« 【今週のWIN5】NHKマイルカップ | Main | ヴィクトリアマイルを当てるために知っておくべき3つのこと »

競馬にはこれからもスポーツで


NHKマイルC2019―観戦記―
イベリスが逃げ、クリノガウディーとプールヴィルが続く形で、前半600mが45秒8、後半が46秒6という、このクラスとしては平均ペースで流れた。前半に馬群の中で揉まれてスタミナを消耗した馬ではなく、馬群の外や後方をリラックスして走り、脚を溜められた馬が上位に来たレースであった。

まず先に述べておかなければならないのは、最後の直線におけるクリストフ・ルメール騎手とグランアレグリアの挙動について。C・ルメール騎手は最終コーナーを回る時点ですぐ後ろにいる川田将雅騎手を意識していたし、その近くにM・デムーロ騎手もいて、この先何が起こるか分かっていたはず。外から自分たちの進路を閉められるということ。分かっていたからこそ意識が引っ張られてしまったのか、内に進路を求めようとすることなく、外に張り出すような形を選択してしまった。グランアレグリアが苦しがって外にモタれていたのかもしれないが、ルメール騎手は最悪のジャッジをしてしまった。

最も不利を被ったのはダノンチェイサーであった。このようなケースでは、玉突きのようにして内から外に被害が拡大していき、一番外の馬が最も被害を受けることが良くある。しかし今回は、デムーロ騎手が事態を予測して内に馬を寄せ気味に押し込んだことで、川田騎手がはさまれる形になったのだ。

アドマイヤマーズの勝因は、デムーロ騎手が事態を予測していたため玉突きを回避できたことにある。そして、アドマイヤマーズ自身に勢い(余力)と体力があったため、外に振られてダメージを受けずに済んだことも大きい。直線の不利に関係なく、勝ったのはこの人馬であったはず。アドマイヤマーズが2歳時に比べて、馬体がやや硬くなってきていることを戦前は指摘したが、3歳春時点で筋肉の硬さを理由に評価を落としたのは時期尚早であったと言える。デムーロ騎手も今年は勢いがないが、この勝利を機に巻き返しを図ってもらいたい。

ケイデンスコールは最後の直線に勝負を賭けて、末脚を伸ばした。一か八かの騎乗。これは3着に入ったカテドラルも同じで、先行勢の馬群から少し離れて、変にスタミナを消耗しなかったのが吉と出た。逆に言うと、この時期の3歳馬は、馬群に入って揉まれるだけでスタミナを失ってしまうということだ。

ダノンチェイサーは仕上がりも良く、前にグランアレグリアを見る絶好のポジションで道中は走っていたが、最後にあそこまで強引にこじ開けられるとは思っていなかっただろう。今回は少しひるんでしまった分、伸び切れなかったが、精神的ダメージさえなければ、日本ダービーでの好走のチャンスはある。

圧倒的な人気に推されたグランアレグリアは、ルメール騎手だからこそ何ごともなく走っているように見えるが、前走同様に前半ハミを強く噛んで行きたがる面を見せていた。母父Tapitから気性の激しさを受け継いでいるのだろう。本質的には好走と凡走を繰り返すような難しい馬であると考えるべき。

最後に、今朝行われたケンタッキーダービーにおける勝ち馬の降着と照らし合わせてみると、もし今回グランアレグリアが勝っていたとしたら、実に難しいジャッジになったのではないかと想像する。ルールが異なれば(個人的にも)、マキシマムセンチュリーはセーフ、グランアレグリアはアウトである。どちらのルールが正しいということはなく、良い点と悪い点があり、完璧に裁くことは難しいことを痛感する。その行為が意図的であるかどうかを考慮に入れられたら、どんなに良いのかと思う。競馬にはこれからもスポーツであり続けてもらいたい。


|

Comments

Post a comment