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インティ、強すぎ。


フェブラリーS2019―観戦記―
武豊インティが内からスタートダッシュを決めると、外からサンライズソアは2番手に控え、あっさりと隊列は決まった。前半マイルが48秒0、後半マイルが47秒6のフラットな流れは、昨年のハイラップ(45秒8-50秒2)と比べると、このメンバーにしてはゆったりとしたペース。インティに鈴をつけに行くとバテてしまうかもと思わせる速さと強さがあるからこそ、2着に入ったゴールドドリーム以外の後続の馬たちは手も足も出せなかったというのが総評である。

インティの強さは天性のスピードにある。力んで走ってしまい、引っかかるような一本調子のそれではなく、リラックスして速く走ることができる。前走の平安ステークスもそうであったように、今回も先頭に立っても耳を絞ることなく、道中は8分ぐらいの力加減で走っていることが分かる。このようなスピード馬は、騎手としても乗りやすく、余力を残して直線に向くことができる。これで7連勝となり、唯一先頭でゴールできなかったのは初戦の未勝利戦のみ。その時は外から被せられる競馬であったので、今後、馬群に揉まれてどうかという懸念材料はあるが、スピードがありすぎて外から被せられる場面はなかなかないだろう。つまり、よほどの馬ではない限り、これからもインティをということになる。

武豊騎手は今年最初のG1レースを制したばかりか、現在24勝を挙げてリーディングの首位を走っている。エージェントの問題も大きいが、それ以上に今年の武豊騎手は本人のイメージ通りに乗れている印象が強い。この先、暖かくなって、クリストフ・ルメール騎手やミルコ・デムーロ騎手らが巻き返してくるだろうが、今の好循環を崩さないように騎乗し続けることができれば、今年こそはリーディング争いの一角に加われるはず。そうでなければ盛り上がらないし、日本の若手をもっと引っ張ってもらいたい。当たりの柔らかい武豊騎手とインティは実に手が合っており、このコンビがどこまで勝ち進めるのか見守りたい。

ゴールドドリームは、ルメール騎手にうながされるようにして好位を走り、最後まで良く伸びて、昨年の覇者である面目を保ってみせた。相変わらず馬体は素晴らしく、精神面でも安定してきたことで、確実に末脚を発揮できるようになった。暮れの東京大賞典は一頓挫あった後の一戦で万全ではなかったが、今回は1週間前の追い切りで動いたように、抜群の仕上がりでの出走となった。ルメール騎手もレースの流れを読んで、できる限り前目のポジションを攻めたが、今回は相手が速くて強かった。インティとぶつからないようにレース選択をすれば、まだまだG1を勝てるチャンスと能力は十分に残っている。

ユラノトは福永祐一騎手がコースロスなく立ち回り、実力を発揮しての3着。上位2頭とは力の差があるが、この馬自身も力をつけてきている。キングカメハメハ産駒らしく成長力もあり、今年は充実した1年になるだろう。モーニンは和田竜二騎手が積極的に乗って、4着を確保した。前が止まらない馬場を生かした、渋い騎乗であった。

話題となった藤田菜七子騎手は、コパノキッキングを後方から走らせ、最後の直線で大外から伸びて掲示板を確保してみせた。賛否両論あるだろうが、無理に抑えることなく先行させていたとしても4着が精いっぱい、もしくは大きく崩れていたかもしれない。個人的には、この馬にとっては距離が長いことを補うための後方待機であったが、馬場状態を考慮に入れると、コパノキッキングの行く気に任せて前に行った方が、見せ場はつくれたはずと思う。いずれにしても、これはオメガパフュームにも当てはまるが、古馬と同斤量で走る明け4歳馬にとっては厳しいレースになった。両4歳馬共、やや人気になりすぎた面は否めない。藤田菜七子騎手はこれだけの注目を集めながらも、最後までしっかりと騎乗できていた。あの福永祐一騎手でさえ、初めてのダービーは舞い上がって、キングヘイローで逃げてしまったのだから。

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