◎ショウナンアチーヴ

Asahihai_2私の好きな馬の1頭にアドマイヤコジーンという馬がいます。アドマイヤコジーンとの出会いは、朝日杯3歳S(今の朝日杯フューチュリティS)でした。出会いといっても、ただ単勝を買ったというだけなのですが、鞍上のロバーツ騎手のダイナミックな追い方による叱咤激励に応え、人気を分け合ったエイシンキャメロンとの叩き合い制したシーンは今でも脳裏に焼きついています。芦毛の馬体に宿る筋肉は柔らかく、追われれば追われるほど伸びて行きそうで、将来有望な馬として大きな期待をしていました。レース後、すぐに骨折が判明してしまうまでは。

その存在さえも忘れてしまいそうになっていた頃、1年7ヵ月後に、アドマイヤコジーンは私の前に戻ってきました。そのとき、アドマイヤコジーンの脚にはボルトが埋め込まれていたのです。復帰後のレースには、かつての面影はありませんでした。4、6、11、8、8、11…と2桁着順に落ち込んでしまうこともありました。古馬になったからかもしれませんし、脚に入っているボルトを気にしていたのかもしれませんが、アドマイヤコジーンの長所であった筋肉の柔らか味が失われてしまったように見えました。年齢的にも、このまま終わってしまうのかと誰もが思ったはずです。

ところが、6歳になったのを境として、脚元の不安がなくなってきたことが大きかったのでしょうか、アドマイヤコジーンはかつての輝きを取り戻し始めたのでした。2歳時のような馬体の瑞々しさはありませんが、骨折を乗り越えた気持ちの強さと持ち前のスピードを武器に、鞍上に後藤浩輝騎手を迎えて、先行して押し切るスタイルを手に入れたのでした。府中の直線を2番手追走から堂々と押し切った2002年の安田記念は忘れられません。4年越しのG1を制したアドマイヤコジーンの凄さはもちろん、後藤浩輝騎手にとっても初めての中央G1制覇となりました。あのときの後藤騎手の涙は印象的でしたね。

後藤騎手もあれから紆余曲折がありましたが、騎手として復帰を果たしました。騎手として馬に乗ることが使命だと思っているからこそ、頚椎等の骨折にも負けることなく、再びターフに戻って来られたのだと思います。アドマイヤコジーンが背中を通して教えてくれたように、最後まで諦めない強い気持ちを持ち続けていれば必ずチャンスは巡ってくるのです。本命は後藤浩輝騎手騎乗の◎ショウナンアチーヴに打ちます。朝日杯フューチュリティーSの勝ちポジは、中団よりやや前の真ん中です。ペースは速くなりやすいので、内ラチ沿いを走らなくても問題ありません。馬群の真ん中にいて、流れ次第で外に出しても良いでしょう。後藤騎手ならショウナンアチーヴを勝ちポジに導けるでしょうし、ショウナンアチーヴ自身、どんなペースでも上がり34秒台で上がってきそうな馬なので、ペースが速くなるG1の方がレースはしやすいのではないでしょうか。

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◎ハープスター

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かつてのおむすび型の阪神コースとは違い、今の阪神ジュベナイルFの勝ちポジは、後方の外になります。勝ちポジの基本ポジションとは対極にありますが、それなりの理由があってのことです。ひとつはキャリアの浅い若駒、しかも牝馬にとって、馬群の内で走って揉まれるよりも、外をリズム良く走る方が力を発揮できるから。もうひとつは、阪神のマイル戦のコース形態は直線が長く、タフなコースなので、後方から最後の直線に向きながらギアを上げてゆくような馬の方が合っているからです。

馬群の外を走りながら、息の長い脚を使って差してくるレースができる馬としては、ハープスターとレッドリヴェールが候補として挙げられます。

ハープスターの末脚は新潟2歳Sで実証済みです。何度観ても、あの直線での切れ味は素晴らしく、まるで他馬が止まって見えました。騎乗している川田雅将騎手もゾクッと来たのではないでしょうか。あの時、歯牙にもかけなかったイスラボニータが東スポ杯を制したことからも分かるように、決して相手が弱かったわけではありません。レース間隔が開きましたが、逆に吉と出るのではないでしょうか。32秒台の脚を使った後ですから、2歳牝馬の肉体にはかなりの反動があったのではないでしょうか。その疲れを癒すためには、必要な間隔だったと思います。本命◎はこの馬に打ちます。

レッドリヴェールは新馬戦で阪神1600mを走っており、そのときからウイリアムズ騎手が抑えて、馬群の外を回して追い上げていく予行演習をしましたね。岩田康誠騎手からさらに戸崎圭太騎手に手が替わりますが、レースに行くと乗りやすい馬ですので、全く問題はありません。上がり33秒3の新馬戦と上がり41秒3の札幌2歳Sという、勝ち馬に求められる資質が全く違う2つのレースを連勝したことの価値は極めて高いです。この馬も前走で道悪馬場を走り切ったことで、肉体的に疲れが出たはずですから、ゆったりとしたローテーションは良い方向に考えてよいですね。ハープスターとの追い比べで、どこまで食らい付くことができるでしょうか。

最後にホウライアキコは、ヨハネスブルグ×サンデーサイレンスという確変配合です。搭載しているエンジンと、競走馬としての気性の強さが桁違いである可能性が高いですね。つまり、外見上では分かりにくい部分に強さがある馬ということです。これまでのレースを見る限り、1200m戦は追走でやや手間取っており、マイルの前走が最も良いレースでしたので、距離が延びて良いタイプですね。阪神のマイル戦でもスタミナ面では全く心配はなく、かえってレースはしやすいはずです。この馬の二の脚があれば、大外枠もほとんど気にする必要はありません。個人的には、この恐ろしい配合がどこまで恐ろしいのか、怖いもの見たさでホウライアキコがどこまで走るか見てみたい、そう思っています。

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◎ローマンレジェンド

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今年のJCダートには、アメリカのベテランジョッキーであるゲイリー・スティーヴンス騎手が騎乗しますね。ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSの3冠レースを3回ずつ制覇し、BCカップやドバイワールドカップなど、世界の大レースをことごとく勝ってきました。日本では1991年のゴールデンフェザントの直線一気が印象的なレースですね。これまで2度の現役引退から返り咲き、今年はBCディスタフとBCクラシックを連日で勝利するなど、衰えることを知りません。

今年で50歳になるスティーヴン騎手ですが、雑誌「PEOPLE」の「世界で最も美しい50人」の1人に選ばれたことがあります。そのえもいわれぬ立ち振る舞いや醸し出す雰囲気ゆえだと思いますが、ジョッキーが美しい人として選出されることが、日本人の私にとっては不思議な感覚です。かつて安藤勝己騎手がデットーリ騎手のことを、「男でも惚れてしまいそうな雰囲気を持っていて、サインをもらおうかと思った(笑)」と語っていたように、超一流のジョッキーは腕だけではなく、その独特の雰囲気も大切だということでしょうか。

馬は騎乗する人間の本質を見抜きます。恐ろしいほど、瞬間的に。ある人が跨ると全く動かない馬が、別の人が乗るとスッと動いたりすることがあります。もちろん騎乗技術の問題もあると思いますが、それ以上に、言葉にできない何かを馬は背中に感じるのです。どう表現すればいいのか分かりませんが、まあつまり雰囲気というかオーラのようなものです。それまで全く走らなかった馬が突然走ったりするのは、ごく一握りのジョッキーだけが持つオーラを感じ取り、走る気になるからでしょう。

たとえば、2002年のJCダートではデットーリ騎手が跨ったイーグルカフェはまるで別馬のようでした。それまでは追い込み馬というイメージでしたが、スタートから行く気満々で先行し、直線に向いても手応え抜群で、最後は内を突いて先頭でゴールしました。それまでのイーグルカフェの走りを知っている日本の競馬ファンは度肝を抜かれたものです。その次の日に行なわれたジャパンカップでもファルヴラヴに騎乗して連日のG1を制覇するという離れ業を演じ、レース後の私は放心状態で開いた口が塞がらなかったのを覚えています。

今年のJCダートはどんな騎手がどんなレースを見せてくれるのでしょうか。JCダートの勝ちポジは内の2、3番手です。力が一枚上の馬であれば、2、3番手の外を回して押し切ることができますが、基本は内の2、3番手を走ることができる馬が有利になります。本命は最高の枠を引いた◎ローマンレジェンドに打ちます。今年の春シーズンは昨年の疲れが抜け切らず、らしからぬレースを繰り返しましたが、完全に休養を挟んだことで立て直すことができたようです。前走の走りには、そんな兆候が見て取れました。

具体的に言うと、連勝が途切れたレース(昨年のJCダート)の次(東京大賞典)は疲れが出てしまうので普通は負けるものですが、ローマンレジェンドは勝ってしまったことが尾を引いていました。この理屈は先週敗れたゴールドシップにも当てはまります。天皇賞春で連勝が途切れた次の宝塚記念も負けておかしくなかったのですが、そこを無理に勝ってしまったことによる反動が今年の秋に噴出しています。ホッコータルマエにも同じことが言えて、南部杯で連勝が途切れてしまいガタっと崩れてしまっても不思議はないのですが、前走のJBCクラシックを勝ちました。負けるべきレースで負けなかったツケはどこかで回ってくるものです。今回勝つことがあれば本物、というか相当に強い馬ですが、実はかなり苦しいレースを強いられるはずと私は考えています。

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◎ジェンティルドンナ

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潮の満ち引きや月の満ち欠けがあるように、サラブレッドの体調にもバイオリズムがあります。そのことが昨年は良かったけど今年は悪かったり、春シーズンは不調だったが秋シーズンは絶好調のような形で表に出てくるのです。昨年秋に牝馬3冠を達成し、返す刀でジャパンカップを制したジェンティルドンナが、今年はドバイでは人気に応えられず、宝塚記念ではゴールドシップにねじ伏せられたのも当然といえば当然ですし、昨年の有馬記念で古馬を相手に強烈な捲くりを披露したゴールドシップが、天皇賞春ではまさかの凡走をし、荒れ馬場の宝塚記念を強引な位置取りで勝ったものの、秋緒戦の京都大賞典では惨敗を喫してしまったもの納得です。

日本の競馬において、春と秋にG1レースが組まれている以上、その年の前半(春シーズン)と後半(秋シーズン)という形での対比が可能です。その中で、宝塚記念は鍵を握るレースになります。なぜなら、6月最終週という、前半シーズンのラストに組まれている番組だからです。この宝塚記念を勝つためには、それ相応の仕上げを施さなければならず、6月後半で100%に仕上がった馬が十分な休養を取って、秋シーズンに向けて調整をすると、どうしてもピークは後ろ倒しになってしまうのです。だからこそ、宝塚記念を制した馬が天皇賞秋を好走した例はほとんどありません。間に合わないというのが正直なところです。

そう考えていくと、ジェンティルドンナとゴールドシップの2頭の比較ということであれば、前者に分があることが分かります。ジェンティルドンナの春シーズンの結果が思わしくなかったのは、昨年秋の疲れを引きずっていたからで、決して力負けではありません。むしろ、そのような状態で、ドバイシーマクラシックを2着、宝塚記念を3着した実力を評価すべきでしょう。宝塚記念後には十分な休養を挟んで、天皇賞秋からの始動にしたのも頷けます。休み明けでしたらか、ジャスタウェイの激走に屈したのは仕方ないとして、この秋の最大目標であるジャパンカップには完調で出走できそうです。バイオリズム的にも、ここでは負けられない、負けたくないはずですね。

ゴールドシップは気持ちの強さで走るタイプですので、精神面でのバイオリズムにも注目すべきです。宝塚記念はやや無理強いされて走った感もあったので、そのツケがこの秋に噴出しているのかもしれません。ここも凡走して、気力が戻ってきた有馬記念で好走というのがパターンですが、逆に無理をしてジャパンカップで走ってしまうと、今度は有馬記念で思わぬ凡走があります。そういう裏腹なところのある馬ですね。速い時計や速い上がりに対応できないということではなく、本質的には気持ちで走るタイプだからこそ、気力を出し切った後の反動が出るということです。

ジャパンカップの勝ちポジは、東京2400mの勝ちポジと同じく、中団の内です。スタートしてから第1コーナーまでに、内ラチ沿いを確保することが重要です。どの馬もどの騎手も内に殺到するので、外枠から発走する馬が内ラチ沿いを走るのは困難で、基本的には内枠からスタートを切れる馬が狙い目となります。実力上位3頭の中では、勝ちポジを走れるのはジェンティルドンナかエイシンフラッシュでしょう。エイシンフラッシュは枠なりで勝ちポジにドンピシャですし、ジェンティルドンナは自分よりも内からスタートする馬たちよりも先行力があるので、少し切れ込む形でエイシンフラッシュのひとつか2つ前の内を確保できるはずです。どちらも勝ちポジを走れそうである以上、前走(天皇賞秋)のハイペースを前で受けて、勝ち馬以外には先着を許さなかった◎ジェンティルドンナの方がややスタミナ面で分があるとみて本命を打ちたいと思います。

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◎ダイワマッジョーレ

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今年のリーディング争いはずいぶん白熱していますね。ここに来て福永祐一騎手が頭ひとつ抜け出しましたが、最後まで誰が勝つか分かりません。11月16日現在で6位の戸崎圭太騎手ぐらいまでは、逆転のチャンスがあるように見えます。その中でも、現在108勝を挙げて3位の川田将雅騎手が抜け出して、福永祐一騎手に迫るのではないかと私は予想しています。というのも、トップ6のジョッキーの中で、川田将雅騎手の勝率0.164と連対率0.301が最も高く、そこに福永祐一騎手(勝率0.157、連対率0.284)を逆転するチャンスが僅かにあると考えています。

今年のマイルCSの小粒なメンバーを見渡してみると、なんだかリーディングの行方を左右しそうな気がしてきます。現在、全国リーディング1位の福永祐一騎手は1番人気のダノンシャーク、2位の浜中俊騎手はスワンSを逃げ切って勢いのある3歳馬コパノリチャード、3位の川田将雅騎手は3番人気のクラレント、関東の内田博幸騎手こそ騎乗していませんが、戸崎圭太騎手は安田記念馬であるリアルインパクトに騎乗します。どの馬にもチャンスがありそうで、ジョッキーの腕が問われるレースになりそうです。もしこのレースを勝つことができれば、1勝を積み重ねるだけではなく、大きな勢いを味方につけることになりそうです。

そんな中、若手ジョッキーたちの台頭を抑えようと、2番人気のトーセンラーに騎乗する武豊騎手やダイワマッジョーレの蛯名正義騎手といったベテランジョッキーたちも、虎視眈々と勝利のチャンスを狙っています。世代交代の波に飲み込まれてしまうのか、それともG1レースのような騎手の技術と経験がモノを言うレースではベテラン健在を示すことができるのか。そんな見方もできそうな、今年のマイルCSです。最後の直線での追い比べは見ごたえがありそうですね。

本命はベテラン蛯名正義騎手が跨る◎ダイワマッジョーレに打ちます。マイルCSの勝ちポジは、内の中団ですから、ゲートから出て、枠なりでダイワマッジョーレのリズムで走れば、勝ちポジを走ることができるはずです。レースの流れによっては、自然と少し前のポジションになるかもしれませんが、無理をしてポジションを取りに行く必要はなさそうですね。前走のスワンSの行きっぷりを見ると、武豊騎手のトーセンラーの前にポジションできそうなのも良いです。粘り込みを図る川田将雅騎手のクラレントを捕らえつつ、武豊騎手のトーセンラーや福永祐一騎手のダノンシャークの追い込みを凌いだところがゴール。そんなイメージで仕掛けてくるのではないでしょうか。

昨年の秋から狙っていたダノンシャークに◎を打たなかったのは、休み明け以降の馬体重の変化が理由です。今年に入ってから、せっかく450kg台に成長した馬体が、なぜか京成杯AHでは448kgに減り、さらに富士Sでは436kgとかつての馬体重に戻ってしまいました。前走はさすがに増やして臨んでくるかと思っていたのですが、もしかしたら長距離輸送が苦手なのかもしれませんね。関東の競馬場でレースをすることのダメージが大きいのではないでしょうか。大久保調教師が大事に育ててきた、能力も操作性も高いマイラーですから勝ってもらいたい気持ちはありますが、ワンパンチ足りないかもしれないと評価を一枚落としました。

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◎コディーノ

Tennosyoaki10ゴールドシップの不在は残念ですが、今年の天皇賞秋はなかなか重厚なメンバーが揃いましたね。ここでいう重厚というのは、各出走馬に個性があり、背景が多種多様であるということです。3歳馬から7歳馬までと年齢も幅広く、夏場を使ってきた馬からぶっつけで臨んでくる馬まで、それぞれがそれぞれのやり方で勝負を賭けてきた感じです。実力が拮抗しているレースよりも、こういうレースをこそ、どの馬が勝ってもおかしくないと表現するべきではないでしょうか。

1番人気のジェンティルドンナは、実力は一枚も二枚も上の存在です。ここ2戦(ドバイと宝塚記念)でこの馬特有のスッという一瞬の脚が見られないのは、昨年秋にジャパンカップを含め3連勝した目に見えない疲れが抜けていなかったからです。そんな状態でも、勝った一流の牡馬に食らいついたのですから、ブエナビスタがアーネストリーを差し返そうとした宝塚記念と同じぐらい、負けて強しだと感じました。宝塚記念以来の休み明けであることに違いはありませんが、追い切りの動きを見ると、仕上がり自体には心配はありませんね。この牝馬に勝つことは、かなり難しいと思います。

ジェンティルドンナとは対照的に、トウケイヘイローは夏場をずっと使ってきた馬です。馬体を見る限りは、なんとか体調は平行線を辿っているのではないでしょうか。この馬の最大の武器は、逃げることで自分の型に持ち込むことができ、バテないということです。マイル戦などの短距離戦で変に差し込まれてしまうよりは、中距離戦の方がしぶとさが生きることが分かりました。府中の直線は長いので、逃げ切るのはそう簡単ではありませんが、トウケイヘイローもそう簡単には止まらないはずです。武豊騎手が天皇賞秋で逃げ馬に乗ると、あのサイレンススズカを思い出してしまいますね。

本命は3歳馬◎コディーノに打ちます。前走の毎日王冠では出遅れに加え、超スローペースの中、外々を回されてしまいました。あの上がり時計で、あのポジションでは、どれだけ強くても勝ち負けにはなりません。今回は1番枠を引きましたので、「前走でスローの外を回された馬が内を走って巻き返す」という典型的なパターンに当てはまります。距離的には2000mまでは守備範囲ですので、スタートを決めて、内ラチ沿いの2、3番手を取ることができたら、ジェンティルドンナの足元をすくうチャンスが生まれるかもしれません。

池江厩舎からはなんと4頭が出走してきました。どの馬もG1で勝ち負けできる実力の持ち主です。オルフェーヴルがいなくても、これだけの古馬陣を抱えている厩舎の懐の深さを感じざるをえません。その中の1頭、ダノンバラードは宝塚記念で2着したように、一時期の不調から完全に立ち直りました。前走は休み明けに加え早仕掛けもあって、最後は内にモタれてしまいました。キッチリと仕上げていけば、たとえ左回りでもそれほどモタれることはないのではないでしょうか。今年絶好調の川田騎手が、最後までビッシリと追って、勝ち負けに持ちこんでくるはずです。

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◎エピファネイア

Kikka

一昨年のオルフェーヴルに続き、昨年はゴールドシップが勝ち、2年連続して菊花賞から超一流馬が誕生しました。「菊花賞は強い馬が勝つ」と言われた時代があり、メジロマックイーンやライスシャワー、ビワハヤヒデ、マヤノトップガンなど、挙げればキリがないほどの名馬たちが菊花賞を舞台に誕生しました。個人的にも、菊花賞や天皇賞春を勝てるような馬こそが名馬という思いがありますので、これからも菊花賞は菊花賞として、クラシック3冠の最後の価値あるレースであり続けてほしいと願います。そのためにも、菊花賞に相応しい馬に勝ってもらいたい、そして後々も活躍してくれる馬に菊花賞を勝ってほしいですね。

そういう想いを込めて、本命は◎エピファネイアに打ちます。あのシーザリオの仔がこうやってターフで走っているのを見ると夢のようですが、よく見れば見るほどよく似ていますね。毛色こそ違え、エピファネイアの額の流星や顔の表情などは母を彷彿とさせてくれます。父はシンボリクリスエスですので、さすがに3000mの距離には不安があると思われていますが、スタミナは主に母父から遺伝しますので、距離は全く問題ないと考えています。母父スペシャルウィークはステイヤーですからね。同じ配合のユールシンキングが菊花賞に駒を進めてきたのもそういうわけです。日本ダービーをあれだけ引っ掛かって、しかも躓いても最後まで伸びたのですから、スタミナは無尽蔵だと思います。能力はこのメンバーでは抜けていますので、あとは道中での折り合いがつくかどうかですね。

それを含めて、内枠を引いてしまったことが唯一の不安材料です。3000mの菊花賞は、クラシック最後のレースということもあり、長距離に適性のない馬たちも無理を承知で出走してきます。そういった馬たちが、勝負所でペースが厳しくなったときに、バテて下がってくることが多々あります。馬群の外を走っていれば、下がってくる馬を外にかわして自分は上がってことができますが、馬群の内を走っていると、前から下がってくる馬たちが壁になり、上がっていきたいところで上がっていけない、最悪のケースとしては自分の馬も下げなければならない事態も生じます。

そうならないように、内枠を引いた場合は、道中のどこかで馬群の外に出しておかなければなりません。ただし、それは変に馬を動かしてしまうことにつながりかねないので、その動作に馬が反応して、外に出した瞬間に引っ掛かってしまう恐れがあります。今年の菊花賞は、その葛藤と常に闘いながら、どこまでエピファネイアを内に入れておくか、どこで外に出すか、福永祐一騎手の判断力と腕が問われることになります。人気ほどは簡単に勝たせてくれないレースになると思います。

それに比べて、レースがしやすいのは、外枠を引いて、かつ引っ掛かる心配もないサトノノブレスとマジェスティハーツです。菊花賞の勝ちポジは、道中は馬群の外の後方です。そこで脚をためて、勝負所から捲くり気味に動き始め、第4コーナーでは先頭に並びかける。どちらかというとマジェスティハーツの方が勝ちポジを走れるイメージに合いますが、サトノノブレスもペース次第では後ろから行くかもしれません。自分たちの馬の手応えに余裕があれば、武豊騎手や岩田康誠騎手のことですから、エピファネイアと福永祐一騎手を外に出さないような工夫をして、内で苦しんでいる隙を突いて外を早めに上がってゆく、そんなレース運びを思い描いているはずです。まあ、そうでもしないと、エピファネイアの搭載しているエンジンには敵わないということでもあるのですが。

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◎スマートレイアー

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今年の秋華賞は、ディープインパクト産駒であるデニムアンドルビーとスマートレイアーによる争いと見ています。この2頭はディープインパクトの遺伝子を色濃く受け継いでいますが、その受け継ぎ方はそれぞれに全く異なります。デニムアンドルビーは脚の速さを、スマートレイアーはバネと軽さを受け継ぎました。人気にはなっていますが、両頭共に気性的にも安定しており、荒れそうで荒れないレースとなるのではないでしょうか。

まずはデニムアンドルビーですが、その走りを見てもらえば分かるとおり、強靭な脚力の持ち主です。フローラSしかりオークスしかり、前走のローズSしかり、勝負どころで他馬も動き始めている中を異次元の脚色で外からまくっていきますから、速く走るために生まれてきたサラブレッドの中でも脚が速いということです。父ディープインパクトがそうでしたし、ブエナビスタやオルフェーヴルもそうでした。道中はどこにいても、あっという間に先行集団に追いつくことができますので、脚が速い馬の負けるシーンは想像しにくいですね。

デニムアンドルビーの血統構成は今の日本競馬の中で最高と言ってよいのではないかと思います。血統は突き詰めてゆくと極めて奥が深いものですが、逆に最もシンプルに考えると、父と母の父の組み合わせが重要になります。サイヤーとブルードメアサイヤーを見れば、血統の大体のことは分かるということです。私はこのデニムアンドルビーの父ディープインパクト×母父キングカメハメハという血統構成を見て驚きました。当たり前と言われたら当たり前ですが、このベストトゥベストの血統構成が現実のものとなって、遂に私たちの目の前に現れたのだと感動したのです。この血統構成の馬にいち早く目をつけた金子オーナーはさすがだと思いますし、またディープインパクトとキングカメハメハのオーナーであったからこそなのかもしれません。

唯一の不安材料は、前走の道悪で激しいレースをしたことによる疲れでしょうか。ハイペースが味方したとはいえ、あれだけ極端なレースをしたあとは、目に見えない疲れが必ずや出るはずです。その疲れがもう抜けたのか、それとも本番で噴出してしまうのか、正直走ってみなければ分かりません。いくらデニムアンドルビーが脚の速い馬であっても、最高の血統構成を誇る馬であっても、走れる体調になければ、後方のまま上がっていけずに凡走ということもあるはずです。

デニムアンドルビーの足元をすくうとすれば、同じディープインパクト産駒の◎スマートレイアーを置いて他にいません。この馬は毛色こそ違え、その走りを見るとディープインパクトを彷彿させるような軽やかさです。まるで空を飛んでいるように伸びてきますね。オークスに出走させようと思えばできたはずですが、さすが馬を大切に使う大久保調教師ですね、ここまで成長を促して、満を持してG1レースに臨んできました。現時点では、デニムアンドルビーとまともに戦っても勝ち目は薄いと思いますが、今回は内枠を味方につけることができそうです。武豊騎手ならば、スタートしてすぐに秋華賞の勝ちポジである内の3、4番手につけようとするはずです。デニムアンドルビーが大外を回って、強引な競馬をせざるをえない分、内ラチ沿いで極力ロスを減らして、ギリギリまで脚をためて勝負すれば、十分にチャンスはあると思います。

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◎サクラゴスペル

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今年のスプリンターズSの焦点は、王者ロードカナロアが勝つかどうかです。日本馬にとっては高い壁となっていた香港スプリントを圧勝し、昨年のスプリンターズS、今年の高松宮記念と安田記念を勝利し、もはや国内外で向かうところ敵なしの短距離馬です。休み明けの叩き台であった前走は仕方ないとして、ケタ違いの能力を持つロードカナロアが負ける姿を想像するのは難しい、というのが正直なところでしょう。その感覚に従って、素直にロードカナロアの相手探しをするか、それともロードカナロアが再び敗れる方に賭けるのか。

ロードカナロアにもただひとつだけ心配材料があります。それは連勝が途切れた馬の次走も危ないからです。なぜ危ないかを簡単に説明すると、馬の気持ちが切れてしまうことが多いからです。サラブレッドが連勝をするには、どれだけ能力が高い馬であっても、毎回きっちり仕上げられなければならず、肉体的にも精神的にも追い詰められます。その状態がずっと続くのですから、連勝している間は馬も人間も気が休まるときはありません。連勝が止まると、それまでに溜まっていた疲れが一気に噴出し、張り詰めていた気持ちが切れます。よって、次のレースまでになかなか馬の気持ちと身体を立て直すことができず、負けてしまうことが多いのです。

現にロードカナロア自身もかつて連勝が止まったことで、ガタっと来てしまったことがあります。5連勝で臨んだ昨年の高松宮記念で3着に敗れ、秋へ向かっての復活を図って出走した函館スプリントSでは圧倒的な1番人気を裏切る形で2着に敗れてしまいます。さらにその次のレースであるセントウルSでもエピセアロームに差されて2着と惜敗を喫しました。この2つの敗戦を経て、ロードカナロアは肉体的にも精神的にも立ち直り、秋から今年の春に続く全盛期を走り切ったのでした。どこかで気持ちは途切れてしまいますし、そこから立て直すのにはある程度の時間が掛かり、それはロードカナロアのような名馬にとっても同じということです。

それでは、ロードカナロアを負かすとしたらどの馬でしょうか。やや気持ちが乗っていない状態のロードカナロアであっても、搭載しているエンジンが違う以上、凡走することは考えにくいです。そうなると僅かな隙を突いて、たった鼻の差であったとしてもロードカナロアをゴール前で競り落とせる可能性のある馬を探すということになります。かつて「秋のG1戦線を占なう」のスプリント路線で書いたように、グランプリボスをその1番手と考えていましたが、やはりぶっつけでの挑戦というが引っ掛かります。雨が降ったらハクサンムーンもチャンスはあると思いますが、今回、当日に雨は今のところ降らなさそうです。

そうなると私が本命を打ちたいのは◎サクラゴスペルです。高松宮記念の4着もそうですが、安田記念の5着には価値があると思います。なんと言っても、スプリンターズSの勝ちポジである外の3、4番手を走れる脚質と枠順を手に入れたことが大きいです。横山典弘騎手はおそらくハクサンムーンの逃げをロードカナロアが捕らえようと早めに動き出したところを狙って、ワンテンポ仕掛けを遅らせてゴーサインを出すはずです。そうすれば、最後まで踏ん張りきれるだけの気力を失いつつあるロードカナロアが一瞬気を緩めたところを、ゴール前で計ったように差し切ることができるのではないでしょうか。

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