
2007年最終最後のG1レースとなる東京大賞典。今年はジャパンカップダートの覇者ヴァーミリアンを筆頭に、中央のメンバーも手厚く、それを迎え撃つ地方馬も3冠を分け合った3歳馬3頭がいずれも参戦と、好勝負必至の好レースとなった。
まずは、国内ダート最強は疑いようのないヴァーミリアンから。ドバイ遠征から戻り、無理をさせずに休ませたことが功を奏し、JBCクラシック→JCダートというレベルの高いG1を連覇した。芝の重賞を勝っているように、このメンバーではスピードそのものが一枚も二枚も上の存在で、さらに前走で驚異的なラップを刻んだハイレベルのレースを圧勝したように、スタミナも十分すぎるほどにある。また、JBCクラシックではスローの瞬発力勝負を突き抜け、JCダートではハイペースの底力勝負を制したように、道中でどんな緩急のあるレースにもピタリと折り合い対応できる。
もはや死角と呼べるものはないのだが、それでもあえて重箱の隅をつつくとすれば、前走をレコードタイムで走ったことによる反動だろう。前走後は様子を見ながらゆっくりと調整を進めてきたことが調教過程から窺えるが、それゆえ現状維持はあっても大きな上積みはない。現状維持で出走してくれば、間違いなく頭は鉄板である。逆にもしこの馬が負けるとすれば、レコード勝ちの反動という体調の問題だけである。JBCクラシック→JCダート→東京大賞典の3連勝は、中央競馬でいえば天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念に相当するはずで、そう簡単なことではないだろう。
2番手以降は混戦だが、実績・実力を考慮すればブルーコンコルドが筆頭か。JBCクラシックは引っ掛かったことや4コーナーでの不利もあって、1番人気を裏切ってしまった。引っ掛かった原因はその前走(南部杯)でマイル戦を使ったことであろうし、休み明けをマイナス体重で好走した反動もあった。ジャパンカップは好位を取りに行ったことによって引っ掛かってしまった。あれだけのハイペースを先行すればバテて当然で、むしろ1.5秒差の7着に粘ったことは評価したい。そもそも前走時は自慢の筋骨隆々の馬体が薄く映り、体調自体がまだ本物ではなかった。馬体重から考察すると復調なったと考えてよく、年齢的な衰えがなければ、今回は巻き返し必至である。
ここに来て充実期を迎えていると思われるのがメイショウトウコンである。この馬はダート馬にしては珍しいタイプで、スローペースのヨーイドンを得意とする。血統的には芝の方が良さそうだが、芝の瞬発力勝負では少し分が悪いのだろう。しかしダートでは話は違う。平安SやエルムSを見ても、前残りのしそうなスローペースをあっと言う間に差し切ってしまう。差し馬なのでハイペースの方が力を出せると誤解されるが、前走のジャパンカップダートのような厳しいペースは苦手である。直線に向くまでにこの馬自身が脚を使ってしまい、持ち前の瞬発力を発揮することが出来ないからだ。今回のメンバーを見渡すと、逃げを主張する馬はおらず、スタートしてから最初のコーナーまでの距離も長いため、各先行馬がけん制をし合ってそれほど速いペースにはならないだろう。前に行っている馬も楽をしているので、それを差し切るのは容易ではないが、メイショウトウコンにとってはおあつらえ向きのレースになりそうである。砂厚の薄い(7cm)大井競馬場の馬場も合いそうだ。
シーキングザダイヤがもし勝てばドラマになる。スピードもスタミナもG1級のものを持っているが、どちらも中途半端であるため、乗り方が難しい馬である。乗り方というよりも、勝ち方が難しいというべきか。理想は、ミドルペースで先頭もしくは2、3番手を追走し、直線入り口で一気に突き放したリードをゴールまで死守するというパターンだろう。ただ同じようなレースをしたいフリーオーソがいて、競り合ってしまうと共倒れしてしまうだろう。森調教師は馬を長く使うことに長けているので、年齢的な大きな衰えを心配することはないだろうが、上積みはないことを考えると頭では狙いにくい。
地方馬から1頭ピックアップすると、内田博幸騎手が騎乗するルースリンドだろう。ヴァーミリアンと同じエルコンドルパサーを父に持つが、晩成血統であることを考えると、この馬も今が最も充実しているはず。マイル戦を8勝無敗とスピードの勝った馬だろうが、しっかりと折り合いがつくため、今回の2000mの距離はマイナス材料にはならない。JBCクラシックは休み明けにもかかわらず、後方からよく追い込んで来ているし、前走の浦和記念にしてもシーキングザダイヤには負けたものの勝ちに等しい2着と、G1を勝ってもおかしくない力を付けてきている。晩成の血が開花したエルコンドルパサー産駒は一気に頂上まで登ってしまう可能性を秘めているので、鞍上の魅力も含めて注目したい。
明日は大井競馬場で観戦するつもりなので、最終的な本命はパドック→返し馬の動きを見て決断したい。いずれにせよ、不完全燃焼で終わった有馬記念の鬱憤を晴らすべく、思い切った馬券で勝負したいと思う。
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