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筋肉の柔らかさ=皮膚の薄さ、きめ細かさ

Jiromaru

ダイワメジャーは、個人的に大好きなサンデーサイレンス産駒の1頭です。馬体にはサンデーサイレンス産駒らしからぬ重厚さがあり、瞬発力や一瞬の切れ味というよりも、スピードの持続力とパワー、そして負けん気の強さで勝負していた馬でした。安藤勝己騎手とのコンビも絶好でした。最後の直線に向いて、安藤勝己騎手がムチを使わずに手綱だけでダイワメジャーを叱咤激励しつつ、他馬に近づけていくことで闘争心をあおって勝利するスタイルは彼ららしかったと思います。ノド鳴りを克服して天皇賞秋を勝ったとき、ダイワメジャーが地下馬道をウッホウッホと喜ぶようにして帰ってきたシーンは忘れられません。

さて、ダイワメジャーの種牡馬としての特徴は、産駒は骨格が雄大で、がっしりとした設計になっていること。筋肉量が豊富であること。額から鼻梁にかけて曲線を描くように膨れた兎頭。牡馬牝馬を問わず、腹袋がしっかりとしていて、いかにも健康そうであること。さらに脚元が丈夫な馬が多く、調教でも必要な負荷を掛けることができ、しかも仕上がりが早いといったところでしょうか。

ダイワメジャー産駒は、走る馬もそうでない馬も、同じような馬体の特徴を示すため、細かな差異がほとんどありません。金太郎飴のようでもあり、とても安定的に確実に、自身の特徴を伝えます。産駒の馬体を見ると、父ダイワメジャーのそれをコピーペーストしたように感じるぐらいの分かりやすさです。

そんな中、ダイワメジャー産駒の成否を分けるのは、筋肉の柔らかさだと僕は考えています。どの馬も総じて早い時期(2歳戦)から活躍しますが、ほとんどの馬が尻すぼみ、または頭打ちになってしまうのは、筋肉が次第に硬くなってしまうからです。年齢を重ねるにつれ、またはレースを使われるにつれて、筋肉が硬くなっていってしまう。筋肉の柔らかさを維持できるダイワメジャー産駒こそが、古馬になっても、上のクラスに行っても活躍できるということです。

ところで、筋肉の柔らかさ、または硬さとは一体どのようにして見分けるのでしょうか。馬を動かしてみると、肩の出が悪かったり、全体の動きがぎこちなかったりして、筋肉が硬くなっていることは見て取れます。歩かせているうちに、次第に硬さが取れてきたりもします。筋肉の柔らかい硬いは、動きの滑らかさやぎこちなさで分かるはずです。しかし、立ち写真など、動いていない馬を見て、どのようにして筋肉の硬さを見極めることができるのでしょうか。

筋肉の質と皮膚の質はつながっていると僕は考えています。皮膚が薄くて柔らかい馬は筋肉も柔らかい、その逆もしかり。皮膚は厚くて、筋肉が柔らかいという馬はいないはずです。だから僕は筋肉が柔らかそうだと見ているとき、その馬の皮膚感を見ているのだと思います。それでは、皮膚の柔らかさや硬さをどう見るのかというと、これがまた難しい(笑)。あえて言葉にして説明するとすれば、肌の細かさを見ているのだと思います。毛艶が光り輝いているからと言って、皮膚が薄いわけではありません。むしろ薄い皮膚の馬体は、光を適度に吸収し、ピカピカとは反射しないはずです。写真からでも、皮膚の細やかさが伝わってくる馬がいるのです。

今週のスプリンターズステークスの出走馬でいうと、ダイワメジャー産駒のナックビーナスは素晴らしい皮膚の柔らかさの持ち主です。つまり、古馬になっても筋肉が硬くならず、典型的な走るダイワメジャー産駒ということです。ここまで27戦コンスタントに走ってきても、筋肉の柔らかみを失っていません。だからこそ、長きにわたって走り続けることができるということでもあります。ここにきて馬体はさらにパワーアップしている感もあります。あまり速い時計の勝負になってしまうと勝ち切れない可能性があるので、雨が降って、馬場が重くなるのは望むところでしょう。この馬の逃げ切り、もしくは先行押し切りに期待したいと思います。

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