競馬の神様はいずこに?

私にとっては痛恨の馬券であった。競馬の祭典ダービーだというのに、当日にどうしても外せない仕事が入り、現地で観戦できなかっただけでなく、前日に馬券を買わなければならない羽目になってしまったのだ。前日に購入することは慣れているのだが、その日、雨が降っている場合だけにはどうしても慣れることができない。このまま雨が降り続き、重馬場になるのか、それとも当日には降り止んで、良馬場での戦いになるのか。ここの見極めは難しい。
今年のダービーに限っては、雨が残るだろうという憶測(臆病な観測)のもと、良馬場であればかなりの自信があったディープスカイへの賭け金を下げた。ただでさえ何が起こるか分からない中で、さらに何が起こるか分からないのが重馬場の競馬というものだからだ。ディープスカイの切れすぎるほど切れる末脚も、あまりにも馬場が悪ければ削がれることもあるだろう。今年のダービーは控除率が5%も引き下げられるプレミアムレースで、大きく賭けるつもりだっただけに、なおさら忸怩たる思いではあったことは確かだ。
そんな私の暗澹たる思いとは裏腹に、ディープスカイに跨った四位騎手の騎乗は見事なものであった。スタートしてから全くの馬任せで第1、2コーナーを回り、向こう正面に至って先頭を走る馬との差が大きく開いているにもかかわらず、全く慌てることなくディープスカイのリズムで走らせていた。四位騎手の隣をフロテーションに乗って走っていた藤岡祐騎手が、「1コーナーで四位さんは笑っているように見えた」と言う気持ちもよく分かる。いくら末脚に自信があっても、おそらく中団でレースを進めるのではと考えていた私にとって、四位騎手の揺るがない騎乗には身の引き締まる思いがしたものだ。昨年のダービーをウオッカで勝った自信と余裕からなのか、それとも腹を括っているのか。おそらくどちらでもあったのだろう。一世一代のダービーで、勝ちたいという思いを完全に消し去ることの出来た四位騎手は、ダービージョッキーの称号に相応しかった。
しかし、勝利ジョッキーインタビューでの言動は褒められたものではなかった。以前、こちらのエントリで評価しただけに裏切られた気持ちもあった。私は勝利ジョッキーインタビューには特別な思いがあって、この場でいい加減なことをする騎手は断固として許せないのである。個人的には、佐藤哲三騎手の人をバカにしたような受け答えには肝を冷やすし、後藤騎手がかつてやっていたオチャラケもあまり好きではない。テレビで放映されるということは、不特定多数の人々の目に触れるということであり、その受け答えひとつで競馬ファンではない一般の方々の見る目も変わってくるからだ。
ジョッキーたちが、レースが終わって興奮しているのも分かるし、次のレースのことで頭が一杯なのも分かる。競馬のことを知らないインタビュアーの下らない質問に怒りを感じるのも分かるし、神聖なるダービーの勝利ジョッキーインタビューの場をぶち壊すような輩に心底腹が立つのも分かる。それでも、あなたは運良く特別な場を与えられて、競馬を代表するひとりのジョッキーとして、世界の人々に対してメッセージを語っているということだけは忘れないで欲しい。
日本一のジョッキー武豊騎手が偉大なのは、たくさん勝っているからではなく、馬乗りの技術が優れているからでもなく、日本の競馬のことを常に考えて生きてきたからである。「去年も勝たせてもらって、まさか2年連続でダービーを勝てるとは思わなかった。競馬の神様が今日も僕のところに降りてきたようだ」と四位騎手は話したが、ダービーの神様はもう二度と彼のところには降りてこないのではないかと思う。






















































アルカセットの前日売りオッズには、思わず目を疑った。L・デットーリ騎手が騎乗するから人気にはなるだろうと予測はしていたが、まさかこれほどまでとは。サンクルー大賞を勝っているものの、その後の2戦は敗れており、他の外国馬と比べても実績不足は明らかである。そもそも、肝心の実力や日本の軽い芝に対する適性など、未知の部分が多すぎるではないか。その証拠に、2週間前の時点でアルカセットに本命を打っている競馬記者などほとんどいなかったはずである。









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