◎ブラックシェル

Jiromaru

外はまだ雨がしとしとと降り続いています。確か去年のNHKマイルカップも、こんな前夜を過ごした気がします。重馬場を前提として、思い切って10番人気のフレンチデピュティ産駒のハイソサイエティで勝負に出たら、さらに人気薄の17番人気のフレンチデピュティ産駒のピンクカメオが飛んで来た、という驚愕のレースでした。抜けた馬がいないメンバー構成に馬場の影響もあって、今年も混戦模様ですね。

本命は◎ブラックシェルに打ちます。この馬は跳びが大きくて器用さに欠けるため、中山コースでは思ったようなレースが出来ませんでした。また、入れ込む気性ということもあって、強い追い切りがかけられず、太目が残っていたということも惜敗が続いた理由でしょう。それでも常に好走していたのは能力の高さゆえですね。道悪に関してはプラスに働くとは思えませんが、この時期の府中は馬場の回復も早いので、中山の良馬場より走りやすいかもしれません。距離適性もマイル前後の馬ですし、暖かくなってきてそろそろ走り頃です。陣営はここを叩いてダービーと言っていますが、私はここが目イチの勝負だと思っています。パドックで福寿草特別ぐらいの柔らか味と落ち着きがが確認できれば、勝つチャンスは十分と思っていいでしょう。

Blackshell

ディープスカイの前走は圧巻でした。これまでの詰めの甘さが嘘のような、素晴らしい末脚で他馬を飲み込みました。4代母ミスカーミーを根幹とした活力のある牝系に、チーフズクラウンの近親繁殖が加わった血統からも、おそらくハマると強いタイプなのでしょう。逆に言うと、非常に乗り難しい馬であることも確かです。前走のゴール板を過ぎてからの止め際の仕草を見ても、気分良く走ることが出来なければ惨敗する可能性もある馬だと思いました。皐月賞を回避したローテーションは理想的で、最終追い切りの動きにも弾力性があっただけに、気分良く走られれば勝ち負けでしょう。

スプリングソングはデビューから3連勝で臨んできます。馬体や全身を使った走り方共にスケールの大きさを感じさせる馬です。1200m戦で2勝しましたが、レース振りを見る限り、生粋のスプリンターというよりも、マイル前後の距離でこそ良さが出るタイプだと思います。気性もおっとりとしているので折り合いを欠く心配もありませんし、初コースも問題ないでしょう。あとは道悪馬場がどう出るかということだけですが、立ち気味の繋ぎや蹄の角度からはこなせるはずですが、フットワークの大きい馬だけにノメる可能性もあります。追い出してから伸びるかノメるかは、正直半々といったところではないでしょうか。

1番人気に推されそうなゴスホークケンは、逃げ切りが難しい朝日杯フューチュリティSを逃げ切ったように、スピードとパワーは相当なものがあります。ただ、前走は不可解な惨敗を喫してしまいました。追い切りの失敗や落鉄の影響があったとはいえ、あまりにも走らなすぎましたね。悪いところを全部出してしまった分、陣営も開き直って臨んでくると思いますので、巻き返しは十分に期待できますが、勝ち切るまではどうでしょうか。前走を度外視するには、あまりにもリズムが崩れすぎてしまった気がします。

サトノプログレスは前走のニュージーランドTを制しましたが、内枠からロスなく進み、非の打ち所がないほどレースが巧く進みすぎた感があります。あれ以上のレースは出来ないといったほどで、決してこの馬の力が抜けているわけではありませんね。再び横山典弘騎手が最高に乗ればチャンスは十分にありますが、果たしてどうでしょうか。父がタイキシャトルで、頭の若干高い走法からも、重馬場は苦にしないはずです。

ファリダットは将来性の高い馬です。ゆっくりと順調に育てていけば、いずれは短距離のトップホースに上り詰める可能性を秘めた馬だと思います。たとえ将来の短距離馬でも、この時期であればまだ馬体が緩いので、マイルをこなせてしまいます。たとえば、一昨年に2、3着したファイングレインやキンシャサノキセキは本質的にはスプリンターですが、この時期だからこそ距離をこなせました。古馬になるにつれ、距離適性が顕在化してしまうということです。何が言いたいかというと、この馬も同じパターンで、マイルの距離を心配することはないということです。勝ち切れるかどうかは別にして、馬券に絡んでくることは間違ないでしょう。

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集中連載:「調教のすべて」第12回

Tyoukyou17

それでは次に、「馬場状態」に話を進めていきたい。

坂路コース、ウッドチップコース、ニューポリトラックコースでの調教は、程度の差こそあれ、競馬場の芝コースと同じく、良→稍重→重→不良になるにつれ時計が掛かるようになる。対して、ダートコースでの調教は競馬場のダートの馬場状態と同じく、良→稍重→重になるにつれ時計が速くなる(不良の場合、逆に時計が掛かるのも同じ)。

また、これは調教欄には表れないことだが、追い切りが行われた時間帯によっても馬場状態は異なる。馬場の均一が保たれるニューポリトラックコースを除く、坂路コース、ウッドチップコース、ダートコースは朝一が最も馬場状態が良く、追い切りが行われるにつれ、蹄跡が残り、馬場は掘り返されて次第に走りづらい状態へと変化していく。たとえ同じ日に行われた追い切りでも、朝一のまっさらな馬場状態で行われたものと、ハロー掛け直前のボコボコの状態で行われたものとでは、時計の出やすさが全く違うのである。

このように、調教時計は馬場状態によって大きく影響を受けるため、それ自体の遅速をあまり鵜呑みにはしないほうがよい(このことについては「調教時計」の項で詳しく説明する)。時計が速ければ良い追い切りで、遅ければそうではない、ということではないのだ。素晴らしい内容の追い切りでも数字(時計)だけをみれば平凡で、逆にごく普通の内容の追い切りでも速い時計が出てしまうこともあるからだ。

次は「騎乗者」について。「騎乗者」は、基本的にはその厩舎に所属している調教助手やジョッキーであることが多い。アドマイヤムーンの宝塚記念に臨む際の追い切りを、もう一度見てみよう。

アドマイヤムーン
6/09(土) DW 重 助手      73.5-57.3-42.2-12.0 ⑨ 馬なり
6/10(日) 栗坂 稍 助手      55.8-41.3-27.7-13.9   馬なり
6/13(水) DW 良 岩田   85.4-69.0-53.7-39.5-11.2 ⑨ 一杯
6/16(土) DW 稍 助手 (7)98.4-69.2-55.0-41.1-12.7 ⑨ 馬なり
6/21(木) DW 良 助手 (7)95.6-66.5-52.5-38.3-11.5 ⑨ 一杯

6月13日(水)に岩田騎手が跨った追い切り以外は、調教助手が騎乗していることが分かる。追い切りにジョッキーが跨らない理由としては、もちろん体がひとつしかないので全ての騎乗馬の調教をつけられないということもあるが、それ以上に、調教というフィールドにおいては、調教助手の方がしっかり乗れるからである。ここで言う“しっかり”とは、調教師の指示したタイムや内容どおりに乗れるということである。毎日、数多くの追い切りをこなしている調教助手は、調教におけるスピードを把握する体内時計がジョッキーよりも正確なのである。

そこで問題になってくるのが体重である。小柄なジョッキーと調教助手とでは体重が全くと言ってよいほど違うので、当然、50kg前後の体重の軽いジョッキーが乗った方が速いタイムが出る。つまり、調教時計は調教での乗り役によっても大きく影響を受けるため、それ自体の遅速をあまり鵜呑みにはしないほうがよいということがここでも言える。また、ジョッキーが跨ってしまうと、レースが近いことを馬が察知(もしくは勘違い)してしまい、入れ込んでしまうということもある。馬がエキサイトしたことにより、つい予定よりも速い時計が出て、調整過程に狂いが生じてしまうのだ。

Tyoukyou16_2

それでもジョッキーが追い切りに乗るのは、一度でも跨っておくことにより、その時点での体調やその馬の個性、特徴、適性などを大まかに把握することができるからである。特にテン乗りの場合などは、レース前に一度跨っておくかどうかで、レースの組み立てが違ってくるし、何よりもジョッキーの心理面での安心度が増すはずである。たとえ一流ジョッキーであろうとも、実際に追い切りで跨ってみて、前もって騎乗馬の個性、特徴、適性などを把握しておくことのメリットは非常に大きい。

(次回へ続く→)

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バクシンオー産駒らしくないスプリングソング:5つ☆

エイシンフォーワード →馬体を見る
コロンとした体つきからも、府中のマイル戦では僅かに距離が長い。
メリハリに欠ける未完成の馬体で、もうひと絞り出来そう。
Pad2star

ゴスホークケン →馬体を見る
トモが高く、いかにもスピードとパワーに溢れる馬体。
その分、折り合いの心配と、追い比べになった時に不安が残る。
Pad3star

サトノプログレス →馬体を見る
国枝厩舎らしい、ふっくらとした重厚感のある体つきでパワーを感じさせる。
欲を言えば、もう少し皮膚に薄さが出てくればもっと切れるだろう。
Pad3star

スプリングソング →馬体を見る
バクシンオー産駒らしくない、全体的に伸びのある好馬体を誇る。
表情からものんびりした性格が窺え、マイル戦でも折り合いを欠く心配はなさそう。
Pad5star

ダノンゴーゴー →馬体を見る
いかにも短距離で切れそうな、トモ高で胴が詰まった馬体。
ただ、この馬にとっても、府中のマイル戦は僅かに距離が長いか。
Pad3star

ディープスカイ →馬体を見る
思っていたよりも皮膚が厚く、もうひと絞り出来そうな馬体に映る。
立ち姿よりも、走り出して良いタイプの馬なのだろう。
Pad3star

ドリームシグナル →馬体を見る
大きなマイナス点はないが、これといった強調材料もない。
手脚が長いので、府中のマイル戦は十分に対応できるだろう。
Pad3star

ファリダット →馬体を見る
ビロードのように薄い皮膚が美しいが、まだ後肢の筋肉が物足りない。
幼さを窺わせる表情からも、将来的にはもっと良くなる馬だろう。
Pad4star

ブラックシェル →馬体を見る
鍛え上げられた馬体は力強いが、ギスギスした感は否めない。
トモ高の馬体からは、ダービーの距離は明らかに長く、狙うならここか。
Pad3star

レッツゴーキリシマ →馬体を見る
しっかりと立てていないように幼さを残すが、全体的な雰囲気は悪くはない。
馬体的にも強調材料はないものの、平均的に脚を使う馬なのでこれで良し。
Pad3star

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何も死ぬことはない

Jiromaru

最近、悲しい出来事が続きますね。私たちの誰もが知っている馬たちが、次々とこの世を去っていきました。走るために生まれてきたサラブレッドにとっても、競馬のレースは激しく厳しいものです。特に現代の競馬は経済的になってきていることもあり、悲しいかな、私たち人間と同じく、サラブレッドも心身に大きなストレスを抱えて走っています。胃潰瘍を患っていない競走馬はいないとも言われています。明日、別の馬が倒れることがあっても何ら不思議はありません。

人や馬の死を想う時、私はいつも映画「エレファントマン」の最後のシーンで用いられた一編の詩を思い出してしまいます。イギリスの詩人テニソンの「何も死ぬことはない」という詩です。組織が変形・膨張する難病に侵された主人公のジョセフ・メリックが、薄れていく意識の中で、変わりゆく自分を愛し続けてくれた母親が朗読するこの詩を聞くラストシーンです。

Never, oh! never, nothing will die;
The stream flows,
The wind blows,
The cloud fleets,
The heart beats,
Nothing will die.

とんでもない。何も、死ぬことはない
川は流れる
風は吹く
雲は空を行く
心臓は鼓動する
何も死ぬことはない

誰にとっても、明日が訪れるという保証などどこにもありません。今日こうして生きていることと、明日も生きていることの間には明確なつながりなどなく、彼我の間には深く広い川が流れているわけではありません。私たちの人生は、あたかも一本の線で出来上がっているように思えますが、そうではなく、ほとんど奇跡的な一瞬によってのみ存在し、これからも存在するのでしょう。

競馬のレースがそうであるように、私たちの人生も、必然的にこうなったのではなく、偶然が重なり続け、たまたまこうなっただけなのです。もしかすると、ほんのわずかな一瞬の違いで、私たちはここにいなかったかもしれません。ひとつ何かが違っていれば、全く別の人生を生きていたはずです。そして、今ここからさえも、全く別の人生を歩むことが出来るのです。

何も死ぬことはありません。私たちの人生は私たちが考えているほど、今ここにある絶対的なものではなく、川が流れたり、風が吹いたり、雲が空を行ったり、心臓が鼓動したりするように、もっと流動的なものなのです。全ては流れ、変化し続けていくのです。消えることはありません。

私たちにできることは、彼ら彼女らの個別の死を受け入れつつ、生をその全体において抱きしめることです。明日は何が起こるか分からないという根源的な不安と期待と喜びを抱きながら生きていくことです。今、頑張って走っている馬たちを応援することです。もちろん馬券も当てなければなりませんね。今週も競馬を思う存分に楽しみましょう!



映画「エレファントマン」のラストシーンです。興味ある方はどうぞ。(約4分間)


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BABOOからの手紙:競馬場にて思ったこと

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少なくとも最後まで歩かなかった

Tennosyoharu08 by M-style
天皇賞春2008-観戦記-
予想していた以上に、いや期待外れに、横山典弘ホクトスルタンが前半1000mを61秒1と抑えて進んだことにより、レースは例年通りの上がり1000mの競馬となった。これにより、2600mを走って、さらに残りの3ハロンを34秒台で上がることの出来る、瞬発力のある馬にとって有利なレースとなった。

勝ったアドマイヤジュピタにとって、出遅れてしまったことが結果的には吉と出た。もし好スタートを切っていたとすれば、外枠からの発走ということもあり、道中は終始アサクサキングスの外々を回されて脚を失っていたかもしれない。腹を括って、無理にポジションを押し上げるようとせず、メイショウサムソンの後ろの経済コースを進んだ岩田康誠騎手の判断も見事であった。

もちろん、最後は差し返してきたメイショウサムソンを振り切ったように、アドマイヤジュピタの力も相当なものである。コロンとしたステイヤーらしくない体型だが、それを補って余りあるステイヤーとしての気性の良さ(賢さ)がこの馬にはあり、道中で無駄な動きをしないからこそ最後の末脚が生きた。日経新春杯こそ調整に失敗して惨敗してしまったが、前走は馬体重を元に戻して勝利し、今回は極限まできっちりと仕上げられていた。この後はゆっくりと休養を取り、秋には海外からの一流馬を迎え撃って欲しい。

メイショウサムソンは、一瞬差し返したかと思ったが、最後はねじ伏せられてしまった。前走をひと叩きされて、形どおり良化していたのだろう。道中は強かった頃の行きっぷりの良さが窺えた。ただ、最後は競り負けてしまったことも事実で、この馬にとっては距離が若干長いということ以上に、肉体面、そして特に精神面において、未だ完調には戻りきっていないということだ。放牧に出されることなく大レースを走り続けてきたサムソンに、もう一度、あの唸るような走りを期待してしまうのは酷だろか。負けてしまったものの、武豊騎手のペース判断が光ったレースでもあった。

1番人気を裏切る形になったアサクサキングスにとって、前半の1000mが思いのほか遅く流れてしまったことが苦しかった。3コーナーの坂を下りながら、自ら早目に動いていったのだが、後方で脚を溜めていた馬たちにそれ以上の脚を使われてしまった。スタミナ勝負に持ち込めなかったことに悔いは残るだろうが、この馬としては良く走っている。ただ、直線では追われてフラついていたように、若さを残しているということだけではなく、少し太目が残っているかもしれない。いずれにせよ、全てを撥ね返して春の盾を手にするだけの力は付いていなかったということだ。

親子4代制覇の夢は叶わなかったものの、ホクトスルタンは昨年と比べて、少しずつ力を付けてきている。横山典弘騎手はもう少しペースを上げてくるのではと考えていたが、もしかすると菊花賞の二の舞にならないようにか、それともスタミナに不安があったのか、今回は抑える作戦に切り替えてきた。結果的に4着に残ったのだから大健闘ともいえるし、京都3200mの勝ちパターンではなかったともいえる。

ポップロックは昨年の有馬記念を境として、年齢的な衰えを感じざるを得ない。本質的にはステイヤーではないが、堅実だった馬がここまで惨敗をしている以上、ピークを過ぎてしまったのだろう。ドリームパスポートにとっても距離が長いだけではなく、今回のレースを観る限りは、3歳時のような勢いはなく、翳りが見え始めてきていることは否めない。

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NHKマイルカップのラップ分析

Nhkmilec

12.3-10.5-11.1-11.2-11.6-12.1-12.0-11.8(45.1-47.5)H
1:32.6 タイキフォーチュン
12.4-11.1-11.5-11.6-11.6-11.9-11.1-11.9(46.6-46.5)M
1:33.1 シーキングザパール
12.6-10.6-11.8-11.8-11.7-11.9-11.1-12.2(46.8-46.9)M
1:33.7 エルコンドルパサー
12.5-10.4-11.2-11.7-11.9-12.3-11.5-12.3(45.8-48.0)H
1:33.8 シンボリインディ
12.2-10.7-11.3-11.7-11.8-12.1-11.5-12.2(45.9-47.6)H
1:33.5 イーグルカフェ
12.2-10.6-11.4-11.9-11.7-11.7-11.4-12.1(46.1-46.9)M
1:33.0 クロフネ
12.3-10.5-11.2-11.3-12.0-12.0-12.0-11.8(45.3-47.8)H
1:33.1 テレグノシス
12.0-10.9-11.2-11.7-12.0-11.6-12.1-12.7(45.8-48.4H)
1:34.2 ウインクリューガー
12.1-10.7-11.1-11.7-12.2-11.6-11.7-11.4(45.6-46.9)H
1:32.5 キングカメハメハ
12.5-11.0-12.0-11.9-12.0-11.3-11.3-11.6(47.4-46.2)S
1:33.6 ラインクラフト
12.1-10.8-11.3-11.5-11.8-11.7-11.5-12.5(45.7-47.5)H
1:33.2 ロジック
12.1-10.5-11.6-12.0-12.3-11.5-11.7-12.6(46.2-48.1)H
1:34.3 ピンクカメオ

雨が降り続く中で行われた平成15年と昨年以外、どの年も1分33秒台、もしくは32秒台に突入するタイムでの争いとなっている。3歳の春にマイルを1分33秒台で走るということは、スピードだけではなく、この時点での完成度も問われる一戦になるということだ。第6回まで外国産馬が上位を独占したのも、内国産に比べて完成度が高かったからである。また、牝馬は総じて早熟なので、この時期までであれば牡馬相手でも十分に通用する

府中のマイル戦は向こう正面の直線入り口からのスタートで、第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は566mとかなり長い。スタートしてから緩い下りが続くことも加わって、前半から速いラップが刻まれることになる。そのため、前半800mと後半800mの時計の違いが1秒以上あるハイペースとなるケースが非常に多い。連対馬中の逃げ馬の比率が12%という、「日本で最も差し馬が有利なコース」である。また、前半が速くなることによって、マイル以上のスタミナが要求され、スピードだけでは押し切れないレベルの高いレースとなる

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◎アサクサキングス

Jiromaru

今年の天皇賞春も好メンバーが揃い、果たしてどのようなドラマが私たちを待ち受けているのでしょうか。ホクトスルタンが勝てば、メジロアサマ→メジロティターン→メジロマックイーンに続く、親子4代天皇賞春制覇。メイショウサムソンが勝てば、テイエムオペラオー以来、史上2頭目の天皇賞春秋3連覇。ちなみに、武豊騎手は天皇賞春と秋をあわせて計10勝しており、今回勝つことがあれば、保田降芳元ジョッキーの記録を塗り替えることになります。アイポッパーが勝てば、史上初の8歳馬による優勝となります。

それでも、私は自信を持って◎アサクサキングスに本命を打ちたいと思います。クラシック3冠最後の菊花賞を獲ったようにスタミナは豊富ですし、跳びの大きなフットワークからも、距離が伸びて良いタイプです。横山典弘騎手が2戦目の百日草特別でこの馬の長距離適性を見抜いたのは有名な話ですが、おそらく自身が乗って勝った20004年の天皇賞馬イングランディーレに似た、ホワイトマズル産駒のステイヤーに特有の走るリズムを感じ取ったのでしょう。その横山典弘騎手は、メジロマックイーン産駒のホクトスルタンに乗り、敵としてアサクサキングスに立ちはだかるのですから、競馬は面白いスポーツです。

アサクサキングスの前走は負けて納得のレースでしたね。直線ではダイワスカーレットに引き離されてしまいましたが、それでもステイヤーらしい負け方だったと思います。あまり阪神の2000mで上手な競馬をされても、かえって心配になってしまいますからね。小回りから京都の外回りに替わって、今回は伸び伸びと走ることが出来るはずです。外枠を引いてしまいましたが、1コーナーまでの距離も長いですし、この馬に関しては自分のフットワークで走られる分、馬群に閉じ込められず好材料になるでしょう。前走をひと叩きされて、大きく変わってくるはずです。最終追い切りも重苦しさのない満足のいく動きでした。

もし足元をすくわれることがあるとすれば、極端な瞬発力勝負になった時ですが、これは四位騎手が積極的に仕掛けることにより防げることだと思います。切れる脚がない分、スタミナ勝負に持ち込むためには、他馬よりも少し早目に動きたいですね。菊花賞や産経大阪杯でもそのように仕掛けているように、四位騎手も手の内に入れているはずです。慎重になって仕掛け遅れだけはNGです。ホクトスルタンを目標に、3コーナー下り坂から早めに動いて行くようなイメージで、自信を持って乗って欲しいですね。

アサクサキングスが強引に動いて、上がりが掛かるスタミナ勝負のレースになった場合は、安藤勝己騎手が後ろで虎視眈々と狙っているはずのアドマイヤモナークが面白い存在です。勝ち切るのは難しいと思いますが、今年に入っての充実度からも、展開が向けば、2着争いに加わるチャンスがあります。また、雨が降って馬場が重くなれば、この馬のパワーとスタミナがさらに生きるはずです。言い忘れましたが、アサクサキングスはフットワークからも道悪は苦手ですので、雨が降って馬場が悪くなれば評価を落とさざるを得ませんね。

親子4代制覇の夢が託されているホクトスルタンは、前走のサンシャインSが素晴らしいレース振りでした。馬なりで先頭に立つと、道中は力みなく走り、スピードで他馬を圧倒しました。まるでセイウンスカイのレースを見ているような気がしましたね。前走はメンバーが弱かったので、G1レースの中での力差が正直分かりませんが、アサクサキングスに勝つチャンスがあるとすれば、この馬かなと思います。ホクトスルタンもアサクサキングスもそうですが、母父にサンデーサイレンスが入っていることにより、スピードが存分に補われていますね。たとえ3200mの長距離戦であったとしても、メジロマックイーンやホワイトマズルの血だけでは勝つことは難しいでしょうから。

昨年の覇者メイショウサムソンからは、昨年ほどの勢いを感じません。昨年は冬場を放牧にあてたおかげで心身ともに回復し、馬が唸っているほどの出来でしたから。本質的には中距離馬ですが、昨年は抜群の体調の良さと勢いでなんとか凌ぎ切りましたね。今年はドバイ遠征のプランもあり、放牧には出されず、ずっと厩舎で調整されてきました。時間を掛けて調整されたため、どん底だった有馬記念以来、前走を叩かれて上昇ムードですが、どうしても昨年ほどには映りません。もちろん、実力のある馬ですので、勝ち負けにまで持ち込んでくるかもしれませんが、そう簡単に勝てるとは思えず、今回は評価を下げたいと思います。

アドマイヤジュピタは前走の阪神大賞典を勝ち、長距離戦におけるセンスの良さを証明しました。岩田騎手の騎乗も絶妙だったと思います。この馬の体型は、フレンチデピュティ産駒らしいコロンとした太目に映るそれですが、それでも長距離を走るのは気性の良さゆえでしょう。ジョッキーの指示に素直に従って折り合える賢さが、この馬の最大の武器ですね。もちろん、母父リアルシャダイからのステイヤーの血を引いているということでもあります。ただ、G1レースを勝つにはまだパンチ力に欠けるような気がします。前走で岩田騎手が派手なガッツポーズをしたのも、そういう意味もあるのではと解釈しています。

ポップロックは年齢的に峠を過ぎているのではないでしょうか。有馬記念での凡走がそのことを如実に物語っていると思います。前走にしても、仕上がりも悪くなかっただけに、衰えを隠しきれない敗退でした。どちらかといえば、8歳馬でもまだまだ若々しいアイポッパーの方が面白いでしょう。もう1頭の実力馬ドリームパスポートにとって、3200mの距離は長いのではないでしょうか。2000m前後の距離で一瞬の脚を生かすタイプだと考えていますので、よほど展開が嵌らない限り勝ち負けにはならないはずです。どちらかといえば、次走の宝塚記念でチャンスがあるのではないでしょうか。


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申し込み受付を終了させていただきます。

「21世紀の馬券戦略ライブCD」のお申し込みが規定数に達しましたので、受付を終了させていただきます。“残り僅か”の告知も出来ず、突然で申し訳ございません。お申し込みいただきました皆さま、どうもありがとうございました。天皇賞春、そしてこれからのG1シリーズに向けて、ぜひとも実践してみてください。

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心震えるレースを

Jiromaru

天皇賞春ではたくさんの名勝負が繰り広げられてきましたが、今でも私の記憶に鮮明に残っているのは田原成貴騎手がマヤノトップガンに乗って勝った平成9年のレースです。レース後は、1日興奮して眠られなかったことを覚えています。もう10年以上も前のことなのですねぇ。競馬におけるありとあらゆる綾が散りばめられた素晴らしいレースで、今観ても心が震えます。

その天皇賞春に臨むにあたって、さすがの田原成貴騎手も、宿敵サクラローレルに勝てる方法が見出せなかったといいます。当時のサクラローレルは、晩成の血が開花した真っ盛りでした。前年の天皇賞春でナリタブライアンをねじ伏せてからというもの、天皇賞秋こそ脚を余して負けてしまいましたが、有馬記念では圧倒的な力を見せつけて勝利しました。確かに天皇賞春はブッツケではありましたが、それすら不安に感じさせないほど、まさに付け入る隙のない強さを誇っていました。どう計算しても勝ち目がないと田原成貴騎手が感じたのももっともだったと思います(実際に私もサクラローレルに本命を打ちました)。

そこで、マヤノトップガンの田原成貴騎手はアルパチーノのビデオを、レース前に何度も何度も観たそうです。えっ、アルパチーノ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうです。あの「ゴッドファーザー」のアルパチーノです。アルパチーノは私も大好きな俳優で、彼の主演している映画の中では特に「セントオブウーマン」が好きです。盲目の退役兵役なのですが、スポーツカーをかっ飛ばしたり、女性とダンスを踊るシーン、そして、「I’m in the dark !(私は暗闇の中にいる)」というセリフが深く印象に残っています。とまあ映画について語り出すと、「ガラスの映画館」になってしまうのでこの辺で。

なぜ田原成貴騎手が本番前にアルパチーノのビデオを繰り返し観たかというと、意識を消すためだったといいます。演技をしているのに演技をしていないように見えるアルパチーノを見て、そこには余計な意識が働いていないことを悟ったそうです。つまり、ジョッキー(自分)にとっては、何もしない(騎乗技術を使わない)ことが正しい騎乗につながるのであって、今回の天皇賞春をマヤノトップガンで勝つ唯一の方法だと確信したのです。

スタートしてからわずかにマヤノトップガンは引っ掛かったものの、スタンド前までになんとか折り合いがつきました。マヤノトップガンのような首の低い馬は一旦引っ掛かると抑えるのに苦労するのですが、おそらくこれは田原成貴騎手が技術で抑え込んだわけではなく、意識を消すことに成功したのでしょうね。スタンド前を走る馬群の中に、田原成貴騎手とマヤノトップガンの気配がスッと消えて行ったのを私は感じました。

実はこれには伏線があって、マヤノトップガンはこれまで逃げ・先行して結果を出してきた馬でしたが、前走の阪神大賞典では後ろから行く競馬をしたのです。マヤノトップガンの前進意欲が年齢と共になくなってきていたということもあり、田原成貴騎手はマヤノトップガンの気持ちを尊重する乗り方をしたのです。前哨戦はメンバーも違うので結果を出すことが出来ましたが、本番の天皇賞春で同じ乗り方をして通用するかどうか、半信半疑なところがあったと思います。しかし、田原成貴騎手は、勝ちたいという意識だけではなく、そういったマイナスの意識も全て消そうとしたのです。

3コーナーを過ぎて、2週目の下り坂からサクラローレルが動き出しました。これは横山典弘騎手の意識というよりも、サクラローレルが休み明けであった分、力んでしまったということでしょう。その動きにつられて、マーベラスサンデーに乗った武豊騎手が動き出しました。武豊騎手はサクラローレルさえ負かすことが出来れば勝てると計算したのでしょう。田原成貴騎手が凄かったのはこの時点で全く動かなかったことです。この時の心境を田原騎手は後にこう語りました。

机上の計算では、あの時の馬場状態を考えると、もう少し差をつめておかなければとても届かない差であったと思う。それを私が意識していれば…、今はっきり言えること、それはただひとつ。あの時、もし差を詰めてしまっていれば、あの上がりの脚をマヤノトップガンは使えなかったということ。

しかし、たとえレースがあのように流れても、あそこで動かなければ最後にあの鋭い脚を使う、その思いは私の中に1パーセントもなかった。それが阪神大賞典から天皇賞まで私を悩ませつづけた全て。

その思いを消すことが、私がマヤノトップガンを天皇賞馬に導いてやれる全てだった。
(「馬上の風に吹かれて」 田原成貴著)

サクラローレルがマーベラスサンデーを差し返して、私が自分の馬券の勝利を確信した瞬間、外から信じられない脚で飛んで来たのが田原成貴マヤノトップガンでした。視界の外から飛んできたフックパンチに当たった時のように、脳みそがグラっと揺れたのを私は感じました。この感覚は後楽園ウインズにいた他の競馬ファンも同じだったようで、ゴールが過ぎて数秒の間が空いた後にようやく、「トップガンだ!」という大歓声が起こったことを憶えています。

今年もまた、心震えるレースを観てみたいものです。

平成9年天皇賞春

このレースは必見です!

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サムソンの巻き返しがあっても不思議ではない

アイポッパー →馬体を見る
とても8歳馬とは思えない若々しい馬体を誇る。
全盛期のしなやかさこそないが、力強さは増している。
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アサクサキングス →馬体を見る
いつも良く見せる馬なので、特に大きく変わったところはない。
全体のバランスは絶好で、立ち姿にも気品がある。
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アドマイヤジュピタ →馬体を見る
コロンとした体型は幼さを残し、ステイヤーらしくはない。
それでも距離をこなすのは、表情から伝わってくる気性の良さゆえだろう。
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アドマイヤフジ →馬体を見る
胴部が短く映るように、長距離戦に臨むにあたってはもうひと絞り欲しい体つき。
気迫溢れる表情は良いが、馬体のバランスに特筆すべきはない。
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トウカイトリック →馬体を見る
440kg台の馬とは思わせない、パワー溢れる馬体を誇る。
ただ、いつも太く見せる馬だが、今回は特に絞りきれていないのが現状か。
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トウショウナイト →馬体を見る
距離延長はプラスには働かないガッチリとした馬体だが、毛艶は冴えて体調自体は良好。
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ドリームパスポート →馬体を見る
全体的にまとまった、バランスの取れた好馬体。
ただ、後ろ肢の肉付きが物足りないため、迫力に欠ける。
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ホクトスルタン →馬体を見る
芦毛だけに見極めが難しいが、体のメリハリがもう少し欲しい馬体。
菊花賞時に比べると今ひとつの出来に映る。
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ポップロック →馬体を見る
相変わらず、安定した馬体の出来を維持している。
ただ、有馬記念以降の走りからも、目に見えない年齢的な衰えもあるかも。
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メイショウサムソン →馬体を見る
いつも良く見せない馬だが、今回は前走をひと叩きされて上向いている。
前走は惨敗したが、体調的には巻き返しがあっても不思議ではない。
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