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天皇賞春を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■真の名馬と真の調教師、そして真の騎手が一体となって

真の王者を目指し、古馬が集結する春の天皇賞。数々の名勝負が演じられ、過去の勝ち馬には歴戦の名馬が名を連ねる。淀の3200mという舞台で勝利するためには、真の実力を持っていなければならない。「スタミナ」はもちろんのこと、高速馬場に対応できる「スピード」、「瞬発力」、そして、「スローペースに折り合える精神力」を備えていることが求められる。このうちのどれか1つでも欠いては、天皇賞春のタイトルを手にすることはできない。もちろん、先天的な資質だけで全てを兼ね備えている馬は滅多にいないので、足りない部分は調教師によって補われる必要も出てくるだろう。

また、長距離戦であるため、騎手の腕も問われる。道中の駆け引き、ペース判断、仕掛けのタイミングまで、騎手がコントロールしなければならない(することができる)要素が多く、騎手の腕の差がレースの明暗を分けてしまうこともある。過去の勝利騎手を見てもらえれば分かるように、いずれも名手と呼ばれるのにふさわしい騎手たちである。

つまり、天皇賞春は「真の名馬と真の調教師、そして真の騎手が一体となって」、初めて勝利することができるレースである。

■2■ステイヤーはピークが長い

ステップレースである阪神大賞典での1着馬と2着馬の、天皇賞春での成績を比較してみると明確な傾向が見て取れる。

阪神大賞典1着馬の天皇賞春での成績【8・1・5・8】

阪神大賞典2着馬の天皇賞春での成績【0・4・1・14】

以下の2点が導き出せるだろう。

1)阪神大賞典での勝ち馬は、本番である天皇賞春の勝ち馬と結びつきが非常に強い

2)阪神大賞典の2着馬が、本番で逆転する(巻き返す)ことは難しい

なぜこのような現象が起こるかというと、「ステイヤーのピークは長い」からである。

ステイヤーはピークの期間が比較的長いため、阪神大賞典での体調を天皇賞春でも維持することができるのである。阪神大賞典を勝った実力馬のピークが続いている以上、力負けしてしまった馬にとって逆転することは難しく、他の路線から余程の有力馬が出て来ない限り、阪神大賞典を勝った馬は本番の天皇賞春をも制する可能性が高いということになる。

■3■極限の仕上がりが求められる

天皇賞春は3200mという距離ゆえに最も苛酷なレースであり、勝つためには極限の仕上がりが求められる。ギリギリまで絞り込むぐらいの調教を施されたピークの状態において、自身の能力を100%発揮することができなければ勝つことはできない。直前の追い切りをさらっと済ませてしまっているような馬では、3200mの長丁場を乗り切ることができるのかどうか不安が残る。もちろん、休み明けの馬にとっても厳しいレースとなるだろう。

■参考として

1、前2走のいずれかで2500m以上のレースを走っていないと×

2、マイネルキッツ、ジャガーメイル、ゴールドシップの3頭を除くと、過去20年間で全ての勝ち馬は4歳馬か5歳馬

3、前走成績は5着以内が望ましい

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【今週のWIN5】マイラーズC、フローラSなど

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今週のWIN5はパッと見渡してみたところ、かなり難解である。難しさの1つは、メインレースであるフローラステークスの力関係が分かりにくいことにある。これまでのWIN5はメインレースで外してしまうことが多かったので、先週のように、メインレースである皐月賞(サートゥルナーリア)が分かりやすい方が個人的には当てやすい。前半は広い網をかけて狙いつつ、後半のメインレースにかけて収束していくイメージである。

メインレースのひとつであるマイラーズカップは、ダノンプレミアムの力が抜けていて分かりやすいのではないかという意見もあるが、脚元をすくわれる可能性も十分にあると考えている。普通であれば確勝を期して臨めるはずだが、蹄の状態を見ながらの調整だけに、どこまで完調で出走してこられるか分からないところがある。ダノンプレミアムを負かすなら、前に行ける同厩のパクスアメリカーナであり、マイラーズカップはダノンプレミアムとパクスアメリカーナの2頭を狙いたい。

フローラSは考えれば考えるほど難しくなってゆくので、こういう時こそシンプルに考える。「フローラSを当てるために知っておくべき3つのこと」でも書いたように、500万下を勝ちあがってきた、キャリア3戦以上の馬を狙いたい。意外と人気馬が好走することや内枠が若干有利であることも踏まえつつ、ウィクトーリアとエアジーン、フェアリーポルカの3頭に絞ってみる。

ここからはさらに難しくなる。京都10Rの桃山Sはこのクラスで安定した走りを見せているフリーフリッカーが中心になるが、絶対的な存在ではない。とはいえ、手を拡げようと思うと、いくらでも広げることができるというジレンマがある。前走で芝からダートに転向して結果が出た橋口慎介厩舎のエルリストンは、ここでクラスの壁に当たるか、それともダートの新星としてオープンまで上り詰めていくのか一か八かであり、この馬の可能性にも駆けてみたい。フリーフリッカーとエルリストンの2頭を買いたい。

東京10Rの鎌倉ステークスは、関西馬2頭の扱いをどうすべきか考える。フュージョンロックは前走このクラスの特別レースで3着と好走しており、適鞍を求めて東上してきた。鞍上も乗れている三浦騎手であり、この馬が第一候補か。グロワールシチ―はやはりダートが合うようで、安定した走りを見せてくれる。クラスの壁があるかどうかだが、先行できるタイプだけにあっさりここも通過する可能性はある。

福島中央テレビ杯は、正直に言って、全く見当がつかないので、ここは人気薄を少し手広く狙ってみる。2つコーナーの芝1200m戦だけに、馬群にもまれずにスムーズなレースができる可能性の高い外枠から、フナウタ、カネトシブレス、シンデレラメイクの3頭でどうだろうか。

 

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フローラSを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■前走500万下でキャリア3戦以上
桜花賞よりも距離的にはオークスに近いはずだが、フローラSの勝ち馬は過去10年間でわずか1頭しかオークスを勝ったことがない。桜花賞に間に合わなかった馬たちの最終戦であり、現時点では桜花賞組に比べて完成度が劣るからである。陣営もその辺りは承知で使ってくるはずで、オークス前のトライアルをひと叩きというより、とりあえずここを勝つことに目標を定めてきている馬が多いはず。

そこで狙ってみたいのは、前走が500万下を勝ち上がってきた馬と、フラワーCで惜敗を喫してしまい、目標を桜花賞からオークスに切り替えた馬の2パターンである。ただし、いくら前者の500万下組みであっても、キャリアが浅すぎてはいけず、最低3戦はあるべきだろう。

■2■意外と人気馬が強い
過去10年の人気別のレース着順をみてみたい。

1番人気 【4・1・0・5】 連対率50%
2番人気 【2・3・2・3】 連対率50%
3番人気 【1・1・2・6】 連対率20%
4番人気 【1・1・1・7】 連対率20%
5番人気 【0・0・1・9】 連対率0%

1番人気の馬から人気順に好結果を出しているように、意外と荒れない。3歳牝馬同士のトライアルということで荒れそうなイメージはあるが、人気馬が強い。好素質馬がここを勝つことを目標に仕上げてきたら、たとえ人気でも素直に狙ってみるべき。

■3■内枠を引いた馬
過去10年における枠順(内と外)別の着順は以下のとおり。

1~4枠 【6・6・5・60】
5~8枠 【4・4・5・82】

1~4枠の内枠が外枠よりも好成績を残している。スタートしてからすぐに第1コーナーに至ってしまう東京の2000mというコース設定を考えると、外枠よりも内枠の方がスムーズに先手を取ることができる。このレースの勝ちポジは前から10番手以内のできれば内なので、外枠からだとそのポジションはどうしても走りづらい。逆に8枠からは2頭の勝ち馬が出ているのは、どうせ外なら邪魔されずに自分のリズムを貫ける大外の方が良いということである。

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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(最終回)

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クインアマランサスの引退の報告がメールで届いた。浅屈腱炎。勝ったり負けたりを繰り返しながら、ようやく競走馬として完成期を迎えた矢先の引退だけに、しばし呆然としてしまった。初勝利を挙げたときの喜びよりも、突然の引退の方が圧倒的に心を動かされたのだから不思議である。引退の連絡を受けたとき、フラッシュバックのように思い出されたのは、遠い昔に読んだ漫画のあのシーン。上手く説明することはできないが、たぶんあのシーンを読んだときの感情とクインアマランサス引退を知ったときのそれが重なり、つながったのだろう。

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きれいな顔してるだろ
ウソみたいだろ
死んでるんだぜ。それで・・・
たいしたキズもないのに、ただ、
ちょっと打ちどころが悪かっただけで・・・
もう動かないんだぜ

ウソみたいだろ

競走馬としてデビューするまでにも時間が掛かり、メイクデビューは14着とどうあることかと心配をさせ、3歳になってからダートに転向して3戦目で初勝利を収めた。そこからは長い休養期間をふんだんに挟みながら、勝ち切れないながらも大事に使われてきた。特に肩の硬さがウィークポイントであり、その点は最後まで解消されることはなかった。坂路で55秒を切ることのできない馬が、毎回、レースに行くと好走する気持ちの強さには頭が下がる思いであった。

とにかく、待ちに待ったのである。出資を決めてからの3年間、クインアマランサスが地方交流重賞を勝ちまくる日が来ることを夢見て、待ち続けた。それは我慢したというネガティブな意味では決してなく、あきらめず、希望を捨てることなく、じっと時間を味方につけようと耐えたということだ。焦っても仕方ない。待てば海路の日和ありだ。長い時間をかけたからこそ、前走の完勝劇には鬱憤が晴れ、視界が一気に広がった。希望的観測ではあるが、1000万、1600万、オープンと一気に駆け上がってくれる可能性もあった。そのための充電期間であったとさえ思えた。

「初めての出資馬で、これだけコンスタントに走る馬は当たりですよ」と良く言われてもピンと来なかったが、全くその通りなのだろう。彼女の競走馬としての頑張りや厩舎・育成牧場関係者の手厚いケアがあったからこそ、私は一口馬主ライフを楽しめたのだ。今は感謝の気持ちしかない。

105歳まで生きた日野原重明先生は、「星の王子さま」の一節「悲しみはいつか和らぐよ。いつかその悲しい気持ちが和らいだら、僕と出会ってよかったって思うよ」を引いて、著書にこう記した。

別れというものは本当に悲しいものですね。それでも、別れるべきその日が来たならば、ただ悲しさを感じて終わりにするのではなく、別れが教えてくれる「出会いの意味」に目を向けてほしいのです。別れとは出会いの中にあり、悲しく静かに僕たちが出会った本当の意味を再認識させてくれるものだからです。たくさんの別れを経て、感動の正体を探し続けた今、僕は改めてそう感じているのです。

彼女が私に教えてくれたことは、1頭の競走馬についてであった。1頭の競走馬にどれだけの人々や時間が費やされ、期待や夢を背負わされ、それでも走る馬もいれば走らない馬もいる。そんな中での一勝の喜びや辛抱強く待つことの大切さ、そしていつか輝かしい現役時代には終わりが来ること、それも突然に。たかだか500分の1しか出資していない一口会員と競走馬の出会いかもしれないが、初めて出資できた馬がクインアマランサスで良かったと思う。

(了)

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理想的な勝ち方


皐月賞2019―観戦記―
皐月賞は前半1000mが59秒1、後半が59秒0という平均ペース。力のある馬であれば、逃げても、後ろから行っても勝負になるフェアな流れ。最後は実力馬たちによる争いとなり、ゴール前で激しく叩き合う、手に汗握る好勝負であった。上位3頭は強く、ダービーにもつながる。

サートゥルナーリアは、休み明けを物ともせず、この淀みのない流れを追いかけ、最後の直線では脚を伸ばしたのだからさすが。かえってレースが流れた分、行きたがることなく追走がスムーズであり、また外々を回らされなかったのも良かった。着差こそ僅かだが、この馬としては理想的な勝ち方であった。サートゥルナーリアの馬体には窮屈なところが全くなく、その馬体の伸びを余すところなく使った、雄大なフットワークには惚れ惚れする。走り終わった後も、頭に血が上ることなく落ち着いていられる精神力の強さも若駒離れしている。直線で初めてムチが入って、少しヨレてしまったのはご愛嬌だろう。

クリストフ・ルメール騎手はテン乗りとは思えない冷静さで、サートゥルナーリアを勝利に導いた。テンの出して行き方、ペースに応じてのポジション取り、そして勝負どころからの仕掛けるタイミング。全てにおいてパーフェクト。簡単なようで簡単でない勝利をものにして、ひと安心というところだろう。

今年の皐月賞における、最後の直線における審議(の長さ)には違和感を覚えた。あれぐらいの寄り合いはレースでは日常茶飯事の風景であり、ルメール騎手もその後にムチを持ち替えており、悪質性のかけらもない。にもかかわらず、あれだけ時間をかけて後味を悪くしたのは、何の意図があるのだろうか。

最後まで食い下がったヴェロックスは、横綱相撲の競馬をしたら、さらに強い横綱がいたという感じであろう。走りに首の高いところがあり、馬体的にも未完成ではあるが、ここに来て走る素質が開花しつつある。川田将雅騎手も積極的に勝ちに行く競馬をして、ヴェロックスの良さを見事に引き出した。

ダノンキングリーは道中、手綱を緩めたらすぐに飛んで行ってしまいそうな抜群の手応え。最後は前2頭がややスタミナで優ったものの、直線では内を突いてズバっと伸びて、前走の切れ味がフロックではなかったことを証明してみせた。スピードが有り余る分、日本ダービーの距離2400mはギリギリだろう。

アドマイヤマーズはダノンキングリーが走ったポジションを取りたかったはずだが、ダノンのあまりの行きっぷりに1列後ろになってしまった。とはいえ、上位3頭とは力差を感じさせる内容であり、NHKマイルCに矛先を変えるのが妥当な判断だろう。最優秀2歳馬ではあるが、この世代の4番手となった。

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窮屈なところが全くないサートゥルナーリア:5つ☆

 

 

 

 

 

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皐月賞を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■弥生賞の勝ち馬は、皐月賞では勝てない!?
弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、私が競馬を始めてからの25年間で弥生賞と皐月賞を連勝した馬は、アグネスタキオンとディープインパクト、ヴィクトワールピサの3頭の名馬しかいない。なぜこのような現象が起こるかというと、2つの理由が考えられる。

ひとつは、弥生賞と皐月賞では馬場状態が全く異なるからである。

皐月賞における、過去10年のラスト3ハロンの上がりタイムを並べてみたい(府中で開催された平成23年は除く)。

平成20年 35.2
平成21年 35.6
平成22年 35.9
平成24年 38.4
平成25年 35.9
平成26年 35.3
平成27年 34.7
平成28年 35.6
平成29年 34.5
平成30年 37.3

平成27年と29年は速い上がりの瞬発力勝負になっているが、それ以外の年はある程度、終いの掛かる競馬になっている。これは道中のペースだけではなく、皐月賞時の馬場によるところが大きい。皐月賞当日の馬場は、最終日ということもあって、全体的に重くなっているのが通常である。特に、最も良く使われる3~4コーナーにかけては、見た目以上に馬場の傷みは激しく、当然力の要る馬場となっている。

つまり、手脚の軽い、瞬発力で勝負したい馬にとっては足かせとなり、逆にダート血統に代表されるようなパワー優先の馬にとっては願ってもいない、ほぼ1ヶ月前に行われた弥生賞当日の馬場とは全くと言ってよいほど異なった重い馬場になってしまうのである。

もうひとつは、弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない、その上、弥生賞では厳しいレースを強いられるということである。

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。さらに、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

フジキセキ
ダンスインザダーク
フサイチゼノン
アグネスタキオン
カミノタサハラ

以上は、弥生賞を勝った後に故障を発生した馬たちである。厳しいレースである弥生賞を勝つことは、高い素質、能力を持つことの証明であるが、一方で失うものも大きい。そういう意味で、弥生賞馬はまず疑ってかかるべきである。

■2■皐月賞馬の条件
皐月賞馬に求められる条件は、以下の4つ。

スピード
パワー
器用さ
完成度

まず、「スピード」については、中山競馬場の内回りを使うコースは先行馬に有利であり、前にポジションするために秀でたスピードが求められる。スタミナに関しては、2000mまでこなせるマイラーであれば、十分に勝負になるはず。

「パワー」については、上にも述べたとおり、皐月賞は最終日に行われるため、馬場がかなり重くなっていることが多い。そのため、荒れ馬場をこなせるパワーが必要となる。さらに、1周1666m、直線310mという小さなスケールのトラックで行われるため、上手に立ち回りながら流れに乗ることのできる「器用さ」を備えているかどうかも問われる。

また、「完成度」の高い馬ということも挙げられる。その傾向は年々強くなってきており、この時期においてあらゆる面において完成されていなければ、このレースを勝つことは難しい。素質があり、なおかつ完成度が高いことが求められる。

■3■参考データとして
・前走が1800m未満の馬は×
・2月以降に1400m以下の短距離を一度でも使っていた馬は×
・連対率が50%を超えていなければ×

 

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未来は明るい


桜花賞2019―観戦記―
逃げ宣言をしていたエールヴォアに行き脚がつかず、押し出されるような形で外枠からプールヴィルが先頭に立ち、前半マイルが47秒7、後半マイルが45秒0という恐ろしいほどのスローペースでレースは流れた。もうこれはG1レースでもなく、マイル戦でもない、凡戦であった。もうここまでのスローになると、展開やスタミナなどほとんど関係ない、ヨーイドンの勝負となった。まるで芋洗いのような流れの中、スムーズに競馬ができた馬はごく僅かで、底力を試されたレースとは言いがたい。勝った馬と4着のダノンファンタジーは、比較的レースの流れに乗れて力を出し切れていた。

勝ったグランアレグリアは、朝日杯フューチュリティS以来の休み明けで桜花賞を制するという快挙。藤沢和雄調教師の管理したスティンガーは同様のローテーションで力及ばなかったが(12着)、20年の歳月を経て、同厩の後輩がリベンジを果たしたことになる。この時点でグランアレグリアの未来は明るい。馬体的には決して完成度が高い馬ではないが、新馬戦から圧倒的なパフォーマンスを見せているように、バネが良かったり、心肺機能が優れているなど、見えない部分が走ることに適しているのだろう。馬体にメリハリが出てくると、さらにスピードと力強さが増してくるはず。ただし、オークスは距離が長い。

クリストフ・ルメール騎手は暖かくなってきて、いよいよ本領発揮というところだろう。馬が掛かっても絶対に抑えられる自信があるからこそ、スタートから迷いなく出して行ける。序盤は少しハミを噛んでしまったが、終始積極的に攻めて、最後は内ラチを頼る癖を利用して走らせての完勝であった。

シゲルピンクダイヤは前走のチューリップ賞に続き、レースの流れに乗り切れずとも豪快に伸びてくる、荒削りな走りをした。馬体のバランスは良い馬なので、もう少し気性面でまともになると勝てるレースも出てくるだろう。反面、リズムが崩れると全く反応しなくなる馬のような気もしないでもない。

クロノジェネシスは終始ガチャガチャして、スムーズさを欠いた走りでの3着。ダノンファンタジーをマークしたかったのか、北村友一騎手は第1コーナーまでのポジション争いでなぜか外に進路を取ろうとして、馬のリズムを崩してしまった。負けて強しの競馬だが、この馬もオークスは距離的に疑問が残る。

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ダノンファンタジーは外枠から外々を回り、脚を失ってしまった。とはいえ、勝ち馬の後ろのポジションではあるから、新馬戦以来の力関係は逆転していなかったということである。それにしても、シゲルピンクダイヤやクロノジェネシスに先着を許したのは不甲斐ない。前走が楽に勝ちすぎた感も否めない。

ビーチサンバは前にダノンファンタジーを見る形で進め、最後まできっちり脚を伸ばした。G1レースを勝つためには、パンチ力不足であることは否めない。プールヴィルは秋山騎手の好判断で逃げたのが良かった。アクアミラビリスは、デムーロ騎手が勝ちに行ったものの、馬群の中で競馬をするには線が細い。

私が本命に推したエールヴォアは、先行できなかったのが残念。跳びが大きいタイプで行き脚をつけるのが難しいのは分かるが、昨年の菊花賞におけるメイショウテッコン同様に、松山騎手の技量不足も露呈したレースである。最後は差を詰めており、すんなり先行できれば、距離が延びるオークスでは面白い。

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雄大さと骨太さを誇るエールヴォア:5つ☆

【シェーングランツ】馬体は悪くはないが、姉ソウルスターリングと比べると明らかに劣る。コロンと映る馬体からは、マイル戦がベストであり、使える脚もそれほど長くない。<馬体評価★★★>

【シゲルピンクダイヤ】やや腰高ではあるが、胴部には長さがあって、レースでの走りから想像していたよりも伸びのある馬体。ダイワメジャー産駒らしく完成度が高いため、今回は絶好の舞台となるはず。<馬体評価★★★★>

【ノーワン】まだ全体的に完成度が高くはなく、素質の高さだけでクラシックに乗ってきた印象を受ける。ハーツクライ産駒らしく、胴部が長い分、手脚の短さとの関係で重心が低く映る。<馬体評価★★★>

【アウィルアウェイ】もうひと絞りできそうなほど、胴部がズングリムックリしている。牝馬にしてはカイ葉食いの心配が要らないほど良く食べるのだろう。パワーに溢れている。鋭い目つきからは、気性の激しさが伺え、スムーズにレースができるかどうかが鍵。<馬体評価★★★>

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桜花賞を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■勝ち馬は「2敗以内」が目安
勝ち馬の条件としては、「2敗以内」であることが挙げられる。最近は、素質馬はあまりレース数を使わない傾向が顕著になってきており、桜花賞でも浅いキャリアで臨んできた馬が活躍している。数を使わない以上、レースに使うからにはきちんと勝てる状態に仕上げられているはずで、それでいて2敗以上しているということは、能力がないか、どこか足りない部分があるかのどちらかということになる。だからこそ、桜花賞を勝てる素質があるかどうかを見極めるためには、「2敗以内」という数字を目安にしたい。

 

さらに、「新馬戦を勝っている」、「牡馬を相手に勝利している」ことも、素質の有無を問うための材料にしてもよいだろう。

 

■2■前走の人気に注目
過去10年間で桜花賞を勝った馬の「前走の人気」を見ると、明らかな傾向があることが分かる。なんと10頭中6頭が1人気であり、2番人気が3頭、わずかに4~5番人気が1頭と、それ以下の人気であった馬は1頭も勝っていない。連対馬(2着馬)に目を向けても、9頭までが前走3番人気以内に推されている。

 

最も桜花賞に直結しやすいとされていたチューリップ賞だけを見ても、その勝ち馬よりも、人気に推されていたが負けてしまった馬の方が、本番での好走率が高い。つまり、前走で何着だったかという「実績」よりも、前走で何番人気に推されたかという「素質」、もしくは「資質」に注目すべきなのである。

 

■3■瞬発力のある馬が有利
平成19年から、桜花賞は新阪神コースの外回りで桜花賞は行われる。このことによって、勝ち馬に求められる資質が大きく違ってくることが考えられる。かつては器用さとスピードが求められていたが、今年からは「瞬発力」とそれを支える「スタミナ」が要求されることになるだろう。

 

ステップレースであるチューリップ賞(新阪神1600m外回り)とフィリーズレビュー(新阪神1400m内回り)のレースラップを見てみたい。

 

平成19年
チューリップ賞   12.4 - 10.9 - 12.1 - 12.2 - 12.2 - 11.1 - 11.0 - 11.8
フィリーズレビュー 12.5 - 10.9 - 11.4 - 11.7 - 11.4 - 11.7 - 12.2

 

チューリップ賞を見てみると、第1コーナーである3コーナーからガクンとペースが緩み、最終コーナーである4コーナーまで極端なスローでレースが流れていることが分かる。それに対し、フィリーズレビューではコーナーを回ってもペースがほとんど緩んでいない。

 

この2つのレースの違いは、展開うんぬんではなく、コースの構造に起因する。チューリップ賞が行われる新阪神1600m外回りコースは中盤が緩みやすいコース構造になっているのに対し、フィリーズレビューが行われる新阪神1400m内回りコースはそうではないということである。

 

つまり、道中が緩むことによって、本番の桜花賞もラスト3ハロンの瞬発力勝負になってしまう可能性が高いということである。

 

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現代競馬の申し子

大阪杯2019―観戦記―
大阪杯はエポカドーロが好スタートからダッシュを利かせ、あっさりと先頭に立った。前半1000mが61秒3、後半1000mが59秒7という超スローペース。第1コーナーまでに決まった隊列やポジションは最後まで変わらず、道中で前に行けた馬や馬群の内を進んで脚を溜められた馬に極端に有利なレースとなった。

 

勝ったアルアインは皐月賞以来の勝利となったが、意外にも皐月賞以降はこの馬に適したレースをほとんど走っていなかった。この馬の力を出し切れる条件は内回りの芝2000m。それ以外の距離は少し長かったり、短かったり。上がりが速い勝負になるレースは勝ち切れない。今回は条件がピタリとはまった。

 

そして最大の勝因は、内2番手のスローペースの勝ちポジ(勝つためのポジション)を走れたことである。他馬が外を回されて脚を失う中、この馬は最後の直線に向くまでジッと動かずに脚を溜められていた。今回は馬場も走りやすく、池江調教師がきっちりと仕上げたことで、アルアインの先行力が生きた。

 

北村友一騎手は、内枠から道中は内を進んで、脚をためる競馬になると巧さを発揮する。北村騎手は批判の対象になりやすいが、それは外枠を引いて外を回された時の話であって、内枠を引くと実に上手い。スッと先行する技術、馬を御して脚を溜める力に秀でている、現代競馬の申し子と言ってよい。

 

2着に粘り込んだキセキはスローの展開に恵まれたが、有馬記念以来の休み明けということを考慮すると、良く頑張っている。有馬記念のように思い切って行き過ぎてもバテてしまうし、今回のようにゆっくりと行っても瞬発力勝負で負けてしまう。川田将雅騎手はスローを読み切って、最高の騎乗をしている。

 

ワグネリアンは内の3番手という、この馬にとっては絶好のポジションで走ることができた。最後の直線でも良く伸びて3着を確保したように、半年ぶりを感じさせない走り。日本ダービー馬が立て直されて、古馬になって活躍するのは案外難しい。外見上は良くなっているので、次走の走りに期待したい。

 

マカヒキは道中は内の4番手を進み、極力コースロスを避けたことが4着という結果につながった。裏を返せば、道中で外を回してしまった馬は壊滅的であったということ。これだけメンバーが揃ったG1レースで、ここまでポジションバイアスが生じてしまうのは、残念と言うべきか、実にもったいないと思う。

 

私が本命に推したエアウィンザーは、スタートからの先行ポジション争いに負けてしまい、前に行くことも内を進むこともできず、中途半端なポジションを走った結果の5着。上位馬と大きな力差があるわけではないが、フットワークが大きいため、スッとポジションを取ることができないのが課題だろう。

 

1番人気に推されたブラストワンピースは、外々を回されて脚を失ってしまった。休み明けで馬体が立派であったこともあるが、それ以上に道中のポジションが不利に働いた。内を器用に立ち回る馬ではないだけに、もう少し道中が流れてくれないとレースがしにくい。菊花賞で見せたこの馬の負けパターン。

 

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