牝系の勢いに気づき、馬券に活かす

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私がサラブレッドの牝系の奥深さや重要性に気づかされたのは、スペシャルウィークという名馬を通してであった。スペシャルウィークの牝系を辿っていくと、4代母にシラオキ、9代母にフロリースカップという、日本競馬の礎を築いた牝馬たちに行き着く。ビューチフルドリーマー系、アストニシメント系、フラストレート系、ヘレンサーフ系など、いわゆる小岩井牝系と呼ばれる牝系の代表のひとつであるフロリースカップ系である。現代の競馬の世界は完全にボーダレス化し、外国から超一流の種牡馬や繁殖牝馬が続々と輸入され、その産駒たちが活躍している中、スペシャルウィークは日本の在来血統から出た超大物であった。

日本の在来血統といっても、決して古くて劣っていたわけではなく、むしろ当時としては破格のマネーを積んで、三菱財閥の威信をかけ、イギリスから超一流の繁殖牝馬と種牡馬を買い求めた経緯がある。小岩井牧場に最初に導入された繁殖牝馬20頭の中に、前述のフロリースカップやビューチフルドリーマー、アストニシメント、ヘレンサーフらがいて、第二次世界大戦やその後の財閥解体、農地改革などの影響を大きく受け、各地に散り散りになりながらも、それぞれに血を繁栄させていったのである。

これら日本の在来血統や小岩井牝系に特徴的なのは成長力とスタミナである。種牡馬の血統イメージ以上に距離をこなし、かつ古馬になってからの成長力に富み、衰えを知らずにタフに走り続ける。サンデーサイレンス産駒の中でも、のちに登場するディープインパクトのような突き抜けた存在を除き、日本ダービーを勝ち、クラシックで活躍しながらも、古馬になってからさらに強くなったのはスペシャルウィークぐらいのものである。サンデーサイレンスは基本的には早熟で仕上がりが早く、軽い馬場に適応できるスピードと瞬発力に長けた種牡馬であるからこそ、サンデーサイレンス産駒の中におけるスペシャルウィークの異質さが牝系に依ることは間違いがない。

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大崩れしないケイティブレイブ:5つ☆

ゴールドドリーム →馬体を見る
前走時が最高のつくりだったので、それと比べるとあと一歩の感は否めない。
それでも筋肉量の豊富な馬体は素晴らしく、ダートの超一流馬のそれである。
Pad4star

アウォーディー →馬体を見る
こうして改めてみると芝でも走れそうな馬体で、決してダート馬のそれではない。
気持ちで走ってきた部分が大きいので、今回も最後に踏ん張れるかどうかが鍵。
Pad3star

インカンテーション →馬体を見る
8歳馬とは思えない、はちきれそうな筋肉をした馬体で、まだ十分に走れそう。
顔つきも精悍であり、本番に向けて体調も万全であることが伝わってくる。
Pad4star

テイエムジンソク →馬体を見る
血統的には完璧なダート馬であるが、馬体だけを見ると、すらっとして線が細い。
逆に言うと、ダート馬にはない筋肉の柔らかさがあって、簡単には止まらないはず。
Pad4star

サンライズノヴァ →馬体を見る
肢をつく位置が悪いため、力んで立っているように映るが、この馬の気性ゆえだろう。
手足がすらっと長く、馬体的にはマイル以上の距離に延びても問題ないはず。
Pad3star

キングズガード →馬体を見る
いかにも短距離馬らしい、コンパクトな馬体のまとまり方で距離延長はマイナス。
それでも毛艶が抜群に良いように、仕上がり自体は最高潮に達している。
Pad3star

ケイティブレイブ →馬体を見る
骨格のバランスが素晴らしく、筋肉量も申し分ない、非の打ち所がない馬体。
重心が低いため、距離は2000mぐらいまでだろうが、大崩はしないはず。
Pad5star

ベストウォーリア →馬体を見る
8歳馬にしては迫力のある馬体を維持しているが、さすがにメリハリが少ない。
顔つきを見ると闘争心は失っておらず、それが高齢まで走り続けられる要因か。
Pad3star

ニシケンモノノフ →馬体を見る
全体的なバランスは悪くないが、このメンバーに入ってしまうと迫力不足。
この時期だけに毛艶が冴えないのは仕方ないが、筋肉のメリハリが今ひとつ。
Pad3star

ノンコノユメ →馬体を見る
どうしても馬体が小さく見えてしまう馬だが、今回は大きく見せている。
せん馬になってから不振が続いていたが、肉体、精神的に復調してきた。
Pad3star

サウンドトゥルー →馬体を見る
腹回りに余裕があるように、もうひと絞りできそうな馬体をしている。
胴部が詰まって見えることからも、この馬の末脚を生かせるか不安がある。
Pad3star

ロンドンタウン →馬体を見る
幼さが残っているような馬体だが、毛艶は良くて仕上がりは万全。
リラックスして立てており、この馬の先行力を生かせば上位もある。
Pad3star

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東京ダート1600m

Tokyo1600d1

ポケットからの発走でスタート直後に80mほど芝コースを走る。外枠の方が若干長く芝コースを走ることができ、それを利して外側の馬が内側に圧力をかけながらコーナーに突入するため、内側の馬は窮屈になりやすい。ダートコースに入ってすぐの2コーナーは緩く、進路を左に変える程度のもので、実質的な第1コーナーは3コーナーとなる。そのため、スタートから第1コーナーまでの距離は670mと非常に長く、先行馬にとっては息を入れることのできない速いペースになってしまうことが多い。

それでも、フェブラリーSは1分34秒台という芝なみの速い時計で決着することが多く、前に行った馬も簡単には止まらない。全体的にペースが緩むところがあまりなく、スタートからゴールまでスピードを持続することが求められるため、スタミナがないと克服することが出来ないコースでもある。

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フェブラリーSを当てるために知っておくべき3つのこと

Feb

■1■スピードが求められる
平成14年以降、アグネスデジタル(マイルCS、天皇賞秋、安田記念など)、ゴールドアリュール(ダービー5着)、アドマイヤドン(朝日杯フューチュリティS、菊花賞4着)、メイショウボーラー(皐月賞3着、NHKマイルC3着)など、芝コースで実績のある馬の活躍が目立っていた時期がある。2着馬に目を移しても、平成16年のサイレントディールはシンザン記念を制していて、平成17年のシーキングザダイヤはニュージーランドTを勝っている。近年は芝のG1戦線でも十分に勝ち負けになる実力馬の参戦、もしくは転戦により、フェブラリーSの勢力図が変化してきていることは見逃せない。

なぜ芝コースで実績のある馬が、畑違いのダートG1レース・フェブラリーステークスでも同じような走りを見せることができるのだろうか。もちろん、芝コースで実績のある馬は能力自体が高いのだが、それ以外の理由として以下の2つが挙げられる。

1)東京ダート1600mのコースは、スタート直後に80mほど芝コースを走るから
2)1分35秒台で決着することが多く、スピードが求められるから

1)のスタート直後の芝コースは、確かに東京ダート1600mコース独特のものである。スタート直後80mの芝部分を利して、芝実績のある馬が先手を取って流れに乗ることが出来るということである。しかし、わずかスタート直後80mの芝部分がレースの勝敗を左右するとは思えない。とすると、2)のスピードが求められるという理由の方が大きいのではないだろうか。

東京競馬場のダートコースは砂が浅いため、冬場の時期でも、それほど力のいる馬場にはならない。平成10年は勝ち時計が1分37秒5と、非常に力の必要とされる馬場であったが、さまざまな原因が重なって起こった例外的なものと考えていいだろう。

標準的な馬場であれば、オープンクラスだとマイルで1分35秒台での決着となる。これくらいの馬場状態だと、ダート戦といってもスピードがないと勝負にならず、パワーだけで勝負する生粋のダート馬にとっては苦しいレースになるだろう。スピードの絶対値が高い馬、つまり芝コースでの実績馬が活躍するのは当然といえば当然の結果である。

■2■4、5歳馬が中心
4歳   【3・3・1・29】
5歳   【5・2・3・15】
6歳   【2・1・4・34】
7歳以上【0・4・2・51】

過去10年の年齢別の成績を見てみると、4、5歳馬から勝ち馬が8頭と、若い世代が高齢馬を圧倒している。ダートは馬が痛まないので高齢まで長く好走できるのだが、極限のスピード能力が要求されるフェブラリーSでは、スピード能力の落ちてきた高齢馬のゴマカシが利かず、ある意味において篩(ふるい)に掛けられてしまうのである。

■3■1600m以上のスタミナが求められる
スタートしてから第1コーナーまでの距離が長いため、息の入らない激しい流れになることが多い。そのため、スピードだけではなく、最後の直線でバテずに踏ん張ることのできるスタミナも必要とされる。1600mという数字以上のスタミナを要求されるのは、過去の勝ち馬を見ても明らかである。前述したスピードと、それを持続するスタミナ、そのどちらを欠いてもフェブラリーステークスを制することはできない。

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未来に先回りして予想する(2018年牡馬クラシック番付)

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昨年のちょうど今頃、日本ダービーに先回りして考えるとして、牡馬クラシック戦線の番付を行った。クラシックで活躍するような馬は年内にデビューしていることがほとんどだから、年が明けた現時点で、今年のクラシックを占うことは十分可能である。未来に先回りしてみることで、クラシック戦線の全体像から各馬の力関係、陣営の思惑までがつぶさに見えてくることがあるのだ。

恥ずかしながらも、まずは昨年の番付を振り返ってみたい。

横綱 ムーヴザワールド
大関 レイデオロ
関脇 サトノアレス
小結 キセキ

あの時点でキャリア2戦であったムーヴザワールドを、インパクトを出したいという邪心もあって、横綱に推してしまったことは悔やまれる。素質は確かであり、成長を見越してのものだったとしても、さすがに横綱の評価は少し行きすぎであった。しかし、その他3頭挙げたうちの2頭がクラシックを獲っているのだから、番付全体としては悪くはないと思う。レイデオロの日本ダービーは順当勝ちだとしても、日本ダービーには間に合わなかったキセキが菊花賞を制してみせたのである。私がキセキを小結に推したのは、キャリア2戦1勝、セントポーリア賞で5着に敗れた直後であったのだから、自分の慧眼には驚かされる。

ところが、その未来を見抜く目を馬券には生かすことができなかったことを、正直に告白しておきたい。日本ダービーでは、番付の裏付けもあって、レイデオロの単勝を買うことができたが、菊花賞ではキセキに本命を打つことができなかったのだ。

未来(日本ダービーや菊花賞)に先回りする思考法の本質は、どうしても直近のレースにおける走りや目の前の調教、枠順などに右往左往させられてしまう私たちの点の予想を、競走馬の素質や成長曲線というスパンで見ることによって、線の予想へと変えてゆくことにある。つまり、長い目で見るということだ。格付けをした時点から菊花賞までの間、あらゆるノイズに邪魔をされてしまい、キセキの強さを信じてあげられなかったことは、我ながら情けない。

気を取り直して、今年こそはここに挙げる4頭を最後まで追いかけるつもりで、2018年牡馬クラシックの番付を記しておきたい。

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菊花賞の疲れさえ取れていればアルアイン:5つ☆

☆共同通信杯
グレイル →馬体を見る
やや腹回りに余裕はあって完璧な仕上がりではないが、実に力強いアウトライン。
この時期にしては毛艶も良く、表情も賢そうで、将来性の高さを感じる。
Pad4star

ステイフーリッシュ →馬体を見る
牡馬にしては小柄で線の細さがあり、馬体は完成途上の感は否めない。
ただ、筋肉の柔らかさと気持ちの強さは父ステイゴールド譲りで、この先楽しみ。
Pad4star

カフジバンガード →馬体を見る
胴部には長さがあるが、コロンとして映るのはまだ太目残りであるからか。
これといって特筆すべき点はないが、平均的にまとまって欠点の少ない馬体。
Pad3star

ゴーフォーザサミット →馬体を見る
いかにもハーツクライ産駒らしい、線の細さと後ろ肢の伸びがある。
将来は走ってくるはずだが、現時点での完成度という点では見劣りしてしまう。
Pad3star

☆クイーンS
ツヅミモン →馬体を見る
全体的に3歳牝馬らしい線の細さが目立ち、パワーよりもスピードが勝っている。
胴部には長さがあるため、もしかすると距離が延びた方が良いタイプかも。
Pad3star

ソシアルクラブ →馬体を見る
いかにも良血馬らしい非の打ち所のない好馬体で、走る馬であることは確か。
筋肉のメリハリはもう一歩で、レースを使われつつ絞れてくれば面白い。
Pad4star

マウレア →馬体を見る
この馬も3歳牝馬らしい線の細さがあって、明らかにパワー不足の印象を受ける。
それでも走っているのは血統ゆえか、馬体からは特筆すべき材料はない。
Pad3star

レッドベルローズ →馬体を見る
他の出走馬に比べると、前駆にしっかりと実が入って、力強さでは一枚上の存在。
パワー型の母系が出ているのか、走るディープインパクト産駒らしい馬体。
Pad4star

☆京都記念
ディアドラ →馬体を見る
牝馬離れした骨格のしっかりとした馬体を誇るが、休み明けを感じる仕上がり。
毛艶が冴えないのは時期的に仕方ないとして、もう少し筋肉のメリハリがほしい。
Pad3star

モズカッチャン →馬体を見る
古馬になってもそれほど馬体は変わらず、気持ちの強さで走っているタイプ。
とはいえ、馬体のバランスの良さは素晴らしく、大崩れすることはないだろう。
Pad3star

クロコスミア →馬体を見る
休み明けに加えて厳寒期ということもあり、毛艶は悪く、体調は万全ではない。
やや腰が落ちているように映るのも、トモの実の入りが足りないから。
Pad3star

クリンチャー →馬体を見る
菊花賞以来とは思えないほどリフレッシュされた馬体で、仕上がりも決して悪くない。
筋肉のメリハリも良く、パワーアップしている印象で、スタミナがより生きるはず。
Pad45star

レイデオロ →馬体を見る
凛とした立ち姿で、いつも気持ちが前向きな様子が伝わってきて、賢い馬。
馬体も休み明けとしては良い仕上がりにあり、この馬の力は出し切れる。
Pad45star

ミッキーロケット →馬体を見る
他の出走馬の仕上がり具合と比べると、どうしても力強さに欠け、仕上がりは疑問。
前駆に力強さはあるが、トモの肉付きが物足りず、どこまで粘れるか。
Pad3star

アルアイン →馬体を見る
さすが池江厩舎という素晴らしい仕上がりで、休み明けにもかかわらず完璧な馬体。
距離は2000m前後がベストなはずで、菊花賞の疲れさえ取れていれば勝てる。
Pad5star

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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第31回)

Hitokuti30

アダチさんからクオカードが届いた。ただのクオカードではない。ラッキーライラックの阪神ジュベナイルフィリーズ優勝記念につくられたそれである。つまり、アダチさんはラッキーライラックの一口オーナーということである。アダチさんとは、確か岡山県にある引退馬のリトレーニングを行う吉備高原サラブリトレーニングについて拙ブログにコメントをいただいたことがきっかけで、同郷であることを知ったと記憶している。

彼がラッキーライラックを一口持っていることを阪神ジュベナイルFの直前に知った。残念ながら私は同じオルフェ―ヴル産駒のロックディスタウンの単勝を買っていたため、ラッキーライラックを心から応援することはできなかったが、自分の本命馬が負けてもラッキーライラックが勝ったことでほんの少しだけ救われたものだ。そんな私の気持ちを見透かしたように、アダチさんはアルテミスS勝利時のクオカード、そして阪神ジュベナイルFのクオカードを届けてくださった。

2枚のクオカードを眺めながら、なぜアダチさんはラッキーライラックを選んだのだろうか、という素朴な疑問がふと浮かんできた。あれだけ多くのサラブレッドたちが一口馬主の出資を募っている中で、なぜまだ山のものとも海のものとも分からない、しかも新種牡馬であるオルフェ―ヴル産駒という未知の要素の大きい1頭の1歳牝馬を選び取ることができたのだろうか。運と言われたらそれまでだが、運だけではない何かがあるならば知りたいと切実に思った。ちょうど母系の大切さに着目していたというタイミングも良かった。

実は、ラッキーライラックは今をときめくMy Juliet牝系の馬である。My Julietは自身がアメリカで24勝を挙げただけではなく、子どもたち(特にステラマドリッド)を通して、ラッキーライラックの他、ダイヤモンドビコーやミッキーアイル、アロエリット、テイエムジンソクらを輩出している。しかもここ数年のMy Juliet牝系の勢いは素晴らしい。その流れを知っていて、つまり、もしかするとMy Juliet牝系であるラッキーライラックを血統を重視して選んだのかもしれないと思った。

Hitokuti3001

アダチさんからは以下のように返答があった。

3年位前から一口馬を選ぶマイルールを決めました。募集カタログのDVDの引き馬を見て決めるのですが、 ①後脚の踏み込みが良いこと 前脚が地面から離れた位置より後脚がどれだけ前に着地しているか?つまりは後脚をどれだけ大きく前に振り出せるかということです。この後脚の動きが大きいほど股関節の可動範囲が広いことになり、一完歩が大きくなります。DVDをスローにしないと判別は難しいです。

②頭が高くないこと
頭はけっこう重いので首を伸ばして支えるのと首を立てて支えるのでは首を伸ばして支える方が力を要すると思います。首を伸ばして歩ける(頭の位置が低い)ということは首差しから胸前の筋肉が発達していることにつながると思います。また、頭を低くしてリズミカルに歩けるということは引いている人とのコミュニケーションが良好だと感じています。つまりは人に対して従順ということですね。以上の集大成がラッキーライラックにつながったと思っています。

あとは資金面ですが私も最初は1/400口から出発しました。1/100口(ラフィアン)にステップアップしてから結構当たり馬(代表はマイネルフロスト)を引けた事で1/40口にステップアップできました。社台・サンデーでもガーネットチャームを引けたことで続けられていると思っています。

アダチさんは血統ではなく馬体を見て、ラッキーライラックへの出資を決めていた。後肢の踏み込みが良く、頭が高くなくリズミカルに歩けるという2つのポイントから馬を探し、見つけたのがラッキーライラックであったということだ。たしかに立ち写真だけ見ても、産駒の馬体の出来にムラがあるオルフェ―ヴル産駒の中では、馬体全体のシルエットが美しく、バランスの取れた好馬体である。さらに動きの良さや気性の従順さも見抜いていたというのだからさすがである。

星の数ほどの名馬を育ててきた、ノーザンファームの元場長である秋田博章氏の「血統だけで決まってしまったら競馬は面白くないよ」、というひと言を思い出した。馬体だけでも血統だけでもない、どちらかではなくどちらも重要なのだろう。馬体か血統かの問いには、卵が先か鶏が先かと同じように、結論は出ない、もしくは出るのはだいぶ先になりそうである。

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京都記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Kyotokinen

■1■明け4歳馬が断然
過去10年における、年齢別の勝利数と連対率は以下のとおり。

4歳 【4・3・2・24】 21%
5歳 【5・1・6・20】 19%
6歳 【1・5・1・24】 19%
7歳以上【0・1・1・23】 4%

連対率では5歳馬と6歳馬が互角、明け4歳馬がややその上を行く。年齢が高くなるごとに勝率・連対率は低くなっていく傾向はあり、7歳以上の馬に至っては勝ち馬が出ていない。春の中距離戦におけるカギとなるレースだけに、勢いと成長力のある明け4歳馬が出走してきたら注目すべきである。

■2■スタミナ豊富な馬を狙え
京都2200m(外回り)は、スタンド前からの発走となり、最初のコーナーまでの距離は397mと短くも長くもない。1コーナーまでには各馬の位置取りがスムーズに決まることが多く、コーナーを2つ回って、向こう正面にかけて比較的穏やかにレースが進む。しかし、高低差は4.3mと、丘をひとつ越えていかなければならないため、スタミナが問われるレースになる。

このコースで結果を出している種牡馬を見ていくと、ダンスインザダーク、ホワイトマズル、スペシャルウィーク、ジャングルポケット、マンハッタンカフェ、ステイゴールド、ゼンノロブロイ、そしてディープインパクトなど、2400mを越える距離を得意とするステイヤー型の血統である馬がほとんどである。

■3■前走G1レース組に注目
香港ヴァーズ、香港CなどのG1レースも含め、過去10年で7頭が前走G1レースを経て、京都記念を勝利している。前走が昨年末の有馬記念である馬は、一旦少し緩めてから再度仕上げ直すのには最適のローテーションなのであろう。もし前走G1レース(有馬記念)組が出走してこないのであれば、日経新春杯を叩いて、ここが最高潮の仕上がりにある馬を狙うべきである。

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母系からの影響を考えて、ディープインパクト産駒は狙う

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今年度からディープインパクトの種付け料が4000万円に引き上げられた。父のサンデーサイレンスの全盛期を超えたばかりか、米国のタピットや欧州のフランケルを超え、世界最高の種付け料を誇る種牡馬となったのだ。にもかかわらず、いや、だからこそ、英オークスやクイーンエリザベス2世Sを勝ったマインディングや英愛の1000ギニーを制覇したウインターが、ディープインパクトと種付けをするために海を渡ってくるという。かつては種牡馬の墓場とまで言われた日本競馬が、世界のホースマンたちにとって垂涎の的となる血の結晶を手にしているのである。

ちなみに、この種付け料というのは、単なる種付けをするためにかかる費用ではなく、市場の評価という意味が含まれる。それだけの種付け料を支払っても、産駒はそれ以上の価格で売れるし、走って稼ぐこともできる。そして何よりも、それだけの種付け料に見合う、繁殖牝馬が用意されるということ。つまり、マインディングやウインターらを筆頭にした、極めて上質な血統(母系)の裏付けがあるディープインパクト産駒が今年以降も誕生するといことが約束されているわけである。こうして実績のある種牡馬には良い繁殖牝馬が集まり、さらに優れた産駒に恵まれるという好循環が生まれる。もちろん、その逆も然り。

そのディープインパクトとその産駒について、馬体には特筆すべきものはない、というのが正直なところである。ディープインパクト自身がそうであったように、馬体だけを見ても、とてもクラシック3冠を制して凱旋門賞で1番人気になるような馬には思えなかったが、乗ってみて、動かしてみると素晴らしかった。それは体の使い方が上手かったり、バネが良かったり、ランナーズハイになって走る気性的な前向きさといったことによるものであった。走るディープインパクト産駒を選ぶ難しさはこのあたりにある。馬体だけを見ても、どの馬が大物になるかを見極めるのは難しい。

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首の使い方も理想的なクルーガー:5つ☆

☆東京新聞杯
ダイワギャグ二― →馬体を見る
前走時も素晴らしい馬体を誇っていたが、今回も相変わらずの仕上がり。
やや余裕残しながら、馬が走りたいと思える状態を維持している。
Pad45star

グレーターロンドン →馬体を見る
昨年に比べて、前駆に力強さが出て、母系の影響が表に出てきている印象。
これぐらいパワーが出てくれば、もう少し先行して良いポジションが取れるはず。
Pad4star

ダノンプラチナ →馬体を見る
芦毛なので分かりにくいのと、冬の時期というのもあるが、筋肉のメリハリに乏しい。
若駒の頃は筋肉の柔らかみを見せながらも、メリハリがあっただけに、やや後退か。
Pad3star

サトノアレス →馬体を見る
少し力強く立てるようになっているが、2歳時からそれほど成長を感じられない。
欲を言えば、もう少し全体的にパワーアップしてほしく、線の細さを隠せない。
Pad3star

クルーガー →馬体を見る
前駆の盛り上がりは6歳馬のそれとは思えず、毛艶も黒光りして素晴らしい。
首の使い方も理想的で、立ち姿から走る気に満ちていることが伝わってくる。
Pad5star

アドマイヤリード →馬体を見る
このメンバーに入ってしまうと、いかにも牝馬という線の細さが目立ってしまう。
冬毛も生えてきており、体調的にもこの馬の力を出し切れる出来にはまだない。
Pad3star

リスグラシュー →馬体を見る
線の細さや幼い体型はこの馬の特徴であり、それでもバネを生かして走るはず。
あまり馬体の成長がないが、手脚の伸びは相変わらずで距離は延びて良い。
Pad3star

☆きさらぎ賞
ダノンマジェスティ →馬体を見る
兄アルアインはパワータイプであったが、弟は馬体に軽さがあって走りそう。
全体のバランスも良く、この先、付くべきところに筋肉が付いてくれば楽しみ。
Pad4star

カツジ →馬体を見る
肩甲骨が立っていて、トモには肉付きが十分と、いかにもマイラーの体型。
この時期にしては馬体の完成度が高く、大崩することはなさそう。
Pad4star

サトノフェイバー →馬体を見る
胴部には十分な長さがあり、ゼンノロブロイ産駒らしいゆったりとした馬体。
顔つきも良く、手足の形も健康そうで、大物に育ちそうな予感がする。
Pad45star

オーデットエール →馬体を見る
尾が立って映っているように、気性的に難しさを秘めている馬である。
腹回りに余裕があるように、まだ幼児体形で完成度という点では低い。
Pad3star

スラッシュメタル →馬体を見る
血統的に長いところが合いそうで、馬体も薄くてスタミナがありそう。
コンパクトにまとまった馬体は、良くも悪くも現時点では完成度は低い。
Pad3star

レッドレオン →馬体を見る
胴部にはパワーが漲っているが、手脚がスラリと長く、意外と距離はもちそう。
アバラが浮いて映るように、ひと叩きされて、仕上がりは万全である。
Pad3star

グローリーヴェイズ →馬体を見る
首の位置が高く、全体のバランスや立ち姿としては幼さが目立っている。
胴部にもそれほど長さがなく、距離的には今回が限界ではないか。
Pad3star


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東京新聞杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Tokyosinbunhai

■1■瞬発力のある差し馬
東京競馬場が改修され、最後の直線が僅かに長くなって以来、前半がスローになり、直線に向いたラスト3ハロンでの瞬発力勝負になるケースが多くなった。不良馬場だった2009年と重馬場であった2014年を除く、過去10年間の勝ち馬および2着馬の上がり3ハロンのタイムは以下のとおり。

2007年
スズカフェニックス 33秒3
エアシェイディ 33秒3
2008年
ローレルゲレイロ 34秒9
リキッドノーツ 33秒4
2010年
レッドスパーダ 33秒5
トライアンフマーチ 33秒4
2011年
スマイルジャック 33秒9
キングストリート 33秒8
2012年
ガルボ 33秒6
コスモセンサー 34秒2
2013年
クラレント 33秒0
ダイワマッジョーレ 32秒7
2014年
ホエールキャプチャ 34秒3
エキストラエンド 34秒6
2015年
ヴァンセンヌ 34秒6
アルフレード 34秒3
2016年
スマートレイヤー 33秒5
エキストラエンド 33秒5
2017年
ブラックスピネル 32秒7
プロディガルサン 32秒0

開幕週のため時計が速いということもあるが、それにしても速い上がり時計が求められるレースであることが分かる。道中が極端にスローに流れると、逃げ・先行馬にとっても有利になるのだが、それ以上に瞬発力が身上の差し馬にとっては絶好の舞台になる。対照的に、極限の瞬発力を有さない(速い上がりに対応できない)先行馬にとっては力の出せないレースになりやすい。

■2■スプリンター寄りの馬でももってしまう
東京競馬場のマイル戦は1600m以上のスタミナが必要とされるコースと言われているが、東京新聞杯のように道中がスローに流れるケースにおいては、レースの趣向は全く別物となる。これは例えばヴィクトリアマイルにも当てはまるのだが、道中のペースが極端にスローに落ちると、1600m以上のスタミナを保持していないスプリンター寄りの馬でも何とか最後までもってしまうのだ。

2007年の勝ち馬スズカフェニックスは、(のちに高松宮記念を勝ったように)本質的にはスプリンターだが、道中のペースが緩かったからこそ府中のマイル戦でも勝ち切ることが出来た。同じ舞台の安田記念でも人気になったが、道中のペースが厳しい府中のマイル戦ではスタミナ不足を露呈して、勝ち切ることはできなかった。つまり東京新聞杯では、従来の府中マイル戦のイメージを捨てて、上がり勝負に強いスピード馬を狙ってみるのも一計だろう。

■3■サンデーサイレンスの血を引く馬
ヨーイドンの上がり勝負になる以上、瞬発力勝負に長けたサンデーサイレンス産駒もしくはその直系の産駒に注目しないわけにはいかない。過去6年で8頭の馬が連対していて、3着馬や母父サンデーサイレンスにも手を広げると、さらにサンデーサイレンスの血を引く馬たちがいかにこのレースに強いことが分かる。

そして、上記のスプリンター寄りの馬でももってしまうという傾向を考慮すると、サンデーサイレンス系の中でもフジキセキ産駒や最近でいうとダイワメジャー産駒は、このレースにフィットするのではないか。ではないかと書いておきながら、実は2006年にフジサイレンスが11番人気で勝ってしまっていて残念だが、サンデーサイレンス直仔がいなくなる以上、サンデーサイレンス系の中でも切れとスピード寄りのフジキセキ産駒やダイワメジャー産駒が忘れた頃にやって来ることを覚えておきたい。

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きさらぎ賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Kisaragi

■1■1800m以上のスタミナと持続力
ひとつだけラップ構成から垣間見えるレースの特徴がある。勝ち馬や全体のタイムはほとんど関係ないので、過去10年のラップと前後半4ハロンのタイムだけを時系列に並べてみたい(一番下が昨年度のラップ)。

12.8-11.0-12.3-12.5-12.2-12.1-12.1-11.8-12.0(48.6-48.0) 平均ラップ
13.0-11.5-11.9-12.7-12.6-12.2-11.8-11.1-12.1(49.1-47.2) 後傾ラップ
12.8-11.1-11.4-12.3-12.8-12.4-12.0-11.7-12.1(47.6-48.2) 平均ラップ
12.4-11.3-11.6-12.4-12.5-12.0-11.3-11.8-12.3(47.7-47.4) 平均ラップ
13.1-11.5-11.9-12.5-12.7-11.6-11.3-11.3-11.1(49.0-45.3) 後傾ラップ
12.8-11.6-12.2-13.0-12.6-12.2-11.7-10.9-11.9(49.6-46.7) 後傾ラップ
13.0-11.5-11.3-11.6-12.5-12.2-11.9-11.6-12.0(47.4-47.7) 平均ラップ
13.0-11.6-11.7-12.6-12.7-12.1-11.7-11.6-11.6(48.9-47.0) 後傾ラップ
12.9-10.8-11.8-12.0-12.3-12.2-11.7-11.9-11.3(47.5-47.1) 平均ラップ
12.9-11.6-12.0-12.5-12.6-12.4-12.2-11.7-12.2(49.0-48.5) 平均ラップ

前後半のラップの差が1秒以上ない場合を平均ラップとして考えると、過去10年中で4レースが後傾ラップとなる。それ以外の年のレースは平均ラップで流れていて、スローペースになりやすい近年の傾向を考えると、中距離としてはかなり珍しい部類のレースに入る。

なぜこのような平均的な流れになるかというと、京都1800m(外回り)というコースの形態に理由がある。京都1800mは、向う正面を延長したポケットの最深部からスタートするため、スタートから最初のコーナーまでの距離がなんと912mという長さになる。つまりレース全体距離の半分が最初の直線に費やされるということだ。

これだけ直線が長いと、どうしても逃げ・先行馬が息を入れずに気分良く行ってしまうため、前半部分が速くなりやすい。しかし、その代わりに後半が遅くなるかというとそうでもなく、3コーナーを回ってからゴールまでは下り一辺倒になるので、後半も同じように速い上がりでの勝負となる。つまり、全体的に淀みのないラップが刻まれ続ける、厳しいレースになるということだ。

よって、このレースを勝ち切るためにまず問われるのは、1800m以上のスタミナである。過去の勝ち馬から菊花賞馬が2頭、ダービー馬が1頭出ていることは、あながち偶然でもないだろう。そして、もうひとつ問われるのは、速いラップを長く刻み続けることの出来る持続力である。マイル戦でスピードを生かす競馬を得意とする馬や、一瞬の差し脚で勝負する馬は狙いを下げた方が賢明である。

■2■前走は500万下組もしくは未勝利戦の素質馬を狙え
過去の優勝馬だけではなく、連対馬からもG1ウィナーを輩出しているように、クラシックへ向けての試金石となる一戦。勝ち馬の前走だけを見ると、過去12年でダートG1からが1頭(レインボーペガサス)、G3レースからが3頭(アサクサキングス、リーチザクラウン、タマモベストプレイ)、オープンからが2頭(アグネスゴールド、京都2歳S)と、それ以外の6頭は全て500万下レースもしくは未勝利戦を勝った後の連勝となっている。つまり、ここに狙いを定めて出走してくる、2歳時に無理をしなかった素質馬を狙うべき。

■3■キャリア2~4戦の馬
過去10年間の勝ち馬のうち、8頭までがキャリア2~4戦のゾーンであった。上述のように「2歳時に無理をしなかった素質馬」という観点からは、キャリアが5戦以上の馬は外れるだろう。かといって、さすがにキャリア1戦の馬では勝ち切るのは厳しい(2013年のリグヴェーダのように)。つまり、キャリアが少なすぎても多すぎても、このレースを勝つための資質という点からは遠ざかっていくということである。

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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第30回)

愛馬のデビューや出走を待っていると来ないのに、日々を忙しく生きて、忘れてしまっていると、いきなりその日はやってくる。長い休み明けから栗東トレセンに復帰し、休み明け初戦を4着と好走したクインアマランサスの叩き2戦目がやってきた。正直に言うと、休み明けからぶっちぎりで500万下を楽勝し、1000万、1600万と連勝してオープンに上がるイメージを抱いていただけに、初戦からの敗戦にはがっかりした。半年に及ぶ長期の休養明けだけに仕方がないと自らに説きつつ、次走を待つことにしたのだ。

高野友和調教師
「先週一杯は前走の疲れを取るメニューで調整していましたが、状態は変わりなく来ていたことから、22日に坂路でサッと時計を出しました。動きに硬さはなく、ノビノビとした走りで坂路を登坂していました。ひと叩きした上積みから、より良い走りを見せてくれると思います。このまま変わりなければ、12月9日の中京・ダート1,800m(牝)に出走させたいと思います」

レースを使われても、身体が硬くなることがなくなったのは大きな収穫だろう。ダートの中距離という得意条件も定まってきて、ここで負けたら後がないという心境での出走となった。クインアマランサス自身はもちろんそんなこと知る由もなく、また5番人気という評価を見て、競馬ファンも冷たいなあと感じつつ、私だけは彼女と新しい鞍上となる北村友一騎手(荻野極騎手は騎乗停止のため乗り替わり)を信じることにした。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら。

1枠1番という好枠を引いた今回は、スタートが切られてそのまま経済コースを走ることができる。たとえ下級条件であっても、1800mを走って最後は首や鼻の差で勝敗が決まるのだから、道中のポジションが持つ意味は大きい。最後の直線で前が詰まったりすることがなければ、競馬は内枠を引いて内々を進めた方が圧倒的に有利なのだ。

案の定、北村友一騎手はクインアマランサスをうながし、内ラチ沿いの好位を終始進み、最終コーナーを回りながらも、他馬が外々を回しているその内を狙った。見事なイン突きである。綺麗に馬群が開いたスペースに突っ込み、早目に抜け出していたラレッサングルをゴール前で捕らえた。半ばあきらめかけた位置からの勝利だけに、さすがにレース後は興奮がなかなかおさまらなかった。

レースを振り返ってみて思うのは、特にこのような下級条件においては、血統(母系)の良さは大きな意味を持つということだ。坂路であれぐらいの時計しか出せない馬が、最後の直線で勝負根性を見せて勝ち上がった。走る気持ちというべきか、前に出る闘争心というべきか、そこには数字や言葉では説明しきれないものを感じたのだ。母ヒカルアマランサス、叔父にはカレンミロティック、姉にはギモーヴなど、走る馬を出している勢いのある母系からは、肉体のような目に見えるものではなく、サラブレッドとして成功するために必要な目に見えない何か、そう精神性のようなものが受け継がれているのではないだろうか。

「やはり血統が大事ですね」とある生産者が言った言葉が蘇ってきた。とても良い馬体をしていて、いかにも走りそうな馬でも、順調にデビューできなかったり、レースに行くと意外と走らなかったりする一方で、血統の良い馬は何だかんだ言っても遅かれ早かれ走るという意味でそう語っていた。ここでいう血統とは、種牡馬ということではなく、繁殖牝馬つまり母系ということである。極論すれば、種牡馬はお金さえ出せば(無理をすれば)リーディングサイヤ-の血を手にすることができても、母系の血統の良さは一朝一夕にはいかんともしがたい。そう考えると、私たちが一口馬主として出資すべきときにまず見るべきは、もしかすると母系なのかもしれないという考えに至るのである。

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シルクロードSを当てるために知っておくべき3つのこと

Silkroads

■1■差し追い込み馬を狙え
開催時期が2月上旬に変更になって以降、過去10年間のラップタイムは以下のとおり。

12.3-10.6-10.8-11.2-11.9-12.3 (33.7-35.4)H
11.9-10.8-10.9-11.0-11.7-12.2(33.6-34.9)H
12.2-11.1-11.1-11.2-11.0-11.5(34.4-33.7)M
12.5-11.0-11.3-11.1-10.9-11.4(34.8-33.4)S
12.0-11.0-11.1-11.0-11.3-11.9((34.1-34.2)M
12.4-11.4-11.2-11.1-10.9-11.6(35.0-33.6)S
12.2-11.0-10.9-10.8-11.0-11.5(34.1-33.3)M
11.9-10.9-11.1-11.2-11.1-11.7(33.9-34.0)M
12.0-10.9-10.8-11.1-11.4-11.7(33.7-34.2)M
11.9-10.9-11.1-11.3-11.1-11.5(33.9-33.9)M

スプリント戦にしては意外にもハイペースになっておらず、どの年も前半と後半がほとんどイーブンなペースで流れていることが分かる(ここ2年は前半の方が遅いペース)。京都の1200mコースは、スタートから最初のコーナーまでの距離が316mと長くも短くもない。3コーナーの丘を越えると、あとはゴールまで下り坂が続く。

一見、先行馬に有利な短距離戦に思えるが、実はそうでもない。前半が遅く見えるのは、スタートしてから第1コーナーまでが登り坂になっているから。ここで少しでもオーバーペースで行ってしまった先行馬は、最後の直線で脚が止まるのだ。2010年は前半よりも後半の方が速い、スローに極めて近いペースになったため、先行馬が押し切ってしまったが、基本的には中団よりやや後方で脚を溜める馬が有利になる。

■2■休み明けの馬は割引
厳寒期の始動戦という意味合いもあって、休み明けの一流馬たちは無理をして仕上げてはこない。その上、重いハンデを課せられるので、苦戦を強いられることになる。対して、2ヶ月以内にレースを使っている馬たちは、コンディションを維持しており、ハンデもそれほど重くはないはずで、一流馬相手にも好走が可能となる。ちなみに、開催時期が1月下旬~2月上旬に変更になって以来、過去10年の連対馬でアルティマトゥーレとロードカナロア、ドリームバレンチノ、ダッシャーゴーゴー以外の馬は、前走を前年の12月以降のレースに使われていた。G1級の馬は別として、前走からの間隔が開きすぎている馬は割り引いて考えた方が賢明か。

■3■淀短距離S組は負けた馬に妙味あり
番組のローテーション上、淀短距離Sが最も有力なステップレースとなる。ところが、淀短距離S→シルクロードSという連勝は、2008年のファイングレイン以外にはない(それまでは2着が最高)。それは淀短距離Sが別定戦で、シルクロードSがハンデ戦であることと関係があるだろう。淀短距離Sで負けて、ハンデが軽くなったシルクロードSで勝つというパターンはこれからも続くだろうし、その逆もまた然りである。

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根岸Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Negisis

■1■差し馬有利
過去のレースを観ると、差し馬の活躍が目立つ。サウスヴィグラスとメイショウボーラーが押し切ったレースでさえ、2着には差し馬が突っ込んできている。ただ単に、この2頭は圧倒的に力が抜けていたということで、基本的には差し馬が有利な展開になりやすい。そのことは、過去11年(中山で行われた2003年は除く)のレースラップを見てみれば明らかである。

2008年 ワイルドワンダー
12.2-10.7-11.4-12.0-11.9-12.0-12.5(34.3-36.4)H
2009年 フェラーリピサ
12.2-10.6-11.3-12.1-12.1-11.6-12.2(34.1-35.9)H
2010年 グロリアスノア
12.4-11.5-11.7-11.8-11.8-12.0-12.5(35.6-36.3)M
2011年 セイクリムゾン
12.4-11.2-11.6-12.1-12.0-11.8-11.9(35.2-35.7)M
2012年 シルクフォーチュン
12.5-11.2-11.6-12.1-12.1-11.8-12.2(35.3-36.1)M
2013年 メイショウマシュウ
12.5-11.5-11.7-12.3-11.9-11.8-12.0(35.7-35.7)M
2014年 ゴールスキー
12.6-11.1-11.6-12.0-11.9-11.8-12.4(35.3-36.1)M
2015年 エアハリファ
12.7-10.8-11.8-12.3-11.9-11.9-12.0(35.3-35.8)M
2016年 モーニン
12.4-10.9-11.3-11.8-11.9-11.5-12.2(34.6-35.6)H
2017年 カフジテイク
12.2-11.0-11.8-11.9-11.9-12.0-12.2(35.0-36.1)H

最近はミドルペースに流れているが、基本的にはペースが速くなりやすく、展開という面においてはスプリント戦であるガーネットS(昨年で廃止)とは性格がわずかに異なる。ガーネットSは前半3ハロンが32秒台後半から33秒台で流れ、後半3ハロンがガタっと37秒台に落ちる、前後半の落差の平均が4.5秒という「上がり不問」のレースである。それに対し、根岸Sは前半3ハロンは34秒台から35秒台で流れ、後半3ハロンは36~7秒あたりに落ちるが、前後半の落差の平均は約2秒という、「普通のハイペース」である。

ガーネットSのような「上がり不問」のレースでは、直線に向いた時には全ての馬がバテてしまっているような状態なので、前に行った馬がそのまま残りやすい。しかし、根岸Sのような「普通のハイペース」では、後ろからレースを進めた馬は脚が十分に溜まっているので、ハイペースで前が潰れた時に一気に襲い掛かることが出来るということだ。

■2■キャリアを積んだ高齢馬が有利
ほとんどの重賞においては、サラブレッドとして最も充実する4歳馬が力を発揮することが多いのだが、根岸Sに関しては5歳馬が圧倒的に優勢となっている。過去10年間の連対率は以下のお通り。

4歳【2・1・1・12】   19%  
5歳【4・5・3・21】   27%
6歳【3・2・1・36】   12%
7歳以上【1・2・5・61】 4%

つい1ヶ月前までは3歳であった4歳馬が、キャリアを積んだ歴戦のダート馬にわずか1kgの斤量差で挑むのは、まだこの時期では苦しいと解釈するべきであろう。メイショウボーラーが勝利したように、4歳馬に勝ち目がないというわけではないが、苦戦を強いられることは間違いない。逆に考えると、ここで連対を果たせるような4歳馬は成長が見込める本番フェブラリーSでも好勝負になるということだ。

■3■好走馬の前走距離に変化あり
10年前は前走ダート1200m戦組の中から勝ち馬が出ることが多かったが、ここ最近は前走で1400m以上の距離を走っていた馬の好走が目立つようになってきた。過去6年における前走距離別の着順は以下のとおり。

1400m未満【1・2・0・35】 連対率8%
1400m以上【5・2・6・42】 連対率13%

スプリントとマイルの中間的な距離だが、根岸Sに関して言えば、勝ち切るために1400m以上をこなせるだけのスタミナがまず問われるということである。

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