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毛艶から夏の過ごし方が伝わってくる

Jiromaru

僕が競馬を始めた頃、週刊誌や新聞にしか載っていない有力馬の情報を、目を皿のようにして、穴が開くほど見ていた記憶があります。特に有力馬が夏休みに入ってしまうと、途端に情報が少なくなり、あの馬は今のような気持ちになることも少なくありません。そんな時、「優駿」や「週刊Gallop」、「競馬ブック」などに有力馬の夏休み企画などが載ると、あの馬は順調に来ているらしい、あの馬は調整が少し遅れているのでぶっつけ本番になるらしい、といった貴重な情報に食いつくようにして読んでいました。それほどに、一流馬がG1レースで走る姿を心待ちにしていたのです。

今はインターネット上に情報があふれており、G1ホースたちの夏休み企画にもざっと目を通す程度になってしまいました。そんな心境にもかかわらず、「週刊Gallop」8月5日号の表紙を飾ったアーモンドアイの姿を見たとき、ふとあの頃の熱狂が蘇ってきたのです。アーモンドアイの瞳はきらきらと輝いて、柔和な顔つきからは気持ちにゆとりがあることが伝わってきました。そして、あまりの毛艶の美しさに、まじまじと見とれてしまったのです。順調に夏を過ごせたことが手に取るように分かり、秋初戦と言われている秋華賞での走りが楽しみで仕方なく思いました。

岡田スタッドの岡田牧雄さんと、サラブレッドの毛艶について、こんな会話をしたことがあります。

岡田 皮膚の厚い馬は(特に夏場の)パドックなどではビカビカに光り、たとえばジェンティルドンナやブエナビスタのような皮膚の薄い(繊細な)馬は、(特に冬場になると)馬体がくすんで映ります。ハイビジョンになってからはテレビで見ても分かるようになってきましたね。競馬ファンの皆さまも、一生懸命に見たら分かると思いますよ。

治郎丸
ピカピカに光っている馬の方が皮膚は柔らかそうですが、そうではないのですね。繊細な毛の馬は光を反射するのではなく吸収してしまうから、しっとりとくすんで映ってしまうのでしょうか。毛艶と皮膚の薄さの関係性について、僕は逆に考えていましたので、とても勉強になりました。

夏を順調に過ごしたアーモンドアイの毛艶のどこが素晴らしいのか、言葉で表現するのは意外に難しいです。ピカピカというよりは、しっとりしているように映ります。光を反射する毛艶の良さというよりは、光を吸収して吸い込んでしまうようなそれ。筋肉の柔らかみが皮膚の柔らかみとつながり、それが毛艶を通して表現されている。大げさかもしれませんが、ほんとに美しい毛並みでした。その後も、夏休み中や美浦トレセンに戻ってきて、秋のレースに向けて調整を重ねるアーモンドアイの写真を見るたびに、美しい毛艶は相かわらずで、順調に来ていることが伝わってきます。毛艶は語るのですね。

アーモンドアイにとって、春シーズンの疲れも癒え、休み明けとしてはこれ以上ない完璧な仕上げによる秋初戦となりそうです。本番前にひと叩きされ、体調がアップして臨んでくる他の有力馬もたくさんいると思いますが、それでもアーモンドアイが順調に来ている以上はこの馬以外に本命は打てません。ロードカナロア産駒の夏を越しての成長は試金石ではありますが、たとえ成長力に乏しいとしても、春は圧倒的な力差を誇ったアーモンドアイに他の3歳牝馬が勝つのは至難の業でしょうか。馬券的には面白みに欠けることは百も承知で、今回は大人しく単勝馬券を片手にアーモンドアイの3冠を応援したいと思います。

Shukasyo2018wt


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