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パドックで馬を見て、馬券を当てる!(中編)

Paddock02

パドックで馬を見ても分からない。それは正直な考えであり感想だろう。ここで言う分からないとは、走る走らないを見極めるのは難しい、つまりパドックで馬券を当てるのは至難の業であるということだ。日々馬と関わっているプロフェショナルでさえ、「パドックを見ても分からない」と明言する。

トップトレーナーの藤沢和雄調教師は、「馬体は見ません。鞍を付けてゼッケンを置いてしまうと私の目には分かりづらいから」と言い、伊藤雄二元調教師は、「これだけ長いこと競馬に携わっている私でも、分かりませんと答えるしかありません」と難しさを語っていた。

『武豊TV』に出演した松永幹夫調教師は、地方競馬のパドックで人気馬の歩様がおかしいことを発見し、絶対に来ないと踏んで、ほくそ笑んで馬券の対象から外したところ、その馬がブッチ切って勝ってしまったという笑い話をしていた。このような話は数え切れないほどある。

谷中公一元騎手は、著書『ファンが知るべき競馬の仕組み』の中で、パドック解説者についてこう語る。「意地の悪い仮定をしてみよう。一切のデータを渡さず、オッズも見せず、パドック解説者に馬の良し悪しを語ってもらったとする。結果はまず間違いなく、メチャクチャになると思う。少なくとも僕は、血統や実績を知らないまま、勝ち馬を見抜くことはできない。明らかにダメな馬は分かる。しかし、どの馬が勝つか、ということまではわからない」 とても正直な意見だと思うし、私も同感である。

つまり、馬体や馬の動きや仕上がりだけを見極めることができても、どの馬が走る(勝つ)のかにはたどり着かない。なぜならば、能力の存在があるからである。どれだけ馬体や仕上がりが良くても、能力の足りない馬は走らない。その逆もまた然りである。パドックを見ても、その馬の走る能力は分からない。

それは馬の心理・精神状態においても同じである。もし馬の心理・精神状態が分かっても、その走る能力は分からない。大前提としては、馬の走る能力の差がある程度は分かっていた上で、どの馬がその能力を発揮できるのか、または発揮できないのかを判断するのがパドックを見るということなのだ。それでは、どのようにして馬の能力を測るのか。これは私の経験上の考えだが、パドックを見て馬券を買うときには、あまり出走馬のことを詳しく知りすぎていても良くない。余計なことを知っていると、先入観を持って馬を見てしまう。素直にその馬自身を見れなくなってしまうのである。

だからこそ私は、中央競馬の下級条件や地方競馬、海外の競馬場で馬券を買うときにこそ、パドックを見る。そもそも私はパドックの見方をアメリカの競馬場で修行させてもらった背景があるため、全ての出走馬の情報がほとんどないという前提でパドックを見る。情報があると、迷ってしまうことの方が多い。

とはいえ、たとえば出走馬10頭の情報が全くない中で、パドックを歩いている10頭の中から勝ち馬を選ぶのは難しい。アメリカの競馬場で右も左も分からない中、パドックを見始めたときは、真面目にそうしていたが、能力が分からないのでなかなか当たらなかった。どうすればよいのかと自問自答した。

余計なことを知りすぎてしまうと、馬を素直に見ることが難しくなる。しかし、全く知らなければ、走る能力の優劣が分からず、馬券につながらない。たどり着いた答えは簡単で、オッズを見るということだ。どの競馬場にもある、電光掲示板やテレビモニターに映し出されている各馬のオッズを見ることだ。

ここでがっかりした方も、ため息をつかれた方もいるだろうし、なるほどと思われた方もいるだろう。パドックを見るときには、最低限の情報として、オッズだけは知っておくべきである。オッズとは、その競馬場のそのレースにおける出走馬の優劣を極めて客観的に示す値なのだ。

ただし、ご存じのとおり、競馬のレースはオッズ通りには決まらない。人気のある馬は好走する確率は高く、人気のない馬は低いのは確かだが、オッズ通りには決着しない。それは競馬のレースや走るサラブレッドが生き物であるからである。サラブレッドも能力どおりに走ることができない日もあるのだ。

オッズという数字だけを頼りに、パドックを歩く馬たちの優劣や能力の凸凹を頭に入れながら、馬の心理・精神状態そして性格を見る。そうすることで、実力を素直に出し切れそうな人気馬とそうでない人気馬が見極められてくる。逆に、能力が劣る馬については、たとえ良く見えても馬券は買えない。

このあたりは意見が分かれると思うが、パドックは力のある馬が今日は力をきちんと発揮できるかどうかを見極める場であり、能力の劣る馬が激走することを予見できる場ではないと私は思う。つまり、パドックでは穴馬を見つけるのではなく、勝てる能力のある馬たちがどのような走りをするのかを見るのだ。

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Comments

オッズというと厄介極まりない存在で、オッズを見て右往左往することが多いのですが、その馬の能力の目安ということを意識すると違って見えるかもしれないですね。早速次から取り入れてみたいです。

最近(特に条件戦では)スタートが全てだなー、ということをレースを見ていてよく思います。スタート決めてすっと先団の内を取れたら勝ったも同然のような。。そんな馬をパドックで判別出来ないものですかねー。

Posted by: やっとこ | January 30, 2019 at 05:32 PM

やっとこさん

そうですね。

オッズが正確に能力を示すとは限りませんが、能力や勝てる可能性を客観的に示すひとつの目安になると思います。

特に海外の競馬場に行くと、オッズに助けられることが多いですよ。

おっしゃる通り、地方競馬や中央の条件戦は道中のポジションが重要です。

このあたりは応用編になりますが、パドックの雰囲気とその馬の脚質を見て、想像していくしかないと思います。

たぶんこの馬はゲートで暴れて、出は良くないだろうな…、など。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 08, 2019 at 11:08 AM

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