベルなど、私の熱狂時代とも重なるキャリアの持ち主であり、自らも一口馬主となって楽しんでいるほどだ。

彼とする競馬の話は尽きない。1年ほど前に、注目している種牡馬の話になり、彼はトウケイへイロ―の種牡馬としての可能性について熱く語ってくれた。「トウケイへイロ―は突然変異だと思うんです。血統は決して良いとは言えないのですが、とにかく馬体のバランスが素晴らしいんです。まさにアスリートというか、走るために必要な筋肉が無駄なくついている感じ」と言う彼の熱意にほだされ、私までトウケイへイロ―の産駒を誕生させたいと思ったほどである。種付け料30万円の種牡馬を未来の名種牡馬だと思わせるだけの気概が彼にはあるということだ。

ぜひ隅々までブログを読んでもらいたい。これまで書かれてきた記事のアーカイブも、全て目を通してみた方がいい。そこには競馬のプロにしか書けない知見が埋め込まれている。ブログは現在進行形である。彼が日々、生産の現場で感じていること、考えていることがリアルタイムで更新されていくのだろう。ここだけの話だが、私も生産現場の情報を手に入れたいときは彼に尋ねるし、自分の解釈の正しさを確認したいときは彼に聞く。現在進行形で馬券やPOG、一口馬主を楽しむ私たちは必見である。私のブログは更新頻度が少なくなってしまったが、その代わりと言ってはなんだが、彼のブログも併行して読んでもらえると嬉しい。

追伸
この度の北海道地震は馬産地にも影響を及ぼしており、どのタイミングで連絡をすべきか迷いつつ、人馬ともに無事であることを祈っています。彼がブログの記事で書いた、サラブレッドにたずさわる人々の想いや馬に勇気づけられる気持ちは、競馬ファンならばぜひ知ってもらいたいです。


☆「一口馬主になりたい人必見!競走馬の生産者が考える! 健康で強い馬を見極める方法」はこちら

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ハーツクライ産駒は気性によって距離を走る

Jiromaru

アメリカのサラトガ競馬場で行われたウッドワードS(ダートG1・1800m)を、ハーツクライ産駒のYoshidaが制しました。日本産馬としては初の海外ダートG1制覇となり、芝でもダートでも、短距離でも長距離でも、オールマイティに活躍馬を出すサンデーサイレンス系の血の凄さを改めて感じました。そもそもサンデーサイレンス自身がアメリカのダート競馬で走っていただけに、孫がアメリカのダートG1を勝ったところで驚くべきではないのかもしれません。どちらかというと、ハーツクライの産駒からダートのG1馬が出たことが驚きでしょう。

YoshidaのウッドワードSでの走りを見ると、道中は馬群の内の苦しいポジションに閉じ込められ、キックバックをまともに受けていましたが、ひるむことなく、大外に持ち出されると脚をグイグイ伸ばしての完勝でした。ペースが速くなったことで、スタミナを問われる流れになったこともYoshidaにはプラスに働いたのでしょうが、それにしても力強い末脚は今後のさらなる活躍を期待させてくれますね。

ハーツクライ産駒の馬体的特徴のひとつとして、骨格の美しさや雄大さがあります。骨格の美しさや雄大さという点ではディープインパクトやキングカメハメハ産駒よりも上だと思います。傾斜のゆったりとした背中のラインと胴部の長さがあり、いわゆる長躯短背。肩も立っておらず、なだらかな角度。太すぎず細すぎず、短すぎず長すぎない首が理想的な角度でついています。このような馬体を誇るハーツクライ産駒は、ダートよりも芝、短距離よりも長距離を走った方がより良さを発揮できることは確かです。

とはいえ、ハーツクライ産駒が芝の長距離を滅法得意とするのは、馬体的な理由だけではありません。気性的に大人しく、落ち着いているからです。そうした気性の良さがあるからこそ、レースに行ってもエキサイトして体力を消耗することが少なく、また騎手の指示に素直に従うことができるため、引っ掛かることも稀です。スタミナが豊富であることも大切ですが、それ以上に道中で余計な動きをしないことがステイヤーに求められる資質として重要なのです。ハーツクライ産駒で長距離を得意として走る馬は総じて気性が大人しいはずです。ちなみに、ハーツクライ産駒の牝馬がマイラー寄りになってしまうのは、牡馬に比べて気性のきつさが表に出てしまうからだと思います。

つまり、ハーツクライ産駒は気性によって距離を走るということです。肉体的な資質や能力は総じて高いため、ハーツクライ産駒の距離適性を最終的に決めるのは、それぞれの気性ということです。前述のYoshidaがダート1800mのG1を勝てたのは、キックバックにもひるまない激しい気性の持ち主だからです。そして、今週の京王杯オータムハンデに出走するロジクライがマイル戦線で好走しているのは、馬体だけを見ると、胴部も手脚も長く、中長距離馬のそれですが、前進気勢の強い、勝気な気性を有しているからに他なりません。特に秋の開幕週の中山競馬場は前が止まらない馬場であるため、ロジクライのような前向きな気性の馬にとっては有利なレースになる傾向があります。Yoshidaに続き、ノンジャンルの活躍馬を出すハーツクライ産駒としての勝利をロジクライにも期待したいと思います。

Keiohaiah2018wt


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セントウルSを当てるために知っておくべき3つのこと

Centauruss

■1■内枠の逃げ、先行馬
阪神の開幕週ということもあり、馬場の傷んでいない内の経済コースを通られる馬は当然ながら有利になる。また、馬場が軽くて前が止まらないことや、下記のようにあまり速いペースにならないことが原因となって、阪神1200mコースは最後の直線が356mと比較的短く、逃げもしくは先行馬にとって有利なレースとなる。内枠に入った逃げ・先行馬がいたら、とりあえず狙ってみるのも面白い。

12.2-10.8-10.9-11.0-11.2-12.2(33.9-34.4)M
12.0-10.2-11.1-11.7-12.0-11.6(33.3-35.3)H
12.2-10.5-10.7-10.9-11.1-11.7(33.4-33.7)M
12.0-10.7-11.2-11.5-10.8-11.8(33.9-34.1)M
12.2-10.6-11.3-11.3-11.0-12.1(34.1-34.4)M
12.0-10.3-10.9-11.0-11.2-11.9(33.2-34.1)M
12.0-10.9-10.9-11.0-10.9-11.8(33.8-33.7)M
11.8-10.3-10.8-11.0-11.2-12.3(32.9-34.5)H
11.9-10.8-11.3-11.1-10.9-11.8(34.0-33.8)M
12.3-10.2-10.6-10.8-11.2-12.5(33.1-34.5)H

■2■牡馬とほぼ互角に走る牝馬
過去10年間において、牡馬(セン馬含む)が【5・8・4・80】に対し、牝馬は【5・2・6・38】とほぼ互角の成績を残している。サマースプリントシリーズの最終戦であり、スプリンターズSの前哨戦でもあるという、複雑な思惑の絡んだレースではあるが、夏競馬の勢いそのままに牝馬の活躍が目立つ。開幕週で馬場が軽いということも理由のひとつであろう。

■3■夏場に使っていた馬
        勝ち馬          前走時期
平成20年 カノヤザクラ       7月20日
平成21年 アルティマトゥーレ   7月19日
平成22年 ダッシャーゴーゴー   8月15日
平成23年 エーシンヴァーゴウ   8月14日
平成24年 エピセアローム     8月19日
平成25年 ハクサンムーン     7月28日
平成26年 リトルゲルダ      8月24日
平成27年 アクティブミノル     4月11日
平成28年 ビッグアーサー     3月27日
平成29年 ファインニードル     8月20日

過去10年の勝ち馬は、アクティブミノルとビッグアーサー以外は7、8月の夏場にレースを使っている。9月のこの時期は、中央開催に戻ってきてはいるものの、まだまだ暑く、休み明けの馬は調整が難しい。どれだけ力のある実績馬であっても、仕上がり途上の段階で、重い斤量を背負いながら、いきなりトップギアでの走りを期待するのは難しい。ここをステップにスプリンターズSに向かう馬VS夏競馬を使ってきた馬という構図になるが、このレースに限っては後者が有利。実績馬よりも、夏場を使っていた馬の方に妙味がある。舞台が阪神に移ったとはいえ、夏競馬の延長線上にあると考えるべきである。


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京王杯AHを当てるために知っておくべき3つのこと

Keiseihaiautumnh

■1■内枠を引いた逃げ・先行馬有利
過去10年のレースラップを見てみると、道中で速いラップを刻み続けるだけではなく、前が止まりにくいことを意識して各馬が良いポジションを取りに行くため、前半が後半に比べて速い前傾ラップになることが多いことが分かる(下記)。

12.4-11.1-10.8-11.0-11.4-11.8-11.6-11.9(45.3-46.7)H
12.7-10.9-11.5-11.2-11.5-11.5-11.6-11.7(46.3-46.3)M
12.2-10.1-10.5-11.2-11.9-11.9-12.2-12.1(44.0-48.1)H
12.7-10.5-10.9-11.2-11.5-11.6-11.8-11.9(45.3-46.8)H
12.4-11.6-11.4-11.7-11.4-11.2-11.3-11.8(47.1-45.7)S
12.0-11.0-11.0-11.1-11.5-11.7-11.8-11.8(45.1-46.8)H
12.2-10.9-10.9-11.1-11.1-11.2-11.5-11.8(45.1-45.6)M
12.6-10.6-10.8-11.2-11.5-11.5-11.9-11.7(45.2-46.6)H
12.7-11.3-11.4-11.6-11.7-11.5-11.3-11.8(47.0-46.3)M
12.5-10.9-11.2-11.2-11.3-11.5-11.6-11.4(45.8-45.8)M
*新潟競馬場で行われた2014年は除く

前傾ラップになって前に行った逃げ・先行馬にとっては苦しい展開になるにもかかわらず、逃げ・先行馬が残って上位を占めることが多い。それだけ馬場が絶好であるため、前が簡単には止まらないということである。ペースが速くなることを承知で、それでも逃げ・先行馬を狙うべき。もちろん、中山の1600mコースは内枠有利が定石で、逃げ・先行馬が内枠を引けば大きく有利になることは間違いない。

■2■瞬発力ではなく持続力が問われる
4月以降の開催となるため、野芝の養生期間が長く、根がしっかりと張った野芝100%の極めて軽い馬場で行われる。そのため、スタートからゴールまで速いラップが刻まれ、一瞬の脚ではなく、どれだけスピードを維持できるかという持続力が問われるアメリカ型のレースになりやすい。アメリカ血統の馬、ノーザンダンサー系(特にノーザンテースト、ダンチヒ)の馬が、意外な好走を見せるものここに理由がある。

■3■牡馬優勢
同じ日に阪神で行われるセントウルSとは対照的に、牡馬が【6・7・9・93】と牝馬【3・2・0・16】を数の上で圧倒している。過去10年で牝馬の勝ち馬はキストゥへヴンとザレマ、エクセラントカーヴのみで、連対馬に拡げてみてもアプリコットフィズしかいない。前述のとおり、どれだけスピードを維持できるかという持続力が問われるアメリカ型のレースになりやすいため、一瞬の脚で勝負したい牝馬にとっては苦しい戦いになる。

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夏は牝馬の馬体的理由

Jiromaru

夏は牝馬、という格言があります。先週のキーンランドカップを勝ったナックビーナス、関屋記念もディープインパクト産駒の牝馬のワンツースリーで決着したように、夏競馬で活躍する牝馬は多いのです。牝馬が夏に強い理由はいくつかあって、牝馬は暑さに強いというものから、夏競馬は高低差のほとんどない平坦な競馬場で行われるからというものまで。前者は生物学的な理由であり、後者は物理的な理由(坂道を駆け上がるにはパワーが必要ですが、アップダウンの少ない平坦なコースでは、非力な牝馬の能力が削がれることがないから)と言うべきでしょうか。

もうひとつ肉体の特性を付け加えると、夏競馬が行われる函館、札幌、小倉、福島などの競馬場は、小回りで直線が短いことも、牝馬が夏に活躍する理由として挙げられます。最後の直線が長ければ、スタミナにものを言わせてジワジワと伸びても相手を捕らえられますが、小回りかつ最後の直線が短いコースで勝ち切るためには、一瞬でスパッと切れる脚が求められる。1ハロンだけ、いやもっと短くても良く、他馬を抜き去る一瞬のスピード(瞬発力)が武器となるのです。最後の直線が短いことで、牡馬のスタミナを生かした地脚の強さが殺され、牝馬のスピードを生かした瞬発力が生きるということです。

さて、馬体的な観点としては、毛艶にも牝馬の調子の良さは如実に現れます。牝馬は冬場になると冬毛が生えてきて、一気に毛艶が悪くなります。調子が悪くなったから毛艶が冴えなくなるというよりも、寒くなったことで自然と冬毛が生えてきて、それに合わせて競走馬としての調子が悪くなってくるということです。つまり、走れる身体ではなくなってくるということですね。牡馬にも季節による毛艶の浮き沈みはありますが、牝馬はアップダウンが激しい。冬場が冬眠に入ったようにくすんだ毛艶になり、夏場は逆にピカピカの毛艶を誇る。毛艶は鏡のように、牝馬の調子の良さを映し出します。

今週行われる小倉2歳ステークスにも多くの牝馬が出走します。どの牝馬も調子が良さそうで目移りしてしまいますが、新馬戦の内容が良かったタムロドリームに本命を打ちたいです。ハイペースを自ら逃げてつくり出し、そのまま余裕の手応えで押し切りました。現時点ではやや前が勝った体型だけに、最後の直線が平坦な小倉競馬場は合うのではないでしょうか。もちろん毛艶もピカピカですね。顔つきを見るといかにも気性が素直そうで、2、3番手からでも競馬はできて、持てる力を全て出し切ることができるはずです。前走からさらに上積みが見込めますし、好調と仕上がりの早さを生かして、タムロドリームが勝利すると見ています。

Kokura2sais2018wt

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