根岸Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Negisis

■1■差し馬有利
過去のレースを観ると、差し馬の活躍が目立つ。サウスヴィグラスとメイショウボーラーが押し切ったレースでさえ、2着には差し馬が突っ込んできている。ただ単に、この2頭は圧倒的に力が抜けていたということで、基本的には差し馬が有利な展開になりやすい。そのことは、過去11年(中山で行われた2003年は除く)のレースラップを見てみれば明らかである。

2008年 ワイルドワンダー
12.2-10.7-11.4-12.0-11.9-12.0-12.5(34.3-36.4)H
2009年 フェラーリピサ
12.2-10.6-11.3-12.1-12.1-11.6-12.2(34.1-35.9)H
2010年 グロリアスノア
12.4-11.5-11.7-11.8-11.8-12.0-12.5(35.6-36.3)M
2011年 セイクリムゾン
12.4-11.2-11.6-12.1-12.0-11.8-11.9(35.2-35.7)M
2012年 シルクフォーチュン
12.5-11.2-11.6-12.1-12.1-11.8-12.2(35.3-36.1)M
2013年 メイショウマシュウ
12.5-11.5-11.7-12.3-11.9-11.8-12.0(35.7-35.7)M
2014年 ゴールスキー
12.6-11.1-11.6-12.0-11.9-11.8-12.4(35.3-36.1)M
2015年 エアハリファ
12.7-10.8-11.8-12.3-11.9-11.9-12.0(35.3-35.8)M
2016年 モーニン
12.4-10.9-11.3-11.8-11.9-11.5-12.2(34.6-35.6)H
2017年 カフジテイク
12.2-11.0-11.8-11.9-11.9-12.0-12.2(35.0-36.1)H
2018年 ノンコノユメ
12.3-10.6-11.0-11.8-12.1-11.7-12.0(33.9-35.8)H

2010年から16年まではミドルペースに流れているが、基本的にはペースが速くなりやすく、展開という面においてはスプリント戦であるガーネットS(昨年で廃止)とは性格がわずかに異なる。ガーネットSは前半3ハロンが32秒台後半から33秒台で流れ、後半3ハロンがガタっと37秒台に落ちる、前後半の落差の平均が4.5秒という「上がり不問」のレースである。それに対し、根岸Sは前半3ハロンは34秒台から35秒台で流れ、後半3ハロンは36~7秒あたりに落ちるが、前後半の落差の平均は約2秒という、「普通のハイペース」である。

ガーネットSのような「上がり不問」のレースでは、直線に向いた時には全ての馬がバテてしまっているような状態なので、前に行った馬がそのまま残りやすい。しかし、根岸Sのような「普通のハイペース」では、後ろからレースを進めた馬は脚が十分に溜まっているので、ハイペースで前が潰れた時に一気に襲い掛かることが出来るということだ。

■2■キャリアを積んだ高齢馬が有利
ほとんどの重賞においては、サラブレッドとして最も充実する4歳馬が力を発揮することが多いのだが、根岸Sに関しては5歳馬が優勢となっている。過去10年間の連対率は以下のお通り。

4歳【2・2・1・11】   25%  
5歳【4・4・2・21】   26%
6歳【3・2・2・38】   12%
7歳以上【1・2・5・57】 5%


つい1ヶ月前までは3歳であった4歳馬が、キャリアを積んだ歴戦のダート馬にわずか1kgの斤量差で挑むのは、まだこの時期では苦しいと解釈するべきであろう。メイショウボーラーが勝利したように、4歳馬に勝ち目がないというわけではないが、苦戦を強いられることは間違いない。逆に考えると、ここで連対を果たせるような4歳馬は成長が見込める本番フェブラリーSでも好勝負になるということだ。

■3■好走馬の前走距離に変化あり
10年前は前走ダート1200m戦組の中から勝ち馬が出ることが多かったが、ここ最近は前走で1400m以上の距離を走っていた馬の好走が目立つようになってきた。過去6年における前走距離別の着順は以下のとおり。

1400m未満【1・2・0・35】 連対率8%
1400m以上【5・2・6・42】 連対率13%

スプリントとマイルの中間的な距離だが、根岸Sに関して言えば、勝ち切るために1400m以上をこなせるだけのスタミナがまず問われるということである。

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AJCCを当てるために知っておくべき3つのこと

Ajcc

■1■やっぱり前に行ける馬が有利
12.3-11.8-12.5-12.2-12.7-12.4-12.0-12.1-11.6-11.7-12.6(61.5-60.0)S
12.3-11.3-12.7-12.2-12.0-12.4-12.4-12.2-11.9-11.2-12.0(60.5-59.7)M
13.0-11.9-13.0-12.8-12.7-12.5-11.8-11.4-11.5-11.3-12.3(63.4-58.3)S
12.6-11.3-13.4-13.2-13.3-12.5-12.4-12.3-12.1-12.0-12.2(63.8-61.0)S
12.3-11.5-12.2-11.6-12.1-12.2-12.4-12.5-12.1-11.5-12.7(59.7-61.2)H
12.5-11.1-12.9-12.2-12.4-12.3-11.9-12.3-12.4-11.9-12.1(61.1-60.6)M
12.6-11.7-13.4-13.2-12.1-11.9-12.1-12.0-11.4-11.2-12.0(63.0-58.7)S
12.3-11.2-12.8-12.2-12.3-12.0-12.0-11.8-11.6-11.8-12.0(60.8-59.2)S
12.6-10.8-12.4-11.9-11.9-12.3-11.8-11.9-12.2-11.8-12.3(59.6-60.0)M
12.8-11.2-12.3-12.5-12.5-12.0-12.2-11.8-11.8-12.1-12.1(61.3-59.0)S

前半が上りで、後半が下りというアップダウンの影響も大きいのだが、過去10年間のラップタイムを見るだけで、スローペースになりやすいことが分かる。同じ条件で行われるオールカマーほど極端ではないが、それでもやっぱり前に行ける馬が有利になる。

■2■長くいい脚を使えるタイプ
中山2200mコースの特性として、第2コーナーから最終コーナーにかけて、フォルスストレート(偽直線)を約500m下って最後の直線に向かうことになる。ラスト1000mのラップが速いのはそういうことでもあり、良い脚を長く使えるタイプの馬に適した舞台である。過去の勝ち馬を見てみると、マツリダゴッホしかり、ネヴァブションしかり、瞬発力勝負では分が悪いが、スピードを持続させる力に富んだ馬が強い。

■3■イマイチくんを狙え
古くはマチカネタンホイザやマチカネキンノホシ、エアシェイディから、最近ではディサイファやタンタアレグリアまで、大レースではあと少しパンチ力が足りない馬たちが、AJCCでは見事に勝ち切ったケースが多い。時期的にG1級の馬が出走してこないことで出番が回ってくること、そして、現代の主流の瞬発力とスピードではなく、スタミナとパワーという反対のベクトルを問われるレースになりやすいことが理由として挙げられる。他のレースではなかなか勝ち切れなかったイマイチくんをここで狙ってみるのも面白い。

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パドックで馬を見て、馬券を当てる!(その1)

Paddock01

今年はパドックを見ることを通して、馬券を買っていきたい。血統や展開、騎手、ポジション、枠順、馬場状態、コース、調教など、馬券を買うための要素は星の数ほどあり、何を重視するかは人それぞれ。予想法には正しいも間違っているもなく、好き嫌いというよりは、自分に合っているかどうかだろう。

私も例にもれず、およそ30年前に競馬を始めて以来、ありとあらゆるファクターを研究し、予想に取り入れてきた。馬体重だったこともあれば、調教であったこともある。厩舎のコメントを重視していた頃もあったし、枠順やポジションばかりを観ていた時期もある。それはそれで、実となり学びとなった。どのファクター(要素)から予想をしても、競馬は面白いし、奥が深い。馬券も当たったり、外れたりする。ひとつのファクターを極めていくことも大切であり、また様々なファクターを通して多面的に競馬を観てみることも大事だと思う。同じレースでも、ファクターが違えば、見えるものが異なるのである。

それでも私が今年、パドックを見ることにこだわろうと考えているのは、それなりの手応えがあるからである。たくさんのファクターの中でも、パドックを見て予想することに関しては、もしかすると、他人には見えていないけれども自分には見えているものがある、という確信めいた感触があるのだ。

ここ数年は、競馬関係者の方々と一緒にパドックを見ることが増えてきた。競馬評論家や予想家、生産者、調教師など、ファクターによっては私なんかより圧倒的に知識も経験も豊富な方々である。彼らと話をしたり、教えてもらったりしながら、自分には見えていない世界がまだまだあることを学んだ。しかし、唯一と言っても良いかもしれないが、パドックで馬を観て、馬券と連動させることにおいては、私に一日の長があるのではないかと思える場面が多かった。それは私の方が馬を見れるということではなく、私の見かたと彼らの見かたが違うということ。それゆえに見えているものが違うのである。

私はパドックにおいて、競走馬の心理や精神状態を見る。馬体の仕上がりや歩様に関しては、ほとんど見ないと言っても過言ではない。おまけ程度である。走る能力自体はパドックを見ても分からない。脚元がモヤモヤしていたり、蹄の具合が悪かったりしても、脚をひきずっていても、走る馬は走ってしまう。

にもかかわらず、競馬やサラブレッドに詳しければ詳しいほど、相馬眼に優れた人であればあるほど、馬の身体や動きを見てしまう。たしかに彼らには馬の筋肉や関節の構造やつき方から、歩様の素晴らしさやぎこちなさまで見えるのだろう。経験や積み重ねの賜物であり、簡単に真似できるものではない。相馬眼があることが、馬券には結びつきづらいことが問題なのである。良い馬と悪い馬を見分けること、走る馬と走りそうにない馬を見極めることが、実際のレースの着順にはつながらないことが多い。パドックで馬の馬体や動きを見て、そのレースで勝つ馬を的中させることは極めて困難なのである。

かつてマイネルの岡田総帥が、パドックで歩く馬を見て予想をするというイベントが渋谷で行われたことがあった。岡田総帥といえば、泣く子も黙る相馬眼の持ち主である。彼に見込まれて大成した安馬は数知れず。岡田総帥がパドックを見て予想をするのだから当たらないわけがない、と誰しもが思った。ところが、結果は散々なものであったという。馬券はほとんど当たらなかったのだ。がっかりした馬券ファンも少なくなかったはず。私も当時はそんなものかと思ってしまったが、今となっては違う考え方を持っている。岡田総帥は馬を見れないのではなく、私たちには見えないものまでが見えているのだ。しかし、そのことが馬券に結びつくかといえば結びつかない。ただそれだけの話である。馬を見れることとパドックで馬を見て予想をすることは、全く違う能力なのである。私たちはどこかでその2つを一緒に考えてしまっているが、そうではない。パドックで馬の馬体や動きを見ても、馬券は当たらないのだ。

馬を良く見れる(見ている)競馬関係者にとって、パドックで良く見える馬がレースでは走らず、私にとってパドックで良く見える馬が好走するのかというと、私は馬体や動きをほとんど見ていないからである。パドックにおいては、馬の心理や精神状態の方が、レースの結果に明らかに結びつくのである。もちろん、馬の肉体面と精神面を切り分けて見ているわけではない。競走馬の肉体と精神は密接につながっているため、完全な切り分けは難しい。どちらをパドックで重視するかというと、私は精神面に重きを置いているということ。肉体的に苦しい・痛いところがあれば、精神的にも表出すると考えている。

見るべきポイントは、その馬がこれからレースに行って、自分の持っている力を出し切れる精神状態にあるかどうか。我を忘れるほど入れ込んでいてもダメだし、走る気が全くないほど落ち着いていても良くない。怖がりすぎても、緊張しすぎても、レースに行っては力を出し切れないで終わってしまう。実はそれほど難しくないパドックの見かたなのである。それでも、見ているものが違うからこそ、それが私のパドックで馬を見て予想をするという点においての差別化になる。馬を見れないと思っている競馬ファンには安心してもらいたい。パドックでは馬体や歩様を見ることができなくても馬券は当たるのだ。

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日経新春杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Nikkeisinsyunhai

京都の2400mはスローの瞬発力勝負になりやすい典型的なコースである。スタートしてから最初のコーナーまでが597mとかなり長いため、無理な先行争いもまずなく、1コーナーに入るとひと息入る。最後の直線が長いことを考えると、向う正面で自ら動く馬もさほどおらず、通常、各馬が動き始めるのは丘の坂下から。そこからラスト4ハロンの上がり勝負になる。

実際に過去10年間の日経新春杯のラップタイムを見てみると、その傾向がよく分かる。

2009年 テイエムプリキュア
12.7-11.3-11.7-12.7-12.7-12.6-12.6-12.1-11.6-11.9-11.9-12.8(73.7-72.9)M
48.4-50.0-48.2
2010年 メイショウベルーガ
12.7-10.3-11.0-12.4-12.5-12.4-12.3-12.9-12.1-11.9-12.1-11.8(71.3-73.1)H
46.4-50.1-47.9
2011年 ルーラーシップ
12.6-10.8-10.8-12.7-13.2-12.6-12.6-12.9-11.9-11.1-11.6-11.8(72.7-71.9)M
46.9-51.3-46.4
2012年 トゥザグローリー
12.3-11.0-11.3-12.2-12.3-12.5-12.4-12.8-11.8-11.5-11.7-11.9(71.6-72.1)M
46.8-50.0-46.9
2013年 カポーティスター
12.5-11.6-11.8-12.2-12.3-12.3-12.5-12.5-12.1-11.9-11.6-11.7(60.4-59.8)M
48.1-49.6-47.3
2014年 サトノブレス
13.1-11.5-11.3-12.3-12.0-12.8-12.5-12.2-12.0-11.9-11.0-11.8(60.2-58.9)S
48.2-49.5-46.7
2015年 アドマイヤデウス
12.8-11.3-11.6-12.4-12.4-12.3-12.6-12.7-12.3-11.6-11.3-11.5(60.5-59.4)S
48.1-50.0-46.7
2016年 レーヴミストラル
13.1-11.2-11.8-13.0-12.9-12.4-12.8-12.0-11.6-11.7-11.8-11.6(62.0-58.7)S
49.1-50.1-46.7
2017年 ミッキーロケット
12.8-11.5-11.3-12.2-12.4-12.3-12.3-12.5-12.0-12.5-11.8-12.1(60.2-60.9)M
47.8-49.2-48.4
2018年 パフォーマプロミス
12.9-11.4-11.7-13.0-13.0-12.6-12.3-12.5-12.3-11.6-11.4-11.6(62.0-59.4)S
49.0-51.1-46.9

前後半のラップタイムから判断すると、ハイペースとなったのは2010年だけで、それ以外の年は、ミドル~スローペースとなっている。何よりも注目すべきは、前半中盤後半に分けた800mずつのラップタイムである。京都2400m外回りで行われる日経新春杯の特徴的な流れとして、「速緩速」もしくは「緩緩速」というリズムのレースが多く目立ち、典型的な上がり4ハロンの競馬になっていることが分かる。

以上のことから、3つのポイントが導き出される。

①内枠有利
②上がりの競馬に強い馬
③サンデーサイレンス直仔の産駒

①の内枠有利は言うまでもない。道中がこれだけスローに流れやすい以上、4つのコーナーで外々を回されてしまう外枠を引いた馬はロスが大きいということである。すんなり前に位置できる脚質の馬であれば大した問題ではないが、ギリギリまで脚を溜めて瞬発力勝負に賭けたい差し馬にとっては、内枠は願ったり叶ったりの枠になる。

3コーナーの丘の坂下から一気に動き始めるレースになりやすい以上、追っつけて伸びるような馬ではなく、一気にトップギアに入り、②上がりの競馬(ラスト4ハロンのスピード勝負)に強い馬にとって有利になる。スタミナよりも、折り合いさえつけばスピードの爆発力の方が問われるということである。

そういった意味において、③のサンデーサイレンス系の産駒が得意とする舞台であることが分かる。サンデーサイレンス直仔がいなくなった以降のサンプルは少ないが、それ以前の4年間では勝率15%、連対率26%という圧倒的な数字を残していた。今後は父から瞬発力を受け継いだ、サンデーサイレンス直仔の産駒、または母の父がサンデーサイレンスという血統の馬にも期待が出来るだろう。

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京成杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Keisseihai

■1■先行馬にとって有利なレース
12.6-11.1-13.1-13.0-13.0-12.2-12.5-11.9-11.4-12.4(62.8-60.4)S
12.6-11.6-13.4-12.2-12.5-12.1-12.2-11.4-11.4-12.2(62.3-59.3)S
12.5-10.7-12.6-12.0-13.0-12.6-12.9-12.0-12.4-12.2(60.8-62.1)H
12.1-11.5-12.6-12.6-13.2-12.6-12.6-11.7-11.6-12.2(62.0-60.7)S
12.5-11.1-13.6-12.7-13.3-12.6-12.6-12.4-11.4-11.4(63.2-60.4)S
12.6-11.0-12.4-12.0-12.3-11.9-12.1-12.1-12.1-12.4(60.3-60.6)M 2011年
12.4-10.8-11.9-12.3-13.0-12.7-12.3-11.8-11.7-11.7(60.4-60.2)M
12.6-11.0-12.6-11.8-13.0-13.1-12.7-11.9-11.6-12.0(61.0-61.3)M
12.4-11.0-12.9-11.7-12.6-11.7-12.0-11.9-12.3-12.6(60.6-60.5)M 2014年
12.4-10.8-13.1-12.5-13.1-12.7-12.0-11.7-11.7-12.3(61.9-60.4)S
12.7-10.8-13.1-12.4-12.8-12.0-11.9-11.7-11.8-12.2(61.8-59.6)S
12.6-11.2-13.1-12.1-12.6-12.2-12.4-12.2-12.0-12.1(61.6-60.9)S
12.5-10.7-12.2-11.8-12.5-12.4-12.1-12.5-12.3-12.2(59.7-61.5)H 2018年

過去10年のラップを見てみると、2011年と2014年、2018年以外のほとんどのレースにおいて、13秒台のラップが続出しており、一様に、序盤、中盤が緩んでいることが分かる。4つコーナーを回る中山2000m戦のコースの形態上、仕方のないことではあるが、これだけ緩むと前に行った馬にとっては明らかに有利なレースになる。スッと先行できない、器用さに欠ける馬にとっては厳しいレースとなる。

■2■パワー優先
上がり時計も掛かっていることからも分かるように、この時期の中山競馬場の馬場は、通常に比べて重く、力を要する状態になる。そのため、当然のことながら、2000mという字ズラ以上のスタミナも問われる。アドマイヤベガ、マーベラスサンデー、ステイゴールド、ブライアンズタイム、マヤノトップガンなど、ダートや長距離戦にも実績のある種牡馬の産駒が、このレースで活躍しているのも頷ける話である。つまり、スピードや瞬発力という要素ではなく、パワーとスタミナを有しているタイプの馬を狙うべきである。

■3■意外や外枠有利
道中が緩む小回りコースにもかかわらず、真ん中よりも外から発走し、馬群の外を回った馬の方に軍配が上がっている。これは時期的に馬場の内側が傷んで(荒れて)きているということだけではなく、まだキャリアの浅い馬たちが大勢を占めているため、外枠から外を回ってスムーズに走られた方が力を出し切りやすいということを意味している。ダービーを豪快に差し切ったエイシンフラッシュでさえも、このレースでは2、3番手の外に付けて、スッと抜け出す競馬をしていたことを忘れてはいけない。

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シンザン記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sinzankinen

■1■朝日杯フューチュリティS好走組優位
この時期に行われる3歳重賞ということもあって、朝日杯フューチュリティSで結果を出せなかった居残り組みと、これから上を目指す素質馬のぶつかり合いという図式となる。過去10年の戦績から見ると、完成度が高い朝日杯フューチュリティS組が3勝、2着2回とやや有利で、特に朝日杯フューチュリティSで好勝負していた馬が順調に出走してくれば、ほぼ間違いなく勝ち負けになる。

■2■前々で競馬が出来る瞬発力に富んだ馬
同じ時期の同条件で行われる京都金杯と比べ、頭数が少なくなることもあって、ペースはスローに落ちることが多い。開幕2週目で前が止まりにくい馬場であることも含め、前々で競馬が出来る瞬発力に富んだ馬にとってはレースがしやすい。

また、この時期の3歳馬にとって、京都の外回りマイル戦は厳しいレースである。よって、1600mの距離を走ったことのない馬にとっては苦しいレースとなることは避けられない。ちなみに、連対馬20頭中19頭に1600m以上の出走経験があった。

■3■素質馬が集まるジョッキーに変化あり
武豊騎手が1997年から2006年までの10年間で6勝と圧倒的な勝率を誇っていた。2007年も武豊騎手から岩田騎手に乗り替わったもののアドマイヤオーラが勝ったように、武豊騎手にこの時期の素質馬が集まりやすかったと考えられる。しかし、2007年、2008年と岩田康誠騎手と安藤勝己騎手のワンツーが連続したように、この年を境として流れが大きく変わった。もう少し生々しく言うと、各陣営の武豊離れ(武豊騎手一辺倒ではなくなってきているということ)が進んだ。そこから最近は浜中俊騎手が4勝を挙げて世代交代かと思いきや、2015年はなんと武豊騎手がグランチャーレで勝利し、年間100勝を超える復活を見せた。ここ最近で勢いのあるジョッキーに乗ってみるのもひとつの手かもしれない。

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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第32回)

Hitokuti32

この連載を始めてから、ずいぶん長い歳月が流れた。私の初出資馬となるクインアマランサスはもう5歳になる。1歳時に見初めてから4年が経ったということだ。その間にたくさんのことがあった。個人的でここには書けないようなことばかりだが、良いも悪いも、一人の人生の中で起こるであろう程度の出来事が起こったということだ。私の人生に何があっても競馬が続いていくように、出資馬が走っている限り一口馬主ライフも続いていく。

しばらく連載が書けていなかったのは、忙しかったからというよりも、慣れてしまったからだろう。見直してみると、昨年の2月以降書いていないということは、およそ1年間、私の心は一口馬主ライフから離れていたことになる。初めて子どもが生まれて、4、5歳ぐらいまでは写真やビデオを撮ったり、子どもの様子を友だちや知り合いに発信したりする熱狂の時を過ぎてしまったという感覚に近いのかもしれない。決して熱が冷めたのではなく、一口馬主ライフとはこのようなものかと平常心に戻ったということだ。

クインアマランサスや2頭目の出資馬であるジャスパーゲランが、トントンと勝ち上がったり、重賞やG1レースに出走するようなことがあれば、また違った高揚があったのかもしれない。横断幕を張ったり、口取り写真に収まったり、ゼッケンを手に入れたりと、出資馬が活躍することによって体験できる喜びを味わえたのかもしれない。しかし、この2頭に関しては、自分の子どもがそうであるように、私の期待とは外れてきてしまっている。それは年月が経てば経つほど、傾きの違う線が少しずつ離れていくように、理想と現実は確実に違うものとして目の前に現れている。

そこには絶望も失望も全くなく、そのようなものであると最初から分かっていたことが、実感できるほど近くにやってきたということだ。実際に当事者として経験してみないと手に入れることができない現実であり、その現実を身をもって知れたことは価値があると思う。その現実から何を学び、今持っているものを工夫することによって、どうすればさらに楽しむことができるかを考えてみたい。そして、最も大切なのは、それでも夢や希望を失わないことだ。あきらめないで関わっていくと、思わぬチャンスが生まれることがある。

そう思わせてくれたのはジャスパーゲランである。3歳新馬戦でデビューして14着と大敗したのち、交流戦を求めて園田、笠松、金沢競馬場を旅して、ようやく金沢で初勝利を挙げることができた。競走生命を長めることができたのもつかの間、次走では再び12着と敗れた上、脚元の異常が発覚し、およそ半年の休養を取ることになったのだ。復帰戦の阪神ダート1400m(500万下)では、坂路で52秒台のタイムが出ていたので密かに期待していたにもかかわらず、レースの流れにまったく付いていくことができず15着とブービーの結果で終わってしまった。

「休養明けの一戦で最後は息が保たなかったにしても、追い切りの動きから道中はもう少し付いていけると思ったのですが…。距離が合わないわけではありませんし、現状、中央のこのクラスだとまだまだレース慣れが必要なようです。この後は障害転向も予定されているとのことでしたが、調教の走りから器用さは感じられるので、飛越は上手かもしれません。試してみる価値は十分にあると思います。私の力及ばず申し訳ないですが、ジャスパーゲランの新たなステージでの活躍を願っています」(高野友和調教師)

この結果を受けて陣営の取った決断は早かった。出資者でひいき目のある私でさえ、この馬は走ることで食べていけないと分かったのだから、シビアな目で見れば、競走馬としては失格という烙印を押されて仕方ない。ところが、私にはなかった選択が提示されて驚いた。転厩と障害転向の可能性である。美浦の厩舎に転厩し、環境が変わることはプラスに働くかもしれない。何よりも関東の競馬場で走ってくれると、生で彼の走りを見ることができる。障害転向はオジュウチョウサンの影響があるのかもしれないが、その手があったかと思わせる、あきらめかけていた自分が恥ずかしくなるような、素晴らしい視点である。もしかするとジャスパーゲランは第2のオジュウチョウサンになるかもしれない。これでもう少し夢と希望を持って生きていけるような気がする。

クインアマランサスは走りながら休み、休みながら走りをして、年始にようやく11戦目を迎える。一時は1000万下で3着に食い込んだこともある頑張り屋さんだが、モレイラ騎手が乗って500万下で敗れてしまったときは、さすがに目を覆ってしまった。この馬がダートでトントンと勝ち上がって、交流重賞を盛り上げる存在になってもらいたいと願ってきたが、今年の春がラストチャンスとなるだろう。あきらめたわけではない。あきらめた時点で勝負は終わってしまう。ここからが勝負である。そう自らを鼓舞しつつ、クインアマランサスの走りを見守りたい。

発走は1月5日(土)の京都第6レース。1枠2番と絶好の枠を引いた!

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京都金杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Kyotokinpai

■1■マイル戦に実績があり、マイル以上のスタミナを持つ馬を狙え
主なステップレースは、朝日CC(1800m)と阪神カップ(1400m)になり、マイル以上のスタミナを持つ馬とマイル以下の距離でスピードを発揮する馬とが、マイル戦の舞台で激突することになる。京都のマイル戦というコース設定を考えると、どちらかといえば朝日CC組を上に取るべきだが、33秒台の速い時計で決着することが常なので、スピード勝負にも対応できる裏づけがないと厳しい。そういった意味では、マイル戦での実績(勝ち鞍)は必要で、マイルCSで好走してきた馬が出走してくれば間違いなく好勝負になる。

■2■勝つはずの馬が勝つべくして勝つレース
前半3ハロンの平均タイムが34秒9、ラスト3ハロンの平均が35秒1と、京都のマイル戦らしく、極めて平均ペースでレースは流れる。つまり、どんな脚質の馬でも勝負になり、展開に左右されて負けるということが稀なレースである。また、スタートから最初のコーナーまでの距離も694mとかなり長いため、枠順の有利不利もほとんどない。勝つはずの馬が勝つべくして勝つレースといえる。

ただし、開幕週ということもあって、直線が平坦な絶好の馬場では前もなかなか止まらないことに注意すべき。過去10年のラップタイムの中でも、前半800mのタイムに注目してみたい。

平成21年
12.6-10.7-11.2-11.8-11.6-11.9-11.4-11.7(46.3-46.6)1.32.9M タマモサポート
平成22年
12.0-10.6-11.6-12.2-11.8-12.3-11.3-12.3(46.4-47.7)1.34.1H ライブコンサート
平成23年
12.3-11.3-11.8-12.0-11.4-11.2-11.4-12.0(47.4-46.0)1:33.4S シルポート
平成24年
12.2-10.5-11.1-11.9-11.9-12.0-11.5-11.8(45.7-47.2)1.32.9H マイネルラクリマ
平成25年
12.4-11.2-11.7-12.1-11.6-11.5-11.2-11.8(47.4-46.1)1.33.5S ダノンシャーク
平成26年
12.4-11.0-11.3-11.9-11.5-11.3-11.4-11.7(46.6-45.9)1.32.5M エキストラエンド
平成27年
12.7-11.3-11.6-11.9-11.3-11.1-11.1-11.8(47.5-45.3)1.32.8S ウインフルブルーム
平成28年
12.3-10.9-11.4-12.2-11.6-11.3-11.6-11.7(46.8-46.2) 1.33.0M ウインプリメーラ
平成29年
12.2-10.6-11.1-12.0-11.7-11.9-11.5-11.8(45.9-46.9) 1.32.8H エアスピネル
平成30年
12.2-10.6-11.4-12.6-12.4-12.1-11.4-11.6(46.8-47.5)1.34.3M ブラックムーン

前半の800mが47秒台に落ち着くと、完全に前が有利になっていることが分かる。出走メンバーを見渡してみて、どの馬がどのように逃げるのかをイメージする作業をする際には、この47秒という数字を頭に置いておきたい。

■3■あまりハンデ戦であることを意識しなくてよい
平成8年からマイル戦へと距離が短縮され、高松宮記念や安田記念へ向かうというよりも、昨年の秋シーズンを消化不良で終わったマイラーたちの最終戦的な色合いが濃い。とはいえ、一戦級落ちの実力のあるマイラーが揃うため、ハンデ戦ながらもレベルの高い争いが期待できる。

そのため、勝ち馬の平均ハンデが約56kgと、力のある馬であれば、少々重いハンデを背負ったとしても軽量ハンデ馬に足元をすくわれることはほとんどない。あまりハンデ戦であることを意識せずに、基本的には各馬の力の比較を優先すべきレースである。

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ホープフルS観戦記の観戦記

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「Gallop重賞年鑑2018」の観戦記を書いてくれとの依頼を受けた。1995年に創刊されて以来、年末年始に帰省するときに連れていき、穴が開くほど読みふけってしまう私の友。かつては私の尊敬するノンフィクションライターである木村幸治さんや馬事文化賞を受賞した吉澤譲治さん、浅田次郎さん、今も吉川良さんや高橋源一郎さんという錚々たる面々が名を連ねている歴史の書。そんな「Gallop重賞年鑑」に私の名前が刻まれる日が来るとは夢にも思わなかったが、拙ブログを立ち上げて18年間、観戦記を書き続けてきてようやく夢がひとつ叶ったのだ。

今回のミッションは、JRA最後のG1レースであるホープフルステークスを観て、当日の18時までに1800文字の原稿を書き上げること。私にとって観戦記を書くことはライフワークだけに、ふたつ返事で引き受けた。日本広しといえども、G1レースの観戦記を18年間書き続けている奇特な人間など、私以外にいるはずもない。年間に21レースとして18をかけると、378レースの観戦記を書いてきたことになる(凱旋門賞や他のレースも含めるとさらに多いはず)。競馬の観戦記を書くために生まれて、書きながら死んでゆくのかもしれない。大げさに書いたが、つまり楽しみで仕方がなかったのである。

当日、中山競馬場に着くと、クリストフ・ルメール騎手が213勝目を挙げ、武豊騎手の記録を更新した直後であった。白毛馬のマイヨブランに跨るルメール騎手は、まるで白馬の王子様のようであった。ウイナーズサークルの傍では、マイヨブランの出資会員さんたちが、ルメール騎手のサイン入りのゼッケンを持ちながら、集合写真を撮っていた。これだけの大記録を達成されたのが、自らの出資馬の勝利によることは実に誇らしいだろう。

その微笑ましい光景を私はうらやましく眺めつつ、そういえばミスター競馬と呼ばれた野平祐二先生が「競馬はみんなで楽しむもの」と言っていたことを、ふと思い出したりした。そう、今回の観戦記は野平祐二先生こと祐ちゃん先生のことを絡めて書こうと考えていたのだ。一口馬主という形で、競馬ファンが競馬を皆で楽しむ未来が来るとは、祐ちゃん先生は知っていただろうか。知っていたにせよそうでないにせよ、決して悪くない未来ではないか。

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馬主席に連れて行ってもらったり、パドックを内側から見させてもらったり、調教師スタンドやジョッキールームを見学しているうちに、アッという間にメインレースの時間がやってきた。調教師スタンドの最前列には、ルメール騎手のファミリーが座って、父がG1レースを勝つシーンを心待ちにしている姿が伝わってくる。こうして家族が揃って現場で応援するのは日本では珍しいことだが、これは文化の違いなのだろうか。ルメール騎手も勝つごとに子どもたちが喜んでいて、レースの合間にひと言ふた言、言葉を交わし合える瞬間にどれだけ励まされ、勇気づけられてこの215勝があったのだろう。

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家族の想いはホープフルステークスでは届かなかったが、勝ったサートゥルナーリアは驚くほどの強さであり、ルメール騎手は良く乗っていたと思う。「ごめんね、引っかかった」と言って引き揚げてきたが、勝つためにポジションを取りに行った分、持って行かれたのであり仕方ない。最後に戻ってきたミルコ・デムーロ騎手は、終始嬉しそうにしており、彼もまた競馬で勝つことが楽しくて仕方ないのだろう。勝利ジョッキーインタビューで、「良いお年を」とコメントしていたように、彼はもう日本の騎手なのである。

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そして、サートゥルナーリアがレース後に、暴れることも取り乱すこともなく、冷静さを保ちながらゆったりと歩けている姿をみて、もしかするととんでもない名馬の序章に立ち会うことができたのかもしれないと直感した。同じロードカナロア産駒のアーモンドアイもそうであったように、実に目が澄んでいて美しい。周回しているサートゥルナーリアを目に焼き付けながら、このままいつまでも見ていたいような気持ちに駆られてしまった。

誰もいなくなった記者室で、私はパソコンの画面と向き合った。残り時間90分。いつもは1時間ぐらいで観戦記を書き上げるのだが、今回は文字数(20文字×90行)と18時までという二重の制限があるため、気持ちばかり焦ってしまい、遅々として筆が進まず、しかも着地点も見えてこない。序盤から中盤までは下書きしてきたにもかかわらず、後半になってパタリと足が止まってしまったのだ。それでも何とか踏ん張りつつ、編集長にも見守られつつ、ようやく10分前に原稿を完成させ、送ることができたのだ!こんなにドキドキしながら観戦記を書くのは初めての体験であった。また機会がもらえるならば、ぜひ来年も挑戦してみたい。

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最後にお尻の話をしよう

Jiromaru

今年最後ぐらいは皆さんの大好きなお尻について語りましょう。そんなに全力で否定することはありませんが(笑)、僕がこれからお話するのは、残念ながら人間ではなく馬のお尻についてです。尻における臀筋(でんきん)が発達していると、それだけ馬体を前に押し出すために地面を蹴る力が強くなり、速く走ることができるようになります。これだけでもサラブレッドの馬体において尻が非常に大切な部分であることが分かりますし、走る能力が目に見える形で集約されているのが尻ということです。

サラブレッドの尻ということで、真っ先に僕の頭に浮かぶのは、故戸山為夫調教師によって鍛え上げられ、皐月賞と日本ダービーの2冠を制したミホノブルボンのそれです。通常では1日3本で限界の坂路コースを、ミホノブルボンは1日5本も追われて鍛え上げられていました。後ろからミホノブルボンのお尻を見ると、他馬の2倍くらいの大きさがあったそうです。僕もパドックで実際に見たことがあるのですが、ミホノブルボンのお尻の筋肉は異常なほどに発達し、幾層の山のように盛り上がっていました。

実はここでいう尻は、馬体用語として厳密に言うと、尻と股(もも/こ)を合わせたトモの部分を指しています。尻と股(もも/こ)は一体となっているため、外見ではどこまでが尻(臀部)でどこからが股なのか、見分けはとても難しいです。あえて言うならば、背中からつながっているところがお尻で、後脚の付け根上部にある筋肉が盛り上がっているところが股にあたります。もちろん、後脚からのパワーを生み出す起点となる部分である以上、尻と股の筋肉は発達していることが望ましいです。

トモが発達しているかどうかは、馬体を後ろから見ると分かりやすいとされています。後ろから見たとき、股の部分の幅が腰角(こしかど/ようかく)のそれと同じか、それ以上に大きく張っているべきだとされます。こういう外から(横から)は見えない部分にも注目することも大切ということです。立ち写真では分かりにくいため、想像するしかありませんが、トモの部分がパンと張って、筋肉が盛り上がっているといかにも走りそうですね。

今週のホープフルステークスに出走する馬の中でも、アドマイヤジャスタのお尻は群を抜いています。もちろんトモに実が入っているだけではなく、前駆の筋肉も盛り上がり、前後の筋肉の付き方のバランスが素晴らしいですね。2歳のこの時期は、前駆はきっちりと筋肉がついているけれど、後躯には実が入りきっていない馬の方が多い中、馬体としての完成度は高いものがあります。さらに利発そうな顔つきにも好感が持てて、いかにもジャスタウェイ産駒らしいです。他にも素質馬が多く出走し、レベルの高い争いになりそうですが、お尻の大きさと馬体の完成度という点では一枚抜けている、アドマイヤジャスタに本命を打ちたいと思います。

Hopefuls2018wt


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ハービンジャーの馬場


有馬記念2018―観戦記―
オジュウチョウサンの参戦もあり、異常な盛り上がりと緊張感の中、スタートは切られた。小回りの6つコーナーを意識して、内枠を引いた馬たちはこぞって前目のポジションを目指し、やや行き脚がつかなかったキセキが二の足を使ってようやく先頭に立った。前半1000mが60秒7、後半1000mが60秒3だから、速すぎもせず遅すぎもしない平均的なペースであった。それよりも雨が降ったことで、クリストフ・ルメール騎手が「ハービンジャーの馬場になった」と形容するように、力を要する馬場になっていたことの影響の方が大きかった。最後はパワーと底力勝負となり、力強い馬が上位を占める結果となった。

G1初勝利が有馬記念となった3歳馬ブラストワンピースは、55kgという斤量面でのメリットはあったにしても、中団から早めに動いて直線では力強く抜け出して、追いすがるレイデオロを軽くしのいでみせた。着差以上に強いレースであり、日本ダービーや菊花賞の口惜しさをようやく晴らすことができた。スパッと切れる脚がないことで、勝ち味に遅い(乗り難しい)ところがあることは確かだが、今回は横綱相撲で頂点に立つことができた。もともと前駆のつくりの素晴らしい馬体であったが、この中間ははちきれそうな張りを誇っており、ハービンジャー産駒は3歳の秋以降にもうひと回り成長を遂げることを証明してみせた。

これで有馬記念4勝目となった池添謙一騎手は、大一番での強さをいかんなく発揮してみせた。道中は淀みないペースになったことで、中団の馬群の外をロスなく追走することができ、慌てず騒がず、いつでも動ける安心感を持って騎乗していた。日本ダービーも菊花賞も乗り方次第では勝ちもあったという敗戦が続いただけに、ようやく結果を出すことができたという気持ちが強いだろう。それぐらい力のある馬であり、自信を持って仕掛けられたところが素晴らしい。ゴール前200mではほとんど手綱だけでファイトさせており、大舞台でこれだけ美しいフォームで馬体を追える冷静さは、さすがシーズトウショウやオルフェーヴルの主戦ジョッキーである。

レイデオロは持てる力を最大限に発揮しての敗北であった。道中のポジションも展開も申し分なかったにもかかわらず、ブラストワンピースに及ばず完敗を喫してしまったのだから、陣営はルメール騎手共々あきらめるしかないだろう。天皇賞秋から間隔が開いて、馬自身の体長も走るモチベーションも最高潮であったはず。それでも勝てなかったのは、前述したように、力の要る馬場においては勝ち馬の方が一枚上だったということだ。この2頭の良馬場での再戦を見てみたい。

シュヴァルグランは後方から外を回して、最後は上位2頭を追い詰めた。レースを使われつつ、走れる体つきになってきたし、パワーと底力を問われる馬場も6歳になったこの馬にとっては、軽い馬場でのスピード競馬と比べると合っていたかもしれない。それにしてもヒュー・ボウマン騎手は昨年に続き、シュヴァルグランの力を出し切って結果につなげているように、ジョッキーとしての力量は世界トップクラスのものがある。

キセキはなかなかのペースで進んだが、ラスト200m前の地点で脚が上がってしまった。川田将雅騎手は、勝つためには、スローに落として切れ負けするよりも、上りの掛かる底力を問われる展開に持ち込もうと考えたのかもしれない。それでも極端に速いペースで引っ張った訳ではなかったにもかかわらず、秋4戦目の疲れがあったのか、最後まで踏ん張ることができなかった。作戦は良かったが、馬が応えてくれなかったというのが正直なところだろう。

モズカッチャンにとっては、仕上がりも体調自体も良かった中、馬場が重くなってしまったことが苦しかった。軽い馬場でスローに流れてくれれば、この馬の立ち回りの巧さが生きる可能性もあったが、全くの逆目に出てしまった。障害チャンピオンのオジュウチョウサンは、このメンバーに混じって9着と好走した。最後の直線でも一瞬伸びるシーンもあり、決してこの挑戦が無謀であったわけではないことを証明してみせた。サラブレッドの可能性を狭めない長山オーナーの柔軟な発想こそが、今年の有馬記念を盛り上げてくれた。

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あらゆる条件が揃ったモズカッチャンを狙う

Jiromaru

ハービンジャー自身もそうでしたが、産駒には馬体の立派さや雄大さが強く遺伝しています。グッドルッキングホースではあるのですが、それゆえに脚元を支えるサスペンション部分に負荷が掛かりやすい。若駒の頃は、馬体の緩さも手伝って、1度好走すると、その肉体的反動が出てしまい、次走では人気になっても敗れてしまうという産駒のパターンが目立つ時期がありました。

筋肉は強くて馬格があるにもかかわらず、サスペンションが緩いため、一瞬の切れ味や反応が問われるレースに弱いという特徴もあります。だからこそ、ハービンジャー産駒が得意とするのは、中山芝2000m、京都芝2000m、札幌芝1800m、阪神芝2000mという、内回りの中距離戦になるのです。好走の条件が著しく限定されてしまうことに加え、前述のように、レースを走ったあとの反動が大きいため、1着→4着→1着→8着などと好走と凡走を繰り返すのもハービンジャー産駒の特徴です。

もうひとつ、ハービンジャー産駒は気持ちで走る面もあります。産駒には癇性(かんしょう)が良くも悪くも伝わっているのでしょう。きつい馬やきかない馬が多いということでもあります。強い勝ち方をするのも気持ちの強さゆえであり、凡走をしてしまうのも気性の激しさゆえ。生まれもった性質は簡単には変わりません。そういう意味でも、ハービンジャー産駒は凡走の次のレースで狙うべきあり、好走の次は凡走を疑うべきですね。

モズカッチャンは走るハービンジャー産駒の典型です。まず脚元が軽く、ごついタイプではないため、サスペンション部分にそれほど大きな負荷が掛かりません。前走はやや重め残りでしたが、480kg台の馬体重で走ることができると、肉体的な反動は少なくて済むはずです。

ただ、札幌記念で激走をしたあと、府中牝馬Sの直前に熱発をして回避したように、そのレースで全力を出し切って、持てる力以上のものを出し切ってしまうことがあります。きっちりと仕上がっている状態での激走であれば、それほど反動も大きくないのですが、肉体的には中途半端な状態にもかかわらず思いの外頑張ってしまうと、その後が大変なのです。札幌記念は現地で観戦していましたが、休み明けの中をあわや勝ったかと思わせる見事な末脚でした。その後、反動が出た状態から立て直してのエリザベス女王杯でしたから、前走の3着は仕方ない結果だと思います。

つまり、今回の有馬記念はハービンジャー産駒の好走パターンに当てはまります。前走を不完全な状態で敗れたあとの次走は激走が見込まれます。さらに、有馬記念が行われる中山芝2500mはハービンジャー産駒が得意な舞台としている、内回り(小回り)の中距離戦です。しかも、3番という絶好の枠順を引き当て、内の2、3番手という絶好のポジションを走ることができそうです。これだけ条件が揃うことは珍しく、そんな幸運を反映するかのように、モズカッチャンの毛艶はピカピカと輝いて、馬体には斑点が浮いて絶好調です。あとは他馬との力関係だけ。最高に上手く立ち回り、モズカッチャンの力を発揮し、頂点に立ってくれることを期待して、この馬に本命を打ちたいと思います。

Arima2018wt


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中山芝2500m

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外回りコースの3コーナー直前からのスタート。第1コーナーである3コーナーまでの距離は192mと短く、スタートしてすぐにコーナーに突っ込む感じ。スタンド前を通る前に馬を落ち着かせておきたいので、スタートしてから最初の直線まではポジション争いよりも各馬折り合いに専念する。

スタンドからの歓声によって馬が行きたがることがあるが、馬を前に置けるとそれを防げる。そのため、前の馬を壁にできる内枠の馬は有利になる。1週目はゆっくりと坂を登り1コーナーに差し掛かる。ペースが上がるのは2コーナーを回って丘の下りにかかった地点から。向こう正面から3コーナーまでの間に、ほぼトップスピードに加速する。ここでのペースが極端に速いと最後の坂での逆転劇が待っている。

中山の2500mというコースにおける特徴はコーナーを6つも回るということだ。そのため道中のペースはあまり速くなることはない。ステイヤータイプの馬が活躍しているのは、スローペースでも折り合いに苦労することがないからであろう。スピードだけで押し切れるコースではないが、マイラーでも折り合いがつくタイプであれば克服はできる。


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有馬記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■必ずしも強い馬が勝つとはいえない2つの理由
暮れの大一番、有馬記念。3歳馬と古馬との対決でその年のナンバーワンを決定するのだが、必ずしも強い馬が勝つとは言えないのがこのレース。

その理由として、
1、シーズン最後のレースであるために、強くてもピークを過ぎている馬がいる。
2、コーナーを6つも回るため、展開によって大きくペースが左右される。
という2点が挙げられる。

1については、各馬それぞれ目標としていたレースが違うということである。たとえば3歳馬なら菊花賞、古馬ならジャパンカップ、そして海外の大レースに目標を定めていた馬もいるだろう。しかし、現状としては、暮れの大一番である有馬記念に目標を置いていたという馬はまずいない。よって、秋のどこかの時点でピークに仕上がってしまった馬や、仕上げて勝った馬は、この有馬記念には下降線の決して万全とはいえない体調で臨まざるを得ないということになる。中にはここに来て調子を上げてくる馬もいるので、そういった体調の交錯があって、あっと驚く好走や凡走が繰り広げられるのがこの有馬記念である。

2については、有馬記念が行われる中山の2500mというコースにおける特徴は、コーナーを6つも回るということだ。競馬はコーナーを回ることによって息が入ったり、ペースがアップダウンしたりするので、コーナーの数と展開の不安定性は比例する。2008年はダイワスカーレットが尋常ではないペースでレースを引っ張ったが、いつ超スローペースになってもおかしくない。つまり、展開の紛れによって結果が大きく左右される、荒れやすいレースである。

■2■世代交代が行われるレース
過去10年の年齢別の成績を見ると、3歳馬が4勝、4歳馬が2勝となる。成長著しい3歳馬か、充実から完成に向かう4歳馬のどちらかから勝ち馬が出る可能性は非常に高い。このデータを考えると、5歳と7歳時に連対したタップダンスシチーの凄さが分かる。いずれにせよ、有馬記念は世代交代が行われるレースであり、これからの馬を狙い打つのが本筋である。

■3■牝馬が勝ちきることは難しい
2008年、ダイワスカーレットが驚異的な強さで勝利したものの、牝馬としてはヒシアマゾンの2着、エアグルーヴの3着、ダイワスカーレットの2着が近年では最高であった。理由は2つ考えられて、1つはジャパンカップと同じく、トップレベルのスタミナが要求されること。もうひとつは、牝馬は牡馬に比べて冬毛が生えてくるのが早いように、季節的に休眠に入ってしまい臨戦態勢にないことが挙げられる。これからも牝馬がこのレースを勝ち切ることは相当難しいだろう。なんて書いていると、2014年にはジェンティルドンナが勝利したが、ジャパンカップを2連覇したような牡馬顔負けの名牝であり、これぐらいの牝馬でなければ勝つことは難しい。

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G1は宝物


朝日杯フューチュリティS2018―観戦記―
イッツクールが先頭に立ち、前半マイルが47秒7、後半マイルが46秒2という超スローペースでレースを引導した。圧倒的な人気に推された牝馬のグランアレグリアは好スタートを決めて、そのまま2番手。それを見る形で3番手にアドマイヤマーズという隊列のまま最終コーナーを迎え、最後の直線は先行した馬たちによる争いとなった。スローペース症候群と言われ始めて久しいが、今年のG1戦線を振り返ってみると、まさにスローペース症候群ここに極まれり。とにかく前に行っていない馬たちにとっては、厳しいレースであった。

勝ったアドマイヤマーズは、序盤こそ行きたがってハミを噛んでいたものの、離れた3番手に落ち着いてからはリラックスして走れていた。早めに人気のグランアレグリアを捕まえに行き、早めに先頭に立ってそのまま押し切った。大きなフットワークの綺麗な馬であり、ゴール前では耳を立てているように、まだまだ余力のありそうな勝ち方であった。ミルコ・デムーロ騎手は「お父さんとは全然似ていない」と語ったが、馬体を併せると(後ろから馬が来ると)ファイトして伸びるという面においてはよく似ている。距離は2000mぐらいまでは全く問題ないため、あとは2歳時に4戦走らせた影響が来年の馬体の成長にどのように影響するかが心配である。

デムーロ騎手は今年これでG1レース3勝目となった。躊躇することなくグランアレグリアを捕まえに行った判断が素晴らしかった。アドマイヤマーズが長く良い脚を使い、馬体を併せると伸びる馬であることを知っているからこそ、自信を持って動けたのだと思う。勝てるときはこんなものだし、逆に言うと、それぐらいのことが勝ち負けを左右してしまうということ。「G1レースを勝つことは宝物」という言葉に込められた、デムーロ騎手の勝つことに対するこだわりや競馬に対するリスペクトは、どれだけ多く勝っても忘れてもらいたくない。それこそがトップジョッキーがトップジョッキーたるゆえんだから。

クリノガウディーは好枠を生かしてみせた。好スタートを切り、そのまま1番人気のグランアレグリアの後ろにつけ、最後の直線まで息をひそめていた。アドマイヤマーズが早めに動いたことで苦しくなったグランアレグリアが苦しくなったところを差して連対を確保した。最終コーナーで斜行のあおりを受けたのは残念だったが、勝ち馬とは手応えに大きな差があった。それでも切れ味勝負に負けた前走から巻き返して、今回は34秒ジャストで上がって、大健闘と言ってよいだろう。

グランアレグリアはグッと来るところなく敗れてしまった。アドマイヤマーズに並ばれてから抵抗することもなく、あっさり先頭を譲っただけではなく、クリノガウディーにも2番手を受け渡してしまった。スタートしてから、第1コーナーまでの間にハミを噛んでかなりの距離を走ったことで、気持ちと脚を失ってしまったのだろう。また初めての長距離輸送もこたえたのかもしれない。いずれにしても、はっきりとした敗因が見つかるわけではないため、この馬の潜在能力を測りかねてしまう。馬体的には成長の余地を多く残しているので、まずは馬をゆったりと放牧に出して、来年度を待ちたい。


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