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世界へ


スプリンターズS2018―観戦記―
台風を控えた雨が降りしきる中、やや重馬場にてスタートが切られた。内枠を利してワンスインナムーンが先頭に立ち、好スタートを決めたナックビーナスとラブカンプーが続く。前半600mが33秒0、後半600mが35秒3という、やや上りが掛かる馬場を差し引くと、このメンバーとしては平均ペースに流れた。前に行った馬も止まりにくい馬場であり、その状況の中、ゴール前で計ったように全馬を差し切った勝ち馬は、力が一枚上であった。

ファインニードルは、高松宮記念に続く春秋スプリントG1連覇となった。スピードとパワー、そして追われてから前の馬を捕らえようとする闘争心がこの馬の強さを支えている。5、6分の仕上がりで快勝した前走からの反動だけが心配であったが、まったくの杞憂に終わった。香港のチェアマンズスプリントは4着と惜敗してしまったが、もう1度、暮れの香港スプリントに出走し、世界へと挑戦してもらいたい。もう日本国内のスプリント戦には敵がいない。

川田将雅騎手は落ち着いて騎乗し、何とかファインニードルを勝利に導いた。スタートから最終コーナーを回るまで、決して走りたいポジションを走ったわけではなく、むしろ高松宮記念よりも道中は苦しい流れになったはず。それでもジタバタすることなく、最善手を選び、最後の直線まで極力マイナスを大きくしないように心掛けていた。貯金はできていないが、借金も最小限に抑えるイメージ。さすが外国人ジョッキー2人に続いて、連対率0.359(9月30日時点)という高さと安定感を誇る日本のトップジョッキーである。

2着に敗れたラブカンプーは、天性のスピードと前向きさで馬体の小ささを見事にカバーしている。今回のゴール前もそうだが、片方の耳が後ろに絞られていないように、意識の半分は後ろから迫りくる勝ち馬を気にしつつ、もう半分は力まず最後までリラックスして走れているのだ。もうひと踏ん張りさせるために、できるだけ最後まで馬を両側に置いて気を抜かせないような工夫が必要かもしれない。それにしても、3歳牝馬の身でアッと言わせてしまうのだから、この先、馬体がさらに大きく成長していけば、G1レースを勝ち切れる資質の高さは備えている。

ラインスピリットはスタートから最後の直線に向くまで、馬自身もジョッキーも絵に描いたような完璧なレースをすることができたが、前が開きそうで開かず、やや脚を余してしまった。もし前が壁にならず、1頭分のスペースが開いていたとしたら、2着にラブカンプーは交わしていただろうし、ファインニードルともかなり際どい勝負になったのではないか。関係者にとっては驚くほどの激走であり、それゆえ悔やみきれないほどの口惜しさであろう。

ダイメイプリンセスは重い馬場が合わなかったというよりも、体調がピークを過ぎていて、いつもの行きっぷりの良さに欠けていた。終始ポジションが悪く、勝ち負けには加われなかった。ナックビーナスは力の要る馬場は得意なはずだが、長い首を低く使って走る馬だけに、上滑りするような馬場ではバランスを崩してしまったのかもしれない。

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Comments

治郎丸さん いつもお疲れ様なんです(^^;

ファインニードル強かったですね。あそこから道悪の馬場すら関係なく飛んで来るんですから凄いですよね。高松宮記念のパドックで見たときにまさか完成したかもと思うような馬体になっていたので結果やっぱり予感は的中とゆう感じです。しかし馬券は3連系は武騎手を拾えなくてダメでしたがラブカンプーの複勝だけ獲らせてもらいました。しかしラブカンプーまだ3歳の身の上で夏に3走してお釣りがないはずなのにあのメンバーでこれですからほんとうに恐ろしく凄い馬が現れましたね。これからも引退するまでこの馬と心中するつもりで追いかけたいと思います。ユビキタス以来また追いかけたくなる馬が出来ました。

Posted by: ユビキタス | October 02, 2018 at 10:49 PM

ユビキタスさん

こんにちは。

ファインニードルも強いのですが、ラブカンプーも強い競馬をしましたね。

逃げ粘ったというよりも、しっかり最後まで伸びていました。

まだ余力があるようにも感じたので、この先、気持ちが切れなければもっと強くなると思いました。

複勝の的中おめでとうございます!

Posted by: 治郎丸敬之 | October 05, 2018 at 03:06 PM

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