Mr.Melody


高松宮記念2019―観戦記―
速いペースで逃げると思われていたモズスーパーフレアの行き脚が鈍く、なんとか先頭に立ったものの、前半600mが33秒2、後半が34秒1という、このクラスとしてはスローに近い平均ペースで道中は流れた。前目のポジションと経済コースを通れた馬に有利なレース。好スタートを切り、出たなりで2、3番手を取り、ペースが落ちた4ハロン目で内ラチ沿いで脚をためられた馬のワンツーとなった。ポジションは後ろであったが内で脚がたまったショウナンアンセムが3着に突っ込み、外を回らされた1番人気のダノンスマッシュは伸び切れず。


勝ったミスターメロディは、最も上手に立ち回った馬の1頭である。前走の阪急杯は外々を回らされて脚を失ってしまったのと対照的に、今回は内枠を引いたことで、きっちりと経済コースを通ることができた。藤原英昭厩舎らしく、本番に向けてキッチリと馬体を仕上げていた。ミスターメロディは、マル外の短距離馬にしては気性が穏やかなのがセールスポイントであり、顔つきからも賢さが伝わってくる。だからこそ騎手も乗りやすいし、レースの流れに応じて器用に立ち回ることができた。この器用さは、これからも武器になるはず。


福永祐一騎手は、無欲の立ち回りで、枠順とミスターメロディの強さをそのまま生かしてみせた。「キングヘイローが後押ししてくれた」と気の利いたコメントをレース後にしたが、福永騎手自身は3年前のビッグアーサーと同じようなイメージで乗ったのだろう。


かつて強かった頃のセイウンコウセイが蘇ったような走りを見せたのは、幸英明騎手がその時のイメージを抱いて乗ったからでもあろう。手綱をグイグイ引っ張って、4コーナーを回っても手応え十分。最後は内から交わされてしまったが、この馬の力は十分に発揮した。良かった頃に比べ、トモの肉付きが物足りなく映っていただけに、セイウンコウセイの激走には驚かされたのが正直なところ。逃げ馬は気持ちで走る面があるのと、4ハロン目でペースが落ち着いたところで、外に出さずに内で脚をためられた、幸騎手の一瞬の判断が功を奏した。


ダノンスマッシュは最後まで外枠が響いた。そして、それを覆せるだけの力差はなかったということ。終始外を回されてしまい、まんべんなく脚を使ってしまったことで、最後の直線では伸び切れなかった。父ロードカナロアに似て、成長途上の馬であり、秋以降に期待したい。北村友一騎手は枠なりに乗るジョッキーであり、内枠を引くと実に上手に乗ってくるが、外枠を引くとそのまま外を回して負けてしまう面があるのも否めない。馬を御すのは上手い騎手だけに、内枠を引いたら買い、外は買わずと覚えておいても良いだろう。


レッツゴードンキは年齢的なこともあるのか思っていたよりも置かれてしまい、最後の直線に賭けたが、前がなかなか開かずに不完全燃焼な走りとなってしまった。前半で好位置を取れないと、最後まで後手に回って負けてしまう典型的なレース。馬自身は最後まで頑張っている。私自身も本命に推していたのだが、そもそも今回のパドック写真を見たとき、前走の阪急杯時と比べてあまり良化していないと感じた。冬毛が残っていた前走ほどではないが、今回も期待していたほど毛艶が良くなっていなかった。それはモズスーパーフレアにも当てはまる。


モズスーパーフレアは小回りの中山競馬場の芝1200mコースが合っているのは確かだが、それ以上に今回は行きっぷりが悪かった。暖かくなっても冬毛が残って毛艶が冴えないように、勝ちっぷりの鮮やかさとは裏腹に、内臓面での疲労がたまってきていたのではないだろうか。

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【今週のWIN5】高松宮記念、マーチSなど

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ざっと見渡してみると、中山10レースと阪神11レースが難解な感じだ。高松宮記念はすでに本命を決めているし、マーチステークスもある程度の予測は立つ。中京11レースは、有力馬が超一流のジョッキーに集まっているので硬く収まるだろう。全体としては、高松宮記念とマーチSは1頭ずつ、中京11レースは絞り込み、中山10レースと阪神11レースは手広く人気薄へと流してみたい。

美浦ステークスは、勢いのある昇級馬と1600万下で頭打ちになっているように見える馬との力差が難しい。最内枠のギブアンドテイクも含めて、クレッシェンドラヴ、サンティール、ジェシー、シンギュラリティ、レーツェルまで6頭に甲乙つけずに流してみる。

岡崎特別は力差がはっきりしているが、ジョッキーの乗り方次第で勝敗が分かれそうなので、勝率が2割を超えているルメール騎手と川田騎手の跨るズアーとスターリーステージの2頭に絞りたい。

六甲ステークスは難解すぎるためパスしたいところだが、そうはいかないのがWIN5である。目をつぶるようにして、アップクォーク、サトノフェイバー、プロディガルサン、ナイトオブナイツ、ソーグリッタリング、アドマイヤアルバ、クリノヤマトオーの7頭に流す。取捨選択にほとんど根拠はない。

マーチSはヒラボクラターシュに狙いを定める。名古屋大賞典からの連闘になるが、馬を大事に使う大久保龍志調教師が使ってきた以上は、何らかの意味があるのだろう。前走は太目残りだったのかもしれないし、太くなりやすいタイプで、間隔を詰めた方が走ると判断したのかもしれない。前走は勝ったのはグリムで、相手が悪かった。このメンバーで勝てる力は十分にある。

最終関門の高松宮記念は当初の予定どおりレッツゴードンキを狙う。ダノンスマッシュやモズスーパーフレアも抑えておきたいところだが、じっくり考えたレースの単勝を3頭も買うのは忍びない。勢いのある若い2頭の隙を突くことができるとすれば、歴戦の姫であるレッツゴードンキではないか。もちろん、単勝も買っておきたい。

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父に似る

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息子の小学校の卒業式が終わりました。つい最近、校門のサクラの下で入学の記念撮影をしたと思いきや、あっという間に卒業式を迎えるのですから、人生は短いものです。クラスでは前から3番目ぐらいの背の高さであった息子の身長も伸び、当日計ってみたところ、なんとか150cmに達していました。実は私も今こそ175cmありますが、小学生の頃はずっと前から2、3番目をウロウロしていていました。中学から高校にかけてグッと身長が伸びたので、おそらく息子も同じだろうと心配はしていません。

式当日、保護者の前を通って壇上へと歩く息子の姿を見て、「そっくりだよ」と妻が言いました。私にはどのあたりがそっくりなのか見当がつきませんでしたが、第3者の目で見ると、息子と私はやはり似ているようです。それは一緒に暮らしているからとか、同じ食べ物を食べているからとか、そういうことよりも、血がつながっているからだと感じます。肉体的にも精神的にも細部が遺伝しているため、全体としての動きや思考も似てくるのでしょうか。

私の話はこのあたりにして、高松宮記念に話を移しましょう。おそらく断然の1番人気になりそうなのはダノンスマッシュ。この馬の素質は高く評価していて、2歳時の朝日杯フューチュリティステークスでは本命の印◎を打ったほどです。馬体に緩さがあったあの時期において、距離が長かったとは思えませんが、馬体が成長していく(筋肉量が増えていく)につれて、少しずつ距離適性は短いところへと移ってきました。まだ緩さは少し残しているものの、今はまさにスプリンターとしての体型であり、適距離は1200m戦であることは確かです。

ダノンスマッシュの父はロードカナロアです。ロードカナロアは初年度産駒からアーモンドアイやステルヴィオを出し、種牡馬としての優秀さも示しました。今年から種付け料も1500万円と大幅にアップして、生産者や市場からの評価もキングカメハメハの第1後継者としてほぼ確定しました。アーモンドアイは牝馬3冠を達成し、返す刀でジャパンカップをも制したように、距離不問の名牝であり、ステルヴィオはマイルから2000mぐらいまでの距離で強さを発揮しています。自身は主にスプリント戦で活躍したロードカナロアですが、産駒には万能な能力を伝えていますね。

ロードカナロアの遺伝子を最も受け継いでいる、言い方を換えると、ロードカナロアに似ている産駒としては、今のところダノンスマッシュが挙げられるのではないでしょうか。父の現役時代の足跡を辿ってみると、意外にも遅咲きのスプリンターであったことが分かります。デビュー戦こそ勝利を収めましたが、距離をマイルに延ばした次走は2着に敗れ、その次は500万下の条件戦(1400m)でも勝ち切れませんでした。1200m戦に戻してからは快進撃を続け、京阪杯とシルクロードSを快勝して、4歳春に高松宮記念に臨みました。1番人気に推されたものの、同厩のカレンチャンを捕まえることができず3着に敗れてしまいます。「肉体的に完成されるのはもう少し先」という陣営のレース後のコメントを読んで、この馬はどれほど強くなるのだろうと思ったことを覚えています。

実際にロードカナロアが本当に強くなったのは、4歳夏を越して、秋を迎えてからでした。スプリンターズSでカレンチャンを並ぶ間もなく差し切って、世代交代を印象付けたのを皮切りに、その後は香港スプリントや高松宮記念、そして安田記念と、距離を延ばしても向かうところ敵なし。緩さが残っていた馬体が完成されて、持てる力を存分に発揮できるようになったのです。それまでサクラバクシンオーが最強スプリンターだと思っていた私が、ロードカナロアに書き換えざるを得ないほどの圧倒的な強さと速さでした。

ダノンスマッシュは、父を超えるとはいいませんが、父に近しい足跡を残してもらいたいと願っています。父ロードカナロアに似ていて、同じだけの素質を秘めている馬です。ただ1点、父と似ているからこそ、4歳春時点でG1レースを勝てるかどうかというと半信半疑なところがあります。まだ馬体に緩さが残っていることは確かであり、それがこのメンバーに入ってどう出るか。今年の秋以降は無敵を誇るかもしれませんが、今回に関しては、どの馬かに足元をすくわれてしまう可能性は十分にあります。父に似ているからこそ、今は勝てないということもあるのではないでしょうか。


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パワーとスピードを有したダイメイプリンセス:5つ☆

<レッツゴードンキ>前走に比べると、冬毛が抜けて毛艶が改善されつつあるように、体調は上向いている。7歳牝馬とは思えないバランスの良さと、前後にしっかりとした筋肉がついて、これ以上は望めない状態で本番に臨む。【馬体評価★★★★】


<アレスバローズ>ひと目で分かるほどの首の太さで、前駆からの発達ぶりが半端ない。これだけ首が太いと距離はもたないので、ディープ産駒にしては珍しくスプリンター体型。気性に難しいところがあるので、スムーズさが鍵か。【馬体評価★★★★】


<ダイメイプリンセス>前後にきっちりと実が入り、全体のバランスも良く、スピードだけではなくパワーも有していることが伝わってくる。顔つきも精悍であり、外見上は非の打ち所のない完成形の馬体。【馬体評価★★★★★】


<ダイメイフジ>シルエットだけを見ると、スプリント戦よりもマイル以上の距離の方が向いているように映る。この馬も馬体と気性のアンバランスさがあるのだろう。最後にスタミナを問われるようなレースになれば差し込めるか。【馬体評価★★★】


<セイウンコウセイ>昨年までは非常に馬を良く見せていたが、年齢的なこともあるのだろうか、今回はトモの実の入りが乏しく、パワーが感じられない。前駆の力強さは相変わらずだが、雨でも降らないとノーチャンス。【馬体評価★★★】


<ラブカンプー>僚馬ダイメイプリンセスと比べると、幼さの残る馬体であるが、この馬なり成長してきている。ここ2戦はほとんど走っておらずダメージがないのか、馬体はふっくらとして回復してきた。あとは気持ちの問題か。【馬体評価★★★】


パドック写真の一覧はこちら

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高松宮記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■先行馬有利へ
中京競馬場は小回り、直線に坂がなく平坦であり、本来は圧倒的に先行馬が有利なコースであったが、高松宮記念に限っては、最後の1ハロンでスピード自慢の先行馬の脚が止まり、スタミナを備えた差し馬がゴール前で逆転するという展開のレースになりやすかった。しかし、その傾向は中京競馬場が新装されて以来、変わりつつある。
「先行馬有利」の状況は、ラップタイムからも一目瞭然である。阪神競馬場で行なわれた平成23年を除く、過去10年間の前半後半3ハロンのラップタイムは以下のとおりである。
 前半 ― 後半
平成19年 33.8-35.1 (前後半の落差1.3)
平成20年 33.4-33.7 (前後半の落差0.3)
平成21年 33.1-34.9 (前後半の落差1.8)
平成22年 33.5-35.1 (前後半の落差1.6)
平成24年 34.5-35.8 (前後半の落差1.3)
平成25年 34.3-33.8 (前後半の落差0.5)
平成26年 34.5-37.7 (前後半の落差3.2)
平成27年 34.0-34.5 (前後半の落差0.5)
平成28年 32.7-34.1(前後半の落差1.4)
平成29年 33.8-34.9(前後半の落差1.1)

平成25年までは、前半が速くて後半が掛かるという、典型的な前傾ラップであった。「短距離の差し馬」という格言があるように、基本的にスプリント戦は差し馬有利な前傾ラップになることが多い。特にG1のスプリント戦となると、スピードのある馬が揃い、前半のポジション争いが厳しくなるため、どうしても上がりの掛かる展開となるのは避けられない。
しかし、直線が長くなり、坂ができたことにより、道中のペースには落ち着きが出て、かえって差し馬が届きづらくなった。スピードとスタミナの両方が要求されることには変わりがないが、ある程度先行できて、パワーで押し切れる馬にとっては最も向いている舞台となる。


■2■馬場の不利、枠順の不利はなくなる
かつて開幕最終週に高松宮記念が行なわれていた頃は、馬場の傷みによってコースの内外における有利不利を生み出してしまうことがあった。平成12年のキングヘイロー、13年のトロットスター、17年のアドマイヤマックスと、大外を回った馬が勝利したように、内側が傷んで走りにくいという馬場設定になってしまう可能性があった。しかし、2012年からは改修後ということもあって、馬場は絶好の状態を保っているため、馬場による有利不利はない。


さらに、これまでの中京競馬場はコース幅が狭くカーブもきついため、枠順の内外も考慮に入れるべきであった。テンのダッシュが速くない馬が内枠に入ると、外から速い馬に来られ、包まれてしまい何も出来ずに終わったり、外枠を引いた馬が内に入れるヒマもなく、終始外々を回されて終わってしまうことがあった。どの枠順を引いたかによって、勝利の行方が大きく左右されたのだが、改修後は枠順における有利不利もほとんどなくなるだろう。


全体的に見ると、よほど極端な枠順を引かない限り、スピードとスタミナを兼ね備えた強いスプリンターが勝つことのできる舞台が整ったといえる。


■3■5歳馬が有利
過去7年間における、年齢別の成績は以下のとおり。

4歳   【2・0・4・21】 連対率7%
5歳   【4・2・2・24】 連対率19%
6歳   【0・5・1・24】 連対率17%
7歳以上【1・0・0・35】 連対率3%


勝ち鞍、連対率だけを見ても、5歳馬が圧倒していることが分かる。勢いのある4歳馬が、充実の5歳馬にねじ伏せられてしまうという形になりやすい。キンシャサノキセキは例外的存在と考えて、6歳以上の馬になってくると、スピード不足を露呈してしまうのか、年齢と共に勝率は下がっていくことになる。スピードとスタミナを兼ね備えたスプリント能力を問われるということだ。

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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第33回)

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絶好枠を引いたクインアマランサスは、北村友一騎手に導かれ、内々の経済コースを回りながら、絶好の手応えで最後の直線へと向いた。あとは先頭を走るレジェンディストを捕まえるのみ。しかし、前が開かない!北村友一騎手も何とか切り返して、エンジン全開で追い詰めるが、クビの差まで迫ったところがゴール。全てが順調に来て、クインアマランサスの勝ちパターンにはまったにもかかわらず、最後の最後でまさか前が詰まるとは。これが競馬だと言ってしまえばそれまでだが、あまりにも無慈悲な負け方であった。まさか1000万下クラスで3着に入った馬が、500万下でここまで勝ちあぐねるとは。

次走は京都ダート1800mという全く同じ条件のレースに出走し、当然のことながら、圧倒的な1番人気(1.4倍)に推された。今度こそ勝つ番というわけだが、一口馬主としては悪い予感しかしなかった。それは期待がゆえの心配ではなく、外枠(8枠)を引いてしまったことによる具体的な不安。外を回らされてしまうことは、クインアマランサスの典型的な負けパターンなのである。その走りを、デビュー戦から目を皿のようにして見守ってきた一口馬主だからこそ分かること。まるでジョッキーがパドックで自分の騎乗馬のオッズを確認したとき、「人気になりすぎでは」とゾッとするあの感覚を味わったのである。

案の定、クインアマランサスは馬群の外を回され、勝ち馬とは0.5秒差の3着と、見るも無残な負け方をした。前脚の出が良くないため、どうしてもピッチ走法で走ることになり、その分、外を回らされてしまうことが他の馬以上に応えるのだろう。逆に言うと、フットワークが大きいタイプではないので、馬群の内でも器用に立ち回ることができる。どう考えても500万下では力が一枚上であることは証明されたので、次走以降は道中のポジションが勝ち負けを左右することになるはずである。

その次はすぐにやってきた。1年で4レースぐらいしか走れなかった馬が、今年に入って早3戦目を迎えることになった。高野友和調教師が大切に使ってくれて、牧場が焦らずに育ててくれたおかげで、ようやく競走馬としての肉体が完成されてきたのだろう。いまだに坂路で55秒を切ることができないが、クインアマランサスなりに充実期を迎えている。この勢いをどこまで続けられて、ひとつでも上のクラスで走ってもらいたいと願う。もう5歳馬にして500万下をウロウロしているにもかかわらず、夢を抱くことができるのだから一口馬主は不思議だ。もしこの馬に出資していなかったら、おそらく単なる500万下の馬として目にも留めていないだろう。

スタート良く飛び出したクインアマランサスは、行き脚もついて、楽な形で先行集団に取り付いた。道中は淀みなく流れ、折り合いもついて、実に気持ち良さそうに走っている。直線に向いてからの手応えも抜群で、北村友一騎手もほとんど手綱だけで馬を追って、3馬身の差をつけて勝利した。控えめに見積もっても1000万下に行っても通用するし、もしかすると準オープンまで行けるかもしれないと思わせる力強い末脚であった。私にとっての2日遅れの誕生日プレゼントとなった。初めての出資馬がコンスタントに走って、ひとまずは馬代金以上の賞金を稼いでくれたのだから、クインアマランサスとその関係者の方々には感謝の言葉しかない。

Photo by Silk Horse Club

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スプリングSを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■皐月賞と結びつきやすい
本番と距離が同じ弥生賞が皐月賞に結びつきにくいのに対し、1800mで行われるスプリングSからは過去17頭の皐月賞の勝ち馬が出ている。理由として考えられるのは、以下の2つ。

1、 中3週というレース間隔が調整しやすい
2、 皐月賞に似た底力勝負のレースになりやすい

1については、皐月賞に向けてという意味では、スプリングSで勝った時の体調を引き続きキープしやすいということである。弥生賞から皐月賞だと中5週となってしまい、レース間隔が開いていることでかえって調整が難しくなってしまうのだ。中3週だと体調を維持することに気をつければよいが、中5週だと一旦僅かに緩めてもう一度仕上げ直すことになる。

2については、弥生賞がスローの瞬発力勝負になりやすいのに対し、スプリングSは平均ペースの耐久勝負になる傾向がある。わずか200mの距離の違い(コース設定)が、レースの質にも影響を与えるからである。そして、本番の皐月賞は後者に近いペース(平均~ハイペース)になるからこそ、スプリングSの勝ち馬や好走馬が皐月賞につながりやすいということになる。

■2■パワーとスタミナが問われる
上記のように、中山2000mで行われる弥生賞に比べ、1800mで行われるスプリングSは道中で緩むところが少なく、耐久戦になりやすい。軽さと瞬発力ではなく、パワーとスタミナを問われるレースになるのだ。血統的には、ダートを得意とする血やヨーロッパのスタミナ血統の馬が走っているのが目立つ。また、4つコーナーを回る小回りのレースだけに、どうしても前に行ける馬にとって有利になる。速い脚を持続できる地脚の強い馬を狙うべきだということだ。

■3■前走連対馬と1番人気が強い
前走1着   【6・7・3・43】
前走2着   【1・1・5・12】
前走3着   【2・0・0・3】
前走4着以下【0・1・1・38】

過去10年のスプリングS連対馬20頭のうち、15頭が前走で連対している。クラシック開幕まで残り4週間という時期であり、素質馬が本番へ向けて集結してくる以上、前走で負けている(最低2着は確保)馬では苦しいということだろう。もちろん、重賞以外のレースで負けているような馬では勝負にならない。

1番人気   【3・3・2・1】
2番人気   【1・1・2・5】
3番人気   【2・2・0・5】
4番人気以下【3・3・5・78】

さらに、その素質馬たちの中でも1番人気に推された馬は、過去10年で3勝を挙げ、連対率にしても67%と圧倒的な数字を出している。前走の内容が良かったということであり、底力が試されるレースだけに実力がそのまま反映されやすい。

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WIN5攻略を考えてみた

Win5

4億6000万円のキャリーオーバーがあるとのことで、先週は久しぶりにWIN5に挑戦してみた。久しぶりと言っても、WIN5が発売開始された頃に一度購入したきりで、それ以来の2度目になる。私がWIN5のような馬券を買わないのは、基本的に馬券で大金を儲けたりすることに意味を見出せないからであるが、さすがに今回は魔が差したのか、射幸心をあおられてしまった(笑)。

WIN5は単勝党にとっては相性の良い馬券であると言ってよいだろう。そのレースで勝つ馬を5つ連続して当てるのだから、2着や3着に入る可能性のある馬ではなく、勝ち馬を探すという観点において地続きなのである。決して違う競技や種目ではなく、軟式テニスと硬式テニス、またはソフトボールと野球ぐらいの共通性はあるはずだ。

最大の問題は、勝ち馬を5レース連続して当てるということである。当たり前ではあるが、これが難しい。何を隠そう、私は単勝を買い続けてかれこれ四半世紀が経とうとしているにもかかわらず、3レース連続して当たったのが最高記録なのである。大井競馬場において、準メインとメインレース、さらに最終レースの3つが連続して当たったことがある。

この時の気分としては、大げさに言うと、自分が買った馬券は外れないのではとさえ思えた。勝った馬の馬券を自分が買えた(選んだ)のではなく、自分が買った(選んだ)からこそその馬が勝ったと勘違いしてしまいそうになった。3レース連続で単勝が当たると、そのような気持ちになる。25年に一度であるから、それぐらいに珍しく稀なことなのである。それが5レース連続となると、ベテランの単勝党から言わせてもらうと、奇跡としか表現のしようがない。天文学的な難しさである。

もちろん、それは1レースにおいて1頭の馬の単勝しか買わないという場合の話であって、実際にはそのようなWIN5の買い方をしている人はほとんどいないだろう。単勝党にとっては邪道に思えるのは確かだが、1レースにつき何頭かの単勝を買うのである。その組み合わせが多ければ多いほど当たりやすくなる反面、賭け金も跳ね上がっていく仕組みだ。

この跳ね上がり方は、実際に馬券を買ってみると良く分かる。たとえば、1レース3頭の馬の単勝を買うとすれば、3×3×3×3×3の243通りであり、1点100円を買うとすれば、243点で24300円の賭け金が必要となる計算だ。人気馬を抑えつつ、人気薄の馬も拾っていこうとすると、1レース3頭では心もとなくなり、4頭、5頭とピックアップして最終的な組み合わせ合計を見ると仰天することになる。べき乗の恐ろしさである。

今回、手探りの中、私は3頭×4頭×2頭×3頭×2頭の計144通りの組み合わせにしてみた。最初は各レース4、5頭をピックアップしてみて、そこからできるだけ絞り込みをかけていった。結果的には、阪神10レースは当たり、中山10レースが外れ、中京11レースが外れ、阪神12レースは当たり、中山12レースは当たりという結果に終わった。中京11レースでダノンプレミアムを外す必要はなかったという反省はあるものの、どう考えても中山10レースで12番人気のジョーストリクトリを買うのは難しかったので、いずれにしても不適中である。

もう少し深く振り返ってみると、1頭だけの単勝を買っていたとしても、阪神10レースの甲南ステークスはジョーダンキング、阪神11レースのフィリーズレビューのプールヴィル、中山11レースのアネモネステークスのルガールカルムは本命に推していたはずであり、この3つのレースは余計な馬も買ってしまっていることになる。

対して、中山10レースは4頭も買っているように、どの馬が勝つのか分からず、絞り込みができなかった。勝ち味に遅いアストラエンブレムまでも買ってしまっている。このような人気馬が怪しいレースは、絞り込むのではなく、むしろ手を広げるべきなのだろう。中京11レースは事前予想をしていることもあり、角居厩舎の2頭に下手に絞ってしまった。ダノンプレミアムのことは、3歳時には誰よりも馬体を評価してきたつもりなので、決して評価を下げていたわけではない。

WIN5を攻略するためには、このあたりのさじ加減というか、メリハリが鍵になってくるのであろう。つまり、絞り込むレースは極端に言うと1頭に絞り込む。これは単勝党であれば、いつもそうしていることである。そして、難解なレースまたは荒れそうなレースに関しては、逆に手を広げる。どこまで広げるかはそれぞれだが、極端に言うと、全頭の単勝を買ってしまってもよい。

3レース連続で単勝を当てるのが難しいという私の経験則に照らしてみると、WIN5の5レース中で極端に絞り込む(1頭しか買わない)レースは2つか3つが限界であろう。極端に絞り込むレースが多いとその分、全体の点数は少なくなるし、手を広げるレースにおいて手を広げやすくなるが、それでも2つ3つで十分である。

ひとまず結論づけると、たとえば1頭に絞り込むレースを2つ、出走馬の半分(8頭)ぐらいに手広く賭けるレースを2つ、そして3頭ぐらいに適度に絞り込むレースを1つぐらいの割合に仕分けするということである。そうすると、1×1×8×8×3の計192通りになる。これ以上に絞り込むのも難しいし、手を広げるのももったいない、一般的な競馬ファンにとっては適度なバランスとメリハリなのではないか。言うは易し、当てるは難しではあるが、WIN5は単勝党にとっての3連単のようなものになれるはずなので、これからも試行錯誤しながらチャレンジしてみたい。

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フィリーズレビューを当てるために知っておくべき3つのこと

Filiesreview

■1■本番・桜花賞との結びつきが弱い
過去10年間で、フィリーズレビューを使って本番・桜花賞を制した馬はレーヌミノルのみ。1週間前に行われたチューリップ賞からは7頭の桜花賞馬(ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスター、レッツゴードンキ、ジュエラー)が出ており、その差は歴然としている。

その理由はひとつ。チューリップ賞とフィリーズレビューを天秤にかけた場合、本番へのつながりを意識すれば前者をステップにする方が望ましいのは明らかで、にもかかわらずフィリーズレビューを選択するのは、陣営が距離(もしくは折り合い)に不安を抱えているからである。僅かでも距離に不安を感じている馬が、さらに厳しい流れになるG1レースのマイル戦を勝つのは難しい。

■2■最後にもうひと伸びできるパワー
スプリント色の濃いメンバーが集まるからこそ、かえってレースの流れは厳しくなることが多い。過去10年間のラップタイムを見てみると(下参照)、スローに流れてしまいがちなチューリップ賞よりも、ミドルからハイペースに流れやすいレースの傾向が浮かび上がってくる。そのため、結局、スピード一辺倒のスプリンターでは勝ち切れず、ハイペースを好位で追走して最後にもうひと伸びできるパワーも要求される。

フィリーズレビュー過去10年ラップタイム
12.3-10.5-11.5-12.0-12.2-12.0-11.9(34.3-36.1)H
12.2-11.0-11.8-12.1-11.8-12.0-11.9(35.0-35.7)M
12.3-10.5-11.3-11.8-12.0-11.8-12.6(34.1-36.4)H
12.2-10.7-11.4-11.8-11.9-11.9-12.9(34.3-36.7)H
12.3-10.9-11.7-11.8-11.3-11.9-12.2(34.9-35.4)M
11.9-10.9-11.8-12.1-11.7-11.4-12.5(34.6-35.6)H
12.2-11.0-11.5-12.0-11.7-11.8-12.3(34.7-35.8)H
12.2-11.2-11.6-12.2-11.7-11.5-11.7(35.0-34.9)M
12.0-10.2-11.3-12.0-11.8-11.7-12.0(33.5-35.5)H
12.3-10.3-11.1-11.7-12.0-11.9-12.2(33.7-36.1)H

■3■阪神1400m
スタート後、3コーナー過ぎまでの距離はおよそ440mと十分にあり、テンはそれなりに速くなる。そして、3~4コーナーが複合カーブであるため、スピードが落ちない。そのため、緩急のない全体的に速いペースで道中は流れる。しかし、3コーナーからゴール前に至るまで下りが続くため、そのまま流れ込むことの出来る先行馬が有利。

とはいえ、3~4コーナーの間に偽直線を挟んでいるため、差し馬もペースに応じて先行集団との差を詰めることが出来る。先行馬が有利なコースではあるが、決して差し馬に不利なコースではない。むしろ道中のペースが速くなりすぎると、直線の急坂で先行馬が総崩れということも十分にあり得るので注意。


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弥生賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Yayoi

■1■弥生賞と皐月賞は連動しない
皐月賞と同じ舞台で行われるものの、過去15年間で弥生賞と皐月賞を連勝したのはディープインパクト、そしてヴィクトワールピサという2頭の名馬のみ。その理由について、ラップタイプから考察してみたい。

弥生賞の過去14年間のラップタイムは以下のとおりである。

13.0-11.9-12.5-12.3-12.5-12.6-12.5-11.6-11.4-11.9(62.2-60.0)S
12.4-11.3-12.5-12.6-12.4-12.0-12.7-12.3-11.7-11.6(61.2-60.3)S
12.3-10.6-11.6-12.8-12.5-12.6-12.9-11.8-11.7-11.7(59.8-60.7)M
12.2-11.5-12.4-12.8-12.9-12.5-12.3-11.7-11.3-12.2(61.8-60.0)S
12.4-11.3-12.2-13.0-13.1-13.0-12.7-12.2-11.5-12.1(62.0-61.5)M
12.8-11.3-12.2-12.8-12.6-12.4-12.2-11.8-11.2-11.7(61.7-59.3)S
12.5-11.0-12.7-13.5-13.4-13.1-12.3-11.9-11.5-12.0(63.1-60.8)S
12.9-11.4-12.2-12.4-12.7-12.5-11.7-11.6-11.4-12.2(61.6-59.4)S
12.4-11.0-12.2-12.8-12.8-11.9-11.9-12.3-11.9-12.2(61.2-60.2)S
12.5-11.4-12.3-12.4-12.7-12.0-12.1-12.1-11.9-12.4(61.3-60.5)M
12.5-10.5-11.3-12.2-13.0-12.8-12.5-12.5-11.3-11.3(59.5-60.4)M
12.4-11.4-12.8-13.2-13.4-12.7-12.3-11.9-11.4-11.7(63.2-60.0)S
12.5-11.0-12.5-12.8-12.7-12.4-12.8-11.7-11.0-11.6(61.5-59.5)S

前半3ハロンとラスト3ハロンを除いた中盤のラップに焦点を当ててみると、軒並み12秒台が続いていることが分かる。以前、中山金杯の分析をした際、皐月賞は中盤が緩むという指摘をしたが、それに輪をかけるように弥生賞はその傾向が顕著である。

そこで、今度は、過去15年間の皐月賞のレースラップを見てみたい(東京競馬場で行なわれた2011年は除く)。

12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(61.7-59.5)S
12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(59.7-58.9)M
12.1-11.0-11.9-12.2-12.4-12.6-12.5-11.8-11.4-11.3(59.6-59.6)M
12.3-11.3-12.0-12.1-12.3-12.0-12.2-11.8-11.7-12.2(60.0-59.9)M
12.2-11.2-12.1-11.6-12.3-12.3-12.3-11.6-12.0-12.3(59.4-60.5)H
12.2-11.5-12.5-12.6-12.6-12.8-12.3-11.2-11.5-12.5(61.4-60.3)S
12.1-10.8-11.9-12.1-12.2-12.1-11.9-11.8-11.7-12.1(59.1-59.6)M
12.1-10.9-12.4-12.1-12.6-12.5-12.3-12.1-11.8-12.0(60.1-60.7)M
12.4-11.1-12.3-11.9-11.4-11.6-12.2-12.7-13.6-12.1(59.162.2)H
12.0-10.6-11.5-11.6-12.3-12.1-12.0-11.9-12.0-12.0(58.0-60.0)H
12.3-11.4-11.9-11.9-12.7-12.1-12.0-11.6-11.7-12.0(60.2-59.4)M
12.5-10.7-12.0-11.8-12.2-12.2-12.1-11.7-11.4-11.6(59.2-59.0)M
12.0-10.7-11.5-11.7-12.5-11.5-12.4-12.2-11.6-11.8(58.4-59.5)H
12.1-10.8-12.2-11.7-12.2-12.4-11.9-11.4-11.4-11.7(59.0-58.8)M
12.6-11.0-11.9-11.5-12.2-11.9-12.4-12.4-12.7-12.2(59.2-61.6)H

中盤が緩む傾向は同じだが、ひとつだけ弥生賞との相違点がある。それはレース全体のペースである。どちらかというとミドル~ハイペースになる皐月賞に比べ、弥生賞はどちらかというとスローに流れやすい。つまり、弥生賞はスタミナの裏づけがないマイラーでも乗り方次第ではこなせてしまう可能性があり、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強い馬に圧倒的に有利なレースになるということである。過去、サンデーサイレンス産駒の活躍が目立ったのもこれゆえである。

結論としては、弥生賞の勝ち馬を見つけるためには、皐月賞を占うレースであるにもかかわらず、皐月賞では勝てそうにないタイプの馬を探すべきということである。どういう馬かというと、サンデーサイレンスの血を受け継いだ、スピードタイプの瞬発力に優った馬である。

■2■勝ってほしくないレース
弥生賞は勝って欲しくないレースである。このレースを勝つということは、素質や能力、そして完成度が高いということの証明ではある。しかし、今後のクラシック戦線を考えると、敢えて勝たなくても(勝とうとしなくても)良いレースなのではないだろうか。

弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬はヴィクトワールピサしかいない。

なぜこのような現象が起こるかというと、以下の2つの理由が考えられる。

1、 弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない
2、 弥生賞と皐月賞では馬場状態が異なる

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。また、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。

しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

もうひとつの理由としては、弥生賞は中山開催が始まってすぐの比較的良い馬場で行なわれる(それでもやや重い)のに対し、皐月賞は見た目こそ悪くなくとも、かなり芝が重くなってきている馬場状態でのレースとなるからである。極端にいうと、弥生賞は軽いスピードと瞬発力を生かした馬が勝ちやすいのに対し、皐月賞はパワーとスタミナが求められるということだ。この1ヶ月間で、勝馬に問われる適性が180度違ってくるのだから、勝ち馬が同じでないことにも納得がいく。

本番のクラシックで力を出し切ってほしいという思いを込めて、弥生賞は勝ってほしくないレースなのである。2009年はロジユニヴァースが弥生賞を勝ち、本番の皐月賞で惨敗をしてしまった。ロジユニヴァースの弥生賞は決して厳しいレースではなかったが、陣営の思いとは裏腹に仕上がってしまっていたのだろう。皐月賞惨敗後、奇跡的なV字回復を遂げてダービーを制したので結果として良かったが、本番のクラシックにおける体調は万全とは言えなかった。

2010年のヴィクトワールピサは弥生賞を勝ち、皐月賞をも制したが、本番の日本ダービーでは不思議な凡走をしてしまった。これも1の理由とつながってくる。弥生賞でかなりの仕上がりにあって、しかも皐月賞も勝つということは、体調のピークが皐月賞にあったということ。たとえ皐月賞を勝つことができても、あくまでも目標が日本ダービーということであれば、弥生賞は勝ってほしくないレースということに変わりはない。

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チューリップ賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tulip

■1■前に行ける馬
新装の阪神競馬場の1600mコースで行われるようになって以来、3年連続で逃げ馬が連対した。前哨戦ということもあって、無理をしてペースを上げて厳しいレースにする必要はなく、道中は折り合いに専念する馬が多いため、スローペースになりやすい。また、本番前に脚を測るという意味合いで、有力馬が敢えて後ろから行き、追い出しをギリギリまで我慢させることもある。そのため、前に行ける馬、特に単騎で逃げた馬は、マークされることなく楽に逃がしてもらえることになる。

■2■瞬発力勝負に
道中がスローに流れる以上、最後の直線に向いてヨーイドンのレースになる。阪神競馬場の外回りコースは直線が473mと長いため、ここでどれだけ切れる脚を使えるかが勝負になる。瞬発力に欠ける馬にとっては、苦しい舞台となる。

12.6-11.2-12.3-12.6-12.6-12.0-10.7-11.8(48.7-47.1) S エアパスカル
12.5-11.1-12.4-12.6-12.7-12.2-11.1-11.9(48.6-47.9) M ブエナビスタ
12.7-11.0-12.3-12.3-12.5-11.9-11.3-12.1(48.3-47.8) M ショウリュウムーン
12.5-11.3-11.7-12.2-12.4-11.7-11.1-11.6(47.7-46.8)M レーヴディソール
12.7-10.9-12.1-12.3-12.2-12.2-11.3-11.8(48.0-47.5)M ハナズゴール
12.6-11.3-12.0-12.1-12.2-11.8-10.7-12.2(48.0-46.9) S クロフネサプライズ
12.4-11.0-11.9-12.0-12.1-11.5-11.4-12.0(47.3-47.0)M ハープスター
12.5-11.2-12.2-12.6-12.9-12.2-11.5-12.6(48.5-49.2)M ココロノアイ
12.2-11.0-11.4-12.2-12.1-11.2-11.1-11.6(46.8-46.0)M シンハライト
12.4-10.7-11.1-12.2-12.2-11.4-11.3-11.9(46.4-46.8)M ソウルスターリング
12.6-11.2-11.6-12.1-12.0-11.7-10.7-11.5(47.5-45.9)S ラッキーライラック

■3■意外にも外枠が有利
これは阪神ジュベナイルF、チューリップ賞、そして本番の桜花賞にも通ずることだが、意外にも外枠を引いて、外々を進んだ馬にとってレースがしやすい。理由としては、新装の阪神1600mコースは内と外の差がほとんどなく、だとすれば、キャリアの浅い若駒(特に牝馬)にとっては、馬群に揉まれず、自分のフットワークやペースで伸び伸びと走ることができる外の方が力を発揮しやすいからである。外々を通って、良い脚を長く(3ハロン)使える馬を狙いたい。


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中山記念を馬体から語ります

Sorenorikeibatv02

今週の土曜日(23日)夜22時より、「それ乗り 競馬TV」に出演します。業界で唯一の毎週無料生放送“本格派”競馬予想バラエティ番組にて、翌日の中山記念について語ってきたいと思います。今年の中山記念は、スワ―ヴリチャード、ディアドラ、ステルヴィオ、エポカドーロ、ラッキーライラックらのG1馬が登場し、この春の中距離G1戦線を占う上でも重要な一戦になりそうです。今回も馬体をテーマに出走各馬の診断をして、予想も披露してみたいと思います。MCのユーマさん、さくまみおさん、スタッフや観覧者の方々とお会いできるのも楽しみです。

「それ乗り 競馬TV」は生放送(http://sorenori-keiba.net/)で楽しむこともできますし、押上のWallop放送局(http://www.wallop.tv/)では、生放送の番組観覧に無料でご参加いただけます!当日、番組観覧にお越しいただいた方には、素敵なプレゼント?を差し上げますので、ぜひ中山記念の前夜(22時より少し前から入場可です)に放送局まで遊びにきてください!


見逃した方はこちらをどうぞ。馬体の仕上がりを見極める2つのポイントを教えます!

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中山記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Nakayamakinen

■1■中山記念を得意とする馬
中山記念の過去16年の勝ち馬と2、3着馬を見ると、面白いことが分かる。
       勝ち馬          2着                 3着
2003年 ローエングリン     バランスオブゲーム    ダイワジアン
2004年 サクラプレジデント   サイドワインダー     ローエングリン
2005年 バランスオブゲーム  カンパニー         アルビレオ
2006年 バランスオブゲーム  ダイワメジャー       エアメサイア
2007年 ローエングリン     エアシェィディ       ダンスインザモア
2008年 カンパニー        エイシンドーバー     エアシェイディ
2009年 カンパニー       ドリームジャーニー    アドマイヤフジ
2010年 トーセンクラウン    テイエムアンコール    ショウワモダン
2011年 ヴィクトワールピサ  キャプテントゥーレ     リーチザクラウン
2012年 フェデラリスト     シルポート          リアルインパクト
2013年 ナカヤマナイト     ダイワファルコン      シルポート
2014年 ジャスタウェイ    アルキメデス       ロゴタイプ
2015年 ヌ―ヴォレコルト   ロゴタイプ         ステファノス
2016年 ドゥラメンテ    アンビシャス      リアルスティール
2017年 ネオリアリズム  サクラアンプルール   ロゴタイプ
2018年 ウインブライト  アエロリット   マルターズアポジー

ローエングリンとバランスオブゲーム、カンパニーが共に2勝を挙げている。ローエングリンはその2勝が3年間のブランクを挟んでのものであるだけでなく、実はサクラプレジデントが勝ったレースでも3着していることに驚かされる。また、バランスオブゲームは2005年、6年と連勝しただけではなく、2003年にもローエングリンの2着している。さらに2008年と2009年の勝馬であるカンパニーは2005年にも2着し、2012年の2着馬であるシルポートは2013年にも3着と健闘している。最近ではロゴタイプが2014年に3着に入り、翌年には2着と健闘した。

谷間の重賞であることは確かで、毎年出走してくる馬にも偏りはあるのだが、中山記念は中山記念を得意とする(狙ってくる)馬が強いG2レースだと考えてよいだろう。

■2■前に行った馬が有利
次に、中山記念の過去10年間のラップタイムを見てみたい。

12.9-11.7-12.0-11.6-11.3-11.7-11.7-11.4-12.9(48.2-47.7)M 
12.6-11.5-12.0-11.8-11.8-12.3-12.2-11.5-11.6(47.9-47.6)M
13.1-12.1-12.5-12.1-12.1-12.2-12.0-11.3-11.8(49.8-47.3)S
12.6-11.7-12.3-12.2-12.1-12.6-12.6-12.8-12.8(48.8-50.8)H
12.8-11.5-12.0-12.2-11.6-11.4-11.7-11.1-11.7(48.5-45.9)S
12.8-11.8-11.4-11.4-11.3-11.6-11.8-12.0-13.2(47.4-48.6)H
12.9-11.8-11.5-11.3-11.1-11.4-12.0-12.0-13.3(47.5-48.7)H
13.1-12.2-12.2-12.3-12.1-12.3-12.2-11.7-12.2(49.8-48.4)S
12.6-12.2-12.6-12.9-11.1-11.6-11.6-11.3-11.7(50.3-46.2)S
12.8-11.7-11.7-11.5-11.5-11.8-12.2-11.9-12.5(47.7-48.4)M

不良馬場で上がりが異常に掛かった2010年やシルポートが逃げた2012年、雨が降って馬場が重くなったことで上がりが掛かっているように見える年は例外として、全体のラップタイムを見ると、平均~スローな流れになりやすく、当然、前に位置した馬が有利になる。なぜこうなるかというと、レースの展開というのは最初の2ハロンまでの流れで決まることが多いからである。

中山1800mコースは、スタンド前の上り坂からのスタートとなり、最初のコーナーまでの距離は205mと極めて短い。そこから1~2コーナー中間まで上り坂が続くため、最初の2ハロンがどうしても遅くなってしまうのである。よって、各騎手がスローを過度に意識しない限り、平均~スローペースに落ち着くことが多く、前に行った馬が有利になる。

■3■持続的なスピードを支えるスタミナ
上記のハロンごとのラップタイムを見ると、最初の1ハロンと最後の1ハロンを除き、11秒台が続いているように、全体的に淀みのないレースになりやすい。どこかで急激に緩んだり、どこかで急激に速くなったりということがないレースとなる。

つまり、爆発的な脚を使えるような馬ではなく、どちらかというと同じ脚を長く続けることの出来る持続的なスピードのある馬にとって有利なレースとなりやすいのである。言い換えれば、瞬間的なスピードよりもスピードを支えるスタミナが優先されるということで、1800m以上のレースで活躍してきたような馬を狙いたい。

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インティ、強すぎ。


フェブラリーS2019―観戦記―
武豊インティが内からスタートダッシュを決めると、外からサンライズソアは2番手に控え、あっさりと隊列は決まった。前半マイルが48秒0、後半マイルが47秒6のフラットな流れは、昨年のハイラップ(45秒8-50秒2)と比べると、このメンバーにしてはゆったりとしたペース。インティに鈴をつけに行くとバテてしまうかもと思わせる速さと強さがあるからこそ、2着に入ったゴールドドリーム以外の後続の馬たちは手も足も出せなかったというのが総評である。

インティの強さは天性のスピードにある。力んで走ってしまい、引っかかるような一本調子のそれではなく、リラックスして速く走ることができる。前走の平安ステークスもそうであったように、今回も先頭に立っても耳を絞ることなく、道中は8分ぐらいの力加減で走っていることが分かる。このようなスピード馬は、騎手としても乗りやすく、余力を残して直線に向くことができる。これで7連勝となり、唯一先頭でゴールできなかったのは初戦の未勝利戦のみ。その時は外から被せられる競馬であったので、今後、馬群に揉まれてどうかという懸念材料はあるが、スピードがありすぎて外から被せられる場面はなかなかないだろう。つまり、よほどの馬ではない限り、これからもインティをということになる。

武豊騎手は今年最初のG1レースを制したばかりか、現在24勝を挙げてリーディングの首位を走っている。エージェントの問題も大きいが、それ以上に今年の武豊騎手は本人のイメージ通りに乗れている印象が強い。この先、暖かくなって、クリストフ・ルメール騎手やミルコ・デムーロ騎手らが巻き返してくるだろうが、今の好循環を崩さないように騎乗し続けることができれば、今年こそはリーディング争いの一角に加われるはず。そうでなければ盛り上がらないし、日本の若手をもっと引っ張ってもらいたい。当たりの柔らかい武豊騎手とインティは実に手が合っており、このコンビがどこまで勝ち進めるのか見守りたい。

ゴールドドリームは、ルメール騎手にうながされるようにして好位を走り、最後まで良く伸びて、昨年の覇者である面目を保ってみせた。相変わらず馬体は素晴らしく、精神面でも安定してきたことで、確実に末脚を発揮できるようになった。暮れの東京大賞典は一頓挫あった後の一戦で万全ではなかったが、今回は1週間前の追い切りで動いたように、抜群の仕上がりでの出走となった。ルメール騎手もレースの流れを読んで、できる限り前目のポジションを攻めたが、今回は相手が速くて強かった。インティとぶつからないようにレース選択をすれば、まだまだG1を勝てるチャンスと能力は十分に残っている。

ユラノトは福永祐一騎手がコースロスなく立ち回り、実力を発揮しての3着。上位2頭とは力の差があるが、この馬自身も力をつけてきている。キングカメハメハ産駒らしく成長力もあり、今年は充実した1年になるだろう。モーニンは和田竜二騎手が積極的に乗って、4着を確保した。前が止まらない馬場を生かした、渋い騎乗であった。

話題となった藤田菜七子騎手は、コパノキッキングを後方から走らせ、最後の直線で大外から伸びて掲示板を確保してみせた。賛否両論あるだろうが、無理に抑えることなく先行させていたとしても4着が精いっぱい、もしくは大きく崩れていたかもしれない。個人的には、この馬にとっては距離が長いことを補うための後方待機であったが、馬場状態を考慮に入れると、コパノキッキングの行く気に任せて前に行った方が、見せ場はつくれたはずと思う。いずれにしても、これはオメガパフュームにも当てはまるが、古馬と同斤量で走る明け4歳馬にとっては厳しいレースになった。両4歳馬共、やや人気になりすぎた面は否めない。藤田菜七子騎手はこれだけの注目を集めながらも、最後までしっかりと騎乗できていた。あの福永祐一騎手でさえ、初めてのダービーは舞い上がって、キングヘイローで逃げてしまったのだから。

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東京ダート1600m

Tokyo1600d1

ポケットからの発走でスタート直後に80mほど芝コースを走る。外枠の方が若干長く芝コースを走ることができ、それを利して外側の馬が内側に圧力をかけながらコーナーに突入するため、内側の馬は窮屈になりやすい。ダートコースに入ってすぐの2コーナーは緩く、進路を左に変える程度のもので、実質的な第1コーナーは3コーナーとなる。そのため、スタートから第1コーナーまでの距離は670mと非常に長く、先行馬にとっては息を入れることのできない速いペースになってしまうことが多い。

それでも、フェブラリーSは1分34秒台という芝なみの速い時計で決着することが多く、前に行った馬も簡単には止まらない。全体的にペースが緩むところがあまりなく、スタートからゴールまでスピードを持続することが求められるため、スタミナがないと克服することが出来ないコースでもある。

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