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理想的な勝ち方


皐月賞2019―観戦記―
皐月賞は前半1000mが59秒1、後半が59秒0という平均ペース。力のある馬であれば、逃げても、後ろから行っても勝負になるフェアな流れ。最後は実力馬たちによる争いとなり、ゴール前で激しく叩き合う、手に汗握る好勝負であった。上位3頭は強く、ダービーにもつながる。

サートゥルナーリアは、休み明けを物ともせず、この淀みのない流れを追いかけ、最後の直線では脚を伸ばしたのだからさすが。かえってレースが流れた分、行きたがることなく追走がスムーズであり、また外々を回らされなかったのも良かった。着差こそ僅かだが、この馬としては理想的な勝ち方であった。サートゥルナーリアの馬体には窮屈なところが全くなく、その馬体の伸びを余すところなく使った、雄大なフットワークには惚れ惚れする。走り終わった後も、頭に血が上ることなく落ち着いていられる精神力の強さも若駒離れしている。直線で初めてムチが入って、少しヨレてしまったのはご愛嬌だろう。

クリストフ・ルメール騎手はテン乗りとは思えない冷静さで、サートゥルナーリアを勝利に導いた。テンの出して行き方、ペースに応じてのポジション取り、そして勝負どころからの仕掛けるタイミング。全てにおいてパーフェクト。簡単なようで簡単でない勝利をものにして、ひと安心というところだろう。

今年の皐月賞における、最後の直線における審議(の長さ)には違和感を覚えた。あれぐらいの寄り合いはレースでは日常茶飯事の風景であり、ルメール騎手もその後にムチを持ち替えており、悪質性のかけらもない。にもかかわらず、あれだけ時間をかけて後味を悪くしたのは、何の意図があるのだろうか。

最後まで食い下がったヴェロックスは、横綱相撲の競馬をしたら、さらに強い横綱がいたという感じであろう。走りに首の高いところがあり、馬体的にも未完成ではあるが、ここに来て走る素質が開花しつつある。川田将雅騎手も積極的に勝ちに行く競馬をして、ヴェロックスの良さを見事に引き出した。

ダノンキングリーは道中、手綱を緩めたらすぐに飛んで行ってしまいそうな抜群の手応え。最後は前2頭がややスタミナで優ったものの、直線では内を突いてズバっと伸びて、前走の切れ味がフロックではなかったことを証明してみせた。スピードが有り余る分、日本ダービーの距離2400mはギリギリだろう。

アドマイヤマーズはダノンキングリーが走ったポジションを取りたかったはずだが、ダノンのあまりの行きっぷりに1列後ろになってしまった。とはいえ、上位3頭とは力差を感じさせる内容であり、NHKマイルCに矛先を変えるのが妥当な判断だろう。最優秀2歳馬ではあるが、この世代の4番手となった。

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