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松山騎手がサポートできたからこそ


オークス2020ー観戦記ー
大方の予想どおり、スマイルカナが先頭に立ち、前半1200mを72秒5、後半71秒9というスローペース流れた。こうなると外を走る馬や後方の馬にとっては苦しく、結局、内ラチ沿いを走った馬が上位を占めた。デアリングタクトは後方の苦しいポジションを1頭だけ違う末脚を使って覆した。

デアリングタクトは追い出してから、どこまでも伸びていく。馬場が重かろうが、パンパンの馬場だろうが関係ない。エピファネイア譲りの体幹の強さと、母父キングカメハメハのスタミナ、そして祖母デアリングハートからはスピードを譲り受けている。骨格も牡馬のようで完成度が高い。唯一心配していたのは、重馬場の桜花賞を激走した反動であったが、杞憂に終わった。というよりも、中間のデアリングタクトの馬体を見れば心配無用だと言っているようであった。腹袋はパンと張って、健康そのもの。カイ葉食いがほとんど落ちることなく、しっかりと食べられていた。デアリングタクトは無敗の桜花賞、オークス馬ということで、デビューしてからひとつも余計なレースを使わずにここまで来たのは凄い。完璧なキャリア。目一杯走る馬なので、この後は休養に入り、秋華賞→エリザベス女王杯と走り、来年はドバイあたりが目標になるだろう。

松山弘平騎手はデアリングタクトの強さを信じて騎乗できた。パドックでやや気合が乗っていたように、道中で喧嘩してしまうのが怖かっただろう。無理をしてポジションを取りに行かず、この馬の能力に賭けたのが吉と出た。G1でこれだけの人気馬に乗って後ろから行くのは簡単ではない。2017年の日本ダービーでアルアインに乗った後、「何もできなかった」と松山騎手は語ったが、あれから多くの経験を積み、今回のようなレースで勝利したことは実に素晴らしい。デアリングタクトが強かっただけで勝ったのではなく、松山騎手がサポートできたからこそ勝てたのである。

2着に入ったウインマリリンは、横山典弘騎手の見事な騎乗が光った。外枠から怖れることなく馬を出して行き、行く気を見せることで他馬を制して、スマイルカナの後ろのポジションに馬を収めることに成功した。この時点で勝負あり。外枠のハンデを騎手の判断で帳消しにしてみせた。ウインマリリンはそれほど見栄えがするタイプではないが、頑張り屋さんでスタミナもあるので、内の2番手を走れたら、最後まで力を出し切って好結果を出すことができる。この馬も夏を越して、秋華賞やエリザベス女王杯でどのような成長ぶりを見せてくれるのか楽しみな1頭である。

ウインマイティは内の3番手で脚を溜め、最後の直線ではあわや勝利かと思わせる走り。ゴール前では力尽きたが、和田騎手の手綱捌きは完璧であった。馬自身も2連勝して臨んできたように、まともに走るようになってきたところなのだろう。ゴールドシップ産駒らしい爆発力であった。

2番人気に推されたデゼルは馬体が幼いだけではなく、前走の疲れが取れていないのか馬体が寂しく映った。素質は高く、長い目で見て期待したい。クラヴァシュドールは良いポジションを取れたが、全く伸びなかった。筋肉量の多い馬体には距離が長いのと目に見えない疲れがあったかも。人気薄ながらも期待していたアブレイズはブービーと大敗した。これだけ負けたら乗り方云々ではないが、3番枠を引いたのに内ラチ沿いを取りに行かなかった騎乗は不可解。自然にスマイルカナの後ろを取れたはずで、迷って(遠慮して?)いるうちに横山騎手に外から取られてしまった。

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