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このようなジョッキーに騎乗してもらえて幸せ


菊花賞2018―観戦記―
内枠からポンと飛び出して、ジェネラーレウーノがハナ争いを一瞬で制したことにより、2ハロン目も速くなることなく、前半からペースが軒並みに落ち着いた。道中はどれだけ折り合いをつけながら、最後まで脚をためておくことができるかの勝負になり、そのようなレースはお手の物である、欧州出身のクリストフ・ルメール騎手とミルコ・デムーロ騎手のワンツーとなった。決してどちらもが抜けて強い馬に乗っていたというわけではなく、騎手の腕だけでワンツーにした。裏を返すと、日本人騎手たちは道中で脚をためながら折り合いをつけることができておらず、下手に乗ったということでもある。

勝ったフィエールマンは、前走1800mからの一気の距離延長を物ともしない走りで、最後の3冠を手にした。この馬がステイヤーであるのかと問われると、現時点では自信を持って首を縦に振れないところだが、ステイヤーとしての秘めたポテンシャルがあったということは確か。たとえ上り3ハロンが34秒2の瞬発力勝負のレースになったとしても、2400mを走ってそこからのラストスパートである。豊富なスタミナがなければ、発揮できない末脚である。道中も我慢が利いたように、ジョッキーの指示に従うことのできる賢さもあるのだろう。

ルメール騎手は、勝ちぐせがついているというべきか、常にどのレースでも騎乗馬を勝たせようと無心で乗っている。変に消極的に後ろに下げてみたり、強気に先行しようとしてバタついたりすることなく、馬のリズムを優先しつつも一緒に勝ちを目指している。日本で騎乗をスタートしてからも、日々、経験と実績を重ねながらも上手くなっているように思え、現時点でもすでに非の打ちどころがない、完璧なジョッキーである。このようなジョッキーに騎乗してもらえる、馬はもちろんのこと、その関係者は幸せだ。

エタリオウは惜しくも敗れてしまったが、この馬の力は出し切った。スタートしてから少しずつ馬の集中力を高めていき、それに伴って道中のポジションも上げていく騎乗はさすがであった。今年の菊花賞のスローペースにおいては、2回目の坂越えをしたのちのロングスパートでは間に合わなかったはず。たらればではあるが、もう少し流れてくれたら、勝負どころから一気にまくり上げて、先頭でゴールできていただろう。デムーロ騎手にとっても陣営にとっても、どうしようにもどうにもできない、もどかしさの残るハナ差であった。

3着に入ったユーキャンスマイルは、レースの流れに乗って、持てる限りの力を発揮した。これ以上求めようのない結果であり、武豊騎手もしっかりと仕事をしていた。それにしても、友道厩舎は中距離以上のスタミナを問われるレースに強い。道中は行きたい気持ちを抑えて、勝負どころでは最後まで踏ん張ることを、調教を通して馬たちに教えている。

1番人気のブラストワンピースは、思っていたよりも後ろのポジションになり、外を回してしまった分、切れ負けてしまった。先々週の京都大賞典で池添騎手は前が詰まって力を出し切れなかった競馬をしただけに、外を回そうとしたのは仕方ないし責められない。この馬においても、もう少しペースが速くなり、上りが掛かる展開になれば勝ち負けになっていたことは間違いない。

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Comments

エタリオウの単勝負だったのでずっと追ってたのですが、スタートから2コーナー過ぎ、向こう正面から最後の直線と見所だらけで堪能し尽くしました。恐らく事前に立てていた作戦の内の一つだったんでしょうね。なんというか、鞍上の意思を感じましたし、これで負けたなら仕方ないと思えました。以前インタビューでデムーロ騎手がレースに挑むにあたって、自分の乗る馬だけではなく、対戦する全馬のレースを見ると話してたのですが、途方もないですね。差はつく一方なのか・・

Posted by: やっとこ | October 22, 2018 at 02:42 AM

やっとこさん

おはようございます。

エタリオウはこう乗るべきという乗り方で、単勝を買っていた人から見ても納得でしたね。

レースに向かうまでの戦略の部分だけではなく、馬に乗る技術も圧倒的に違うので、乗れば乗るほど経験が加わって、差が開いていく一方です。

今日の菊花賞は象徴的なレースだったと思います。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 23, 2018 at 10:40 AM

やっとこさん

おはようございます。

エタリオウはこう乗るべきという乗り方で、単勝を買っていた人から見ても納得でしたね。

レースに向かうまでの戦略の部分だけではなく、馬に乗る技術も圧倒的に違うので、乗れば乗るほど経験が加わって、差が開いていく一方です。

今日の菊花賞は象徴的なレースだったと思います。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 23, 2018 at 10:41 AM

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