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アップセット!


安田記念2020ー観戦記ー
前走同様に逃げの手を打ったダノンスマッシュが作り出したのは、前半マイル45秒7、後半が45秒9という平均ペース。極端なスローでもハイペースでもなく、どこのポジションからでも勝ち負けになる、実力が問われるレース。それぞれが力を出し切ったが、勝ち馬が恐ろしく強かった。

勝ったグランアレグリアは、正攻法から早めに抜け出して、他馬を突き放す完璧な勝利。歴史に残る名牝と牡馬の強豪マイラーが集まったG1レースでの走りだけに、驚きを隠しえない。速い馬だとは思っていたが、ここまで速くて強いとは。周りに馬がいないスポットを走れたことは、グランアレグリアの末脚を引き出すためには大きくプラスに働いた。パドックでも集中して歩けていたように、ヴィクトリアマイルを回避したことで、体調も抜群に良かったのだろう。あらゆる全てが最高に整った、一世一代の大駆けである。

池添謙一騎手も見事な手綱さばきであった。道中はとにかくグランアレグリアを気分良く走らせることに専念し、馬の気持ちが高まったところで素直にゴーサインを出した。スイープトウショウやデュランダルなど、数々の難しい名馬の背から教えてもらってきたことが生きている。

圧倒的な1番人気に推され、大記録を期待されたアーモンドアイは、惜しくも2着に敗れてしまった。どれほどの名馬が力を出し切っても、大駆けに遭えばアップセットもあるのが競馬。シンボリルドルフもギャロップダイナに、ナリタブライアンもスターマンに屈した歴史がある。アーモンドアイはスタートこそやや遅れたが、道中は中団を進み、最後の直線では伸びてインディチャンプを交わしているように、力は出し切った。あえて言うならば、馬場が少し重かったことが切れ味を削がれることにつながり、勝ち馬にとっては有利に働いたことぐらいか。ため息しか出ないアーモンドアイファンも多いと思うが、決して力が衰えたわけではないので心配は無用だろう。G1レース8勝の歴史的瞬間が少し先に延びただけのことだ。夏の間は心身を休めて、秋は天皇賞秋とジャパンカップを目指してもらいたい。

インディチャンプはやや重め残りだったかもしれないが、力を存分に出し切っての3着。稍重馬場は、パワータイプの同馬にとっては決してマイナスではなかったが、結果的には斤量が2kg軽い牝馬にやられてしまったということだ。この馬も負けて強し。夏は充電して、秋に期待したい。

あわや馬券圏内に入りかけたノームコアは、最後の末脚が際立っていた。牡馬顔負けのフレームは力強く、今回のような馬場がプラスに働いたかもしれない。ダノンの3頭は早めに脚を失ってしまっていた。プレミアムは急仕上げ、キングリーは力んで走ってしまっている。

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